反抗期のない子は大丈夫?心配するべきことや親ができることをご紹介

反抗期のない子は大丈夫?心配するべきことや親ができることをご紹介

反抗期がない子どもが増えているのをご存じでしょうか。この記事では、子どもに反抗期がない場合に考えられる理由や反抗期がない子どもの特徴、将来への影響などを紹介しています。反抗期がない理由を知りたい方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。

「思春期の子どもは、みんな反抗期があるんじゃないの?」

 「うちの子には、反抗期がない。今後、何か大きな反動がありそうで心配」

 「しつけが厳しすぎたから反抗期がないの?」

 近年、反抗期がない子どもが増えているといわれており、このような悩みや不安を抱える方もいるでしょう。

本記事では、子どもに反抗期がない理由や反抗期を経験しない子どもの特徴、将来への影響、反抗期のない子どものためにできることを紹介しています。

この記事を読むことで、反抗期がない子どもについて理解を深めることができるため、多感な時期の子に対する接し方がわかるでしょう。

反抗期がない子どもの将来を不安に感じている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

反抗期のない子どもが増えている?

反抗期は、子どもが他人の意見や指示に拒否反応を示し、反抗する時期です。一般的に、幼児期と思春期の2回ありますが、近年、反抗期がない子どもが増えているといわれています。

明治安田生命福祉研究所(現:株式会社明治安田総合研究所)と株式会社きんざいが共同で行った、「親子の関係についての意識と実態」では、次のようになっています。

「反抗期がなかった」と答えたのは、親世代が子どもだった頃の男性で28.1%、女性で26.4%であるのに対し、現在の子どもは男性42.6%、女性35.6%です。

男女ともに反抗期がないと自覚する子どもは親世代よりも増えており、男性の方が増加率が高くなっています。

出典:「親子の関係についての意識と実態-親1万人・子ども6千人調査-|明治安田生活福祉研究所

出典:会社概要|株式会社明治安田総合研究所

出典:会社概要|一般社団法人金融財政事情研究会

「反抗期がない」ことには問題はない

子どもが何も反抗することがないため、何か問題があるのではと不安に感じたり、心配になったりする人は多くいます。

「反抗期がない=何か問題がある」というわけではありません。反抗期がない理由はさまざまで、ポジティブな理由であれば、あまり心配する必要はないでしょう。しかし、ネガティブな理由であれば、解決に向けて行動を起こす必要があります。

子どもの様子をよく観察して、どのような理由で反抗期がないのか、しっかりと考えるようにしましょう。

子どもに反抗期がない場合に考えられる理由

子どもに反抗期がない場合の理由には、「ポジティブな理由」と「ネガティブな理由」があると考えられています。ポジティブな理由であれば問題ありませんが、ネガティブな理由であれば、子どもの様子に気をつけた方がよいでしょう。

ここからは、子どもに反抗期がない場合に考えられる理由を紹介していきます。ネガティブな理由では、気をつけた方がよいポイントも一緒に紹介しますので、ぜひ、参考にしてください。

親とよい関係が築けている

反抗期の子どもは他人との価値観の違いに違和感を覚え、反発心を見せます。親子関係が良好で、子どもが価値観の違いを感じず反発心が生まれないのであれば、親に対する反抗はないことが多いです。このような場合、心配する必要はないでしょう。

ただ、親に対して反抗しないから、誰に対しても反抗期が見られないというわけではありません。友達や先生との意見の食い違いにイライラして、反発心を持つことはあります。家では穏やかでも、外の世界での出来事がストレスになることがあるでしょう。

年齢相応の反抗期を受け止め、家庭で話を聞くことが大切です。

小さな反抗でおさまっている

小さな反抗でおさまっていることで、親が反抗期が来ていることに気づかない場合もあります。

何か意見の食い違いがあっても親子でしっかり話し合うことができ、けんかに発展する前に解決できている場合などです。

このようなケースは特に問題はなく、これまでどおり何か問題が起きたら、話し合うということを続けていけばよいでしょう。

子どもを甘やかしすぎている

反抗期がない子どものなかには、甘やかされて育ったケースも見受けられます。

甘やかされて育った子どもは、わがままでも許容してもらえるため反抗心を持たないことが多いです。また、子どもの希望を親が先回りして叶えてくれるため、依存度が高く、反発が見られないでしょう。

甘やかされたことで反抗期がない子どもは、自分で考えたり、決めたりすることができず、将来的に自立できない可能性があり問題です。誰に対してもわがままを通そうとするようになり、人間関係で苦労することもあるでしょう。

親の支配が強く反抗できない

幼少期から親の支配が強く、反抗できない環境である場合、注意が必要です。

親の支配とは、暴力やネグレクトといった肉体的支配、暴言や過剰な行動制限などの精神的な支配があります。

このケースでは、子ども自身が意見をいっても聞き入れてもらえないと思っているため、反抗する気力がなくなっているでしょう。親のいうことが一番と考えるようになり、自立できず、健全な人間関係を築くことが難しい大人になる危険性があります。

