親子で楽しくお金の勉強!「comottoウォレット」ではじめる家庭での金融教育
近年小中高校での金融教育が必修となり、早いうちからお金について学ぶことの重要性が注目されています。お金の学習は家庭でも積極的におこなうことが望ましいですが、何をすべきかわからないという保護者も多いのではないでしょうか。そこで今回は、親子で金融教育に取り組めるアプリ「comottoウォレット」の企画・開発を担当された伊美さんに、家庭での金融教育のヒントやそのきっかけづくりに関するアドバイスをうかがいました。
<インタビューをさせていただいた方>
伊美 裕麻(いみ ゆうま)さん。NTTドコモ「comottoウォレット」企画・開発担当。
<「comottoウォレット」とは?>
家庭でのお手伝いやお小遣い管理における「かせぐ・ためる・つかう」体験を通して、お金の役割やつかい方、大切さを学べる金融教育アプリケーションです。おもな対象は未就学児や小学校低学年・高学年生で「やること機能」「ほしいもの機能」「おさいふ機能」を通して、親子で実践的にお金の学びが深められます。2023年より株式会社NTTドコモがサービスを提供しています。
家庭でも親子の会話から金融教育を
インタビュアー(※以下、イと表記):伊美さんは、子どもが金融教育を学ぶ必要性はどういった点にあるとお考えですか。
伊美(※以下、伊と表記): 人生において、自分が何を選んでどのような未来に向かっていくかを決めるたびに、重要な要素になるのがお金です。そのため、子どもたちが自身で「自分の人生をどうしていくか、どのように工夫して切り開いていけるか」を考える土台を育てるためにも、金融教育は必要だと考えています。
イ:家庭でお子さまにお金の大切さを教えるのは難しいと思われる方も多いですが、何から教えるのがよいのでしょうか。
伊:普段の生活のなかで、親子でお金についてこまめに話すことが一番よい学びだと思います。
幼い子どもは、お金で物を買えることは知っていても、お金の役割や働きは理解していないものです。最近ではキャッシュレス支払いも増えているので、私の6歳の息子もそうでしたが、クレジットカードやQRコード決済に対して、「このカード/スマホがあれば買えるんでしょ」という発想のお子さんも多いのではないでしょうか。
我が家では、買い物をしている時に「これは1,000円だね」といった会話をきっかけに、値段というものについて考えたり、クレジットカードの話題から「これはパパとママが稼いだお金から払っているんだよ」という説明をしたりもしています。
家庭での金融教育は「お金は欲しいものを得るために必要なもの」ということを理解することから始まると思います。そこから「お金はなぜ、誰から、どうやってもらえるのか」など、社会のなかでお金がどう繋がっているのかにも興味を広げていけるといいですよね。
アプリを利用してお金の感覚や計画性を身に付ける
イ:ものの金額とその金額を得ることがどのくらい大変か、という感覚を家庭で伝えていくことが大切なんですね。
伊:子どもにとって、「お小遣いなどで貯まったお金から、何が買えるかな」と考えるのは楽しいことですよね。また、そういう習慣があれば、自分で計画を立てる力も身に付いていくものだと思います。そこで、我が家では子どもの欲しいものをすべて、「comottoウォレットアプリ」の「ほしいもの機能」にリストアップしています。
「comottoウォレットアプリ」の「ほしいもの機能」とは、お子さまのほしいもの・やりたいことを設定し、どこまで貯まっているか確認することができる機能です。
子どもが幼くてまだ数字がわからなかったころは、ほしいものに対して「これはトミカのミニカー3台分だね」と、身近なおもちゃに例えたりして、少しずつ値段の感覚を身につけていきました。今は数字を見ながら「4桁だと1,000だから…これは買える、これは買えない」などと話したりしています。
イ:実際にお子さまと「comottoウォレット」を利用していて、子どもにとって「comottoウォレット」には、どんな意義があると感じていますか?
