主体性とはどんな意味?高い人の特徴や子どもの主体性を高める方法をご紹介
主体性を持った子どもに育ってほしい、どうしたら主体性を伸ばせるのかと悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、主体性とは何か、主体性がある人になるための方法、主体性がない子どもはどのような特徴があるのかなど紹介します。興味がある方は参考にしてください。
「子どもの主体性を伸ばすには何をするとよいのかな?」
「主体性って育てる環境で高めることはできる?」
「”自主性”と意味が似ている気がするけど違いって?」
このように主体性について興味や疑問を持っている方もいるでしょう。
本記事では、主体性の意味や、主体性が高い子どもの特徴、主体性が低い子どもの特徴、主体性が乏しい原因などについて紹介します。
この記事を読むことで、主体性という言葉の意味が把握できます。子どもの主体性を伸ばすために、どういった関わり方をすればよいのかについても取上げているため、普段の子どもと接するときにも活かせます。
子どもの主体性を伸ばしたい方は、ぜひ、参考にしてください。
「主体性」とは
主体性とは、自分の意思や判断に基づいて、責任を持って行動するという意味の言葉です。
文部科学省の学習指導要領では、主体性の重要性が取上げられています。主体性はこれからの時代、情報化やグローバル化によって予測が難しくなっても、問題に対して果敢に挑戦していける要素とされています。
「主体性」と「自主性」の違い
「自主性」とは自分で判断して、行動に移すことです。自分の意思決定によって行動する点は「主体性」と共通しているでしょう。
しかし、「主体性」の場合は行動の結果に責任を負うという意味合いが強く、「自主性」は責任が含まれません。「自主性」はあくまでも、ある程度決められているもののなかから自分で率先して選択するという意味合いが強いです。
主体性のある子どもの4つの特徴
主体性がある子どもは、どういう特徴があるのかなど気になる方も多いのではないでしょうか。自分の子どもに主体性があるのか判断するためにも知っておきたいところでしょう。
主体性がある子どもは、自分の考えや発言、行動に自信を持っています。学校でも存在感を発揮する子が多いでしょう。自信を持っているからこそ、特徴として表に現れてくるといえます。
主体性のある子どもは、具体的には以下のような特徴を持っているので、主体性が高い子はどういった子なのか気になる方はチェックしておきましょう。
人前でも自分の意見を伝えられる
主体性がある子どもは、自身の能力や判断に自信があるため、意見をいうときも人前でしっかりと伝えることができるでしょう。
これは、実際に高い評価を受ける、親からたくさん褒められてきたなど成功体験が多いことで、自分の能力に自信を持っていることが背景として考えられます。
自信が主体性を支えて、行動の結果でまた自信がつく、というよいサイクルが普段の生活のなかでできあがっていることも多いです。
コミュニケーション能力がある
主体性がある子は、自分から進んで周囲と関わりを持って動くことも多いため、コミュニケーション能力が高いという特徴もあります。周囲の大人や友達に話しかける際もスムーズでしょう。
意見が合わないときは、なぜ意見が合わないのか、どうやって付き合うと上手くいくのかを考えて、自分で解決する力を持っていることが多いです。
周囲に流されない
主体性のある子は、意思が強く自分が決めたことをやり抜く傾向があるため、周囲の意見や行動で流されないという特徴があります。「ここまでやろう」と基準を自分のなかに持っていて、自分の気持ちが満たされるまでやり切るでしょう。
失敗を恐れない
主体性のある子は、新しいことでも「まずは挑戦してみよう」と判断することが多く、失敗を恐れない傾向もあります。
自分の判断に自信があるため「やってみたい」と思ったことは失敗を恐れず挑戦します。失敗しても成長の機会と前向きに捉えるでしょう。
失敗したときはその原因を分析して、「次に同じようなことで失敗しないためには何をするとよいか」というところを考えます。結果的に成功でも反省でも自分にとってメリットがあったと考えられるため、自分を信じて多くのことにチャレンジしていけるでしょう。
主体性がない子どもの3つの特徴
