空間把握能力とは?子どもの能力を鍛えるためにおすすめの遊びや習いごとについてご紹介

「空間把握能力」とはどのようなものかご存じでしょうか。この記事では空間把握能力の内容や、能力が高い人・低い人の特徴、鍛えるための遊びや習いごとなどを紹介しています。子どものうちに空間把握能力は鍛えられるため、方法を知りたい方はぜひこちらをご覧ください。

「子どもの空間把握能力は高い方がいいって聞いたけど、それって何?」
「空間把握能力を鍛えるためにはどうしたらいいの?」
このように、空間把握能力について知らない方や、鍛え方がわからない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、空間把握能力とはどんな能力なのか、子どもの能力を鍛えるためにおすすめの遊びについて紹介しています。空間把握能力についての知識や、子どものうちから遊びのなかで鍛えていけることがわかるでしょう。

空間把握能力が高い人・低い人の特徴についても紹介しています。能力が高ければどういったことができるのか、低い人の注意点などについてもわかるでしょう。

また空間把握能力が高い人に向いている仕事についても紹介しているため、将来の選択肢を考えるのに役立ちます。

空間把握能力について知りたい方、子どものうちから鍛えたいと考えている方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。

空間把握能力とは

「空間把握能力」とは、空間にある物体の形や大きさ、位置や方向などを認識する能力のことです。

たとえば地図を見たとき、自分がどこにいるのか、向かう場所はどこで、どのようなルートで進めばいいのかといったことを考えるでしょう。このとき、空間把握能力が使われています。

スポーツするときでも、サッカーでゴールを決めたり、パスを正確に出したりする際には空間把握能力が役立っているでしょう。

空間把握能力と空間認識能力の違い

空間把握能力と似た言葉に「空間認識能力」があります。しかしこの2つの能力に大きな違いはありません。

空間把握能力も空間認識能力も、どちらも空間にある物体の形や大きさ、速さなどの情報を瞬時に、正確に知る能力をさす言葉として使われます。

子どもの空間把握能力は年齢に伴って育つ

子どもの空間把握能力は、年齢が上がるごとにだんだんと育っていくものです。そして個人差はあるものの、おおむね10歳前後で完成するといわれています。

0歳~2歳頃までは、大人のようには見えていません。生後3、4か月の頃から両目でものを見るようになります。しかし距離感がわからないため、子どもがよく距離を見誤って転んだり、ぶつかったりしてしまうことがあるでしょう。

3~4歳頃から距離感がわかるようになり、空間把握能力が少しずつ身に付いていきます。

5~9歳頃になると空間把握能力が育ってきて、ものを立体的に認識したり、物が移動する速さがわかるようになったりするでしょう。しっかり空間把握能力がついていれば、縄跳びやボール遊びを上手にこなせるようになります。

空間把握能力が高い人の特徴

空間把握能力が高い人には、いくつか特徴があります。空間把握能力は平面的なものを立体的にとらえ、空間にあるものの位置や移動する速さなどを正確に理解する能力です。

空間把握能力が高ければ、絵を描いたりスポーツをしたりすることが、得意になる可能性があるでしょう。

絵や図を上手く描ける

空間把握能力が高い人は、頭のなかでイメージをふくらませ、そのまま絵や図で上手に描けるという特徴があります。空間把握能力が高いため、頭のなかでイメージしたものをそのままの形で、絵や図にできるのです。

空間把握能力が低い人であれば、頭のなかでは正確にイメージできていたとしても、絵や図にする段階で思ったように描くことが難しくなります。頭ではどうすればいいのかわかっていても、実際に描く際に上手くいかず、ギャップが生まれてしまうのです。

スポーツが得意になりやすい

スポーツをする際にも空間把握能力が必要なため、能力の高い人はスポーツが得意になりやすいでしょう。

たとえばサッカーやバスケット、野球などをするときは、ボールがどこにあるのか、周囲の人の動きなどを早く正確に理解する必要があります。空間把握能力が高ければ、それらをすぐに理解して、体を素早く動かせるでしょう。

スポーツが得意だと子どもは自信をもってスポーツに取組めるようになります。また身体能力を向上させやすくなるでしょう。

物事の構造を理解できる

空間把握能力が高ければ、同じように見ていても視覚から受け取る情報が多くなるため、物事の構造をより早く、深く知ることができるようになるでしょう。

たとえば地図を読み取る際、空間把握能力が高い人であればさまざまな情報から関連性を見つけ、理解しやすくなります。物事についても全体を把握した上で情報を処理できるため、イメージをつかみやすく、難しい問題でも解決方法を見つけられるようになるでしょう。

空間把握能力が低い人の特徴

空間把握能力が低い人は、視覚から受け取るものの情報が少なくなるため、距離感がつかめず段差につまずきやすかったり、車の運転を上手くできなかったりする特徴があります。

