思春期はいつからはじまる?兆候や子どもとの接し方のポイントについても解説
思春期の子どもの状態や、理想的な接し方についてご存じでしょうか。本記事では、思春期の子どもの状態や実際に見られる兆候、子どもへのおすすめの接し方を紹介しています。思春期の子どもがいる方やこれから思春期・反抗期を迎える子どもがいる方は参考にしてみてください。
「子どもの思春期はいつからはじまっていつ終わるの?」
「思春期の子どもにはどうやって接したらよいの?」
「反抗的な態度を取る子どもとの関わり方が知りたい」
このように、思春期の子どもの状態やその対応方法について不安や疑問をお持ちの方も多くいるでしょう。
この記事では、思春期の子どもの特徴や男女の違い、実際の子どもの兆候、子どもとの接し方について紹介しています。この記事を読むことで、思春期の子どもの状態が理解できるだけではなく、親としてどう接したらよいかがわかるでしょう。
思春期の子どもがいる方や、これから思春期を迎える子どもがいる方、子どもの思春期で悩んでいる方はぜひこの記事を参考にしてみてください。
思春期はいつからはじまるのか
自分の子どもが急に反抗的になる、親と距離を取りたがるなどの反応があった場合、戸惑う方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、思春期の定義や思春期がはじまる時期の目安、反抗期との違いについて紹介します。小学校や中学年以上の子どもがいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも「思春期」とは
「思春期」とは、体・心・関わりが大きく変化する時期です。
体の変化では、第二次性徴が発現し、生殖能が発達します。体の形が変わるなど目に見える変化もあれば、体内での変化も多くあります。体の変化に伴い、自分自身と向き合う、親から離れようとするなどの心の変化も生まれるでしょう。
自分と向き合いながら、自分がしたいことや求めているものを探す時期でもあります。そのため、周囲との関わり方にも変化が出てくる時期が「思春期」と呼ばれる時期です。
出典:〈思春期・青年期の心の健康〉 思春期・青年期とは|京都府精神保健福祉総合センター
「思春期」の目安となる時期は8歳~18歳
思春期がはじまる時期、終わる時期については個人差がありますが、一般的には8歳~9歳ではじまり、17歳~18歳頃に終わるとされています。最近では、思春期のはじまりが10歳以前である場合も多いでしょう。
思春期においては、体の変化とともに心の変化もあります。体内で分泌されるホルモンのバランスが変わることで気分や感じ方にも変化が見られ、イライラしたり、悩んだりすることも増えるでしょう。
出典:〈思春期・青年期の心の健康〉 思春期・青年期とは|京都府精神保健福祉相談総合センター
「思春期」と「反抗期」の違い
「思春期」は人生で誰しも1回は経験をしますが、「反抗期」の場合は人によっては2回、少ない人は1回しか経験しません。
「反抗期」は2歳前後のいわゆる「イヤイヤ期」と呼ばれる「第一次反抗期」と中学生から高校生前後でおこる「第二次反抗期」をさします。「第一次反抗期」は誰しも経験するものですが、「第二次反抗期」は経験しない人もいるでしょう。
思春期の子どもに見られる5つの兆候
思春期は体・心・関わりに大きな変化が訪れる時期ですが、実際に子どもにはどのような変化・兆候が見られるのでしょうか。
思春期の子どもに見られる5つの兆候・変化を紹介します。子どもが実際に思春期を迎えた際の判断に役立つため、ぜひ参考にしてみてください。
態度や言葉が乱暴になる
思春期は心が不安定な状態になるため、態度や言葉が乱暴になる場合が多くあります。
具体的には、親にいい返す、モノを投げるなどの行動が見られます。子どもが興奮状態にあるときは距離を置き、冷静になったタイミングで話をするようにしましょう。その際に、暴力や暴言によって傷つく人がいることを伝えることが重要です。
親を避けるようになる
親に対する反抗期を迎えている場合、親を避け、コミュニケーションを取ることを嫌がる場合があります。
これは、今まで以上に自分自身と向き合うようになり、交友関係にも変化があったことが原因として考えられます。このタイミングが「親離れ」になることもありますが、完全に親から離れることには不安があるため、心理的には完全に離れない場合が多いでしょう。
考え方の面では、親の考えより自分の考えが正しいと思うようになります。自己主張が強くなる時期でもあるため、理解しておきましょう。
他人や異性の目を気にするようになる
自分と向き合うようになることで、他人や異性からの目を気にするようにもなります。自分がどう見られているのか、どう思われているのかへの意識が高くなるため、服装や髪型にも気を遣うようになるでしょう。
