【親必見】子どもの自己肯定感を「高める」親と「なくす」親の特徴やかかわり方を紹介
「自己肯定感」とはどのようなものかご存じでしょうか。この記事では自己肯定感についてや子どもの自己肯定感を「高める」・「なくす」親の特徴やかかわり方、子どもの自己肯定感を高める方法などを紹介しています。子どもの自己肯定感を高めたい方は、ぜひご覧ください。
「子どもの自己肯定感を高めるのは大切って本当?」
「そもそも自己肯定感ってなに?」
「子どもの自己肯定感をなくさないためには、どうしたらいいの?」
このように、子どもの自己肯定感について疑問や不安がある方も多いのではないでしょうか。
この記事では子どもの自己肯定感とはなにか、子どもの自己肯定感を「高める」親の特徴やかかわり方などを紹介します。自己肯定感のことを知り、子どもとのやりとりで自己肯定感を高めてあげられるようになるでしょう。
子どもの自己肯定感を「なくす」親の特徴や、かかわり方についても紹介しています。この記事を読むことで、どのような行動が子どもにとってあまりよくない結果を招いているのか知ることができます。
自己肯定感について詳しく知りたい方や、子どもの自己肯定感を高めていきたい方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
子どもの自己肯定感とは
子どもの「自己肯定感」とは、自分の全存在を肯定していく感覚のことです。
自己肯定感には、3つの概念があります。親(保護者)からの愛情による絶対的な自己肯定感、自分の存在すべてを受け入れる自己受容による自己肯定感、そして自分の努力や才能によって他者から受ける肯定的評価による自己肯定感です。
これら3つの親、自分、他者からの愛情や受容、評価によって、子どもの自己肯定感は育まれていくでしょう。自己肯定感の高い子どもは、将来困難やトラブルにあっても、自分の力で問題を解決し、未来を切り開いていけます。
【6選】子どもの自己肯定感を「高める」親の特徴・かかわり方
子どもの自己肯定感は、親などの保護者がしっかりと子どもに愛情を向けることで、育めるとされています。これは自己受容による自己肯定感も、親などからの愛情による自己肯定感に支えられているとさえいわれているほど、重要なものです。
実際にどのような親の特徴や、子どもとのかかわり方なら自己肯定感を育めるのか紹介するため、参考にしてみてください。
子どもの言葉を肯定している
子どもの自己肯定感を高める親は、子どもに話しかけられたら、なにかをしていてもしっかりと話を聞く姿勢をとって、子どもの話す内容を肯定しています。
子どもに話しかけられてもろくに話を聞かない、あるいは子どもの話で気になるところがあったら、途中でもついつい否定してしまう親もいるでしょう。しかし子どもの自己肯定感を高める親は、否定からはいらずに、まずは肯定的な雰囲気で子どもの話を聞きます。
親のこういった対応により、子どもは自分が受け入れられているという感覚を覚えてくれるでしょう。
子どもに選ばせている
親が判断して決めなければならないこともありますが、簡単なことであれば子どもに選択をゆだねられるケースもあるでしょう。そんなとき、子どもの自己肯定感を高める親は、積極的に子どもの意志で選ばせています。
また、選ばせるだけでなく、子どもの選択の結果を肯定的に受け入れています。
よくない結果でも過程を褒める
子どもの自己肯定感を高める親は、結果がよくなかったとしても、「よく頑張った」と過程を褒める傾向が高いです。
もし結果ばかり褒めていると、子どもも過程ではなく、結果を重視するようになってしまうでしょう。そうなると、よくない結果になったときに子どもは自信を失ってしまいます。
過程を褒められた子どもは、結果がよくなくても、自分がしたことをポジティブに受け入れられ、次の挑戦につなげていけます。
別の子どもと比較をしない
子どもの自己肯定感を高める親は、勉強や遊びについて他の子どもと比較することはしていません。親はついつい、あの子はできたのにうちの子は、となって別の子どもと自分の子どもを比較してしまいがちです。
しかし比較することで、子どもは、自分はできない、劣っているというマイナスのイメージをもってしまいます。
