10歳とはどんな時期?「10歳の壁」の原因や親ができる対処法についても解説
10歳の子どもが直面する「10歳の壁」をご存じでしょうか。本記事では「10歳の壁」の意味や、なぜ起きてしまうのか、といった疑問や対処方法などを紹介します。「10歳の壁」について悩んでいる方や不安な方は、ぜひチェックしてみてください。
「10歳の壁って何?」
「なぜ10歳の壁って起きるの?」
「どのように10歳の壁を乗り越えたらよいの?」
このように10歳前後の子どもならではの疑問や不安がある方もいるのではないでしょうか。
この記事では10歳の壁の原因や対策について紹介しています。記事を読むことで、10歳の子どもに現れる心身の変化に気づくことができるでしょう。
また、学校とプライベートのそれぞれで、親が子どもの様子に気をつけるべきポイントなどがわかります。普段、子どもへの接し方が難しいと悩まれている方にも役立つでしょう。
10歳の壁について理解を深めたい方、原因や対策・解決方法について知りたい方はぜひ、こちらの記事をチェックしてみてください。
10歳とはどんな年?
10歳の子どもは、どのような特徴があるのでしょうか。
まずは10歳の平均身長や体重について紹介しますので、身体的な成長において、大きな個人差があることから確認してみましょう。
10歳の平均身長や平均体重
日本の統計が閲覧できる政府の統計ポータルサイト「e-Stat」の2019年の調査によると、10歳の平均身長は男性で138.1cm、女性で138.7cmでした。
9歳男性の平均身長が132.5cmのため、5.6cm成長、9歳女性の平均身長が133.1cmのため、5.6cm成長していることがわかります。
また、10歳男性の平均体重は33.9kg、女性で32.2kgです。成長には個人差があるので、1つの参考指標として確認しましょう。
出典:国民健康・栄養調査 | 政府統計の総合窓口(e-Stat)
平均身長(男性) | 平均体重(男性) | 平均身長(女性) | 平均体重(女性) | |
---|---|---|---|---|
6歳 | 114.9cm | 20.6kg | 114.7cm | 20.4kg |
7歳 | 122.7cm | 24.7kg | 121.1cm | 21.8kg |
8歳 | 126.3cm | 25.8kg | 125.5cm | 25.9kg |
9歳 | 132.5cm | 30.1kg | 133.1cm | 30.4kg |
10歳 | 138.1cm | 33.9kg | 138.7cm | 32.2kg |
10歳は小学4年生か小学5年生
10歳は一般的に小学4年生か小学5年生にあたります。
小学4年生は学習面でつまずきやすい時期ともいわれており、特に算数では、四則演算や「1億を超える数」「がい数」「角度」といった、実際に経験することが難しい問題が増えてきます。
学習面において抽象的な概念が増えるため、理解しづらい項目が増えやすい時期でしょう。また、9歳~10歳の子どもは心の面にも変化が起きはじめるといわれています。
11~13歳頃には本格的な思春期に入りますが、10歳前後では友達関係や周囲との比較から見えてきた自分を考えていくようになります。思春期以降をできるだけスムーズに乗り切るための大切な時期となるでしょう。
10歳の学習内容とつまずくポイント
具体的に10歳の学習内容と、つまずきやすいポイントはどこなのでしょうか。国語と算数でそれぞれ見ていきます。
まず国語ですが、小学校低学年では感想を持つことが目標だったのに対し、小学校中学年になると理由を示しながら、自分の考えをまとめるプロセスが必要になるでしょう。
また、4年生では新しく習う漢字が約202字あり、小学6年間のなかで一番多いのでつまずきやすいポイントの一つとなっています。
次に算数です。小学4年生の算数は小学1〜3年生の学習内容が定着していないとつまずきやすいといわれています。
なぜなら、小学1年生のときに学んでいた足し算・引き算と小学2年生で学んだ九九、小学3年生で学んだ割り算を踏まえ、小学4年生に入ると3桁の数の割り算を学ぶためです。
小学3年生までに学んだ算数の基礎をもとに発展していくので、どこかで理解できていない部分があるとつまずきやすくなってしまいます。
「10歳の壁」とは
「10歳の壁」とは、幼少期から思春期への移行期において生じる、成長に伴う困難や反抗的な態度をさします。
10歳になると、体力面や学習面で同級生との差が出てくる時期です。自分を客観的に見る能力も芽生えることから、同級生と比較して自分ができる・できないと自覚するようにもなるでしょう。
そのため、劣等感を感じてネガティブな気持ちになったり、攻撃的な態度になったりすることがあります。自己評価の低下はメンタル面の成長を妨いでしまうでしょう。
「10歳の壁」に直面してしまう原因
「10歳の壁」に直面してしまうとき、主な原因には、どのようなものがあるのでしょうか。「学習面」「生活面」「体力面」の3つにわけてご紹介します。
10歳の壁に直面してしまう理由を具体的に知りたい方はぜひ、ご覧ください。
学習面の変化
小学4年生は学習面でつまずきやすい時期といわれています。
