小学校で行われるアクティブラーニングはどんな内容?文部科学省が推進する理由と実践方法を解説

子どもには主体性を持って学んでほしいと思っている方もいるでしょう。本記事ではアクティブラーニングとは何かを解説し、小学校での取組み事例や日常生活で身に付ける方法、おすすめの教材を紹介しています。アクティブラーニングを子どもに学ばせたい方は参考にしてください。

「アクティブラーニングと従来の教育方法の違いは何?」
「学校ではどのようにアクティブラーニングを取入れているの?」
「将来のために、子どもには主体的に考える力をつけさせたい」
これからの社会を担う人材を育成する手法として、教育現場ではアクティブラーニングの導入がはじまっています。子どもの能力を伸ばし、社会で活躍できるスキルを身に付けてほしいと思う方もいるでしょう。

本記事ではアクティブラーニングを文部科学省が推進している理由を解説し、小学校で行われているアクティブラーニングの手法や教科ごとの導入事例についても紹介します。

この記事を読むことでアクティブラーニングの効果がわかり、柔軟な発想力を持つ子どもに育つでしょう。

アクティブラーニングについて詳しく知りたい方、子どもに主体性と柔軟な発想力を身に付けてほしいとお考えの方は本記事をチェックしてください。

文部科学省が推進する「アクティブラーニング」とは?実際の導入事例と効果について詳しく解説

文部科学省が推進する「アクティブラーニング」とは?実際の導入事例と効果について詳しく解説

アクティブラーニング 2024.03.29

文部科学省が小学校でのアクティブラーニングを推進する理由

文部科学省は、小学校でのアクティブラーニングを推進する理由について以下を挙げています。

・思考力や判断力、表現力は、問題や課題を主体的に発見して解決する経験を積むことにより磨かれる

・学びに向かう力を引き出すには、実生活での課題などを通じて動機づけを行い、子どもの興味と解決へのモチベーションを持たせ続ける必要がある

・学びの量だけでなく「どう考えるか」の質や深さが重要である

近年の社会環境の変化はめまぐるしく、子どもが社会に出て活躍するためには「自らが主体的に考え、学ぶ力」を身に付けることが必要になるでしょう。

出典:2.新しい学習指導要領等がめざす姿|文部科学省

従来の知識つめ込み型からアクティブラーニングへ

これまでの学校教育では「つめ込み型」と呼ばれる、暗記を中心として知識を増やす教育が行われてきました。つめ込み型は授業が一方通行になりがちで、自ら考える力やほかの物事に応用する力が育ちにくいことが問題だと考えられています。

そこで、文部科学省は子どもが主体的に考え、問題を解決する力を身に付けられるようにアクティブラーニングを小学校で推進することを決定しました。

アクティブラーニングでは問題解決の方法を考えるだけでなく、他者とのコミュニケーション能力や思考力、判断力が鍛えられます。海外でも取入れられている教育方法です。

児童が能動的に課題に取組むことを重視

アクティブラーニングでは、児童が自ら考えて能動的に課題に取組むことが重視されます。

従来の「教科書での知識をもとに正解を答える」という学習法ではなく、「正解のない課題に対して、解決手法や考え方、アプローチ方法を身につける」のがアクティブラーニングのねらいです。

具体的には、メンバーとの話し合いやグループワークを通じて社会性を育み、教養や知識、経験を積み重ねて、問題解決能力の向上と積極性を身に付けることが期待されています。

小学校で行われる3種類のアクティブラーニング

アクティブラーニングを学ぶことによって、自らが主体的に考え、他者とのコミュニケーション力が身に付くといわれています。小学校で行われるアクティブラーニングの手法は「課題解決学習(PBL)」「探求法」「ジグソー法」の3つです。

ここからは、小学校で実施されるアクティブラーニングによって、向上するそれぞれの能力を紹介します。

課題解決学習(PBL)

PBLとは「Project Based Learning」の略語で、与えられたテーマに対して仮説を立て、それを検証して結論を導く手法をさします。

授業では児童にとって身近なテーマを取り上げて進められることが一般的です。たとえば「地球温暖化を防ぐ方法」をテーマにした場合、以下の流れで進めていきます。

・問題や課題を洗い出す

・仮説を立てて、情報を収集する

・集めた情報を分析、検証する

・結論をまとめ、発表する

PBLは、正しい答えを見つけたかどうかよりも、結論を導き出すまでの過程が重視される学習理論です。さまざまな視点で試行錯誤し、自分なりの答えを出す力が身に付けば、PBLの効果が現れているといえるでしょう。

探求法

探求法では子どもが自ら設定した課題について情報収集や分析を行い、周りと意見交換をしながら解決策を導き出していきます。

PBLではテーマが与えられるのに対し、探求法では課題を自分で設定する点に違いがあります。またグループでのディスカッションを通じてコミュニケーション力が身に付き、チームワークの重要性を体感するのにも役立ちます。

