いつから子どもにスマホを持たせるのが正解?実際のデータをもとに傾向を解説
スマホが普及した現在、子どもにいつからスマホを持たせるべきか悩んではいないでしょうか。この記事では子どもにスマホを持たせる年齢について、データやメリット・デメリットなどを紹介しています。子どもにスマホを持たせた方がいいのか悩んでいる場合は、ぜひこちらをご覧ください。
「子どもにスマホがほしいっていわれた。持たせて大丈夫?」
「子どものスマホは、いつから持たせてもいいの?」
このように、子どもにスマホを持たせていいのか、いつから持たせたらいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、スマホの普及状況やスマホを持つのは何歳からが多いのか、データで紹介しています。この記事を読むことでスマホがどの程度普及しているのか、何歳からスマホを持つケースが多いのか、傾向を理解できるでしょう。
また、小学生にスマホを持たせるメリットやデメリット、スマホを持たせる際のポイントも紹介しているため、小学生にスマホを持たせるべきか悩んだ際も参考にできます。
子どもにスマホを持たせることに不安がある方、いつから持たせればいいのか疑問がある方は、ぜひこちらをチェックしてみてください。
【内閣府データ集計】スマホはいつから持っている人が多い?
日本でスマホを保有している世帯は、2010年には全体の10%にも満たない状況でしたが、2020年には86%を超えています。このデータから、急速にスマホの普及が進んだことがわかります。
ここではスマホを持つ年齢に焦点を当て、子どもがいつからスマホを持つようになるのか、データをもとに紹介します。
出典:第1部 第2章 第1節 (1)若者を取り巻く社会環境の変化|消費者庁
12歳で半数の「55.7%」がスマホを持つ
「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、12歳の子どものうち55.7%が自分専用のスマホを持っていることがわかりました。
スマホを持つ子どもが増える12歳頃からは、インターネットでコミュニケーションしたりニュースを見たり、音楽視聴や情報を検索する割合も顕著に増加しています。
12歳頃からは、子どもが自分の意志でインターネットを使いこなせるようになることから、スマホを持たせる親が増えるでしょう。インターネットの利用時間も年齢とともに増えるため、家族共用ではなく子ども専用のスマホが必要になる傾向があります。
出典:令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)|内閣府
また、ドコモモバイル社会研究所が、2023年11月に小中学生でスマホを持たせている親にいつから持たせているかを調査した結果、下図の通り全体の平均は10.6歳でした。
図.【小中学生】スマホ所有開始年齢(経年変化)
この調査では、3年連続で全体の平均は10.6歳と変わらない状況ですので、スマホ所有年齢の低年齢化が下げ止まったといえそうです。
特に男女別にスマホ所有開始年齢を見ると、男女ともに中学生になるタイミングの12歳が最も多くなっていました。一方で、7歳以下からスマホ所有開始する方も一定数いることがわかります。
図.【小中学生】スマホ所有開始年齢(男女別)
9歳でスマホを持つ子どもは「14%」
子どもにスマホを持たせる年齢は、6歳頃から年を追って増加していく傾向にありますが、大きく伸びるのは9歳頃です。
ちょうど9歳頃からは、子どもがスマホを使ってコミュニケーションや情報検索、電子書籍や音楽視聴する割合が増えています。
親子のコミュニケーションを取るためや、子どもが自分で知りたいことをスマホで調べられるように、最短で9歳からスマホを持たせるという親が増えるのでしょう。
ただ9歳でも全体の14%ほどであるため、スマホを持っている割合はそれほど高くはありません。
出典:令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)|内閣府
スマホの前にキッズケータイを持たせるご家庭もある
子ども用の携帯には、スマホ以外にも子ども用携帯があります。子ども用携帯は、小学生などの子どもに持たせることを目的に作られた携帯電話であり、Webの閲覧や連絡が取れる相手などが制限されており、防犯ブザーなどのお子さまを見守るための機能が充実しています。
ドコモモバイル社会研究所が、2023年11月に実施した調査の結果から、小中学生が自分専用のスマホ・キッズケータイ※を所有している状況をお伝えします。(※子ども用携帯の中でも、ドコモの商品であるキッズケータイに関して調査を実施しています。)
