小学一年生が上手な読書感想文を書くステップをご紹介!保護者としてサポートできることについても解説
読書感想文が苦手な子どもへのアドバイスにお悩みの方もいるでしょう。本記事では小学一年生が読書感想文を書く際のコツや保護者のサポート方法を解説し、書きやすい本の選び方も紹介しています。子どもの読書感想文の書き方でお悩みの方はぜひ、ご覧ください。
「小学生の子どもが読書感想文を書くときのポイントは何?」
「子どもが読書感想文を書くときに保護者はどんなサポートをすればよい?」
「読書感想文を書きやすい本を知りたい」
はじめて読書感想文に取組む小学一年生にとっては書くのが難しいと感じたり、どのような本を選べばよいのかわからなかったりとお悩みの場合もあるでしょう。
本記事では小学一年生が読書感想文を書く際のポイントを7つにわけて解説し、保護者が子どもにできるサポート方法や原稿用紙の使い方、読書感想文を書きやすい本の選び方も紹介します。
この記事を読むことで構成のコツがわかり、これまで読書感想文を書いたことがない子どもでも上手に書けるようになるでしょう。
読書感想文の作成に取組む子どもをサポートしたい方、書きやすいテーマの本をお探しの方は本記事をチェックしてください。
小学一年生が読書感想文を書く際の7ステップ
小学一年生にとって読書感想文は慣れない作業であり、上手く書けないことで苦手意識が芽生え、作文嫌いになってしまうこともあります。しかし、読書感想文の書き方にはコツがあり、順を追って進めていけば、比較的簡単に書けることを子どもに経験させることが大切です。
ここからは、小学一年生が読書感想文を書く際に意識するとよい7つのポイントを、作業順に紹介します。
おしゃべりから感想文の材料を集める
読んだ本について親子でおしゃべりをし、子どもの心に残った場面や感じたことを聞き取ることからはじめましょう。
物語のあらすじや印象的なシーン、共感した登場人物は誰かなどを「教えて」というスタンスで子どもに質問し、メモを取っておくとよいでしょう。
この年齢層の子どもは、自分の思いをすぐに言葉にできないこともあります。物語の内容を一緒に振り返り、ときには保護者が感じたことを伝えるようにすると、子どもの考えを引き出しやすくなるのでおすすめです。
感想文の構成の順番を決める
おしゃべりしながら作成したメモを使って、読書感想文の構成を決めていきます。
子どもが読書感想文で、伝えたいことから順に並べていくのが基本です。そのあと、どのような順番で書くとスムーズに文章がつながりそうかを考え、話し合いながらメモを並べ替えます。
親子で一緒に構成を考えている途中で、物語の感想が出てくる場合もあります。そこで出た感想も加えていくと、さらに深みのある感想文になるでしょう。
文章をつなぐ言葉を決める
書きたい内容を順に並べたら、それぞれの内容をつなぐフレーズや接続詞を決めていきましょう。ここで意識したいのは「書き出し・中身・終わり」の3つです。
並べたメモの1枚目は書き出しとして適切か、中身にあたるメモと違和感なく内容がつながるか、最後に並べたメモは終わりにふさわしいかを確認しながら、つなぎとなる言葉を子どもと一緒に探します。
もし、書き出しや終わりにあたる部分がない場合は、ここでメモを追加しましょう。
「書き出し」の言葉・内容を決める
読書感想文の最初の一文は、読者に興味を持ってもらう大切な役割を担っています。読者を引きつける書き出しのフレーズや内容を決めていきましょう。
読書感想文に不慣れなうちは、その本を読んだきっかけやあらすじから、書き出すのがおすすめです。慣れてきたら、印象に残ったフレーズの引用や、自分が疑問に思ったことを読者に問いかけるような書き出しにすると、メリハリのある読書感想文になるでしょう。
「終わり」の言葉・内容を決める
終わりの部分には、本を読んだ後に大きく心を動かされたことや、読む前と後で考えがどう変わったのか、これからの自分に活かしたいことを書くのがおすすめです。
その本を読んだ自分がどう成長したのかを表現することで、読書感想文全体にポジティブな印象を与えられます。さらに、作者が伝えたかったことと自分のこれからの行動を関連付けることができれば、より一層深みのある読書感想文になるでしょう。
書き出しで問いかけをした場合は、その答えを終わりの部分に書くことも忘れないようにしましょう。
文章を下書きする
大まかな構成が決まったら、集めたメモを見ながら下書きの文章を作成していきます。
一年生は文章を書くことに慣れていないため、はじめのうちは問いかけながら進めていくのがおすすめです。
たとえば、書き出しでは「この本を読もうと思ったのはなぜだったかな?」「どんなお話だったかな?」といったきっかけを作ることで、書きやすくなるでしょう。
中身では、物語の内容は簡潔にして、自分が感じたことをメインに書くのが大切です。自分ならどうするか、体験したことを問いかけながら、素直な気持ちで書くように伝えましょう。
終わりの部分では、本を読んでこれから実行しようと思ったことを問いかけながら、書き進めていきます。子ども自身が心を動かされたことに着目し、成長を感じてもらうのがポイントです。
提出用紙に清書する
下書きを見ながら提出用紙に清書します。
清書ではていねいに書くことを心がけるようにしましょう。読み手の気持ちになって、読みやすい読書感想文にすることを意識させるのがポイントです。
下書きから本文を書き写す際には、どこまで清書したかがわかるように目印をつけながら進めていくとスムーズに書き進められます。また、学校で習った漢字は、できるだけ使用することも伝えましょう
一年生にとっては清書も一大イベントです。焦らず、少しずつ書き進められるように見守りましょう。