自信をもてないと自己肯定感を高めることは難しくなります。
過保護になりすぎない
子どもの自己肯定感を高める親は、子どもがなにかしようとしているときに手を貸すのではなく、子ども自身にどうするのか考えさせるようにしています。
子どもが困ったことにならないように、ついつい手を出してしまう親もいるでしょう。しかし、それでは過保護になってしまい、自分でやらなくてもいつも親がやってくれる、と思うようになってしまうでしょう。
子どもが困っていてもすぐに手は出さず、子どもが自分で考える時間を作ることが大切です。
子どもと会話をよくする
親は、子どもにとってあんしんして会話できる存在です。親としっかり会話することで、子どもは親に「話を聞いてもらえている」「自分の存在を認めてもらっている」という感覚をもちます。
さらに自己肯定感を高める親は、子どもが会話したいときに、話したいことを聞くことに長けています。無理に会話させるのではなく、子どもが会話したいタイミングでしっかり会話できているのです。
【5選】子どもの自己肯定感を「なくす」親の特徴・かかわり方
子どもの自己肯定感には、親との関わりの影響が大きいでしょう。自己肯定感を高める親であれば、子どもの自己肯定感は高くなります。
しかし、子どもの自己肯定感をなくしてしまう言動や特徴がある親が育てると、子どもはそうはならない可能性があります。
特に日本の子どもは、海外の子どもと比べて自己肯定感が低いといわれています。以下のような特徴や子どもとのかかわり方をしていないか、チェックしてみてください。
子どもの言葉を聞かない
親が本当に忙しいときや、話しかけられたくないときに子どもに話しかけられるのは、大変なことでしょう。しかし、親に話を聞いてもらえなかった子どもは、親が自分に関心がない、自分のことを理解してくれないという感情をもってしまいます。
親にそのような気持ちがなかったとしても、子どもはそのように感じてしまう傾向にあります。子どもを否定し、自己肯定感を低くする原因になるでしょう。
子どもの行動をコントロールする
親が先回りして子どもの行動を決めてしまったり、子どもに親がやってほしいことをやらせてコントロールしようとしたりしてしまいます。
子どもが小さいうちは、自己主張は少ないでしょう。しかし子どもが育つにつれて、好みが出て、やりたいことも出てきます。そんなときでも親の意志でコントロールされてしまうと、子どもが自分の意志を否定されている、大切に思われていないと感じる傾向が高いです。
よくない結果だけを判断して褒めない
過程よりも結果だけを重視しがちな親は、よくない結果が出たときに子どもを褒めることがない傾向があります。過程は重要ではなく、子どもができたか、できないかが親の判断基準なためです。
結果がよくなかったからと褒めない親の言動は、子どもにできなかった、ダメだったという感情をもたせてしまいます。こういった親とのかかわり方で、子どもの自己肯定感は低くなってしまいます。
必要以上に厳しく子どもをしつける
子どもにしつけをする必要はありますが、子どもの自己肯定感を低くする親は、必要以上に厳しくしています。たとえば、ご飯を残したからと次の食事は与えなかったり、子どもに課したルールを守れなかったら口も聞かなかったりする言動があてはまります。
子どもをしっかり育てるために、適度なしつけは必要でしょう。しかし必要以上に厳しいと、子どもは親からの愛情を感じとれなかったり、自分はいらない存在なのではと考えたりしてしまいます。
子どもと会話をしない
子どもとほとんど会話がないか、会話があったとしても質の低い会話をする傾向があります。
親というあんしんできる存在としっかり会話をすることは、子どもの自己肯定感を高めるのに役立ちます。しかし会話がなければ、子どもの自己肯定感は高くなりません。
また会話をしていても、親が中心の会話では子どもは満足できないでしょう。子どもは聞いてほしいことを聞いてくれない、と不満を感じてしまいます。
【教育委員会データ付き】自己肯定感が低いと起こりうること
自己肯定感が低いまま育ってしまうと、子どもにはさまざまな特徴や問題行動が表れることがあります。