反抗できるほどコミュニケーションが取れていない

子どもが反抗できるほど、親子間のコミュニケーションが取れていない場合もあります。

反抗とは、相手に気を許していて、「この人ならあんしんして甘えられる」と思える相手に見せる傾向が高いです。十分にコミュニケーションが取れていないと、あんしんして甘えられるという認識を持てないため、反抗できないといった理由もあります。

仕事で忙しいなどの事情がある場合でも、子どもとコミュニケーションを取る時間を確保することが大切です。

反抗期がない子どもの特徴

反抗期がない子どもには、おとなしい、穏やかな性格であるという特徴があります。おとなしく、穏やかな子どもは、争い事を嫌う傾向があるでしょう。反抗して相手にぶつかるよりも、相手に合わせていた方がよいと感じます。

また、自分は自分、他人は他人という自立した考えを持つ子どももいます。腹が立ってもぐっと我慢でき、自分の意見を無理に通そうとはしません。

一見、ものわかりのよい子という印象を受けますが、自分を押し殺し無理に相手に合わせようとする子どももいるため、注意が必要です。

子どもに反抗期がないと将来に影響がある?

ポジティブな理由で子どもに反抗期がないのであれば、このまま良好な親子関係を続けていけばよいでしょう。

しかし、ネガティブな理由で反抗期がない場合は、子どもが大人になり社会に出たときに悪い影響があるのではないかと心配になる人もいるでしょう。

ここからは、子どもに反抗期がないと将来にどのような影響があるのか紹介していきます。

自分の意志や考えを主張できない場合がある

子どもは反抗期に自分の考えを押し通そうとすることで、自己主張の仕方や折り合いのつけ方を学んでいきます。

そのため、反抗期がなかった子どもは、他人に自分の意志や考えを主張できなくなってしまう可能性があるでしょう。

面接で自分の意見を上手く伝えられず落とされる、自分の仕事で手一杯なのに、相手から仕事を振られたときに、NOと伝えることができないなどの影響があります。

考える習慣がつかない場合がある

反抗期を迎えた子どもは、「自分はどのような価値観を持っているのか」「親にあらがうためにどうすればよいのか」など、さまざまなことを考えています。

考えていくなかで、相手の意見との折り合いのつけ方など、良好な人間関係を築くための土台を形成していきます。

さまざまなことに考えを巡らせる反抗期がなかった子どもたちは、考える習慣がつかない場合があるでしょう。相手からいわれるまで行動できない、流されやすい人に育つ危険性があります。

大人になっても自立しにくくなる場合がある

反抗期は、親の依存から脱却して、自分自身を確立し自立していくために必要なステップです。

この時期に、親の過干渉により考える機会を奪ったり、甘やかして子どもの要求を許容したりすると、自立できない可能性があります。

進学先や就職先を自分で決められない、大人になって親元から離れることができず、依存したまま何もできないという可能性があるでしょう。

反抗期のない子どものために親ができること

将来、子どもが生きづらさを感じてしまわないためにも、親ができることを知って対処する必要があります。

ここからは、反抗期のない子どものために親ができることを紹介していきます。すぐにはじめられる簡単なものばかりです。ご家庭の環境に合わせて取入れてみましょう。

子どもの行動を制限しない

精神面だけでなく、肉体的に縛りすぎるような言動はNGです。

子どもがやりたいことを自己主張するようになったら、人に迷惑をかける行為や法律に反する行為以外は、できるだけ許容しましょう。

子どもが自由に考え、行動することで、自主性が生まれ自立に向けて一歩を踏み出せるようになります。

愛情表現をたくさんする

子どもは「あんしんして反抗できる」「素直な気持ちを伝えてもよい」と思える相手にしか、反抗を見せないでしょう。子どもがこのような気持ちになれるように、愛情表現をたくさんすることも大切です。

子どもを肯定する言葉や愛しているという言葉をかけるだけでなく、スキンシップを取る、目を見て話すなど日常の行動で愛情を示しましょう。

子どもの気持ちや考えを積極的に聴く

親に期待していない子どもは、なかなか本心を打ち明けられません。モヤモヤとした感情を抱えていたとしても、胸にしまい隠そうとするため、子どもの気持ちや考えを積極的に聴く時間を持つようにしましょう。

本音を語れない子どものなかには、親への不満が溜まっている場合もあります。親のどのような言動に不満を抱えているのか、腹を割って話し合うのもよいでしょう。

子どもに反抗期がないことは過度に心配しないようにしよう

子どもに反抗期がないからといって、過度に心配する必要はありません。親子でしっかりコミュニケーションが取れており、何でも話し合える関係であれば問題ないでしょう。

ただし、甘やかしすぎやコミュニケーション不足など、家庭環境の悪さから反抗できないのであれば、改善が必要です。

今回紹介したことを参考に、積極的に子どもの気持ちや考えを聴く時間を確保するようにしましょう。

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