子どもの叱り方に「正解」はない!意識すべきポイントやNG例をご紹介

子どもの叱り方に「正解」はない!意識すべきポイントやNG例をご紹介

子どもをどう叱ったらいいのかわからない、ということはないでしょうか。この記事では子どもを叱るべき場面や子どもに伝わる叱り方、叱る際に気をつけたいことを紹介しています。叱り方一つで子どもへの伝わり方は変わるため、ぜひこちらを参考にしてください。

「子どもは叱らなければならないの?」

 「どうやって子どもを叱ればいい?」

 「子どもの上手い叱り方ってある?」

 このように、子どもの叱り方について疑問や不安がある方もいるでしょう。

この記事では子どもを叱らないといけない場面や、子どもに伝わる叱り方について紹介します。子どもをきちんと叱らなければならない状況があることや、なぜ叱られているのか子どもにしっかり伝える方法がわかるでしょう。

また、叱り方のNG例や、叱るときに親が気をつけておきたいことも紹介しています。この記事を読むことで、自分の叱り方が適切かどうか確認できるだけではなく、叱るときの親の注意点も理解できるでしょう。

年齢ごとの叱り方のコツも紹介しているため、自分の子どもへの具体的な叱り方もわかります。

子どもの叱り方がわからない方や、上手な叱り方を知りたい方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。

子どもを叱らないといけない場面

子育てをしていると、どうしても子どもを叱る場面もあるでしょう。

子どもは悪いことをする気はなくても、危険なことやよくないことをしていることがあります。実際にどんな場面に出くわしたら叱らないといけないのか、具体的に紹介します。子どもがこのようなことをしていたら、迷わず叱るようにしましょう。

子どものあんぜんにかかわるとき

子どもは夢中になると、周りが見えなくなることがあります。もし、子どもが周囲を見ずに道路に飛び出したり、危険な場所に近づこうとしていた場合は、しっかり叱りましょう。

近年は叱らない育児が注目された影響で、子どもを叱ることに疑問や不安がある方もいるでしょう。しかし、子どものあんぜんにかかわるときは迷わず叱った方が、子どもも危険なことはしてはいけないと、学びます。結果的に子どもを守ることにつながるでしょう。

社会的・道徳的ルールを守っていないとき

子どもは自分の気の向くままに行動しがちですが、社会にはルールがあります。たとえば公共の場所では騒がないこと、学校などでは友だちをいじめたり、悪口をいったりしないということです。

子どもはやってよいことと悪いことの区別がついていないため、親が叱ってそれを教える必要があります。

他人を傷つけているとき

子どもが他人を傷つけているとき、傷つけそうなときは、すぐにとめて叱りましょう。それが実際の暴力ではなく、言葉によるものであっても同じです。

他人を傷つけると、他人だけでなく、その周囲の人も悲しませます。暴力をふるうことで得られるものはないと教えましょう。

子どもに伝わる上手な叱り方

子どもを叱るにしても、ただ叱ればいいというものではありません。そもそも「叱る」というのは、よくないことを指摘して注意する行為です。

叱るのと怒ることは全く別のものです。怒るのは怒りの感情を表しているだけのことをさします。叱っても子どもに上手く伝わらない場合、叱るのではなく、怒っているから伝わっていない可能性があります。

子どもを叱る場合は、子どもの気持ちや親の態度に気をつけて叱りましょう。

子どもの気持ちに寄り添う

子どもを叱るとき、すぐに子どもの気持ちを否定してしまうと、子どもは親のいうことを聞こうとしないでしょう。一度肯定すると、親の言葉に耳をかたむけてくれやすくなります。

子どもの話を聞いてまずは肯定して、子どもの気持ちに寄り添いましょう。そのあとなぜ叱っているのか、理由を伝えましょう。このとき、何がいけないのか具体的に伝えることも大切です。

やってはいけないことをしたらその場で短く叱る

子どもがやってはいけないことをしてから、時間をあけて叱ってしまうと、子どもはなぜ叱られてしまうのかわからなくなってしまいます。

また、長々と叱っても子どもはだんだん聞き飽きてしまうため、叱る理由は端的に伝えるようにしましょう。

子どもと目線を合わす

子どもを叱るときはしっかり体ごと子どもに向き合って叱るようにしましょう。目線が合っていないまま叱っても、子どもは自分が叱られている実感がもてないため、効果がありません。