主体性がないことは絶対に悪い、というわけではありません。しかし、損をすることも多いでしょう。自分で決める機会を人に渡してしまいチャンスを逃すこともあります。
そういったデメリットから「主体性がない子どもになってほしくない」と思う親も多いのではないでしょうか。ここでは主体性のない子どもの特徴を紹介します。
主体性がない子どもは、自分で考えて答えを出すことを得意としないため、何事にも受け身なケースが多いでしょう。また、自分の意見に自信がない子も多く、目立つことを嫌う傾向もあります。以下のような特徴があることが多いでしょう。
マイナス思考である
主体性がない子どもは、「自分は大したことはできない」「自分がやると失敗する」などマイナス思考なことが多い傾向にあります。自分から何かをやってみたいといい出すことも少ないでしょう。
これは自分で何か行動を起こすことを考えても、ネガティブな方向で予測してしまうことが原因として考えられます。挑戦できる機会が訪れても、消極的な考え方が先行して、主体的に行動できなくなるでしょう。
他人に任せることが多い
主体性がない子どもは、自分に自信がないことから「自分よりも他人が正しいからやってほしい」という気持ちになり、他人に任せる特徴があります。
結果的によい内容で終わっても「自分が最後までやっていたら悪い結果になっていた、他人がやってくれたからよい結果になった」という考え方をするでしょう。
指示がないと行動できない
主体性がない子どもは、ものごとに対して受け身でいることが多いため、指示がないと自分から行動できなくなってしまう特徴があります。やるべきことはわかっていても、自分が主体的に動くことを苦手としているため動けず、指示を待ってしまうケースは少なくありません。
子どもの主体性を伸ばす方法
主体性を持つことの大切さがわかったところで、では子どもの主体性はどうすれば伸ばせるのか、と悩む親も多いのではないでしょうか。子どもはそれぞれ性格に違いがありますが、環境によっても大きく左右されるといわれています。
子どもの主体性を伸ばす方法には、基本的に親は子どもがすることを温かく見守る姿勢が重要になります。
親は子どもの個性も理解した上で、無理なく主体性を伸ばせる方法を検討していきましょう。
子どもが頑張っていることを認める
結果の良し悪しだけで評価をするのではなく、子どもが頑張っていることを認めてあげましょう。
勉強やスポーツは、結果だけではなく過程もしっかりと評価します。「すべての努力が望んだ結果になるとは限らない」という現実を学ぶことも、子どもの成長過程では必要になるでしょう。
しかし、ここで「頑張っても無駄になるかもしれない」と子どもに思わせないためにも、頑張っていた過程を褒めることで努力の大切さを教えていきましょう。
努力の積み重ねによって、よい結果を生む可能性があることや、頑張り方を知っておくことで困難を乗り越えられることがあることなども伝えましょう。「頑張った自分は間違っていなかった」と、子どもが思うことが主体性を持つことにつながります。
子どもに自分の意見をいってもらう
主体性を伸ばすためには、できるだけ自分の意見を持ち、それを表に出していくトレーニングをしておくとよいでしょう。このトレーニングをする上でおすすめの方法に、親が子どもにオープンクエスチョンの質問をするというものがあります。
オープンクエスチョンは、回答に制限がなく自由なものになる質問の仕方です。子どもに、自分の希望やそのときに思ったことなどを言語化する機会を与えられるでしょう。たとえば、「今日は何して遊ぶ?」「ご飯は何が食べたい?」などの質問が当てはまります。
子どもに自分で考える機会を与える
子どもに自分で考える機会を与えると、「この場合はどうしたらよいのだろう?」「こうするとよいかも」など子どもが思考を巡らせることにつながるでしょう。
普段から考える機会を作るように、子どもとの接し方にも気をつけましょう。たとえば「こんなときはどうすればよい?」など些細なことで疑問を投げかけてみると、子どもは自分で考える癖がつくでしょう。
遊びのなかでも想像力や創造力を高める内容を取入れることをおすすめします。主体性を伸ばすものには、自由に形を積み重ねていける積み木や自分の描きたいものを表現できるお絵描きなどがあります。
