お宮参りで女の子と男の子で違いはある?それぞれの時期や服装について解説
お宮参りについて不安や疑問を持っている方も多いでしょう。この記事ではそんな不安や疑問を解消するための情報を紹介・解説しています。この記事を読めば、お宮参り当日に慌てることがほとんど無くなるでしょう。ぜひ最後までご一読ください。
「お宮参りにはどれくらいの費用がかかるんだろう」
「男の子と女の子で違いはあるのかな」
「どんな服装でお宮参りするんだろう」
はじめてのお宮参りの場合、お宮参りにかかる費用やその相場、マナーなどがわからず、不安になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では男の子と女の子でお宮参りにどのような違いがあるか、お宮参りに着ていく服装や参加できる人など最近のお宮参りの傾向も併せて紹介しています。
また、お宮参りのマナーやどのような費用がかかるのか、相場はいくらぐらいなのかなども知ることが可能です。
記事を最後まで読めば、お宮参りに対する疑問や不安が解消できるでしょう。ぜひご一読いただき、お宮参りの参考にしてみてください。
お宮参りとは
お宮参りとは、赤ちゃんと一緒に神社にお参りし、土地の氏神様に誕生の報告と健やかな成長をお祈りする日本の伝統的な行事です。地域によっては、生後100日頃に行うお食い初め(おくいぞめ)と合わせてお宮参りをすることもあります。
初参り(はつまいり)や初宮詣(はつみやもうで)、初宮参り(はつみやまいり)は、お宮参りの別名です。
お宮参りの由来
鎌倉時代にはすでにお宮参りのような産土詣(うぶすなもうで)というものが行われていました。お宮参りと呼ばれるようになったのは、室町時代になってからだといわれています。
かつては大量の出血を伴うお産は「穢れ」とされていました。産土詣は現代のお宮参りのように赤ちゃん誕生の報告と健やかな成長を祈るだけではなく、お産の「穢れ」をはらうという儀式でもありました。
お宮参りに祖父母は参加するべきか
現在は、お宮参りに誰が参加するかという決まりは特にありません。
両親だけであったり、両家の祖父母も一緒であったり、両親の兄弟姉妹が参加したりと、それぞれのご家族のスタイルでお宮参りを行うことが普通になっています。
古来より、父親と父方の祖父母が赤ちゃんを連れてお宮参りをするというのがしきたりでした。
これは、お産の穢れのある母親が神社に入れなかったという名残りです。また産後、体調が整わない母親に無理をさせてはいけないという気遣いでもあります。
赤ちゃんを抱く人
しきたりに則るのであれば、赤ちゃんを抱くのは父方の祖母です。しかし、現代では、それぞれの家族のスタイルでお宮参りを行うことが普通になってきました。そのため、赤ちゃんを抱くのが誰かという決まりはなくなりつつあります。
しきたりを大切にするご家族がいる場合は、母親が赤ちゃんを抱っこすることをよしとしないこともあります。トラブルにならないように、お宮参りに参加する家族や親族の間で事前に話し合いをしておきましょう。
女の子のお宮参りとは
お宮参りはご家族にとって、一生に一度の大切な行事です。女の子と男の子ではお宮参りの時期や服装などが異なっており、お宮参りをはじめて行う方にとっては、戸惑ってしまうことが多いでしょう。
ここからは、女の子のお宮参りの時期や服装などについて、詳しく紹介します。
女の子のお宮参りの時期
しきたりでは、女の子のお宮参りは男の子よりも1日遅い生後32~33日目とされていました。しかし、月齢で見れば男女とも生後約1か月です。そのため、現在では赤ちゃんの性別にかかわらずお宮参りの目安を生後約1か月とするご家族も増えています。
また、女の子のお宮参りの方が男の子よりも早かったり、お宮参りの時期がお食い初めの時期と同じ110日~120日であったりと、地方によってはしきたりが違う場合もあります。
女の子のお宮参りの服装
白羽二重に祝着、帽子とよだれかけをつけるというのがお宮参りの赤ちゃんの正装です。
また、近畿地方を中心に一部の地域では、赤ちゃんのおでこに赤い口紅などで文字や記号を書くしきたりがあります。これは魔除けの意味が込められた「あやつこ」と呼ばれるものです。特に近畿地方では、優しく健やかに育つようにと女の子には「小」という文字を書きます。
白羽二重とは、白絹で作られた真っ白な内着です。現在は真っ白なベビードレスやロンパースなどで代用するケースも増えてきました。
産着、かけ着、のしめ、一つ身などさまざまな呼び方がある祝着は、赤ちゃんが健やかに育つようにという願いが込められた晴れ着をさします。
赤ちゃんはまだ体温調整が上手くできないので、気侯に合わせた服装を選んであげましょう。暑い時期であれば、祝着を着せずにベビードレスだけという選択肢もあります。また、寒い時期であれば、おくるみやブランケットを用意しておくとあんしんです。
女の子の着物の選び方
女の子の祝着の柄は友禅模様、人気の色味は伝統的な赤や華やかなピンクで、絵柄は牡丹や桜などの花の模様や鞠などの模様をあしらった華やかなものが好まれています。
近頃は女の子でも水色や紺、黒などの祝着も登場しています。そのほかにも黄色や白などもあり、多彩な色味から選ぶことが可能です。絵柄についても鈴や蝶、芍薬や梅、うさぎなどさまざまなものがあります。
男の子のお宮参りとは
男の子のお宮参りも基本的には女の子のお宮参りと大きな違いはありません。