まず、所有率ですが、下図の通り、スマホの所有率は全学年で上昇していますが、キッズケータイの所有率は前年と大きな変化は見られませんでした。
図.【小中学生】スマホ・キッズケータイ所有率(経年変化)
スマホ・キッズケータイの所有率を学年別に見ると、下図の通り、小学5年生で携帯電話未保有の割合は半数を下回ります。また、中学生以降では、キッズケータイの所有率は大きく減少することがわかりました。
図.【小中学生】スマホ・キッズケータイ所有率(学年別)
出典:小中学生のスマホ所有率上昇 調査開始から初めて小学校高学年で4割を超す
16歳までには「98%」が持つようになる
子どもにスマホを持たせる年齢は家庭によって違いますが、子どもが16歳になる頃には、スマホの所持率が98.4%と大半の家庭が持たせるようになっています。
これは子どもの成長に伴い行動範囲が広がること、コミュニケーション目的でスマホを利用したいことなどが理由でしょう。
16歳ではスマホによるコミュニケーション利用が90%を超え、ニュースや情報検索、地図・ナビゲーションや音楽視聴、勉強・学習用のアプリやサービスの利用割合も大きく増えます。
これは、子どもは生活のさまざまなことにスマホが必要になっていくためだと考えられるでしょう。
出典:令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)|内閣府
【2023年】日本のスマホ普及率は約96%
ドコモモバイル社会研究所が2023年1月に実施した、「スマートフォン・ケータイ所有動向調査」によると、日本全体のスマホ普及率は96.3%でした。現在では携帯使用者のほとんどが、スマホを利用していることになります。
なぜここまでスマホが普及したのかというと、スマホがパソコンと同じように、web閲覧できることが理由でしょう。
スマホがあれば、パソコンがなくても同様にインターネットを利用できます。このことからスマホはユーザーの高い支持を受け、急速に普及しました。
出典:スマートフォン比率96.3%に:2010年は約4% ここ10年で急速に普及|ドコモ モバイル社会研究所
1年生から6年生までのスマホ普及率の差は約27倍
「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」のデータによると、小学1年生にあたる6歳~7歳のスマホ所有率は2.3%~4.1%で、6年生にあたる11歳~12歳は40.0%~55.7%でした。
小学校入学時には、スマホを持たせるにはまだ早いと考える親が多いのでしょう。しかし小学校入学後は学年が上がるごとに、友達同士のコミュニケーションや音楽・動画視聴などにスマホを使うようになり、インターネットを利用する時間も増えていきます。
こういった理由から、小学1年と6年のスマホ普及率は約27倍も差がでたと考えられます。
出典:令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)|内閣府
【3選】小学生が自分のスマホを持つメリット
小学生にスマホを持たせることには、さまざまなメリットがあるのでご紹介します。
子どもに自分専用のスマホを持たせるかどうか迷っている場合は、持たせることでどんなメリットがあるのか知っておきましょう。
親子のコミュニケーション時間を増やせる
親子でコミュニケーションを取りたいのに、仕事が忙しくて子どもとなかなか会えない、話す時間が取れないということがあります。
そのようなときに小学生の子どもにスマホを持たせておけば、家にいなくても会話ができるため、より親子のコミュニケーションが取りやすくなります。
子どもがちょっとしたことでもスマホを通じて親に相談しやすくなり、メッセージや通話で気軽に意見や悩みを共有できます。
また、スマホを通じて連絡が取れることで、親は子どもの異変に気づきやすくなります。緊急時やトラブルがあった場合もスマホを通じて素早く対応できるでしょう。
子どもの安全を確認できる
スマホにはGPS機能が付いているため、スマホの位置情報を調べることで子どもの位置を確認し、安全かどうかを確認できます。
GPS機能を使えば、子どもが小学校にきちんと登下校しているのかすぐに確認できるでしょう。また、親の帰宅が遅いときでも、子どもがきちんと帰ってきているのかGPSで確認できます。
もしも子どもが普段とは違う場所にいれば、スマホの位置情報で異変に気づけるでしょう。すぐに対応して子どもを守ることができます。
隙間時間の学習アイテムとして使える
