【IQを測る】知能検査とは?受けるメリットや種類・実施場所などをまとめて解説!
子どもの可能性を広げる一歩として、知能検査の活用を考えてみませんか。この記事では、知能検査の基本概念から、その内容、結果の意味、そして受けるメリットについて詳しく説明します。子どもの潜在能力を理解し、その成長を全力でサポートするための一歩を踏み出しましょう。
「子どものIQが気になる」
「頭がいい子は、やっぱりIQが高いのかな?」
「そもそも、知能検査では何がわかるの?」
など、子どもの将来に関心を持つ保護者の方は、子どもの知能や才能について考えることも多いのではないでしょうか。
この記事では、知能検査について、その種類や受けるメリット、実施場所に至るまでを詳しく解説しています。本記事では、子どもの学習能力や思考力を測るためには、どのような種類の検査が適しているかを把握することができるでしょう。
加えて、子どものIQを高める方法など、保護者の方に役立つ情報も紹介しているため、子どもの教育や成長をサポートするための一助にできるでしょう。
子どもの可能性を引き出したいと考えている保護者の方は、ぜひ、参考にしてください。
「知能検査」とは
「知能検査」とは、個人の知的能力を測定するための心理検査です。この検査は、知的障がい傾向の有無や、認知能力の偏りなどの判断することができるでしょう。
知能検査を受けるメリットは、個人のIQを年齢に応じた平均的なIQと比較し、自分の特性について理解を深められることです。
たとえば、言語理解や視覚的情報の処理が得意なのか、聴覚的情報処理に苦手意識があるのかなど、個々の能力のばらつきを知ることが可能です。
このような知能検査の結果は、職場での困りごとに対する対処法を考える際や、周囲の人への説明にも役立つでしょう。
知能検査の内容
知能検査は、個人の知的能力を測定するための一連のテストから成り立ちます。その内容は、言語理解、論理的思考、記憶力、空間認識能力などの項目です。知能検査は、個々の知的特性を理解するための有効な手段です。
検査で子どもの認知能力の偏りなどがわかれば、教育的支援の計画が立てやすくなり、それぞれの能力に応じた適切なサポートや指導を行うための基盤も構築しやすいでしょう。
知能検査の結果からわかること
知能検査で測定された知能指数(IQ)は、個人の特性を理解することに役立ちます。具体的には、個人の得意なことや苦手なこと、学習や生活上のつまずきの背景などです。
ただし、IQは全般的な「頭のよさ」を示すものではありません。あくまでも知能の一側面を示すものです。個人の全体像を把握するためには、ほかの要素と合わせて総合的に判断することが大切になります。
知能検査を受けるメリット
知能検査を受けるメリットは、個人のIQと年齢に応じた平均的なIQを比較することで、自分の特性をより深く理解できる点です。
知能検査では、「できること」「得意なこと」「できないこと」「苦手なこと」の傾向が確認できます。
その結果、学校や職場、日常生活での困りごとについて、対処法を考える際の参考にもなるため、周囲の人への説明にも役立つでしょう。このように、知能検査は個人の特性を把握し、それに基づいた対応策を考えるための重要なツールとなります。
【種類別】知能検査の目的と特徴
子どもの知的能力を測定し、教育や支援の方向性を決定するために役立つ知能検査には、さまざまな種類があります。
IQテストでは一般的な知能指数を測定できますが、ウェクスラー式や田中ビネー式では、言語理解や処理速度などを調べることが可能です。
ここでは、それぞれの結果の見方や特徴を紹介します。子どもの可能性を引き出す手助けとして、参考にしてみてはいかがでしょうか。
ウェクスラー式
ウェクスラー式知能検査は、幼児から成人まで、幅広い年齢層を対象にした知能検査です。
この検査には、WPPSI(幼児用)、WISC(児童版)、WAIS(成人用)の3種類があり、それぞれの年齢に応じた内容の検査が受けられます。
ウェクスラー式知能検査の特徴は、全検査IQとして知的発達の水準を測定し、言語理解指標(VCI)、視空間指標(VSI)、流動性推理指標(FRI)などの主要指標得点を算出することです。
これらの指標は、子どもの得意なことや苦手なことを理解し、教育や支援の方向性を決定するのに役立ちます。
田中ビネー式
田中ビネー式知能検査は、2歳から成人までを対象とした、知的発達の程度を測定する検査です。この検査は、フランスのビネーによって考案され、田中寛一が日本の文化に合わせて改訂したものです。
検査項目には、「知覚」「言語」「思考」「記憶」「数量」「構成」などがあり、これらを通じて精神年齢とIQを算出することが可能です。