伊:何にお金をつかうかを考えたり、そのために工夫したりする力がつくことは意義として大きいと感じています。それまで欲しいものは親にお願いして買ってもらっていたのが、お金に対して自分の持ち物という権限ができることで、「何を買おうか」や「今後のために上手につかうにはどうしたら良いのか」と、主体的に考える力や計画性が身につくんです。
小学生でも中・高学年になってくると、これまでのお金の使い方の失敗を振り返ったりして、さらに経験を活かした選択ができるようになっていくと思います。
生活のなかで実践しながらできる「かせぐ・ためる体験」
イ:ここからは、「comottoウォレット」を開発された背景や思いについてお聞かせください。
伊:「comottoウォレット」は、お金を得る大変さを知る「かせぐ体験」が、お金をつかうことに繋げられるといいなという思いで開発しました。生活でのお金の実践は一番の学びになると思っていたので、小学校低学年や未就学の子どもでも、家庭のなかで安心してお金の実践を積めるという要素も特に叶えたかったことです。
おもな機能には、お金をかせぐ「やること機能」と、お金をためる「ほしいもの機能」があります。
「やること機能」は、お手伝いなどのルールを親子で決めて、それを達成すると設定した金額をお小遣いとしてもらえる機能です。「やること」の内容は親子で自由に登録することができ、お子さま自ら、何ができるか考え取り組むことができます。
「ほしいもの機能」は、欲しいものをリストアップしたり、それに対してお金がどのくらい貯まっているかを見たりできるお小遣い管理機能となっています。ものには値段があることを理解しながら、目標に向かって計画的にお金をためる力を育みます。
イ:「comottoウォレット」のユーザーのご家庭からは、どのような感想があがってい流のでしょうか。
伊:保護者の方からは「こんなアプリを待っていた」とご好評をいただいています。お金に関して、従来のお子さまとの口約束やホワイトボードなどでのお手伝い管理はうまくいかなかったという声もあり、親子で共有・管理しながら記録にも残せる「comottoウォレット」を便利に感じていただけているようです。
お子さまからは、自分の所有物としてのお金が持てることや、がんばり次第で数字がどんどん増えていくこともうれしいと喜ばれています。
イ:お子さまが楽しく利用できるようにされている工夫などはあるのでしょうか。
伊:好みのデザインを選べるカード型のUIなど、子どもたちに愛着を持ってもらえる要素を取り入れています。またハムスターのキャラクターを採用しており、お手伝いができたときやお金が入ってきたときなどに、面白いアニメーションで登場します。お金を貯め込むハムスターと一緒に達成感を味わえるのも楽しいですよ。
保護者は子どもの主体的な成長を見守る姿勢も大切
イ:家庭での金融教育や「comottoウォレット」の利用に関して、保護者の方に対してアドバイスがあれば教えてください。
伊:現在は小学校でも金融教育が取り入れられています。とはいえ「家庭で何をすればよいのかわからない」「お手伝いに対するお小遣い額が決められない」「子どものお小遣い帳が続かない」といったお悩みを持つ保護者も多いと聞きます。そんな方々にこそ「comottoウォレット」を気軽に使って、金融教育のきっかけやヒントにしていただきたいと思っています。
また親子のコミュニケーションという点においては、お金に関する対話をきちんとする一方で、口を出しすぎないことも大切だと思っています。
保護者の方が「そんなものは買わないで、こっちのほうがいいよ」といいたくなる気持ちは、私もよくわかります。けれども、お子さまにとっては「自由につかっていいよ」と、もらったお小遣いなのに親が納得したものしか買えないようでは、面白くない体験になってしまいますよね。
よいもの・悪いものを伝える機会はもちながらも、強制はせずに一緒に考えていくほうがよいのかなと思います。その経験も結果的には学びに繋がりますから。
イ:無駄な買い物かもしれないけれど、それも成長のきっかけになると広い心で見守ることも必要なのですね。
伊:お金はあくまでツールや手段です。大切なのは、金融教育で得た学びを人生にどう役立てられるかを考えることなのだと思います。
インタビュー後記(まとめ)
開発者が保護者の目線に立ち、そのニーズに寄り添ってつくられた「comottoウォレット」。「comottoウォレット」は、親子ではじめる金融教育にもってこいの機能的が揃い、使いやすいアプリケーションとなっています。
今後は、ユーザーの方からの声に応えて、月固定のお小遣いを管理できる機能の搭載も計画中と伊美さんはいいます。また、体系的な学びを提供している「comottoサイト」とも連携して、実践と学習を掛け合わせたより深い金融教育サービスも検討されているとのことで、こちらの展開にも期待が高まります。
みなさまもぜひ、「comottoウォレット」や「comottoサイト」を、家庭での金融教育にご活用ください。親子でお金の大切さを学ぶことはきっと、子どもの未来を切り拓く力を伸ばす一助になりますよ。
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