IQ(知能指数)とは知能を数値で表したもの!測り方や高める方法をわかりやすく解説
「IQ(知能指数)」とは何かご存じでしょうか。この記事では、知能指数についての基本的な知識をはじめ、知能指数が高い子どもの特徴や、知能指数を高める方法まで詳しく解説しています。また、知能検査の方法についても紹介するため、興味のある方はぜひご一読ください。
「IQとか知能指数ってよく聞くけど、結局どういうことなの?」
「IQを測ることにはどんな意味があるの?」
「IQが高いと、何かいいことがあるの?」
など、「IQ」という言葉を聞いたことがあっても、その内容までは詳しく知らない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「知能指数」とは何を示すものかをはじめ、知能指数が高い子どもの持つ特徴や、子どもが知能指数を測定する意義まで詳しく解説しています。
また、知能指数を測定する方法や、子どもの知能指数を高めるためにできることなども紹介しているため、適切なトレーニングで、子どもの持っている能力を伸ばせるようになるでしょう。
知能指数について興味のある方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
IQ(知能指数)とは知能を数値で表したもの
IQ(知能指数)は「Intelligence Quotient」を略した言葉で、日本語では「知能指数」と呼ばれています。
たとえば、「頭がいい人はIQが高い」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、IQが表すのは学力ではありません。
IQで測れるのは、記憶力や推理力、判断力など幅広い分野の能力値です。そのため、その学習に関係する分野のIQが高い人であれば、学力も高くなる可能性があるといえるでしょう。
ここでは、IQの測定方法について詳しく見ていきます。どのような基準で数値が算出されるのか、参考にしてください。
IQ(知能指数)は「精神年齢÷生活年齢×100」で算出される
従来のIQは、主に「精神年齢÷生活年齢×100」で算出されていましたが、現在はDIQ(偏差知能指数)が使われることが増えています。
DIQでは「15」を標準偏差とする検査を行い、同年齢のなかでどの程度の知能指数があるのかを表します。従来のIQもDIQも、どちらも平均は100です。
検査で算出した数値が高いほど、知能が高いことを示します。
IQ(知能指数)とEQ(心の知能指数)の違い
「EQ(心の知能指数)」は、人間関係を構築する能力やライフスキルのような、人が社会生活を営むために必要な力を測定します。EQは、「EmotionalQuotient(感情指数)」を略した言葉です。
EQは、自制や同情、共感など心の動きにかかわる能力のため、数値が高い方が人間関係を円滑にしやすいといえるでしょう。
IQもEQも、人が持つ能力の指標であるため、どちらも社会生活をする上で重要になります。ただし、それぞれ測定の対象が異なるため、「どちらが高い方がよい」といった単純な比較はできません。
IQ(知能指数)が高い子どもの特徴
IQは、人の認知力や問題を解決する力、論理的思考力などを表す指標です。IQの高い子どもは、日々の暮らしのなかでもそれらの能力を発揮している可能性があります。
IQが高い子どもにはどのような特徴があるのか、以下に共通する特徴を紹介します。ぜひ参考にしてください。
論理的思考力が高い
IQが高い子どもは、物事のつながりを意識しながら思考するため、論理的思考力が高いでしょう。
自分のなかで筋道を決め、それに沿った根拠を持って話すため、いいたいことをはっきりと明確に述べることができます。
また、話す内容を理解しているため、必要なことだけを要約して伝えたり、わかりやすく説明したりすることが得意でしょう。
集中力がある
何かをしているときに、ずっと熱中し続けているような特徴を持つ子どもは、IQが高い可能性があります。
IQの高い子どもには、自分が納得できるまで、全力で物事に取組む性質があります。周囲に気が散るような環境があったとしても、気にせずに集中しているでしょう。
また、このような子どもは気持ちの切り替えも上手です。休むときにはきちんと休み、集中するときはしっかり集中できます。
記憶力が高い
IQの高い子どもは、他の人が忘れてしまうようなことでも覚えていたり、興味のあることは丸ごと覚えていたりするなど、記憶力が高いことが特徴です。
駅名や国名といった、覚えるのが難しいようなことでもいつの間にか覚えています。そのような子どもは、予習や復習を繰り返す必要はなく、学校で学んだことをすぐに覚えるでしょう。
記憶力が高い子どもは、さまざまな知識を蓄えることが得意なため博識です。
好奇心が旺盛である
知識欲や好奇心が強く、さまざまなことに興味を持つことも、IQが高い子どもの特徴でしょう。
小さな頃から身の回りにあるものに疑問を持ち、周囲にたくさん質問しているような子どもは、IQが高い可能性があります。