また、親が何かしながら子どもを叱ってしまうと、子どもも適当に受け止めてしまいます。きちんと叱っていることを教えるため、叱る内容を伝えるためにも、目線を合わせて叱ることが大切です。

叱っている理由をわかりやすく伝える

ただ「それをしてはダメ」や「いけません」と伝えるだけでは、叱る理由が子どもに伝わりません。

また、叱る理由は一つに限定することも大切です。叱ることがたくさんあるからと、一度にまとめて叱ってしまうと、子どもは何で叱られたのかわからなくなってしまいます。

できるようになったら褒める

叱ることも重要ですが、その後のフォローも大切です。叱った後によい行動を見せた場合は、褒めることで子どものモチベーションが向上し、よい行動を続ける可能性が高まります。

バランスの取れた叱り方と褒め方を通じて、子どもとの信頼関係を築くことが重要です。

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叱り方のNG例

叱ったことをいつまでも引きずったり、親の感情のまま叱ったりすることはよくありません。適切でない叱り方をしてしまうと、子どもに悪影響を与えたり、逆効果になったりする可能性があるでしょう。

自分の叱り方が適切かどうか確認するためにも、こちらをチェックしてみてください。

しつこくいい続ける

子どもを長々と叱ってしまうと、子どもは嫌な気持ちになるだけで、何で叱られていたのかよくわからなくなってしまいます。

親としては、叱る際にあれもこれもとさまざまなことを思いついてしまいますが、子どもにしっかりいい聞かせたいのであれば、短く𠮟るようにしましょう。

ほかの子どもと比較する

子どもたちは比較されることに敏感なため、ほかの子どもとの比較は自己肯定感を低下させてしまうでしょう。

比較するのであれば子ども自身の昔と今で比較し、成長や努力を褒めることで、子どもにとってもポジティブな学びとなります。

また、子どもを叱る際はプライバシーを守り、他人の前で厳しく注意することは避けましょう。感情を尊重し子どものプライバシーを守ることで、より建設的な叱り方ができるでしょう。

感情的になる

感情的になって怒鳴ってしまうと、子どもに恐怖心を与え、萎縮させてしまうでしょう。

怒鳴った方が子どもがいうことを聞くということは、ありません。そう見えるのは、恐怖心から子どもが従っているためでしょう。ただ親が怖いから従っているだけで、どうしてそうしなければならないのか理由を理解していないため、問題は解決していません。

子どもに対して怒りの感情が湧いていたら、いったん落ち着いて深呼吸をするのがおすすめです。もし感情的にふるまってしまった場合は、きちんと子どもに謝ることが重要です。親子の信頼関係を大切にしましょう。

人格否定をして傷つける

子どもの人格を否定するような叱り方は、子どもを過剰に傷つけてしまうため、絶対にしないようにしましょう。具体的には「あなたはダメな子ね」や「本当に悪い子ね」といった言葉です。

人格を否定する言葉を親からかけられると、子どもが自分はダメな子だと思うようになってしまいます。子どもの自己肯定感を低くして自信をなくし、ネガティブな思考に陥らせてしまうでしょう。

子どもの人格を否定しないよう、子どもにかける言葉には気をつけることが大切です。

手をあげて恐怖感を与える

子どもに対して暴力をふるうことは、絶対にNGです。暴力は叱ることではなく、ただ子どもに恐怖を与えるだけです。

子どもを恐怖で支配しても、しつけたことにはならないでしょう。また、暴力で支配されることに慣れてしまった子どもは、他人に対して暴力をふるいやすくなる可能性があります。

叱る際に親が気をつけたいこと

子どもを叱るにしても、親として心得ておかなければならないことを忘れていると、子どもに過大な要求をしてしまう可能性があるでしょう。子どもの成長を促すために、気をつけておきたいこともあります。