スマホは持ち運びが楽で、いつでもどこでも学習できるため、隙間時間に気になることを調べたり、教育関係の解説をしている動画を見たりする学習アイテムとしても使えます。
「dキッズ」は、子どものデジタル時間が”学べる・遊べる・夢中になれる”時間になるように設計された知育アプリです。豊富なジャンルで、実績のあるコンテンツを、人気キャラクターと楽しく学べます。
詳細や利用条件等は下記リンク先よりご確認ください。
出典:dキッズ|comotto
【2選】小学生が自分のスマホを持つデメリット
小学生にスマホを持たせるメリットがあることは事実ですが、デメリットも存在します。子どもにスマホを持たせるべきなのかどうか、悩んだり迷ったりする親がいるのは、デメリットが気になるからではないでしょうか。
子どもにスマホを持たせるべきかわからない場合は、メリットだけでなくデメリットも参考にして、検討してみましょう。
スマホ依存の可能性が高まる
子どもがスマホを好きなように使える状況では、スマホでの友達とのやりとりやネット、ゲームなどに熱中してしまい、依存してしまう可能性があります。
久里浜医療センターの「ゲーム障害について」の調査結果によると、中・高校生でネット依存が疑われる割合が2012年時は約8%であったのに対して、スマホの普及が進んだ2017年には約14%まで拡大しました。
制限なくスマホが使える状況では、子どもがスマホに依存する可能性は高くなるでしょう。ただ、これはスマホ自体のデメリットではありません。あらかじめスマホを使っていい時間を子どもと約束し、制限しておけば、スマホを使わせても問題ないでしょう。
出典:ゲーム障がいについて|(独)国立病院機構久里浜医療センター
ネット犯罪に巻き込まれる可能性が高まる
小学生がスマホを持つことで、簡単にネット上で知らない人とやりとりできるようになってしまうため、犯罪に巻き込まれるリスクが高まるでしょう。
警察庁の「インターネット利用に係る子どもの犯罪被害などの防止について」によると、2013年から2019年にかけて、右肩上がりで増え続けています。2020年以降は中学・高校生については下降傾向になりましたが、小学生は増加傾向にあります。
スマホを子どもに渡す場合、ネット犯罪に巻き込まれないよう気を付ける必要があるでしょう。
出典:インターネット利用に係る子どもの犯罪被害などの防止について|警察庁
子どもがスマホを持つ際に親が不安に感じること
子どもが大きくなると、スマホを持たせる親が増えます。しかし、そのことへの不安は尽きないでしょう。
実際に親がどのような不安を感じているのかというと、スマホへの依存や通話料金・通信料金がかかることへの心配、不適切なネットの閲覧などです。ほかにネットいじめや視力の悪化なども、不安に挙げられています。
子どもがスマホを持つと、子どもが自由にできることが増えるため、親の不安も増えてしまいます。あらかじめスマホを使う時間を決めておく、フィルタリングで不適切なページを見られないように対策しておくことで、不安は解消できるでしょう。
小学生へスマホを持たせる際にするべき3つのこと
小学生でも学年が上がるごとに、スマホを持つ割合は上がります。親としては、子どもにスマホを持たせるメリットを最大限に活かし、デメリットを最小限に抑えるようなスマホの使い方を指導することが重要です。
子どもにスマホを渡す前に、以下のポイントをしっかり実行しておきましょう。
スマホ使用のルールを決める
子どもにスマホを持たせる際に、いつからいつまで、1日何時間使ってもいいのかルールを決めておきましょう。
使用時間をあらかじめスマホで設定したり、夜何時以降は使用しない、寝るときは切るといったようにルールを決めたりすることが大切です。食事中や勉強中も、スマホには触らないように決めておくといいでしょう。
子どもがスマホに触れていい時間を決めておくことで、スマホ依存への対策になります。
スマホを操作するときは親が確認する
親の知らないうちに、子どもがアプリやゲームの課金などをしてしまうことがあります。こういったトラブルを避けるためにも、スマホを操作するときは親が確認することを徹底しましょう。
アプリをダウンロードする前に親が問題ないか確認する、課金はしないといったルールを決めて、子どもに守らせることが大切です。親の目が届く範囲で、子どもにスマホを操作させるようにしましょう。
フィルタリング設定をする
フィルタリングは、子どもが有害なコンテンツに触れないようにするためのサービスです。フィルタリング設定をしておけば、年齢制限がある不適切なネットのページや、有害なアプリに子どもが触れる心配がなくなります。親も子も、あんしんしてスマホを利用できるでしょう。