日常生活のなかで、保護者や他の子どもは気にしないようなことでも、IQが高い子どもにとっては興味の対象になります。
知らないことや、わからないことを調べようとする意欲も強いでしょう。
粘り強く物事に取組む
IQの高い子どもは、わからないことや困難なことがあってもすぐに諦めようとはせず、どうすれば理解できるのか、解決方法を探そうとします。
簡単には解けないような問題を出されても、すぐに諦めることはありません。どうにかして解こうと試行錯誤する意欲があります。
ヒントを出そうとしても、それを嫌がり、自分の力だけで答えを見つけ出そうとする傾向が高いです。
感情を上手にコントロールできる
状況によって自分の感情をコントロールできるような子どもは、IQが高いでしょう。
IQが高い子どもは、感情のままに行動するようなことはなく、その場に応じた行動がとれます。騒いではいけないような場所ではしっかり周囲を観察し、落ち着いて行動するでしょう。
一方、公園などの遊んでいい場所では、他の子どもと同じように遊びます。自分の感情を優先するのではなく、感情をコントロールして、場にふさわしい行動をとります。
情報を処理する能力が高い
IQが高い子どもは、物事の本質を素早く理解できるため、情報を処理する能力が高い可能性があります。
たとえば、同時に取り掛からなければならない課題がいくつかあったとしても、IQの高い子どもであれば、すぐに優先順位を決めることができるでしょう。いちばん先に取り掛かるべきことがわかるため、効率的に課題を進められる傾向があります。
IQ(知能指数)を測定する方法
IQは、知能テストで測定できます。ここでは、日本で行われている主な知能テストを紹介しましょう。
基本的に、知能テストは公認心理師や臨床心理士と1対1で行いますが、単独で受けられるものもあるため、参考にしてみましょう。
IQテスト力脳forスゴ得
「IQテスト力脳forスゴ得」は、本格的な12~15問のIQテストで簡易的にIQを測れるサイトです。
知能検査の簡易版で、数問しかないため短時間で受けられるでしょう。1万人の中で自分がどの位置にいるのかがわかります。更新が頻繁に行われているため、しばらくしてから、また受け直すことが可能です。
また、脳を元気にしてくれるパズルが1日1問更新されます。利用にあたっては、スゴ得コンテンツの契約が必要になります。詳しくは「スゴ得コンテンツのホームページ」をご確認ください。
田中ビネー知能検査
「田中ビネー知能検査」は、日本人向けの知能検査です。日本人の国民性や生活様式、文化などに合わせた問題を採用しているため、検査を受ける側の抵抗が少ないのが特徴といえるでしょう。
時代の変化に合わせて知能検査の内容を変えており、現在は「田中ビネー知能検査V(ファイブ)」まで出ています。
この検査は2歳から利用可能で、年齢に応じた問題で構成されています。問題ごとにその年齢の基準が示されているため、できなかった子どもに対して、どのようにケアしていけばよいかかがわかるでしょう。
ウェクスラー式知能検査
「ウェクスラー式知能検査」は、日本でもよく使われている知能検査です。現在は日本向けの最新版として、「WAIS -Ⅳ知能検査」が登場しています。
ウェクスラー式知能検査の特徴は、成人向けということでしょう。そのため、対象年齢は16歳から90歳11か月までです。
WAIS- Ⅳ知能検査では、15の下位検査と10の基本検査を行います。ちなみに、基本調査は15の下位調査のなかに含まれています。調査では言語理解指標・知覚推理指標・ワーキングメモリー指標・処理速度指標の4つと、全般的な指標を算出します。
子どもの知能指数を測定する意義
知能検査を行って子どもの知能指数を測定することには、子どもに対する理解を深められるという意義があるでしょう。
知能検査の結果によって、保護者の視点ではなく、客観的な視点から子どもの能力を測ることができます。子どもの能力を理解することで、今後の接し方や教育に活かせるでしょう。
以下では、知能検査をするメリットや検査結果の活用方法を紹介します。
発達障がいやそのほかの疾患の有無を診断する際の判断材料になる
知能検査をすることは、子どもの発達に問題はないか、疾患などはないか判断する材料になるでしょう。
たとえば、「WAIS-Ⅳ」という知能検査では、言語理解や知覚推理など、さまざまな指標で子どもの知的能力を測ります。これにより、子どもの知能の発達水準だけでなく、認知能力の癖もわかります。
その結果をもとにすれば、発達障がいや疾患の可能性ばかりでなく、子どもの得手不得手なども把握できるため、さまざまな症状に診断名をつける際の参考情報になるでしょう。
学習に関する適切な指導・支援を受ける際の判断材料になる
知能検査を実施することで、子どもが持つ能力についての理解を深め、適切に指導・支援していけるようになるでしょう。
知能検査では、子どもの「できること」「得意なこと」「できないこと」「苦手なこと」がわかります。それらを知ることで、今後どのように教育していけばいいのか、生活する上での支援は必要なのかどうか判断できるでしょう。