探求法は教科にとらわれず、横断的で総合的な問題解決能力が身に付く学習法の一つです。

ジグソー法

グループに与えられた課題を細分化し、各パートを個人が分担して検討後、検討結果をグループ内で発表して全体像の把握と解決策を導き出します。

細分化された課題を一つにまとめ上げて、全体像を把握する点がジグソーパズルと似ていることから、ジグソー法と名づけられました。

ジグソー法では担当したパートの内容を発表することになりますが、自分自身が確実に理解していないと、ほかのメンバーに理解してもらえる説明はできません。

ジグソー法によって、情報収集などのインプット力だけでなく説明に必要なアウトプット力、さらに責任感や能動的に取組む力が向上するといわれています。

小学校の教科ごとのアクティブラーニング事例

文部科学省の学習指導要領が改訂され、学校教育においてもアクティブラーニングの導入がはじまりました。

ここからは、小学校で実施されているアクティブラーニングの事例を、国語・社会・算数と理科の教科別に紹介します。

出典:2.新しい学習指導要領等がめざす姿|文部科学省

話す・聞く力を伸ばす国語科

国語科では従来の「読む・書く」力に加え、新たにアクティブラーニングを使って「話す・聞く」力を伸ばす指導がはじまりました。

具体的には物語を読んで主人公の気持ちをメモに書き出した後、クラス全員のメモをもとに意見交換をし、さまざまなものの見方があることに気づかせます。

また新聞の投書欄を読み、どのような書き方をすれば説得力があるのかを考えて、自分でも実際に同じような文章を書いてみるという授業も行われています。

これらの経験を積むことで、多様な情報を見聞きして自分の意見をまとめ、他者に効果的に発信する力が身に付くでしょう。

考える力を伸ばす社会科

社会科では、身近なものを教材に実際に足を運んで調査し、解決策を見つけるという授業が行われています。

歴史映画を鑑賞し、主な登場人物や時代背景について感想を話し合います。その後、校外に出て城跡や古墳、昔の建造物などを探し、歴史を身近に感じさせるという取組みです。

ほかには地域の特産品について疑問点を洗い出し、お店にいって実際に売られている様子を見学します。見学後は特産品がより名物になる方法を考えるといった取組みも行われています。

思考力を伸ばす算数科・理科

算数科や理科では、従来の暗記型の学習方法から、アクティブラーニングによって「回答の自由度が広がる学び」への変化が特徴です。

算数科では、ただ九九を覚えるだけでなく「答えが”63”になる掛け算の式を思いつく限り挙げてみましょう」といった、児童の発想をうながす授業が行われています。

思考力を伸ばすだけでなく、グループで答えを出し合うことで、新たな考え方の発見につなげるのが目的です。

理科では「水が沸騰するとどうなるか」をテーマに、児童が予想を出し合い、仮説を立てます。その後実際に水を沸騰させ、水蒸気の様子や水の量の変化を観察して水の性質をまとめる授業が行われています。

どちらも一方通行の授業ではなく、意見をまとめてグループワークで意見交換し、結果を確認して課題解決につなげるスキルを身に付けられるのがメリットだといえるでしょう。

小学校でのアクティブラーニングで伸びる能力

小学校でアクティブラーニングを学ぶことで、さまざまな能力が伸びるといわれています。具体的には「主体的に取組む力」「問題解決能力」「協調性」の3つです。

たとえば、ごみの分別問題など、身の回りにあるテーマを取り上げることで、自分自身の将来と関連付けて解決策を考えようとする意欲がわき、主体性が身に付きます。

また、問題解決能力を身に付けるためには、さまざま仮説を立てて粘り強く検証し、失敗を重ねた上での成功体験が必要です。

さらに、まとめた意見を発表し、他者の意見に耳を傾けて、よりよい解決策を見出すことでコミュニケーション力や協調性の向上が期待できます。これらの能力を伸ばすことが小学校でのアクティブラーニング導入のねらいです。

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出典:ワンダーボックス for docomo|comotto

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出典:dキッズ|comotto

文部科学省が重視する資質と能力

文部科学省は、これからの時代に求められる資質や能力として以下の項目を挙げています。

・各教科に代表される、個別の知識や技能

・持っている知識や技能をどう使うかを考え、判断し、表現する力

・社会と関わり方と、よい人生を送るための向学心や人間性

情報化社会といわれる現代においては、多くの事柄を適切に処理し、活用する力が必要です。そのためには、知識や技能に加えて思考力や判断力、主体性・多様性、協働性が求められます。

子どもの頃からこれらの能力を育むことで、社会で通用する大人になることが期待できるでしょう。

出典:2.新しい学習指導要領等がめざす姿|文部科学省

アクティブラーニングで子どもの自由な発想を伸ばそう!

アクティブラーニングとは何か、教育現場で重視されている理由や小学校での取組み事例、アクティブラーニングによって伸びる能力について紹介しました。

これからの社会を生きていくためには、主体性を持って課題に取組む力や多様性を認める心、豊かな人間性が必要だといわれています。

身近なテーマを使って家庭でアクティブラーニングを実践することも可能です。「comotto」では、多彩なカリキュラムや教材を通じて、子どもの主体性と豊かな人間性を育む学びの場を提供しています。

子どもの自由な発想力を大切にし、楽しみながらアクティブラーニングに取組んでいきましょう。

出典:トップページ|comotto

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アクティブラーニング 2024.03.29