特に、14歳未満の子どもでは、知能を一つの統一体として評価し、精神年齢をもとにIQを計算します。成人の場合は、偏差値指数を用いて知能レベルを判断し、知的障がいの判断を明らかにするのに広く用いられています。
K-ABC(ケー・エービーシー)
K-ABCは、子どもの認知能力と基礎学力を測定するための知能検査です。
この検査では、認知処理能力だけでなく基礎的学力も個別式で測定できるため、教育的な支援や指導に直結する情報が得られます。
K-ABC-IIの対象年齢は、2歳6カ月から18歳11カ月で、幼児から青年期まで幅広い年齢層に適用可能です。この検査は、特に発達障がいや学習のつまずきが見られる子どもに有効なアセスメントツールとされています。
WISC-IV
WISC-IV(ウィスク・フォー)は、5歳から16歳11か月の子どもを対象としたウェクスラー式知能検査の一つで、世界でも広く利用されている、代表的な児童用知能検査です。
この検査では、全検査IQ(FSIQ)と4つの指標得点(言語理解指標VCI、知覚推理指標PRI、ワーキングメモリー指標WMI、処理速度指標PSI)を測定し、子どもの知的能力の全体像を把握します。
検査は約60分から90分で行われ、教育支援センター、民間施設などで受けることができます。
知能検査を受ける際の注意点
知能検査を受ける際は、現在の自分の「ありのままの状態」を評価することが重要です。
検査前に練習をして、成績を上げようとするのは望ましくありません。検査の結果は、あくまで個人の特性を知るための1つの資料に過ぎず、すべてを網羅するものではないことを理解しておきましょう。
結果に一喜一憂せず、今後の生活に役立てることが重要です。
検査結果がすべてではないことを理解しておく
知能検査の結果は、個人の特性や能力の一面を示すものであり、その人のすべてを表すものではありません。
たとえば、IQスコアが高い人であっても、あらゆる分野で優れているわけではありません。また、IQスコアが低かったとしても、その人に能力がないという証明にはならないでしょう。
しかし、得意なことや苦手なことを客観的に理解できれば、その部分を補うための方法が探しやすくなるほか、周囲からのサポートを得やすくなる可能性もあります。
知能検査の結果は、個々の特性を理解するための1つの手段としてとらえ、適切なサポートや教育を行うための情報として活用することが望ましいでしょう。
再度検査を受ける場合は一定期間を空ける
再度知能検査を受ける場合は、一定の期間を空けることが重要です。その理由は、同じ検査を短期間で繰り返すと、前回の経験が結果に影響を与える可能性があるためです。
知能検査では、個人の発達や成長の変化をより正確にとらえるために、期間を空けて再検査することをおすすめします。
期間を空けることによって、前回の検査と比較したときに、個人の成長や発達の過程をより詳しく理解できるようになるでしょう。
知能検査はどこで受けられる?
知能検査が受けられるのは、公的病院や支援機関などの施設です。そのほかには、発達障がい者支援センターや一部の教育機関でも受検可能です。
個人運営のクリニックでも受けられますが、検査費用は自己負担となるため、注意が必要です。子どものIQテストを考えている保護者の方は、お住まいの地域の支援センターに相談するとよいでしょう。
病院(医療機関)
知能検査が可能な病院やクリニックでは、専門の医師や心理士が、IQテストやウェクスラー式、田中ビネー式などの方法で、子どもの知能レベルや特性を評価します。
検査の結果、子どもの学習や発達に対する支援が必要と判断された場合も、医師や専門スタッフからのアドバイスが受けられます。
出典:WAIS-IV・WISC-IV知能検査とは?|大阪メンタルクリニック梅田院
発達障がい者支援センター
発達障がい者支援センターは、発達障がい者とその家族に対して、保健、福祉、教育、労働などの分野で総合的な支援を提供する専門機関です。
これらのセンターは、都道府県や指定都市が運営し、地域における支援ネットワークの構築をめざしています。
発達障がい者とその家族からの相談に応じ、指導と助言を行うことで、豊かな地域生活を送るためのサポートを行っています。
専門の職員のほかに、医師や臨床心理士などがいる施設も多いため、知能検査を受ける際のサポートも得られるでしょう。
出典:発達障がい者支援センターとは|国立障がい者リハビリテーションセンター
出典:発達障がい者支援センターとは?支援内容や利用できる人について|ブレインクリニック
知能検査の費用は平均1万円~2万円
知能検査の費用は、実施するクリニックによって異なりますが、一般的には1万円~2万円の範囲でしょう。
子どもが知能検査を受けるためには、まず医師の判断が必要です。診断の結果、検査が必要と認められた場合は保険適用内となるため、子どもは約1,350円で受検できます。