子どもの能力を客観的に把握することで、よりよいサポートを行えるようになります。
平均と比較した数値が知的障がいの判断材料になる
知能検査では、100を平均として数値が多いか少ないかで知能が高いかどうか判定します。知能検査の結果、平均の100よりも大きく下回った数値が出た場合は、知的障がいの有無や程度を判断する材料になるでしょう。
たとえば、知能検査の結果が20以下では最重度知的障がいに、21~35では重度知的障がい、36~50で中度知的障がい、51~70は軽度知的障がいにあたります。
ただし、知的障がいの判断には知能検査の結果だけでなく、保健面・行動面からの判断も含まれます。知能だけでなく、配慮や服薬が必要か否か、行動面に問題はないか、といったことなども影響するでしょう。
子どもの知能指数を高めるためにできる5つのこと
子どものIQは約8割が遺伝といわれていますが、IQが上がる取組みを行っていれば、高めていくことは可能でしょう。
ここからは、どのようなことに取組めば子どものIQを高められるのか、具体例を紹介します。子どものIQを高めたい場合は、これらの習慣を日常生活のなかに取入れてみてください。
脳トレや謎解きをする
「脳トレ」や「謎解き」に挑戦することで、子どもの認知機能やIQを高められます。
子どもに対する認知機能トレーニングとして脳トレを行った結果、実際に「認知機能」や「IQ」が向上しやすいといわれています。
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本をたくさん読む
たくさんの本を読み、国語力を向上させることで、さまざまな知的活動や情緒、他人とのコミュニケーション能力の基盤を作り上げることができます。
1つのものをゼロから作り上げるためには、創造力や論理的思考力が必要になりますが、その基盤には、国語力が不可欠です。
考えることと国語はつながっており、語彙力がなければ、物事に対して深く考えることが難しくなるためです。
読書で国語力を向上させることで、論理的思考力も鍛えられるため、本をたくさん読む習慣をつけましょう。
規則正しい生活をする
夜型の人よりも、朝型の生活をしている人の方が勉強やスポーツに秀でている傾向があるといわれています。
これは、人間の体に「朝は早く起き、日中に活動して、夜は眠る」というパターンが組込まれているためです。そのリズムに合わせて行動すれば、体にとって自然な流れになるため、子どもの持っている能力を発揮しやすい環境が作れるでしょう。
他にも、朝早く起きて、朝ご飯を食べる子どもの方が体力があるという結果も出ています。
逆に、夜更かしや睡眠不足、不規則な食事などは、心身の健康を損なう可能性があるため、注意が必要です。
子どもの学力・体力を伸ばすためにも、早寝早起きと朝ごはんを大切にし、規則正しい生活を送らせてあげましょう。
運動をする
IQを高めるには、読書したりトレーニングしたりするだけでなく、運動をしっかりすることも大切でしょう。
勉強も運動も、どちらも脳が司るものです。アメリカで行われた研究の結果によると、勉強と運動には相関関係があることが判明しています。
そのため、運動によって刺激を得ながら体力を向上させることは、子どもの集中力や記憶力、認知能力によい影響を与えるといえるでしょう。
まずは、子どもとの遊びのなかで、ボールを蹴ったり投げたり、ジャンプしたりなどの基本動作を行って、身体の動かし方を学ばせることをおすすめします。
睡眠をしっかりとる
睡眠時間を確保することで、脳を活性化させましょう。
人の睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠の2つにわけられます。「ノンレム睡眠」は、脳が休んでいる状態です。そのため、この時間で脳は身体を休ませ、体の成長を促します。
一方の「レム睡眠」は、脳が起きている状態です。活性化している状態の脳は、この時間に記憶の整理や定着を行います。
この2つの眠りは交互に現れます。そのサイクルが正常に働いていれば、脳も体も十分な休息がとれるため、子どもが持つ本来の能力を発揮しやすくなるでしょう。
子どもにとって、睡眠はとても重要です。子どもの年齢に必要とされる睡眠時間をとって、能力を伸ばしてあげましょう。
IQ(知能指数)を高めて子どもの可能性を広げよう
一般的に、子どものIQには遺伝の影響が大きいといわれています。そのため、「子どもの能力は生まれつきのもの」と、力を伸ばしてあげることを諦めてしまっている方もいるのではないでしょうか。
しかし、子どもが成長するなかで、能力を伸ばすためにできることはたくさんあります。
本記事で紹介した、子どものIQを高めるための工夫などを取入れ、集中力や記憶力を養ってあげましょう。
子どものIQが高まれば、好奇心旺盛になり、物事にも熱心に取組めるようになります。これらは将来、子どもの役に立つ能力です。子どもの将来の可能性を広げるためにも、できることから取組んでみましょう。