歩いていても物との距離がわかりにくいため、ぶつかったり、つまずいたりしやすくなってしまうのです。

車を運転する際には、他の車にぶつかったり、前の車に近づきすぎたりしてしまうこともあるでしょう。車の運転が苦手になってしまう可能性があります。

子どもの空間把握能力を鍛えるためにおすすめの遊び

空間把握能力は年齢とともに育ちますが、10歳前後で完成するといわれています。空間把握能力を高めるためには、子どもが小さいうちから鍛えることを意識しておくことが大切です。

空間把握能力が育ちはじめる、3~4歳頃から鍛えていくといいでしょう。子どもが楽しめるように、空間把握能力を鍛えられる遊びを紹介するため、ぜひ日頃の遊びのなかに取入れていってみてください。

【屋外】鬼ごっこやアスレチックなど空間を意識する遊び

空間把握能力を鍛えるためには、屋外では鬼ごっこやキャッチボール、アスレチックなどの物や空間を意識して行う遊びがおすすめです。鬼ごっこでは鬼から逃げるにはどう逃げればいいのか、鬼は捕まえるためにはどう動けばいいのか考えて動くことになるでしょう。

キャッチボールではボールの速さや人の位置、どの程度の力で投げればいいのかといったことを意識できます。アスレチックではアスレチックの形を考え、手や足をどこにかけるのか、空間把握能力とともに手足の使い方も鍛えられるでしょう。

【屋内】ブロックや折り紙など組み合わせて形を作る遊び

ブロック、あるいは積み木を組み合わせることで、さまざまな形に変化させられます。どのように組み合わせれば形を維持できるのか、どんな形にするのか考えながら遊ぶため、空間把握能力が鍛えられるでしょう。

折り紙は折ることで、平面だった紙を立体的に変化させられるため、ものの奥行きを子どもに意識させられるでしょう。

たとえば手裏剣のような折り紙は、組み合わせに失敗すれば完成しません。どう組み合わせれば上手くいくのか考えるため、空間把握能力を鍛えられます。

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空間把握能力を伸ばすのにおすすめの習いごと

子どもの空間把握能力を伸ばすためには、お絵描き教室や体操教室、サッカーや野球といった習いごとがおすすめです。

お絵描き教室では実際に絵を描く際、描く範囲を決める必要があります。その際きちんと範囲におさまるように考えて描く必要があり、空間把握能力が鍛えられるでしょう。

体操教室ではマット運動や鉄棒などを行う際、天井や地面はどっちか把握したり、自分がどちらへ向かっているのか把握したりするために空間把握能力が必要です。

野球やサッカーといったスポーツでは、ボールの位置や動きの予測、人の動きなどを把握して動く必要があるため、空間把握能力が鍛えられるでしょう。

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空間把握能力が高い人はどんな仕事に活かせる?

空間把握能力が高い人は、絵や図を頭でイメージしたとおりに上手く描けたり、スポーツで力を発揮しやすかったりする特徴があります。

空間把握能力が高いことが活かせる仕事には、何かを設計したり体を動かしたり、奥行きなどを理解して絵を描くような仕事があります。

具体的にどのような職業があるのか紹介するため、参考にしてみてください。

建築家や設計士などの仕事

建築士は建物の設計を考える仕事で、設計士は家電製品や自動車といったさまざまなものの設計を行う仕事です。これらの仕事には、高い空間把握能力が求められるでしょう。

建物や家電製品、自動車などの設計では「CAD」という図面作成ソフトを使い、設計図を書きます。空間把握能力が高ければ、自分が建築したい、作りたい製品の図面や設計図を正確に書けるでしょう。

アニメーターやゲームクリエイターなどの仕事

アニメーターやゲームクリエイターは、「3Dモデル」を使ってアニメやゲームを作っています。3Dモデルを作った上で2次元の映像にすることが求められるため、アニメーターやゲームクリエイターには空間把握能力が必要です。

ゲームクリエイターは、ゲームのなかでキャラがリアルに動いているように見せなければなりません。ゲームのキャラクターが動いたりモンスターに襲われたりした際、リアルさを感じさせるためには空間把握能力が必要です。

また昔のアニメーターは3Dモデルではなく、平面の2次元でアニメを描いていました。その場合は2次元で描きながら、3次元で立体的に見えるようにするために、空間把握能力が求められていました。

スポーツ選手

空間把握能力が高いとスポーツが得意になるため、スポーツ選手の仕事で能力を活かせるでしょう。

たとえば野球やサッカー、バスケットボールといった球技では、ボールがどこにあるのか、どこにどの程度の速さで向かっているのか注意しなければなりません。周囲の人がどう動いているのか見て、自分のベストな動きも判断しなければならないでしょう。

空間把握能力が高い人は、周囲の状況を素早く認知することができます。状況が変わってもすぐに動けるため、スポーツ選手として活躍できるでしょう。

職業選びにも重要な空間把握能力

空間把握能力が高い人はスポーツが得意になりやすく、絵や図を描くのが得意な特徴があります。逆に能力が低い人は距離感が上手くつかめず、車の運転が苦手になったり歩いていても、つまずいたりしがちです。

空間把握能力は、将来の子どもの職業選びに大きな影響を与えるでしょう。空間把握能力は子どものうちに鍛えることができるため、年齢に合わせて、遊びながら鍛えていきましょう。