【小学校で必修化】プログラミング教育とは?教育に取入れるべき3つの理由や学習方法、実践方法を紹介
「プログラミング教育」が必修化されましたが、どのようなものかご存じでしょうか。この記事ではプログラミング教育の内容や現状・課題、必要性やメリット・デメリットをまとめています。子どものプログラミング教育に関心のある方は、ぜひこちらを読んでみてください。
「どうして小学校でプログラミング教育が必修になったの?」
「プログラミング教育ってどういう教育?」
小学校でプログラミング教育が必修化になりましたが、疑問や不安がある方も多いのではないでしょうか。
この記事ではなぜ小学生の教育にプログラミング教育が取入れられたのかや、プログラミング教育のメリットやデメリットについて紹介しています。この記事を読むことで、プログラミング教育への理解が深まるでしょう。
また、家庭で実践できるプログラミング教育や小学生の教育事例なども紹介しているため、家庭でのプログラミング教育にも役立つでしょう。
小学生のプログラミング教育に興味のある方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
「プログラミング教育」とはこんな教育
プログラミング教育は、実際にプログラミングスキルを身に付けると考える人もいるでしょう。子どもが教育のなかで自然とプログラミングスキルを身に付ける可能性はありますが、プログラミング教育では、プログラミング用語や技術を教えることが目的ではありません。
プログラミング教育は、身近にプログラミングが活用されていることを知ったり、問題解決能力を養う教育です。
プログラミング教育必修化のねらい・目的
プログラミング教育必修化のねらいは、小学生に順序だてて考えるプログラミング的思考を育むこと、社会がプログラミング技術に支えられていると気づいてもらうことです。
プログラミング教育を行うことでコンピューターの活用方法や、問題解決能力を育成することも目的となっています。
プログラミング教育の現状と課題
小学生のプログラミング教育が必修化されましたが、現状では学校のICT環境が整っていない課題があります。ICT環境整備に積極的な自治体では十分に進められていますが、そうではない地域では、多人数で1つのコンピューターを使わなければならない状況です。
また現状、プログラミング教育をする教員側の準備も整っていません。令和3年度にICT活用指導力の研修に参加した教員は、平均で約76%でした。平均約64%だった令和2年度よりは改善していますが、それでも1 /4近い教員がまだ研修を受けられていない状況です。
なぜ小学校でプログラミング教育を取入れる必要性があるのか
2020年度から、小学校でのプログラミング教育が必修化されました。プログラミング教育が必要とされているのは、情報化社会の到来やグローバル化などによる社会情勢の変化に対応できる子どもの育成が求められるようになったためです。
またコンピューターを使う社会は今後も続くと考えられているため、子どもたちがコンピューターを有効に活用するだけではなく、コンピューターを使って新たな可能性を広げられるようにするためという側面もあるでしょう。
出典:小学校プログラミング教育必修化に向けて|文部科学省・総務省・経済産業省
・身近にあるコンピューターへの理解を深めるため
・コンピューターを有効かつ効果的に扱えるようになるため
・子どもの可能性を広げるため
身近にあるコンピューターへの理解を深めるため
昔と違い、現在はコンピューターが家庭にあったり、家電や自動車にも使われたりする形で身近なものとなりました。しかしそのコンピューターがどのようなものなのかは、ただ使っているだけではわかりません。
プログラミング教育を通じて、コンピューターへの理解を深めていく必要があるでしょう。
コンピューターを有効かつ効果的に扱えるようになるため
小学生がコンピューターを効果的に使うには、コンピューターの仕組みを知っておく必要があるでしょう。
コンピューターは使い方次第で、より適切に使うことができます。しかし仕組みを知らなければ、どう扱えば有効に扱えるのかわからないでしょう。
プログラミング教育でコンピューターの仕組みについて教えることで、子どもは自らコンピューターをより上手く活用するためにはどうすればいいのか考え、動けるようになります。
子どもの可能性を広げるため
