幼稚園は何時まで預かってくれる?預かり保育制度やそのはじめ方について詳しく解説
幼稚園には、どのような利用方法があるのかを知りたい方も多いでしょう。この記事では、幼稚園の預かり保育制度について、申込み方や、利用する際の確認ポイントなどを解説しています。幼稚園の預かり保育を利用したいと考えている人は、この記事を参考にしてください。
「幼稚園って、子どもを何時まで預けることができるの?」
「預かり保育制度ってどんなもの?」
「預かり保育を利用する場合は、何に気をつければいいの?」
など、幼稚園の預かり保育について、疑問や興味を持っている保護者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、幼稚園で利用できる「預かり保育制度」について、その詳しい内容や、利用時の注意点などを解説しています。
この記事を読むことで、幼稚園での預かり保育制度に関する知識を身に付けられます。また、その知識をもとに、自分たちの家庭のスタイルに合った幼稚園選びの参考にすることができるでしょう。
預かり保育制度を使って幼稚園を利用したいと考えている人は、ぜひ、この記事をチェックしてみてください。
幼稚園は14時前後まで子どもを預けることができる
幼稚園で子どもが過ごす時間は、文部科学省の幼稚園教育要領にもとづいて4時間が標準と定められています。これを踏まえて、各幼稚園では登園時間や降園時間を決めています。
登園時間の平均は、8時30分から9時30分頃が多いため、降園時間は13時30分から14時頃と設定されている園が多いです。このため、幼稚園で子どもを預けられる時間帯は、遅くても14時前後までとなっています。
「預かり保育」で幼稚園の時間延長が可能
幼稚園の通常保育時間に合わせて子どもを迎えに行けない、子どもが帰ってくる時間に対応できないなどの事情がある場合、預かり保育制度を利用することができます。
預かり保育とは、通常保育の前後に行われる、希望制の保育です。一般的には、通常保育後に実施されることが多く、降園時間以降の延長保育が受けられます。
この制度を利用すれば、仕事などの都合で迎えに行けない場合でも、あんしんして子どもを預けられるでしょう。
「一時保育」との違い
預かり保育制度は、幼稚園以外にも、保育園で「一時保育」という形で実施されています。いずれも有料サービスとして提供されていますが、預かり保育と一時保育の違いは以下のとおりです。
・幼稚園の預かり保育は在園児のみ利用可能だが、保育園の一時保育は通っていない子どもでも利用可能
・預かり保育は通常保育の時間外のみで、一時保育は保育園の開園時間であれば時間単位、または1日単位で利用可能
このような違いがある理由は、幼稚園と保育園の管轄の違いです。幼稚園の管轄は文部科学省で、学校と同じ教育の場として認識されています。対して保育園は、こども家庭庁の管轄で、福祉の場となっています。
預かり保育は17時頃まで
預かり保育は、基本的に通常保育の時間外に行われますが、何時まで預かれるのかは幼稚園によって異なります。
平日であれば、通常保育終了後の14時から17時までと設定している幼稚園が多いでしょう。なかには、保護者の事情に応じて、18時や19時など、保育園と同じような預かり時間を設定しているところも見られます。
なお、土日に関しては、預かり保育を実施していない幼稚園もあるため、事前に確認しておきましょう。
これは、幼稚園が学校と同じ扱いになるためです。夏休みなどの長期休暇についても、預かり保育の実施の有無は各幼稚園で異なるため、注意が必要です。
土日や長期休暇の預かり保育を実施している園の場合、9時から17時までと設定しているところが多いでしょう。
19時まで延長可能としているところもありますが、この場合は延長料金が発生する可能性があります。
【文部科学省より】預かり保育が可能な幼稚園は年々増えている
保護者からのニーズが高まってきていることを受け、預かり保育に対応している幼稚園は、年々増えています。
平成28年度の文部科学省の調査によると、預かり保育を実施している幼稚園は公立・市立併せて85.2%となっています。平成9年度の29.2%と比較すると、増加傾向は顕著といえるでしょう。
令和元年のデータでは、87.8%とさらに増加しており、今後も預かり保育可能な幼稚園は増えていくことが予想されています。
出典:平成28年度 幼児教育実態調査|文部科学省初等中等教育局幼児教育課
出典:幼稚園における預かり保育、幼保小の接続及び幼児教育推進体制について|文部科学省
預かり保育を利用する際に確認するポイント
預かり保育可能な幼稚園が増えていることから、積極的に制度を利用したいと考える保護者も増えてきています。
しかし、預かり保育を利用する場合は、事前にいくつか確認が必要なポイントがあります。
ここからは、預かり保育を利用する際の注意点を2つ紹介しましょう。
利用料金は園によって異なる
預かり保育は、標準保育時間外での保育にあたるため、多くの幼稚園で保育料とは別に、利用料金が発生します。