遊びのなかで自分の思考と向き合える環境ができれば、無理なく主体性を伸ばしていけるでしょう。
子どもの成功体験を褒める
主体性を伸ばすためには、自分を信じる心の育成が重要になります。そこで必要になってくるのが成功体験の積み重ねです。「成功した体験」と子どもが感じるには、親に褒められる経験が必要になってきます。
過程など些細な点もポジティブな目線で見てあげましょう。
親が小さな成功体験でも褒めることによって、子どもは「親は自分のことを見てくれている」「応援してもらえる」とあんしんしたり、自信がつきます。自分の考えに自信がつくことで、主体性を伴った行動が増えていくでしょう。
子どもに主体性が生まれない場合の原因
子どもの主体性を伸ばしたいと思っていても、実際には子どもに主体性が育っていないケースもあります。
主体性が生まれにくくなる原因は、子どもが自分から何かをやろうとする気持ちを奪っていることが多いでしょう。ここでは、子どもに主体性が生まれない場合の原因を紹介します。
罰則や報酬を使って子どものやる気を引き起こしている
罰則や報酬を使って子どものやる気を引き起こしていることはないでしょうか。この場合は「罰則が嫌だからやる」「報酬のためにやる」と意識が向いていて、自分が興味を持ったことに対して行動を起こしていることにはならないでしょう。
子どもに結果を出してもらうために、罰則や報酬を使うことは短期的には効果を出すこともあります。しかし、懲罰や報酬を設けないと行動を起こせず、主体性が育たないことから長期的な面で考えると効果が出にくい可能性が高いです。
子どもと親の関係が悪い
子どもと親の関係が悪いと、行動を起こすことを子どもが怖がってしまい、主体性が生まれないことがあります。これは、「失敗すれば親は嫌な顔をするだろう」「自分の行動が親を失望させるかもしれない」と不安な気持ちが強くなるためでしょう。
また、特別関係が悪いわけではなくても、親との会話が少ないことも主体性が生まれにくいこともあります。会話が少なければ、親からの愛情を感じる機会も少なくなり、子どもは不安や孤独を感じやすいでしょう。
親からの愛情に自信が持てないと、子どもの自己肯定感は下がるといわれています。子どもが自分の意志や価値観を信じて動きにくくなり、主体性に悪い影響をおよぼすでしょう。
決まりごとが多すぎる
決まりごとが多すぎると、ルールを守ることや、ルールを守ったときの親の機嫌ばかりに子どもの意識が向いてしまい、主体性を発揮できない可能性があります。
子どもが行動に対してなんでも「ダメ」といいすぎること、必要以上に規制が多い環境になっていないか、一度見直しましょう。規制が多ければ改善することによって、子どもは「自分がやりたいかどうか」を考えて、決定できるようになるでしょう。
子どもに判断を任せない
行動を起こす際に子どもの意見を尊重しない場合や判断を任せない場合は、主体性が育ちにくいことがあります。
たとえば、親がいつも「○○しなさい」「○○しようね」と口を挟んでいると、子ども自身「自分はこうしたい」と思うより「親のいったとおりにする」と考えるようになるでしょう。自分で決めてものごとを進めるという、主体性が失われていく可能性が高いです。
親の判断に任せるため、自分でものごとを決められず、親のいいなりで行うため、自分の行動にも責任を持たなくなります。子どもであっても、ある程度の責任や権限を与えましょう。
また、子どもに考える機会を与えず、親が何でも教えてしまうことも禁物です。子どもはわからないことがあったとき「親に聞いた方が早い」と自分で考えることを止めてしまう恐れがあります。主体性を育むためにも子どもを信じて答えを待つようにしましょう。
子どもの主体性を伸ばして可能性を広げよう
主体性がある人は、自分の意思や判断をもとに難しい問題にも解決しようと動ける人です。将来、社会的に必要な人材といわれるようになるでしょう。
子どもの主体性を伸ばすためには、子どもの意欲を損なわせないように、親は子どもの意見を尊重していくことが大切になります。躾が厳しすぎることや、親が口出しをしすぎることは子どもの主体性を奪うことになる可能性があるので注意しましょう。
子どもの可能性を広げていくためにも、本記事で紹介した内容を参考にして、親は子どもの主体性を伸ばせるようなサポートをしていきましょう。