プログラミング教育でコンピューターへの理解を深めることにより、子どもはコンピューターを使って自分には何ができるのか考えるようになるため、子どもの可能性が広がるでしょう。
コンピューターの特許を取得したり、コンピューター関係の新しい会社を起業したりする子どもが誕生する可能性があります。従来の仕事の何割かは自動化が進むことでなくなると考えられているため、子どもたちが新たな可能性をもつことは大切でしょう。
プログラミング学習は年齢にかかわらず子どもの様子次第ではじめるべき
プログラミングの学習は具体的に何歳からはじめると決まっているものではありません。しかしプログラミング的思考を養うのであれば、できれば早いうちからはじめた方がいいでしょう。
親が身近なものにプログラミングが使われていることを教え、子どもが「どこに使われているのか」興味をもったときにプログラミング教育をはじめるのがおすすめです。
また、子どもが「自分はこれを作ってみたい」という反応を見せたときもおすすめです。プログラミングを用いた作り方を教えることで、子どもはプログラミングの知識を使ったものを作れるようになるでしょう。
あるいは親の方が学ぶことが楽しいと気づいてほしい、そういう体験をさせたいと考えたときもおすすめのタイミングです。
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【4選】プログラミング教育のメリット
プログラミング教育は、コンピューターを動かすというゴールに向かってどうすれば辿り着けるのか、どう処理をするのか考える教育です。プログラミング教育のメリットを知ることで、より積極的に子どものプログラミング教育に取組んでいけるでしょう。
ここからは、プログラミング教育をすることにどのようなメリットがあるのかご紹介します。
ITについての理解を深めることができる
プログラミング教育をするときはITに触れることになるため、早いうちから教育をはじめれば、IT技術についての理解を深められます。
具体的には情報を活用する技術が得られること、オンライン授業へも問題なく対応でき、デジタルへの苦手意識がなくなるというメリットがあるでしょう。デジタル化が進められている現代において、プログラミング教育でデジタルに慣れておくことは、大きなメリットになります。
問題を解決する能力が身に付けられる
プログラミング教育をしていれば、問題に直面したときに解決するにはどうしたらいいか考え、解決策を見つけ出せるようになるでしょう。
プログラミング教育では、結果が上手くいかないこともあります。その度どうすれば上手くいくようになるのか、トライ&エラーを繰り返すことになるでしょう。そういった経験を積むことで、問題を解決するための力を身に付けることができます。
具体的には、問題解決への道筋を考える、よりよく解決するための改善点はないか見直す、上手くいかなくても試行錯誤してみるといった力が身に付きます。
将来の選択肢を増やすことができる
プログラミング教育でプログラミングスキルを身に付けることで、子どもが将来なれる職業の選択肢を増やせるでしょう。
現代では、さまざまなものにプログラミング技術が使われています。プログラミングスキルが必要とされるのはITエンジニアだけでなく、データアナリストやデータサイエンティストなどがあるでしょう。
また、AIの活用も盛んになってきているため、AIに関連する職業に就ける可能性もあります。
プログラミング的思考が身に付けられる
プログラミング的思考とは、目的を達成するために最適な方法を筋道を立てて考えることです。プログラミング教育によって、こういったプログラミング的思考を身に付けられ、物事を論理的に考えられるようになります。
プログラミング的思考が身に付けば、正しい情報を取捨選択して自分のやりたいことを実現できるだけではなく、問題が起こっても臨機応変に対応し、解決できるようになるでしょう。
【3選】プログラミング教育のデメリット
プログラミング教育にはさまざまなメリットがありますが、デメリットが全くないという訳ではありません。予期せぬトラブルに巻き込まれたり、子どもに予想しなかった変化が現れたりする可能性があるでしょう。
プログラミング教育のメリットとともに、デメリットについても把握しておきましょう。
思わぬネットトラブルに巻き込まれる
子どもはオンライン環境に慣れることで、芋づる式にインターネットに興味をもつようになり、思わぬトラブルに発展してしまう可能性があります。