この料金設定には、一定基準が設けられておらず、幼稚園によって設定が異なる点に注意が必要です。
一般的には、1回の預かり保育で約500円から1,000円に設定されているところが多いでしょう。
利用する園によって、1回の預かり保育で料金が発生するところもあれば、時間単位で料金が設定されているところもあります。
月極で預かり保育を実施しているところもあるため、事前に利用料金や支払いの設定を確認しておくことが大切です。
定員が決まっている場合がある
預かり保育を利用する際には、定員の有無を確認しておきましょう。
幼稚園によっては、預かり保育できる子どもの定員を設定しているところもあります。その場合は、預かり保育の希望日を、前もって幼稚園側に伝えておくことをおすすめします。
定員の有無を把握できていなければ、いざというときに預かり保育が利用できない可能性があるでしょう。
預かり保育は無償になる場合がある
幼稚園での預かり保育は基本的に有料サービスですが、令和元年10月から幼児教育・保育の無償化がはじまっています。
対象となるのは、幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する、3歳から5歳児クラスの子どもたち、そして住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスまでの子どもたちです。
ただし、上記に当てはまるすべての子どもが対象となるわけではなく、預かり保育を利用する理由など、一定の条件を満たしている必要があります。ここからは、預かり保育が無償化になる条件と対象外になるケースについて、それぞれ解説します。
仕事が理由で預ける場合は無償化の対象
仕事(就労していること)を理由とした預かり保育は、無償化の対象となります。ただし、追加の条件として、自治体から新2号認定(保育の必要性の認定)を受ける必要があります。
新2号認定を受けるための就労条件は、月48時間以上働いていることです。具体的な就労時間の設定は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
上記の就労条件を単純に週計算すると、週に約12時間の勤務となります。そのため、正社員であれば問題なくクリアできるほか、パートタイムや在宅勤務でも対象となる可能性が高いでしょう。
このような条件設定になっているため、共働きやフルタイムで働いている保護者でも、幼稚園の預かり保育を利用しやすくなっています。
出典:幼児教育・保育の無償化制度でよくあるご質問はこちら(1)|こども家庭庁
出典:下の子を出産するため幼稚園で『新2号認定』を取得しました(令和3年12月15日)|杉並区
仕事以外で無償化の対象となるケース
幼稚園の預かり保育で無償化の対象となるケースは、仕事以外にも以下の内容があります。
・妊娠や出産
・保護者の疾病または障がい
・同居または親族の介護、看護
・災害復旧
・起業準備を含めた求職活動
・職業訓練校などにおける職業訓練を含めた就学
・子どもへの虐待やDVのリスクが高い場合
・育児休業取得中に既に保育を利用している子どもがいるなど、継続利用が必要と判断される場合
ほかにも、市町村が認める場合は無償化の対象となる場合があります。仕事以外で預かり保育を検討している方は、無償化の対象になるかを確認しておきましょう。
無償化対象外の事例
ここまで、預かり保育の無償化対象のケースを解説しましたが、無償化の対象外となるケースもあるため、注意が必要です。
主な事例としては、リフレッシュ目的と兄弟の学校行事参加のための利用が挙げられます。
そもそも幼稚園での預かり保育を無償化してもらうためには、自治体からの新2号認定(保育の必要性の認定)が必要です。
保護者がリフレッシュするため、または兄弟の学校行事へ参加するためという理由では、保育の必要性が認められない可能性が高く、無償化の対象外となります。
出典:下の子を出産するため幼稚園で『新2号認定』を取得しました(令和3年12月15日)|杉並区
家庭のスタイルに合った幼稚園選びが重要
預かり保育制度は、すべての幼稚園で実施されているわけではありません。申請方法や預かれる条件、料金設定など、幼稚園や自治体で異なっているため、注意が必要です。
また、家庭の状況によっては、幼稚園の預かり保育よりも、保育園を利用する方がよい場合もあるでしょう。
自分たちの家庭の状況に合わせて、幼稚園と保育園どちらを利用するか決めることをおすすめします。その上で、自分たちのニーズに合った園を選ぶことが大切です。
幼稚園の「預かり保育制度」について知っておこう
一般的な幼稚園の降園時間は14時前後ですが、この制度を利用することで17時頃まで延長保育を受けられるため、仕事をしている保護者にとっては有益な制度でしょう。
この預かり保育制度の利用は、有料です。ただし、一定の条件を満たしていれば無償化の対象になるため、経済的な負担を軽減できる可能性があります。
幼稚園での預かり保育の利用を検討している方は、この記事を参考にして、自分の働き方や生活スタイルに合った施設を探してみてはいかがでしょうか。