プログラミング教育「embot(エムボット)」で子どもが成長する理由
最近、ニュースでもよく取上げられる「プログラミング教育」。国も教育に取入れるほど注目されていますが、いざ子どもにやらせたいと思っても、「保護者自身にプログラミングの経験がない」「英数国などの従来の学習と比べて学習の成果がわかりにくい」などの理由から、一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、プログラミング教育事業を展開するe-Craft代表の額田さんに、プログラミング教育は子どもにどのような変化や成長をもたらすのかをお伺いしてきました。
<インタビューをさせていただいた方>
株式会社e-Craft代表 額田一利(ぬかだ・かずとし)さん。e-Craftは、プログラミング教育サービス「embot(エムボット)」の企画開発サービス提供を行いながら、「embot(エムボット)」を用いたプログラミング授業・ワークショップの企画・実施、教員向け研修、プログラミングスクール事業などを手掛けています。
プログラミングは意外と簡単!
インタビュアー(※以下、イと表記):額田さんが代表を務める株式会社e-Craftでは、未就学児から高校生まで、多くのお子さまにプログラミング教育を提供されています。実際にプログラミングを体験した保護者やお子さまの様子はいかがでしょうか?
額田(※以下、額と表記):プログラミングを体験する前は、プログラミングは難しいものだと思っている方がとても多いです。ですが、実際にやってみると、ほとんどの方が「簡単なプログラミングでも、こんなものが作れるんだ!」と驚かれます。
イ:プログラミングは、実際に体験してみると意外に簡単なものなのですか?
額:はい、特に私たちが提供しているプログラミング教材の「embot(エムボット)」は、ダンボールなどの身近な素材で組み立てられるロボットなので、お子さまにも親しみやすくなっています。
アイコンや矢印のパーツをつなげていくだけでプログラミングができるので、知識がなくても簡単にはじめることができます。
想像したものを形にできるからプログラミングに夢中になる
イ:「embot(エムボット)」をご家庭に提供する中で、印象的だったご家庭などはいらっしゃいますか?
額:お子さまの作った作品を見て、「うちの子ってこんなに面白いものを作るんだ!」と驚かれる保護者の方がとても多いことが印象的です。
私たちはプログラミングスクールの「embot creative lab」を運営しているのですが、そこでは、同じ授業のテーマでも、子どもたちの完成作品が三者三様になるように設計しています。
例えば、先日「サーボモーターを使って、いかに遠くまでものを飛ばすか」というテーマの授業を実施したのですが、その中で参加者の子どもたちや保護者の方へ、遠くにものを飛ばす見本として、バットで打って飛ばす方法を見せました。
すると、保護者の方は、皆さん見本のマネをしてその通りにやろうとされるのですが、子どもたちはパチンコのように飛ばすものを作ってみたり、飛ばすために滑り台を作ってみたりと、色んな飛ばし方にチャレンジするんです。
イ:子どもの発想は柔軟で面白いですね!
額:そうですね!自分が想像したものを形にできることはプログラミングの魅力です。その魅力に気づいた子どもたちは、夢中になっていろんなものを作ろうとします。つい先日も、1時間の授業なのに、3時間半も残って取り組まれている親子がいらっしゃいましたよ。
子どもたちの「作りたい」を叶える教材「embot」の開発秘話
イ:そもそも「embot(エムボット)」は、どのようにして生まれたのでしょうか?
額:実は、「embot(エムボット)」はプログラミング教材として開発されたのではなく、「感情お届けロボット」として誕生したんです。
初期に考えていたのは、メールやチャットツールでポジティブなメッセージが送られたら、「embot(エムボット)」がポジティブなポーズになるようなイメージです。「embot(エムボット)」って、Emotion Robotの略なんですよね。
イ:そうだったのですね!どのようなきっかけでプログラミング教材に変わっていったのでしょうか?
額:開発を進める中で、子どもたちから、自分たちで「embot(エムボット)」を作ってみたいという声が多数寄せられたんです。ちょうどその頃、チーム内で「プログラミング教育が重要になる」という話をしており、子どもたちが簡単に作れる教材へと方向転換しました。
イ:子ども向けのプログラミング教材となったことで、「embot(エムボット)」の開発はどう変わっていったのでしょうか?
額:いかに手数少なく、面白いアウトプットが出せるかをより重視するようになりました。例えば、スタートブロックの下に、ロボットを指定するブロック 、さらにお喋りするブロックを組み合わせるだけで、「embot(エムボット)」が何かしらお喋りしてくれます。「いかに短いステップで、いろんなことができるか」を追求し続けているので、子どもたちには、簡単にいろんなものを作って欲しいなっていう思いがあります。
プログラミングスキルは課題解決力を養える
イ:また、先ほど少しお話がありましたが、e-Craftでは「embot creative lab」というスクールも運営されていますよね。「embot creative lab」ではどのようなことを学べるのでしょうか?
額:「embot creative lab」では、プログラミングスキルの習得だけでなく、実際に課題解決に役立つ作品を作れるような力を養うための指導をしています。
例えば、子どもたちはペルソナ設定を行い、インタビューや観察を通して課題を抽出します。「親を喜ばせる」というテーマなら、親の課題をインタビューや観察で特定し、その課題解決に役立つ作品をプログラミングで作るというイメージです。
イ:なぜそこまでこだわるのでしょうか?
額:それは、「embot(エムボット)」と「embot creative lab」を通して、子どもたちが「人を喜ばせるために何ができるのか」を考え、アウトプットする能力を身に付けてほしいと考えているからです。
この力は社会で必要不可欠な能力ですが、子どもの頃に学べる場所が少ないのが現状です。だからこそ、「embot(エムボット)」は、その力の学びの場を提供したいと思っています。
イ:「embot creative lab」は、子どもたちの創造力を育む貴重な場ですね。どのくらいの年齢の方が参加されているのでしょうか?
額:基本的には小学生がメインです。未就学児であれば、一人だと難しいので、保護者の方と一緒にご参加いただくケースが多いです。
また、最近は難しいレベルのカリキュラムも増やしているので、中学生の方も楽しんでいただけるようになっています。
プログラミング教育のアウトプットを早めに体験できる環境を作りたい
イ:e-Craftとして、プログラミング教育を今後どのようにしていきたいとお考えですか?
額:プログラミング教育が、基礎学習ばかりのつまらないものにならないようにしないといけないと思っています。
例えば、英語学習であれば、英会話などの生活の中で使う前に、英語を学ぶこと自体が嫌なってしまう方っていらっしゃいますよね。そうならないように、プログラミング教育のアウトプットを早めに体験できる環境を作らないと、廃れてしまうのではないかと思っています。
プログラミングは学習の目的が想像しやすい学問だと思うので、プログラミングを学ぶ楽しさや、社会への貢献性などを子どもたちに伝えることも私たちの大人の役目だと考えています。
イ:素晴らしいですね。今後のe-craftの展開を楽しみにしています。
額:ご期待ください!
インタビュー後記(まとめ)
額田さんのお話にもあったように、多くの保護者や子どもたちが、「embot(エムボット)」を使ったプログラミング体験を通して、その楽しさに驚き、夢中になっています。
お子さまのプログラミング教育をはじめてみようか迷っている方は、「embot(エムボット)」の詳しい情報もチェックしてみてください。
<インタビューでご紹介した各種情報はこちらよりご覧ください>