警察庁の調べによると、SNSに起因する事犯の小学生の被害者数は、平成25年からほぼ右肩上がりで増え続けています。インターネットの使用にはリスクがあることを知り、親子ともにインターネットリテラシーを学ぶ必要があるでしょう。
目的を忘れてしまうと集中力の欠如につながる
プログラミング教育はPCやスマホ、タブレットなどを使って行います。プログラミングを学ぶ目的で使っていればよいですが、これらの機器は遊びやコミュニケーションにも利用できてしまいます。
子どもがSNSや遊ぶことに夢中になると、プログラミング教育が進まないだけでなく、集中力が欠如してしまうデメリットがあるでしょう。
長時間PCを見ていることによる身体へ負担がかかる
プログラミング教育では長時間PCを見るため、ずっと同じ姿勢でいることにより身体へ負担がかかってしまいます。子どもが身体の痛みを訴えたり、眼精疲労を起こして視力低下につながってしまう可能性があるでしょう。
ただ、これらのデメリットは子どもが無理しない姿勢でPCを見られるように位置を調整する、休憩をとって目や身体を休ませるといった工夫で軽減できます。
【文部科学省】小学生のプログラミング教育事例
実際にある小学5年生の算数で、プログラミングで「正多角形の意味を基に正多角形をかく場面」の授業が行われました。これは正多角形とはどういうものか理解した上で、プログラミングによって正多角形を作るという授業です。
子どもたち自身では作るのが難しくても、プログラミングであれば簡単にできることを学びました。正確に作図するための命令や順序について考えたり、他の児童と一緒に試行錯誤したりすることで、プログラミング的思考が磨かれた事例でしょう。
【文部科学省】中学校のプログラミング教育事例
中学校の事例では、「お掃除ロボット」を使ったプログラミング教育を紹介します。
この授業は、お掃除ロボットとして機能するためにプログラミングでどんな工夫がされているのか、開発の意図を研究することが目的でした。お掃除ロボットシミュレータを使い、実際に新たなシミュレーションプログラムの作成も行っています。
生徒はお掃除ロボットの開発者の立場になって考えることで、身近なものに使われている技術や、工夫に気づけたでしょう。
出典:「お掃除ロボットに込められたプログラミングの工夫をシミュレーションで探ろう」(モデル的なプログラムを用いたシミュレーション) | 文部科学省
家庭で実践できるプログラミング教育方法
プログラミング教育は、学校で学ぶものだけではありません。ここからは、家庭でも実践できるプログラミング教育を紹介します。
家庭でも実践できるプログラミング教育には、市販の教材を用いたり、プログラミング学習サイトを利用したりするなどの方法があります。
早いうちからプログラミング教育に取組みたいのであれば、これらの実践方法を参考にして取入れてみましょう。
無料のプログラミング学習サイトで体験する
無料のプログラミング学習サイトは、オンラインでテキストや動画などを見ながら、プログラミングについて学べるサイトが基本です。
サイトにアクセスするだけで手軽に利用でき、無料のためお金がかからないことがメリットでしょう。ただデメリットとして、サポート体制はあまり充実していません。
わからないことがあっても、個別に質問して回答してもらえるようなサービスは期待できないでしょう。
教材を利用して学習する
プログラミング教育用の教材には、スマホやタブレットで利用可能な教材や、ブロックを使った教材などがあるでしょう。ただ、1種類で学習させると子どもが飽きてしまう可能性があります。
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プログラミングコンテストに参加してみる
プログラミングを学んで自信が付いたら、各地で開催されているプログラミングコンテストに参加してみることもおすすめです。自分で作ったプログラムをコンテストに持ち込んでみましょう。
将来に備えてプログラミング教育を検討してみましょう
子どもはプログラミング教育を受けることで、プログラミング的思考を身につけられます。プログラミング的思考力があれば、問題解決力や、自主的に新たな価値を創造する力を得られるでしょう。
プログラミング教育は、何歳からはじめればいいと決まっているものではありません。子どもの将来の可能性を広げるためにも、早いうちから取組んで、デジタルに慣れ親しんでおくことがおすすめです。