原稿用紙の使い方にも注意が必要
読書感想文は原稿用紙に書くのが一般的で、主なルールは以下のとおりです。
・1行目の3~4マス目からタイトルを書く
・名前は2行目の下部に書き、姓と名の間は1マス空ける
・段落のはじめは1マス空ける
・句読点は通常1マス使うが、一番下のマスの場合は文字と一緒に書く
・“っ”、“ゃ”、“ゅ”、“ょ”などの小さな文字も1マス使う
・会話文は原則として改行し、「」で囲む
子どもにとって、原稿用紙の使い方は難しく感じられるものです。はじめに基本的な使い方を教え、子どもが慣れるまでは付き添って、ルールに沿った読書感想文が完成するまで見守りましょう。
保護者ができる具体的なサポート方法
小学一年生にとって、読書感想文を自力で書きはじめるのは難しいものです。しかし、保護者が適切なアドバイスやサポートをすることで書き方のコツをつかむだけでなく、本を楽しく読む習慣が身に付きます。
また読書に興味を持つきっかけとなり、子どもの豊かな心を育むのにも役立つでしょう。
ここからは、子どもが読書感想文を書く際に保護者ができるサポートを具体的に4つ紹介します。
保護者が「聞き書き」をしてみる
子どもに本を読んで感じたことを尋ね、その内容をメモしながら書き進める「聞き書き」がおすすめです。
多くの小学一年生は、まだ自分が感じたことを体系立てて、説明できる力が不足しています。保護者が「どの部分がこの本で一番面白かった?」「なぜこの主人公はこんなことをしたと思う?」などを質問し、子どもの答えをメモに残していきましょう。
聞き書きをする上でのポイントは、子どもに「自分が登場人物だったらどう思うか、どんな行動をするか」を考えさせることです。これにより、本を読んで共感したことや感じたことを書きやすくなります。
登場人物に「手紙」を書くように促す
登場人物に手紙を書くことをアドバイスし、それを利用して読書感想文を書く方法も存在します。
子どもにとっては、読書感想文よりも手紙の方が身近で、書きやすいと感じる場合があります。また、手紙形式にすることで、子どもの素直な感情を引き出すことが可能です。読書感想文のメインとなる部分を手紙形式にすることで、全体の構成も考えやすくなります。
心が動いたページに付箋を貼ってもらう
読書感想文を書くことがわかっている場合は、本を読みながら付箋を貼る方法も有効です。
本を読み進めるなかで、気になった部分や印象に残った部分に付箋を貼ることをアドバイスします。付箋を貼る箇所は、子どもが驚きや喜び、悲しみを感じた場所や、疑問に思った部分です。
付箋を貼るだけでなく、そのときの感情を付箋に書き込んでおくと、あとで読書感想文にまとめるときにも役立ちます。
子どもから引き出した言葉をメモする
聞き書きや手紙、付箋をもとに、子どもから引き出した言葉をメモしておきましょう。
メモは必ずしも文章にする必要はなく、キーワードのみを書く形で構いません。また、メモを複数枚にわけておくと、構成を考える際に並べ替えができるので便利です。
子どもがふと口にした言葉や感情を保護者がメモに残すことで、読書後の振り返りもでき、自分の意見をまとめやすくなる効果が期待できます。
一年生が読書感想文を書きやすい本選びのポイント
読書感想文を書く際には、題材にする本選びも大切なポイントの一つです。書きやすい本を選ぶことで、読書好きになるだけでなく、作文の力が育まれる効果も期待できます。
ここからは、小学一年生が読書感想文を書きやすい本の選び方を、大きく3つのポイントから紹介します。
わかりやすい物語を選ぶ
読書感想文を書くためには、子どもが理解しやすい内容のものを選ぶことが大切です。
小学一年生の場合は、物語が長すぎると疲れてしまい、途中で読むのをやめてしまう可能性があります。
短い物語で登場人物が少ないものや、イラストなどが多いものを選ぶとストーリーが頭に入りやすく、子どもにとっても飽きずに最後まで読み進めることができるでしょう。
読みやすい文字の本を選ぶ
子どもにとって読みやすい文字の本を選ぶのも、読書感想文が書きやすくなるコツの一つです。
小学一年生は文字を読むことに慣れていないため、文字サイズが大きく見やすいフォントのもの、さらには漢字が少なめの本を選ぶことをおすすめします。
全国学校図書館協議会が選定する課題図書をはじめ、子ども向けの本には対象年齢が書いてあることが多いので参考にするとよいでしょう。
夢中になれる内容のものを選ぶ
子ども自身が興味のあることや、夢中になれることをテーマにした本を選ぶと、前向きな姿勢で読書感想文に取組むことが期待できます。
普段の生活で興味を示したものを参考に選ぶとよいでしょう。たとえば、昆虫や動植物、乗りものや食べものなどは小学校低学年に人気の題材です。
また、憧れている職業や習い事をテーマにした本は自分と重ね合わせて読むことができるため、読書感想文を書きやすいでしょう。
子どもが楽しく読書感想文を書けるようにサポートしよう
小学一年生が読書感想文を書く際の手順と、保護者が子どもにできる具体的なサポート方法、原稿用紙の使い方や読書感想文を書きやすい本の選び方を紹介しました。
低学年の子どもは読書経験が少なく、自分の感想を文字にするのも不慣れです。読みながら気づいた点をメモにまとめ、保護者が対話形式で子どもの気持ちを引き出して文章構成をサポートすることで、読みごたえのある読書感想文を書けるようになるでしょう。
また、読書を楽しめるように子どもが興味を持ったテーマの本を選ぶことも重要です。
読書を通じて子どもの豊かな感性を伸ばし、表現力豊かな子どもを育むためにもぜひ、親子で読書感想文の作成に挑戦しましょう。