小学4年生が直面する「小4の壁」とは?乗り越え方や親ができることをご紹介
小学4年生になると「小4の壁」にぶつかり、悩む親子が増えるでしょう。この記事では、小学4年生が直面する可能性がある「小4の壁」の原因や乗り越えるためにできることなどを紹介しています。「小4の壁」に悩んでいる方は、ぜひ、この記事をご覧ください。
「小4の壁って何?」
「小4の壁では、何が原因でどんな問題が起こるの?」
「子どもが小4の壁を乗り越えるために、何ができる?」
小学4年生が直面する「小4の壁」について、このような疑問や不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、「小4の壁」に直面する原因や壁を乗り越えるために親ができることに加え、壁にぶつかった子どもにやってはいけないことを紹介しています。
この記事を読むことで、「小4の壁」とはどのようなもので何が原因で起こるのか、壁にぶつかった子どもに親ができることを把握できます。このような知識があることで、子どもの悩みに寄り添った、適切なサポートができるでしょう。
悩みを抱えた子どものサポート方法が知りたい方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。
小学4年生が直面する「小4の壁」とは
「小4の壁」とは、小学4年生が直面する、勉強や友達との付き合い方でつまずきや悩みを感じてしまう現象やその時期に起きる問題のことです。「9歳の壁」や「10歳の壁」ともいわれます。
授業の難易度が上がり勉強についていけず自信をなくしてしまう子どもがいたり、友達との付きあいが複雑になり、トラブルが起こることもあるでしょう。また、学童保育の終了で放課後の子どもの預け先に悩む親も出てきます。
小学校4年生の発達の特徴
小学4年生になると精神面では、自分自身を客観視できるようになります。他人と自分を比較して劣っている部分に対し、強い劣等感を抱くことも少なくありません。
仲間意識が芽生え、特定の子とグループを作るようになり、友達との関係性を重要視するようにもなります。
家庭では、親子関係が大きく変化するでしょう。恥ずかしさから親と距離を取り、胸のうちを語ることが少なくなってきます。
小学校4年生は、身体面、精神面、環境面で大きな変化を経験する時期です。
「小4の壁」の原因は環境の大きな変化
小学4年生が直面する「小4の壁」は、環境の大きな変化が原因で起こるといわれています。特に多くの方を悩ませるのが、学童保育の終了と交友関係の複雑化でしょう。
ここでは、この2つの原因について詳しく紹介していきます。
学童保育の終了で放課後の居場所がなくなる
法改正により学童保育を利用できる児童の規定が、「おおむね10歳未満」から「小学校に就学している児童」に変更されました。しかし、小学3年生までしか学童保育が利用できないところもあります。
また、この時期になると一緒に通う友達がいないため、学童保育に行きたくないと子どもがいうようになり、学童を辞める選択をする家庭も少なくありません。
このような事情から、子どもの放課後の居場所がなくなるという問題に直面してしまいます。
親は子どもを一人で留守番させることに不安を感じるでしょう。仕事と育児の両立が難しくなり、働き方の変更や退職を選ぶ家庭もあります。
出典:「放課後児童クラブの機能、役割」についての補足資料|厚生労働省
交友関係が複雑になる
小学4年生になると仲間意識が芽生え、気の合う友達と過ごすことが増えるでしょう。特定の子どもとグループを作り、濃く狭い交友関係を築くようになります。
このような交友関係は、コミュニケーションの取り方などを学ぶために必要なものである一方、トラブルの原因にもなります。グループ内の秩序やルールに反した場合、仲間外れにされ、居場所を失くしてしまう恐れがあるでしょう。
子ども自身が話さなければ、学校での様子に親は気づくことができません。誰にも話せずに、一人で悩みを抱える子どももいるため注意しましょう。
小学4年生は勉強面でのつまずきも生じやすい
小学4年生は勉強面でのつまずきも生じやすく、できる子と自分を比較して落ち込むこともあります。
なぜ、小学4年生で勉強面のつまずきを感じるようになるのでしょう。ここでは、国語、算数の2つの科目で、子どもがつまずきを感じてしまうポイントを紹介していきます。
国語
小学4年生の国語は、文法の問題(修飾語と被修飾語など)の登場や画数の多い漢字を覚えなくてはいけないことに難しさを感じる場合があります。
馴染みのない内容の文章を、読み方が難しい語彙を理解しながら、情景などを想像しなければならず、読解力が必要になることもつまずきやすいポイントです。
国語のなかでローマ字の習得も必要になり、覚えられずに苦労する子どもも出てくるでしょう。
算数
小学4年生の算数では、分数や小数、面積、角度、グラフといった単元を学習します。
たし算やひき算、九九など単純な計算だけで解ける問題からイメージしにくい抽象的な思考を必要とする単元が増えるため、つまずいてしまうでしょう。
また、算数では文章問題が増えることも難しく感じてしまうポイントです。計算方法は理解していても、文章を読み適切な式にすることができなければ答えを出すことはできません。
読解力や思考力が不十分で、適切な式を導き出せず不正解になってしまうと、算数に対する苦手意識が強くなってしまうでしょう。
「小4の壁」を乗り越えるために親ができること
子どもの成長のためには、過保護にならず見守ることが重要です。しかし、悩みを一人で抱え込み苦しんでいるようであれば手を貸してあげることも必要です。
ここでは、「小4の壁」を乗り越えるために親ができることを具体的に紹介していきます。
放課後の居場所を用意する
子どもが孤独を感じず、親があんしんして仕事を続けられるように、放課後の居場所を用意することが大切です。