間違った叱り方をしないために、これらの内容を押さえておきましょう。

はじめは失敗の繰り返しであることを理解する

子どもにとっては、何ごともはじめてであることを理解し、失敗を繰り返しても受止めましょう。

大人であっても、はじめてのことを最初から上手く取組める人は少ないでしょう。失敗を繰り返し、学んでいくことも多くあります。それは子どもも同じです。

やがて、できるようになったときに大きく成長するため、子どもの可能性をつぶすような叱り方はしないように気をつけましょう。

「できない」部分だけを見ない

子どもは「できない」ことや、「失敗」してしまうことがたくさんあります。そのため、親はつい「できない」ことが気になってしまうでしょう。しかし「できない」ことよりも「できる」ことに目を向けて褒めた方が、子どもの能力を伸ばせます。

子どもに対して「どうしてできないのか」と考えるのではなく、「ここまでできるようになった」という見方をするように心がけましょう。子どもに「できない」ことを、叱る必要はありません。

自分(親)が間違っていたら素直に謝る

親は完璧な存在ではなく、ときに間違えることもあります。大事なことは、自分(親)が間違っていたと気づいたら、すぐに子どもに謝ることです。

子どもに対して、間違ったことをしたら謝らなければならないと教えたとします。そのあとに、親が間違いをしたのに子どもに謝らないのは、子どもに教えてきた内容と反します。間違ったことをしたら、親でも謝るのだということを子どもに教えましょう。

子どもを一人の人間と認め、しっかり向き合っていくことが大切です。

【年齢別】子どもに伝わる上手な叱り方のコツ

子どもは年齢によって、発達段階が変わります。たとえば1~3歳の乳幼児と、13~15歳の中学生では、子どもができることや考える内容に大きな違いがあるでしょう。そのため、適切な叱り方も変わってきます。

子どもに伝わりやすい叱り方を年齢ごとに紹介するので、参考にしてみてください。

【1~3歳】乳幼児の場合

1~3歳の乳幼児に対しては、子どもとしっかり目線を合わせ、目を見て短い言葉で叱るようにしましょう。目を合わせることで、子どもは親が心配していることを理解してくれます。短い言葉で、簡潔に叱ることも重要です。

1~3歳くらいの乳幼児は、好奇心旺盛で何にでも手を伸ばします。親は、子どもの周囲に危険なものを置かないように気をつけておきましょう。家のなかで子どもが登れそうな台などがあった場合、飛び降りてケガをしないように片づけておきましょう。

【4~6歳】幼児の場合

4~6歳の幼児を叱る場合は、どうして叱っているのか、理由をきちんと説明することが大切です。この頃の子どもは、親のいうことを理解できるため、何がいけないのかを具体的に伝えるようにしましょう。

ただし、4~6歳の子どもは、なんでも自分でやりたがる年齢です。子どもの話を聞いてから叱り、問題のないやり方や考え方を教えていくようにしましょう。

【7~12歳】小学生の場合

7~12歳の小学生に対しては、何がいけなかったのかを子ども自身に考えさせましょう。してはいけないことをしてしまった、しないようにするにはどうしたらよかったのかを、子どもと一緒に考えることも大切です。

このような叱り方を心がけることで、子どもは自分で考える力が身に付きます。学校での過ごし方や、友達との付き合い方も変わってくるでしょう。

【13~15歳】中学生の場合

13~15歳の中学生を叱る場合は、大人として扱い、叱るのではなく話し合うようにするといいでしょう。子どもも成長しているため、ただ叱っただけでは反発される可能性があります。

たとえば、勉強をあまりしていない子どもに「勉強しなさい」といっても、素直に受け入れられないでしょう。親の考えや現状を子どもに伝え、親の意見を提案するように対応してみてください。

上手な叱り方を知って子どもの成長に役立てよう

子育てしていると、子どもを叱らなければならない場面はたくさんあるでしょう。子どもに伝わる叱り方をすることで、子どもの気持ちを大切にし、能力を育てていけるようになります。

逆に適切でない叱り方をしてしまうと、子どもを怖がらせたり萎縮させたりしてしまい、本来ある能力をつぶしてしまう可能性があるでしょう。

適切な叱り方を理解し実践することで、良好な親子関係を築くことができます。ぜひこの記事を参考に子どもに伝わる叱り方を知って、子どもとの信頼関係を築いていきましょう。

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