また、携帯電話事業者はスマホの利用者が18歳以下であれば、原則フィルタリング設定を提供しなければならず、保護者も携帯電話の契約を行う際に使用者が18歳以下であることを申し出る必要があります。
家庭のルールに応じて制限をカスタマイズできるものもあるため、積極的に活用していきましょう。
出典:フィルタリング(有害サイトアクセス制限サービス)をご存じですか?|総務省
スマホの使い方への不安の調査結果
ドコモモバイル社会研究所が、2023年11月に親が子どもにスマホの使い方について、不安に思うことを調査しています。
この調査の結果では、「最も多くの親が不安に思っていること」は、回答割合が多い順に下記となりました。
- 「安全な使い方(悪質サイト・アプリの見分け方等)」
- 「ネット上のお金の使い方」
- 「時間の管理方法」
また、小学生の親の方が中学生の親より、多くの項目で不安を感じています。
図.【小中学生】 子どもにスマホの使い方を教える時に不安に感じること(複数回答)
また、子どものスマホ所有の有無別に回答を分析すると、下図の通り、全項目でスマホを所有させていない親の方が不安に思う割合が高いことがわかります。
図. 【小中学生】子どもにスマホの使い方を教える時に不安に感じること スマホ所有別(複数回答)
また、スマホの使い方を子どもに教える時に親が不安に思うことは、子どもの性別によって少し違いがあります。下図の結果から、「お金の使い方」は男子の方が14ポイント高く、また連絡の取り方を教えることに対しての項目のは女子の方が高くなっています。これは性別による使い方の違いが影響していると推察されます。
図 【小中学生】 子どもにスマホの使い方を教える時に不安に感じる事 男女別(複数回答)
出典:小中学生の親がスマホの使い方を教える時に最も不安に感じるのは「安全な使い方(悪質サイト・アプリの見分け方等)」
ドコモのキッズケータイならお子さまをみまもれます
はじめての子ども用の携帯の購入を検討されている方におすすめなのが、ドコモのキッズケータイです。
ドコモのキッズケータイには、「おかえり通知」機能があり、お子さまが帰宅すると保護者の方のスマートフォンにSMSで通知が届きます。
また、お子さまが見守り範囲から離れたら、保護者の方のスマートフォンとキッズケータイにお知らせが届く「みまもりアラート」機能※1も搭載しています。
※1 対応機種:SH-03M、KY-41C
さらに、「イマドコサーチ」※2を利用すれば、キッズケータイやスマートフォンなどのGPS機能を使って、子どもの居場所を探せて、見守ることができます。保護者の方がドコモ以外の回線をお使いでもご利用になれます。
※2 キッズケータイとは別にお申込みが必要です。
イマドコサーチの詳細や利用条件等は下記リンク先よりご確認ください。
出典:イマドコサーチ
そして、いざというときを想定して、保護者の方のスマートフォンの専用アプリから、お子さまのキッズケータイのマナーモードを解除できる「遠隔操作」※3の機能も搭載されています。
※3 対応機種:SH-03M、KY-41C
ほかにも、防犯ブザーに連動して緊急連絡先 へ発信をしてくれる、いざというときの防犯ブザー※4を掲載。
※4 対応機種:SH-03M、KY-41C
家族などのあらかじめ登録した相手とのみ、通話と「+メッセージ」でのやりとりが可能です。
「+メッセージ」は、パケット通信料でメッセージのやりとりができ、お子さまが撮影した写真やスタンプも送信できて、家族と楽しくコミュニケーションができます。
もちろん、サイトへのアクセスや、SNSへの投稿ができないため、Webトラブルに巻き込まれるリスクも軽減してくれます。
また、お子さまが持ち歩きやすいコンパクトなサイズの「キッズケータイ コンパクト」もございます。キッズケータイ、キッズケータイ コンパクトの詳細や利用条件等は、下記リンク先よりご確認ください。
スマホをいつから持たせるかは子どもの成長次第
子どもにスマホをいつから持たせるのかを決めるのは、親にとっては難しいことです。一般的なデータとしては、スマホは小学生で持たせることが多く、学年が上がっていくのに比例して所持率が高くなっています。
これは、子どもの成長具合によって行動範囲は広くなるため、スマホがあれば緊急時でもすぐに連絡が取れてあんしんできると考えている親が多いことが理由でしょう。
スマホを子どもに持たせることにはデメリットもありますが、適切な使い方をすれば、親のあんしんや子どもの安全に役立つため、成長具合に合わせてスマホを持たせることを検討しましょう。
出典:子どものスマホ所有率上昇 小学生でキッズケータイ所有を上回るのは調査開始以来初(2022年2月28日)|ドコモ モバイル研究所