特に算数においては、「四則演算」や「1億を超える数」「がい数」「角度」といった実体験と離れたイメージのしづらい問題が増えてきます。
上記によって、理解しづらい項目が増えることが原因で「10歳の壁」に直面してしまうでしょう。
生活面の変化
10歳前後の子どもたちは「ギャングエイジ」とも呼ばれており、親や先生といった大人の評価よりも、自分の同世代の友達からの評価を優先するようになります。
客観的な判断もできるようになるため、「友達と比べて自分はできない」などと周囲と比べてしまい、劣等感を抱えやすくなるでしょう。
体力面の変化
10歳前後は身体的にも大きく成長する時期です。しかし、個人差があることで人によって身長や運用能力にも差がつきはじめます。
運動が苦手と感じはじめる時期でもあるので「自分は運動ができないんだ」と思い詰めてしまうことで、10歳の壁にぶつかってしまうでしょう。
「10歳の壁」にぶつからないためにできる予防策
「10歳の壁」にぶつからないようにするためには、どのようなことができるでしょうか。予防策には、「親が子どもが学習面などでつまずきやすい時期であることを理解しておく」「10歳の壁に対して親が理解を深めておく」などがあります。
ここでは予防策を2つ見ていきましょう。
学習面でつまずきやすい学年であることを理解しておく
小学3~4年生は学習面でつまずきやすい学年であるといわれています。1学期に教科書が配られたら、目次などを確認してどのような内容を勉強するのか把握しておくと、よいでしょう。
また、日頃から子どもに分数や小数などの抽象的な概念を生活のなかで意識するように促し、学習している内容と紐付けてあげることも大切です。
学習につまずいてしまったときは、子どもが何をわかっていないかを見てあげることで、学習をキャッチアップしやすくなるでしょう。
親が「10歳の壁」への理解を深めておく
「10歳の壁」は子どもの発達段階や興味関心を理解することが重要です。
それらを理解し、把握しておくことで、適切な指導や支援をすることが容易になります。親は子どもの目まぐるしい変化に耐性をつけ、子どもの成長をサポートしていきましょう。
「10歳の壁」に直面する子どもへの対処法
では「10歳の壁」に直面した子どもへの対処法は、どのようにすればよいでしょうか。
「10歳の壁」は大きな成長の証であり、子どもが大人になっていく上で乗り越える必要があります。
ここからポイントを5つ紹介しますので、ぜひ、参考にしてみてください。
本音で子どもと話す
成長の過程である子どもを頭ごなしに子ども扱いせず、一人の人間として向き合い、コミュニケーションを取ることが大事です。
10歳になると、物事を客観的に見ることができるようになるので、親が正しいと考えて話したことでも、子どもにとって納得がいかなければ反発するようになってきます。
よいことも悪いことも本音で話し合い、子どもの成長につなげられるよう心がけましょう。
自己肯定感を養う
10歳前後の子どもは人と比べられることで自尊心を損ないやすい年頃になっています。そのため、出来たことをこまめに褒めることが大切です。
褒めてやる気を引き出してあげることで「誰かの役に立てている」という実感を得られ、自己肯定感を向上させます。
得意なことを見つける
「得意なこと」を持っている自覚のある子どもは、自己肯定感が高まりやすくなります。得意なことは長所となり、自分に自信がついていきます。
何が得意かを見つけるために習いごとなど、いろいろな経験をさせてみるとよいでしょう。さまざまなことを学べる、小学校高学年向けの「comotto」がおすすめです。ぜひ、活用してみてください。
本を読んで世界を広げる
本を読むことで、子どもの語彙力や知識が向上します。また、自身の考えを明確に伝えるための能力も身に付けられるので、読書に取組んでもらうことは有効な手段となります。
また、本を読むことにより、子どもの世界を広げられる可能性があるでしょう。読書は、本の内容を疑似的に体験することになり、旅をしている感覚を味わえます。
かつ物語であれば、登場人物に自分を重ね、さまざまな体験をすることにより、成長できるでしょう。そのため、本を読む習慣が身に付くことで人生を豊かにしていけるでしょう。
子どもの学習をサポートする
学習面でのつまずきを親がサポートしたり、場合によっては先生に相談したりすることが改善につながることもあります。
大人のいうことを聞かなくなる時期ですが、会話の機会をなるべく作るようにして、コミュニケーションを多く取るようにしましょう。見放さずサポートしてあげることが大切です。
親のサポートで10歳の壁を乗り越えよう
10歳の子どもは身体的、学習的に大きな変化があります。学習面では抽象的な概念が増え、生活面では同世代との比較が意識され、体力面でも成長に個人差が現れるでしょう。
これらの変化により、「10歳の壁」と呼ばれる成長につまずく時期が生じます。親が子どもの学習や感情面を理解し、コミュニケーションを大切にすることで、子どもが自己肯定感を持ちながら成長できるようサポートすることが重要です。
「10歳の壁」は子どもの成長にとって、とても大事な時期なので、親も子どものことを理解し、上手く乗り越えていけるようにしましょう。