個人運営のクリニックの場合は、独自の保険外診療プランを設定していることがあります。その場合は自費診療になるため、事前に料金を確認しておきましょう。
出典:知能検査(IQ検査)・認知検査の利用参照|ブレインクリニック
子どもの知能検査について相談できる場所
子どもの知能検査については、児童相談所、保健センター、子育て支援センターに相談できます。
上記の場所では、専門家による子どもの発達に関するアドバイスや支援が受けられます。また、知能検査の必要性や適切な時期、さらには検査後のフォローアップについての相談も可能です。
保護者の不安や疑問に対して、専門的な視点からのアドバイスが得られるため、子育てにおいて大きな助けとなるでしょう。
児童相談所
児童相談所では、子ども本人や家族、学校の先生からの相談に対し、児童福祉司、児童心理士、医師、保健師などの専門スタッフから助言が受けられます。
発達の遅れや特定の困りごとに関しても、専門的な視点からのサポートが期待できるでしょう。子どもの知能検査に関する相談にも対応しており、必要と判断した場合は、ほかの機関への紹介なども行っています。
保健センター
保健センターは、地域住民に対して総合的な保健サービスを提供する施設です。母子保健事業の一環として、子育てに関する相談も受付けています。
子どもの発達や健康に関する、さまざまな疑問や悩みに対応し、必要に応じてほかの専門機関への紹介も行います。
乳幼児健診などの定期的な検査では、子どもの知能検査に関する相談も可能です。子どもの様子を見たうえで、必要なサポートが受けられるでしょう
子育て支援センター
子育て支援センターは、主に市区町村ごとに運営される施設で、保護者や子ども同士の交流の場を提供しています。
ここでは、子育てや子どもの成長に関する幅広い相談を受け付け、情報提供や援助を行っています。地域に根差したサポートを提供しているため、保護者にとって頼りになる存在といえるでしょう。
子どものIQを高める方法
ここからは、子どものIQを高めるためにできることを見て行きましょう。
睡眠時間を確保し、規則正しい生活をすることはもちろん大切ですが、運動をしたり、自然体験をしたりすることでも、IQは高められます。
以下では、子どものIQを高めるための幼少期のサポートを紹介しています。ぜひ、参考にしてください。
十分に睡眠時間を確保する
十分な睡眠は子どもの成長と発達に必要です。米国国立睡眠財団によると、子どもの年齢に応じて必要な睡眠時間は異なり、幼児(1~2歳)では11~14時間、学童(6~13歳)では9~11時間が推奨されています。
日本の子どもたちの平均睡眠時間はこれより短くなっていますが、睡眠は子どもたちの運動能力や記憶能力を高めるために重要な要素です。
正しい睡眠リズムを確立し、質のよい睡眠が取れるような環境を整えましょう。
絵本などで文字に触れる
子どもの知能発達において、絵本を通じた文字へのふれあいは重要です。絵本を読むことは、言語能力の発達を促し、子どもの想像力や創造力を育むことにもつながるといわれています。
絵本を読むとき、子どもたちは絵からいろいろなことを想像するでしょう。そして、文字を読むことで、子どもたちは自分が想像したことに、さまざまな意味を加えて行きます。
このように、絵本などの読書を通じて子どもが新しい語彙を学び、言葉の理解を深めることは、学習への興味を高めることを可能にするといえるでしょう。
自然体験をする
子どもたちは、さまざまな体験学習のなかで新しい発見や感動を得ながら、自ら考える力や応用力を身に付けて行きます。
学校教育の一環として、自然教室や臨海学校が取入れられているのも、上記のような子どもたちの生きる力を養うためです。自分の感覚を通して、学ぶ経験が多ければ多いほど、子どもたちの能力は向上して行くといえるでしょう。
「comotto」では、お子さまに外で自然を楽しんでいただけるイベントを適宜開催しています。
「comotto」のイベントは、子どものための自然体験や、金融教育、キャリア教育、創造力を養う教育など、学校だけでは学べない、将来にとって大切なことを学べます。
現在、募集中・開催予定のイベントは下記よりご確認ください。
子どものIQが気になったら知能検査を受けさせよう
子どものIQが気になるときは、知能検査を検討するのもよいでしょう。
知能検査は、単なる診断としてではなく、子どもの能力を理解し、適切な教育支援を行うためにも重要な検査です。
知能検査でわかるのは、物事の理解力や知識などですが、子どもにはそれぞれ個性があります。自分の子どもは、何が得意で何が苦手なのかを知ることができれば、将来的な進路を考える材料にもできるでしょう。