これは、自己肯定感が低い子どもは、自分が他人に比べて劣っていると感じていることが多いためです。自己肯定感の低い人はこれ以上傷つきたくないため、他人との争いに消極的になったり、繊細になってしまったりするでしょう。
こういった特徴は、子どもの学力や行動面にも影響を与えます。
学力に「約1.13倍」差が出る
「福島県教育委員会」のデータによると、家族との会話が多い、自己肯定感を高める家庭の子どもの方が、学力テストの正答率は高くなります。
小学校の国語Aでは、よく会話をしている家庭の子の正答率は86.1%、会話のない家庭の子の正答率は76.4%でした。
算数Aでも、会話をする家庭の子の正答率は75.6%、全くしない家庭の子の正答率は66.2%です。家庭の会話により、子どもの学力に差が生まれています。
なお、中学校でも、家庭で会話をする子どもとそうではない子どもの正答率の差は顕著に表れます。
問題行動を「3倍」起こしやすくなる
「福島県教育委員会」のデータでは、家庭での会話が多く自己肯定感の高い子どもほど、問題行動を起こす確率が低くなることもわかっています。
たとえば「万引き」では、家庭でよく会話をする子は男女ともに1%でしたが、全く会会話をしない家庭の子は男性で2.7%、女性は3.6%となっています。「自傷行為」についても、よく会話をする家庭の子は男女ともに1%ですが、会話をしない家庭の子は男性で3.2%、女性は2.2%でした。
しっかり会話をしている家庭の子どもと比べて、会話をしない家庭の子どもは問題行動を起こしやすくなります。
小学校1年~6年生の間で自己肯定感は「約1.13倍」低下する
日本人の自己肯定感は低いといわれていますが、実は、小学校入学時から卒業するまでの間に、自己肯定感が大きく低下することが分かっています。
「東京都教職員研修センター」は自己肯定感について、子どもに対して「1:思わない」・「2:どちらかといえばそう思わない」・「3:どちらかといえばそう思う」・「4:思う」で調査した結果を発表しました。
調査結果によると、小学校1年時には3.56だったものが2年時に3.47、3年時3.33と下がっていき、6年生では3.14まで低下しています。つまり子どもが小学校に通っている間に、自己肯定感は下がってしまいます。
自己肯定感を「高める」親になるには
自己肯定感は、子どもが自分自身に対して自信をもち、あらゆることにチャレンジしていく原動力になるものです。そして自己肯定感を育むために必要不可欠といわれているのが、親から得られる自己肯定感でしょう。
しかし、子どもの自己肯定感を高める親もいれば、低くしてしまう親もいます。子どもの自己肯定感を高めていくにはどうしたらいいのか、こちらを参考に実践してみてください。
子どもの自己肯定感が低くなっていないかチェックする
まずは子どもの自己肯定感が低くはないか、以下の項目をチェックしてみてください。
・子どもを褒めて喜ぶかどうか
・怒られたときにものすごく落ち込む
・チャレンジしたがらない
親に褒められても喜ばない子どもや、怒られたら落ち込んでばかりいる子どもは、自己肯定感が低くなっている可能性があります。自己肯定感が高ければ、褒めれば喜び、怒られても次への意欲がわいて行動するでしょう。
また自己肯定感の低い子どもは、自分への自信がないため、親がすすめたとしても新しいことにチャレンジすることを嫌がってしまいます。
高望みせずできていることを褒める
子どもを褒めるときは、ありのまま、「子どもが無理せずできたこと」を、タイミングよく褒めましょう。
たとえば、「靴をそろえたの、きれいにできているね」や「着替えたの、早かったね」といった声がけが大切です。そしてタイミングよく褒めるためには、しっかり子どもを見ておく必要があります。
子どものありのままを褒めて自己肯定感を高めよう
子どもの自己肯定感の高さは、子どもの学力や行動によい影響を与えます。しかし子どもが小学校に入学すると、それまでに育てた自己肯定感がどんどん下がる傾向にあります。家庭において、親から与えられる絶対的な自己肯定感をしっかりと育むことが大切でしょう。
子どもが頑張らなくてもいい、ありのままの姿を褒めて肯定してあげることが、自己肯定感を高めるためには必要です。親子の会話も効果があるため、ぜひこの記事を参考に、日頃から取り組んでいきましょう。