読書感想文のあらすじには何を書けばよい?書き出しと終わり方のテクニックについても解説
読書感想文のあらすじを書くのは難しいと思ったことはありませんか?本記事では読書感想文にあらすじが必要な理由を解説し、構成方法や読者を引きつける表現、子どもと一緒にあらすじを作るコツを紹介しています。魅力的なあらすじの書き方を知りたい方は参考にしてください。
「読書感想文にあらすじは必要?」
「あらすじばかりの読書感想文になってしまうのが悩みの種」
「読み手を引きつけるあらすじの書き方を知りたい」
読書感想文は小学校から国語教育で使われ、高校生の夏休みの宿題にも出されるなど、ポピュラーな課題として知られています。しかし読書感想文をどのように書けばよいかわからず、苦手意識を持つ方もいるでしょう。
本記事では、読書感想文にあらすじが必要な理由やどのような内容を書けばよいのかを解説し、あらすじの書き出しや終わり方と構成のコツも紹介します。
この記事を読むことで読書感想文のあらすじの書き方がわかり、作文が苦手な子どもでも上手に読書感想文を書けるようになるでしょう。
読書感想文のあらすじの書き方について詳しく知りたい方、子どもと一緒に読書感想文に取組みたいとお考えの方は、本記事をチェックしてください。
読書感想文のあらすじは何のために書くのか
読書感想文のあらすじは、書き手の思いを読者に的確に伝えるのに大切な役割を果たします。
あらすじによって、その本についての読書体験が共有できるのが利点です。同じ本を読んだ読者と、感想や意見を交わすなどの交流が生まれることもあります。また、あらすじを読むことで読者はその作品について理解を深め、よりその作品を知りたいという思いが芽生えるでしょう。
さらに、書き手にとってはあらすじを書くことで自分の考えを整理し、表現力を養うのにも役立ちます。自分の言葉で本の内容をまとめることで、あらすじ以外の部分についてもスムーズに書き進めることが可能です。
読書感想文のあらすじに書くべき内容とは
読書感想文のあらすじは、物語の概要を伝えて、読者に興味を持たせるのに効果的です。そのために、あらすじはできるだけ簡潔にまとめ、最小限にとどめるのがよいといわれています。
ここからは、読書感想文のあらすじに書くべき内容や、心がけておきたいことを紹介します。
本の内容の要約
あらすじには、対象となる本の内容がわかるような要約を記載しましょう。
あらすじがあると、読者はストーリーの概要や物語のなかに登場するエピソードを把握することが可能です。物語の基本情報を知ってもらうことで、書き手の感想を共有しやすくなる効果が期待できます。
書き手にとっても、あらすじを書くことは自分の考えをまとめられ、読書感想文全体の構成を考えるのに役立つでしょう。
読者の興味を引く文章
読者の興味を引く文章をあらすじに記載すると、読書感想文全体を読んでもらいやすくなるといわれています。
物語の印象的な部分を引用することや、特徴的な要素を強調するのが効果的です。登場人物の魅力や舞台設定を記載すると、世界観がより伝わりやすくなるでしょう。物語のテーマを明示し、ストーリー展開を明かしておくことで、物語が持つ魅力を伝えることが可能です。
冒頭にあらすじで謎や問いかけをすることも、読者の好奇心をそそるきっかけになり、より魅力的な読書感想文となるでしょう。
適切なあらすじの文章量は全体の1割程度
読書感想文は、自分が本を読んで感じたことや意見を書くことが中心です。あらすじは読者に本の概要を知ってもらい、読書感想文に興味を持たせるためのものとして簡潔に書くのがよいでしょう。
あらすじの分量は、読書感想文全体の1割程度が目安です。400字の原稿用紙3枚の場合は、5~6行で書くことを心がけましょう。
あらすじは読書感想文の冒頭に記載するのが一般的です。長すぎるあらすじは、本の紹介文になってしまいますので、注意しましょう。
読書感想文のあらすじの考え方・書き方
読書感想文のあらすじは読者を引きつけ、興味を持って読んでもらうために大切な導入文の役割を果たします。簡潔でわかりやすいあらすじを作成するには内容を整理し、構成を考える練習をすることが大切です。
ここからは、読書感想文のあらすじをスムーズに書くための考え方や構成の方法、書き方を4つにわけて紹介します。
物語の登場人物と舞台について整理する
昔話の『桃太郎』を例にして、登場人物や物語の舞台を整理しましょう。
物語の主人公は桃太郎で、川に流れていた桃から生まれたこと、おじいさんとおばあさんに育てられたこと、自然に囲まれた環境で勇敢な男の子に育ったことなどをチェックしておきます。
登場人物や時代背景を紹介することで、物語の展開やキャラクターに興味を持ってもらえる効果が期待できます。
物語のなかで起こる出来事を整理する
