小学校に行きたくない3つの理由とは?理由を聞き出すコツや対処法を詳しく解説
「小学校に行きたくない」と子どもがいい出したとき、対応に困ってしまう方も多いのではないでしょうか。本記事では、学校に行きたくない理由には、どのようなものがあるか、その場合の親の対処法についてなど紹介します。子どもの不登校に気をつけたい方は参考にしてください。
「小学校で嫌なことってどんなことがあるのかな?」
「小学校に行きたくない子どもにしてはいけない発言ってどんな内容?」
「子どもが不登校になりそうで心配…」
このように、子どもが登校を嫌がっていることに悩む方も多いのではないでしょうか。
子どもに小学校へ行きたくない理由を聞いても、ぐずる、怒るなど感情的になってしまい、きちんと答えてくれないこともあるでしょう。特に、低学年のうちは自分の考えをまとめられず、理由をきちんといえないこともあります。
本記事では、子どもが学校に行きたがらない理由は、どのようなところにあるのか、そのときの親の対応についてなど紹介します。
この記事を読むことで、子どもに対して、気をつけなければならない伝え方や、子どもの気持ちに配慮した対応などが、わかってくるでしょう。子どもが不登校になってしまい悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
【文部科学省公表】先生との関係で学校に行きたくない生徒は29.7%
文部科学省が公表している資料によると、「最初に行きづらいと感じはじめたきっかけ」において、「先生との関係で学校に行きたくない」と回答している生徒は29.7%となっています。
人間同士で関係を築く以上、先生と生徒でもよい相性、悪い相性というものが出てくることがあります。小学生の場合は、まだ精神面で幼い部分もあり、先生の何気ない一言で深く傷ついてしまうこともあるでしょう。
たとえば、子どもが先生の注意を重く受け止めてしまい、先生に対して苦手意識を持ったことで不登校につながるケースも少なくありません。
出典:不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書・不登校児童生徒の実態把握に関する調査企画分析会議 (令和3年10月 )|文部科学省
【3選】小学生が学校に行きたくない理由
小学生が学校に行きたくない理由には、対人関係における理由や学習の面に関するものが多い傾向があります。子どもの不登校を回避するためにも、あらかじめ、どのようなところに不安を感じやすいのか、親は把握しておくと、子どもの悩みに寄り添った対応がしやすいでしょう。
具体的には、以下のようなことで、子どもが「学校に行きたくない」といい出すことがあります。
先生や友達との人間関係が嫌だから
大人でも気の合う人、合わない人がいるように、子どもも相性的な問題はあります。学校では、先生やクラスメイトとの交流が発生するため、「学校に行きたくない」といってくることもあるでしょう。
学校は年間を通して、同じメンバーと同じ空間のなかで過ごします。気が合う友達ができなかった場合、「学校生活が楽しくない」ということもあるでしょう。
また、先生との相性が悪かった場合、先生の言動が子どもに影響を与えることがあります。ちょっと注意したことでも、子どもが深く傷つき、先生に苦手意識を持ってしまうこともあるでしょう。
環境が変化してしまうのが嫌だから
小学校に上がると、これまでの幼稚園・保育園の生活とは違い、環境が大きく変わります。子どもにとって、大きなストレスが生じることがあるでしょう。
幼稚園や保育園のときは、先生のサポートがありましたが、小学校では自分のことは自分でやらなければならない状況が増えます。
給食の時間や着替えの時間など、1人でできない子どもはおくれをとって目立ってしまうでしょう。さらに行動が遅いことで、うしろめたいと感じるようになります。
環境の変化に順応するまで時間がかかる子どもの場合は、学校生活が苦痛になり不登校に発展しやすい傾向があります。
勉強についていけないのが嫌だから