あとから詳しく紹介しますが、民間の学童を利用すること、習いごと・塾に通わせることを検討しましょう。
また、小学4年生になるとどこにも行かず家で過ごしたいと考える子どもも少なくありません。家で親の帰りを待つ場合は、過ごし方や防犯についてルールを作るとよいでしょう。
さらに、何か問題が起きた場合にすぐに連絡が取れるように、携帯電話や職場の電話番号などを貼っておくとあんしんです。
親の働き方を見直す
子どもの状況を把握し、向き合うためには、親の働き方を見直すことも必要でしょう。
時短勤務やテレワーク、パートへの切り替えを行うことで、放課後に子どもと向き合う時間を取ることができます。今の職場で働き方を変えることができないようであれば、転職や退職も視野に入れましょう。
民間学童を利用する
自治体が運営する公立の学童では、低学年の預りを優先することから、小学4年生になると通えなくなるところも少なくありません。このような場合は、民間の学童を利用することを検討しましょう。
民間の学童であれば、空きがあれば小学4年生以上の子どもも預かってもらえることがあります。「勉強のサポートや習いごとといったサービスの提供」「18時以降の保育を行うところもある」などのメリットがあるのでおすすめです。
習いごとをはじめる
習いごとをはじめることで、留守番の回数が減らせ、放課後の居場所を確保できるでしょう。
習いごとには、勉強面でプラスになるもの、運動神経を伸ばすものなどさまざまな種類があります。親がやってほしいことではなく、子どもが好きなことや興味のあることを習いごとを選ぶ基準にしましょう。
また、無理なく通える回数にすること、送迎で負担にならないことも習いごとの選定基準です。
遊ぶ暇もないほど習いごとを詰め込んでしまうと子どもの負担になりますので、楽しみながら通える回数にしましょう。
自宅や学校から遠い場所に教室がある場合、送迎が必須です。親が送迎することが難しい場合は、子ども一人で通える距離のもの、送迎つきのものを選ぶとよいでしょう。
送迎が難しく、子ども一人で通える距離に習いごとがない場合には、comottoの「まなびのサービス」がおすすめです。自宅で気軽に社会の仕組みについて学べ、イベントに参加して共通の趣味を持った人と交流することもできます。
勉強のフォローをしてあげる
勉強面でつまずきを感じている場合には、勉強のフォローをしてあげることが必要です。
リビングなど人の目がある環境で宿題をさせて、わからないことがあれば、すぐに助けを求められるようにするとよいでしょう。
また、家で読書の習慣をつけることも大切です。小学4年生になると読解力や思考力が求められる問題が多く登場します。
なお、親の力だけでは勉強のつまずきを取り除くことができない場合には、塾の利用も検討しましょう。子どものペースに合わせた指導を行っている塾を選べば、苦手な部分を徹底的に教えてもらえます。
子どもが相談しやすい環境を作る
小学4年生は中間反抗期(年長から小学校中学年頃に起きる反抗期)を迎える時期です。口答えをしたり、反抗的な態度を取ったりして、コミュニケーションを取りづらいと感じる場面が多くなります。
この時期に、イライラして「勝手にしなさい」などと突き放してしまうと、何も話してくれなくなる恐れがあるでしょう。
あたたかく見守り、子どもが相談しやすい環境を作っておくことが大切です。子どもから話しかけてくれたらしっかり聞き、親の方からも適度にコミュニケーションを取るようにしましょう。
また、日頃から子どもの味方であるという態度を示し、あんしんできる存在だと認識させましょう。
「小4の壁」で親が子どもにやってはいけないこと
「小4の壁」にぶつかった子どもは、さまざまなことに悩み、葛藤するでしょう。この時期に親が間違った対応を取ってしまうと、子どもは心を閉ざし、親子関係に亀裂が入ってしまう可能性があります。
自分が取っている行動がやってはいけないことに当てはまってないか、確認しながら読みましょう。
子ども扱いしてまともに取り合わない
小学4年生になると、はっきりとした自分の意思を持つようになります。この時期に子ども扱いして、頭ごなしに叱ったり、意見を否定したりするのは良くありません。まともに取り合ってもらえないと感じた子どもは、反抗的な態度を取るようになり、心を閉ざしてしまいます。
何かいいたいことがある場合には、「○○した方がよいと思うよ」などと、アドバイスを送る程度に抑えます。子どもにも考えがあるため、親の意見を聞き入れてもらえなくても、怒らないようにしましょう。
突き放した態度を取る
反抗的な態度を取られると、自分は嫌われているのではないかと感じてしまいます。しかし、子どもは甘えられる相手や信頼できる相手にしか、反抗的な態度は取りません。
反抗されることは信頼の証であり、成長して自分の意思を持ち出した証拠です。反抗されても「勝手にして」などと突き放すことなく、「立派に成長しているな」と思うようにしましょう。
感情をぶつけてしまう
親がヒートアップして、感情をぶつけてしまうのはNGです。いつも感情的に怒鳴っていると、子どもは相談したくても「怒られるのでは」と思って、いい出せなくなってしまいます。
自分の考えを持ち行動できるようになるなかで、さまざまな悩みを抱えるようになるでしょう。「いつでも聞いてあげるよ」という気持ちを示し、子どもが心を許せるようにしておくことが大切です。
子どもの成長や発達段階に合わせて対応しよう
「小4の壁」にぶつかった子どもは、勉強や友達との付き合いでつまずきを感じ、多くの悩みを抱えてしまいます。一方、親は子どもの反抗的な態度に戸惑い、悩みを抱えることが多くなるでしょう。
「小4の壁」を乗り越えるためには、子どもと向き合う時間を作り、成長に合わせた適切なフォローをしてあげることが大切です。