また、自分への意識が高くなることで、情緒が不安定になったり自己嫌悪感が強くなったりもします。ネガティブにならないように見守りましょう。
交友関係が変化したり広がったりする
親には話せないことを共有する仲間として、特定の友人と親密な関係を持つようになります。このような友人は、親以上の支えになる大切な存在になります。
最近では、インターネットの普及により、ネット上やSNSで知り合った人も大切な存在になる可能性があります。親より話しやすく、相談もしやすい仲間がいることを理解し、子どもの交友関係を見守るようにしましょう。
口数が少なくなる
思春期は親にはいえない秘密が増える時期でもあります。そのため、親に多くのことを報告したり共有したりせず、口数が少なくなるのも特徴の一つです。
親がコミュニケーションを取ろうとしても、「自分の勝手じゃん」「何だっていいじゃん」などの言葉が返ってくるのはいえない秘密が多くなっているからです。無理に距離を縮めようとせず、子どもに合わせたコミュニケーションを取りましょう。
男の子と女の子の思春期の兆候の違い
性別によって思春期の兆候や行動には大きな違いがあります。
思春期の男の子は暴力的になる、暴言を吐く、親との会話が減るなどの特徴があります。これは、自分の思いどおりにならないことが増え、イライラが募るためにおこる言動です。
一方で女の子は、屁理屈や口答えが増え、面倒臭そうな態度を取るようになります。父親に冷たくなるのも女の子の思春期の特徴でしょう。
思春期の子どもとの接し方のポイント
思春期の子どもとの接し方は難しい部分が多く、悩んだり困ったりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは、思春期の子どもとの接し方について紹介します。思春期の子どもと接する際に親が注意するべきポイントは以下の4つです。
- いつでも話しやすい雰囲気づくりを心がける
- 子どもの行動の理由を理解しておく
- 普段と変わらない態度と笑顔で接する
- 子どもが話しかけてきたときにはしっかりと耳を傾ける
いつでも話しやすい雰囲気づくりを心がける
思春期の子どもは反抗的な態度を取ることが多くありますが、親がいつもと変わらずに話しやすい雰囲気でいることが重要です。
子どもは親に反抗していてもあんしんできる環境を望んでいます。いつもと変わらない態度でいながら、子どもの味方であることを伝えるようにしましょう。子どもにとって話しやすい雰囲気づくりにつながります。
子どもの行動の理由を理解しておく
親は、思春期特有の子どもの行動をきちんと理解しておくことが重要です。思春期にはさまざまな問題行動を起こしたり、体や精神に特有の症状が出たりします。
これらの行動や症状は、子どもの発達段階に必要な過程であり、避けて通ることはできません。単純に問題行動や症状を治そうとするのではなく、子どもの成長を見守るようにしましょう。
普段と変わらない態度と笑顔で接する
子どもが反抗的な態度であっても、普段と変わらない態度と笑顔で接することが大切です。
親に対して反抗的な態度を取った子どもと真正面からぶつかって、関係性が悪くなってしまっては元も子もありません。親はいつもと変わらない態度で接することで、頼りたいときに頼れる存在であることを示すようにしましょう。
子どもが話しかけてきたときにはしっかりと耳を傾ける
思春期の子どもとコミュニケーションを取るには、ひたすらに傾聴するとよいでしょう。
子どもは反抗心を持ちながらも話したいと思って話しかけてきます。子どもが話したいと思って話しかけてくれた際は、しっかりと話を聞くことが大切です。
その際に、子どもの話を否定することはやめましょう。聞き手に徹し、子どもが満足するまで話を聞きましょう。
過度な干渉やコントロールしようとするのはNG
過度に干渉したり、子どもをコントロールしようしたりとすると、自信・気力の喪失、自分で判断ができない、人間関係が上手く築けない、暴力的になるなどの影響を与えてしまう場合があります。
子どもが反抗期の時期は過干渉にならず、いつもどおりに接することが大切です。
また、子どもができたことに関しては褒めることも重要です。子どもを受け入れる姿勢を見せ、なんでも相談できるような雰囲気・環境を作れるようにしましょう。
子どもの思春期について理解を深めよう
思春期の子どもは、不安定で敏感です。親は話しやすい雰囲気づくりを心がけるなど、子どもが頼りたいタイミングで頼れる存在になれるようにしましょう。また、過度に干渉せず、子どもの様子を見守ることも大切です。
思春期の子どもがいる方や、これから思春期を迎える子どもがいる方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。