学校は、みんなと一緒に勉強をしていく場でもあります。授業は一律で進んでいくため、理解できない子どもは、授業内容がわからないままになってしまうこともあるでしょう。「周りのみんなはわかっているのに自分は問題が解けない」というようなケースも出てきます。
勉強についていけなくなると、新しいことを覚える自信もなくなってしまい、「もう勉強したくない、学校へ行きたくない」などマイナスなことをいい出すこともあるでしょう。
【小学校の学年別】学校に行きたくない理由を聞き出すコツ
学校を休みがちになっている場合や、学校に対してネガティブな気持ちだった場合、その理由を子どもが話してくれないこともあるでしょう。親は理由がわからない状態では、状況の回復に向けて対処できず困ってしまうことがあります。
ここでは、小学校の学年別に学校に行きたくない理由を聞き出すには、どうすればいいか、対応方法を解説します。小学校低学年と高学年で押さえておくポイントが異なるため、子どもの学年にあった対応をしましょう。
小学校低学年の子に聞く場合
子どもが小学校低学年の場合は、年齢の幼さから、まだ考えを言語化することが上手くできていないこともあります。「言葉にするのが難しいだろう」と考えて、無理に聞き出さないようにしましょう。
メンタルの不調が身体症状として、表れていることがあります。たとえば、お腹が痛くなる、夜眠れなくなる、朝起きられなくなる、などです。まずは、体調や様子を注意深く観察してみてください。
また、子どもの好きなことや楽しみにしていることをやってみたり、他愛のない会話をしたりするなど、コミュニケーションをとってみることも大切です。あんしんして話しやすい空気ができれば、子どもから学校への不安を口にすることもあるでしょう。
小学校高学年の子に聞く場合
子どもが小学校高学年の場合は、言語化できても伝えることが難しい年頃でもあるでしょう。学校に行きたくない理由について、「言語化したくない」「誰かに話したくない」と思っている可能性もあります。
子どもの認識として「親が自分の話をちゃんと聞いてくれない」と、親への期待感が低いケースがあるでしょう。まずは親が、子どもの話を聞く姿勢であるということを明確にするのが重要です。
【2選】「学校に行きたくない」といわれたときの対処法
「小学校に行きたくない」といわれたとき、親はしっかりと子どもの悩みに向き合う必要があります。親が適切な接し方ができるかによって、子どもの気持ちが安定して不登校が解決する可能性も高くなります。
以下2つの方法を紹介します。学校に対する不安を小さくして、登校意欲につながる力に変えてあげられるよう支援してあげましょう。
子どもと向き合い「あんしん」させてあげる
学校生活の不安から、幼児のように甘えて親と離れたくない、学校に行きたくないといってくることがあります。これは親にあんしん感を求めているときに多いでしょう。
子どもが寄ってきたとき、まずは優しく抱きしめて、子どもが不安な気持ちを持っていることを受け入れることが大切です。子どもは、あんしん感が満たされて、満足すれば自分から離れていくでしょう。
子どもが「学校に行きたくない」といったからといって、休むことを受け入れると、子どもは苦手なものを避けたがるようになり、甘える癖がついてしまうことがあります。
甘えさせるのではなく、まずは子どもと向き合って、子どもの気持ちをあんしんさせてあげることを考えるのがよいでしょう。
子どもの「不安」「悩み」は一緒に考えること
特に低学年の子どもの場合は、自分の気持ちを整理できず、考えなどを上手く表現できないことがあります。子どもの抱く「不安」「悩み」に関して、無理に説明を求めず、親は一緒に考える姿勢を持ってあげてください。
一緒に考える姿勢を持って接することで、子どもはあんしんして気持ちを打ち明けられるようになるでしょう。あんしん感から自然とこぼす言葉に、学校へ行きたくない理由のヒントが含まれることもあります。
子どもとの会話では、気をつける点がいくつかあります。子どもの言葉をきちんと聴く、子どもの考えや気持ちは否定せずに受け入れること、「なぜ」「どうして」ではなく「何が」と聞くようにするなどです。