次に、物語のメインとなる出来事を整理していきます。
「桃太郎」で重要な場面は、桃太郎が鬼退治に行く場面です。犬、猿、キジを引き連れて鬼ヶ島に向かい、鬼をやっつけて宝物をもらうという流れを押さえておきましょう。
出来事や物語の展開を把握し、読んでいるときに何を感じたのかを振り返っておくと、あらすじだけでなく感想文を書くときにもスムーズに進められます。
出来事の結果に対する反応を整理する
出来事をまとめたら、それによってもたらされた結果と反応を整理しましょう。
鬼退治から戻った桃太郎は宝ものを村の人々にわけ与え、そのあとは幸せに暮らしたというストーリーですが、これが物語の結末にあたります。
物語の結末と、登場人物がどうなったかに着目し、全体の流れを理解することが、この作業のポイントです。
整理した内容をまとめる
最後に、ここまでの作業で洗い出した内容をまとめ、あらすじとして完成させます。
登場人物がどのような環境で何を行い、出来事により迎えた結末を要約して書いてみましょう。意外性のある出来事にもふれて、興味深い物語であることを表現するのがポイントです。
ダラダラと書かずに要点だけを残すようにすると、シンプルで読みやすいあらすじになるといわれています。
あらすじの書き出しテクニック
あらすじは読者に物語の全体像を伝え、興味を持たせるのが目的です。読書感想文の冒頭に書くことが一般的で、関心を持ってもらうための書き出しのコツがあります。
ここからは、魅力的なあらすじにするための書き出しテクニックを3つ紹介します。
物語の一節を引用する
物語の特徴を捉えた一節を引用すると、あらすじにインパクトを与えることができます。
重要な場面の描写や展開の一部を引用することで読者に興味を持たせ、物語に関心を持って読み進めてもらえる可能性が上がります。また、印象的なセリフを用いることで、物語全体の雰囲気を知ってもらえる効果も期待できるでしょう。
問いかけ・謎かけからはじめる
読者の関心を引きつけるために、問いかけや謎かけからはじめるのもよいでしょう。
疑問を持つことで読者は、「次の展開が知りたい」という気持ちになり、物語に引き込ませる効果があります。
ただ展開を記述するだけより、生き生きとした魅力的なあらすじになるのもメリットです。
ポイントや転機を強調する
物語の転機となる場面や重要なポイントをあらすじに取入れ、強調するのもおすすめです。
思いもよらない展開があることをほのめかすことで、読者は物語に関心を持ち、興味深く読書感想文を読み進める効果が期待できます。意外性を感じさせることに重点を置いて、書くとよいでしょう。
あらすじの終わり方テクニック
あらすじの終わりの部分では、物語の結論を簡潔に記載しましょう。物語の展開と結末をある程度知らせることが目的です。
読み終えたあとの感想や物語に対する思いを書くこともおすすめです。それにより読書感想文の作者の視点や感性が読者に伝わりやすくなります。
あらすじは突然終わらせるのではなく、余韻を持たせるように書くのもテクニックの一つです。あとに続く感想文をスムーズに読み進められるよう、物語から少しずつ離れていくような書き方を心がけてみましょう。
子どもと一緒にあらすじを作るときは「5W1H」を意識させる
子どもと一緒にあらすじを作る際には、「5W1H」を意識させることを心がけましょう。
子どもが書く読書感想文はあらすじが長くなることも多く、とりとめのない内容になりがちです。いつ(When)・どこで(Where)・誰が(Who)・何を(What)・なぜ(Why)・どのように(How)を意識して順に書くことで、まとまりやすいあらすじが作成できます。
子どもに5W1Hを意識させるにはインタビュー形式で進めるのがおすすめです。時代背景や場所、登場人物が何をしたのかをたずねることで、子どもの思いが整理され、どのように感じたかを表現しやすくなります。
子どもから明確な答えが出ない場合は「それは○○かな?」などの具体例を出し、一緒に考えることも大切です。やりとりをした内容を5W1Hに沿ってまとめることで、簡潔なあらすじが作成できるでしょう。
読書感想文のあらすじを上手に書けるようになろう
読書感想文にはなぜあらすじが必要なのか、適切な文章量や書くべき内容のまとめ方、書き出しと終わり方のコツを紹介しました。
読書感想文に関心を持ってもらうためには、物語の概要とともに書き手の思いや感性を伝えることが大切です。魅力的なあらすじは読者を引きつけ、そのあとの感想文を興味深く読んでもらえる役割を果たします。
また、5W1Hを意識することで、簡潔でわかりやすいあらすじを書けるようになるでしょう。
あらすじの書き方のコツをつかみ、物語の魅力を引き出す読書感想文に挑戦してみてください。