子どもが話しているのに親が遮って結論をいってしまうと、子どもが自分の気持ちをいえなくなってしまいます。子どもが話しているときは、自分の考えをぶつけず、ていねいに耳を傾けることが大切です。
子どもの発言を否定して「お母さんはこう思うよ」「でも学校を休むのはダメだよね」など、親の考えをいってしまうと、子どもは「自分のことをわかってくれない」と感じてしまう可能性があります。子どもがいったことは「そうなんだ」と受け止めましょう。
また、「なぜ」「どうして」など理由を聞いても、子どもは上手く答えられないことがあります。この場合は視点を変えるために「何が?」と、意識を向ける場所を作れるような質問をしましょう。子どもが答えやすいような問いを出せるようにしてください。
小学校に行きたくない子どもにしてはいけない対応
親が気づかないうちに、小学校に行きたくない子どもに、してはいけない対応をとっていることもあります。
たとえば、「なぜ?(どうして?)」と語気を荒らげて、学校に行かなかった子どもを責めて厳しく問いただすことです。
親から責められていると感じて、子どもは自分の気持ちをいえなくなってしまうでしょう。優しい口調で、「今日はどうして学校に行けなかったの?」などと、聞き方を工夫してあげてください。
また、命令口調で「○○しなさい(学校に行きなさい)」と、いうことです。無理矢理行動を促されれば、子どもは親に対して「自分の気持ちを聞いてくれないのか」と、心を閉ざしてしまうでしょう。
まずは子どもの今の気持ちを聞き、学校に行きたくない理由を聞いた上で行動を促すことをおすすめします。
そのほか、「行ったら今日は楽しいかもよ」「そんな小さなことで悩んでいたらもったいないよ」などの、楽観的な言葉もタブーです。
「そんな簡単な問題じゃない」「親が自分を心配してくれない」「考えてくれようとしない」と、子どもがネガティブに感じてしまうことがあります。真剣に心配している言葉をかけてあげてください。
学校に行きたくない不登校の子には「あんしんできる場所」が必要
学校に行きたくない子どもは、「学校に自分の居場所がない」と感じていることがあり、それが不登校の理由としても大きくなっている部分があるでしょう。
そういった子どもは、「あんしんできる場所」が必要になります。「あんしんできる場所」とは、ありのままの自分の存在を認めてもらえる場所、または共通の話題で盛り上がるなど、気持ちをわかち合える人がいる場所などです。
学校で「あんしんできる場所」ができれば、不登校を回避しやすいでしょう。教室以外に子どもが過ごしやすい場所があるか、確認しましょう。たとえば、保健室や図書室、資料室、カウンセリングルームなどです。
ただ、子どもが学校全体に対して、拒否反応を持っていた場合は、学校ではない場所で、「あんしんできる場所」を見つける必要があります。
自宅でできる学びを提案してみよう
不登校の子どもの多くは学校に行けないことで、学習の機会が少なくなっているケースがあります。授業内容についていけていないことが、ほとんどでしょう。
そういった場合は、自宅で学習できる教材を利用することを検討してみてください。自分が育った家のなかは、子どもにとって、どの場所よりもあんしんできるところでしょう。「あんしんできる場所」であれば、落ち着いて勉強にも取組めるため、学習意欲も高まります。
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子どもに無理をさせないようにしましょう
子どもが「学校に行きたくない」といい出すと、親は焦ってしまうことがあるでしょう。不登校にさせないためにも、「簡単に学校を休ませない」という考えから、無理に子どもを学校に行かせてしまう人も、多いのではないでしょうか。
しかし、無理に学校に行かせて、子どもの不安や悩みを聞かないでいたことが、不登校につながることもあります。
学校に行きたくないという気持ちを否定せず、まずは行きたくない理由を聞いてみてください。理由に対して、対応できることは何か、親が一緒に考えて子どもに無理をさせないようにしましょう。