しきたりを重んじるのであれば、お宮参りを行う日齢が女の子よりも早いという違いはあります。しかし、しきたりよりも赤ちゃんを最優先に考えるという点においては、男女とも同じです。
男の子のお宮参りの時期
男の子のお宮参りは、生後31~32日目に行うというのが一般的なしきたりです。
赤ちゃんが生まれた時期によっては、お宮参りが真夏や真冬など厳しい気候の時期に当たることもあります。そのような場合は、しきたりよりも赤ちゃんや母親の体調などを第一に考えて、お宮参りの時期を決めるようにしましょう。
男の子のお宮参りの服装
男の子のお宮参りの服装も女の子と同様に、白羽二重に祝着、帽子とよだれかけというのが正式な服装です。
近畿地方のしきたり「あやつこ」では、男の子のおでこに「大」の字を書き、大きく元気に育つようにという願いを込めます。
近畿地方にはあやつこ以外にも「紐銭(ひもせん)」というしきたりもあります。「紐銭」は、一生お金に困らないようにと願いを込めて、いただいたご祝儀袋を赤ちゃんの祝着の紐に結わえるものです。
ベビードレスやセレモニードレスなどの洋装も増えてきていますが、正装である和装の人気も衰えていません。ただし、赤ちゃんの体調を第一に考え、気候に合わせた服装にしましょう。
男の子の着物の選び方
男の子の祝着は、黒や紺を基調に柄は熨斗目(のしめ)模様、絵柄は龍や鷹、兜など力強さを感じるデザインが定番です。熨斗目模様は束ね熨斗めともいわれ、長寿と人の縁という願いが込められています。
最近では、緑・水色・赤・ブラウンなど明るい色合いのものも増えてきました。また、絵柄も豊富になりました。男の子の祝着に描かれる絵柄には、さまざまな願いが込められています。
出世などを願った「鷹」「鯉」「龍」、邪気や災難から守るという意味の「兜」、おめでたい門出を祝う「宝船」、長寿や威厳の願いを込めた「松」などです。
生地の織り方や染めや刺繍などの加工方法で、肌触りや見た目の雰囲気も変わります。
お宮参りにかかる費用の相場や作法
お宮参りにかかる費用は一般的に「初穂料」「衣装代」「写真撮影費」「食事会代」の4つが考えられます。
お宮参りの際に神社でご祈祷をしてもらうためには、初穂料(はつほりょう)という謝礼が必要です。神社によってはお宮参りの初穂料が決まっていることもあります。参拝する予定の神社の社務所やサイトに、前もって確認をしておくとよいでしょう。
初穂料が任意の場合の相場は5千円~1万円が一般的です。あくまでも目安ですが、赤ちゃんと両親のみでご祈祷を受けるなら5千円、両家の祖父母も一緒にご祈祷を受けるときは1万円が相場と考えておきましょう。
ご祈祷後のお守りやお札などをいただくのであれば、納める初穂料は1万円が無難です。
衣装代は、レンタルや購入、和装や洋装、などの条件によって必要な金額に大きな差がでます。写真撮影を依頼するフォトスタジオによっては、衣装を無料でレンタルできることもあるので上手に活用しましょう。
写真撮影は、フォトスタジオの規模や撮影方法によって金額の差はありますが、2万円~6万円が相場です。
食事会については、外食か自宅、自宅の場合でも仕出しにするか手作りにするかなど、選択肢が多くあるため、決まった相場はありません。
初穂料はのし袋に入れよう
一般的にお宮参りの初穂料はのし袋に入れて納めます。
お宮参りはお祝いごとのため、水引が紅白蝶結びののし袋を使いましょう。表書きの上段に「御初穂料」、下段に赤ちゃんのフルネームを記します。読み間違いを防ぐために赤ちゃんの名前には、ふりがなをふるとよいでしょう。
「御初穂料」と同じような名目に「御玉串料」というものがあります。この2つの名目の違いは、ご祈祷後にお守りやお札をいただくかどうかです。一般的にお守りやお札をいただくときは御初穂料、いただかないときは御玉串料とします。
祝着を上手く着せるには
祝着を上手く着せるためには、事前準備が大切になってきます。
お宮参りの祝着を着せる手順は、それほど難しいものではありません。ただし、慣れていないと手間取ってしまうこともあるでしょう。祝着を着せる練習を実際に行ったり、着せやすいように下準備をしたりしておくと当日慌てずにすみます。
また、祝着を着るタイミングに気をつけることで、着崩れなどを防ぐことも可能です。
事前に練習しておく
お宮参りの祝着は一人では着ることはできないため、「赤ちゃんを抱っこしていない人が着せてあげる」ということを覚えておきましょう。祝着は赤ちゃんが直接着るわけではありません。赤ちゃんを抱っこした人の上から包むように祝着を羽織らせます。
赤ちゃんを抱っこする人を交代することも考えて、参加するすべての人で祝着の着せ方の手順を確認し、事前に練習しておくとあんしんです。
祝着は神社に着いてから着せる
神社に到着後、手水舎(てみずや)でのお清めが済んでから祝着を着せてあげると、汚れやシワ、着崩れを心配する必要がありません。きれいな状態でご祈祷を受けたり、お参りしたりすることが可能です。
また、祝着を羽織っていると両手がふさがる上に、足元が見えづらくなります。転倒防止の観点からも神社に到着後に羽織ることをおすすめします。
下準備が大切
事前にできることはしっかりと準備しておくと、神社についてから慌てることが少なくなります。
祝着と襦袢を重ね、襦袢の紐を祝着の袖に通しておくだけでも、神社についてから祝着を羽織りやすくなるでしょう。お宮参りの小物をつけておくと、よりスムーズにいきます。帽子やよだれかけの準備も忘れずにしておきましょう。
入念な準備で後悔のないようにしよう
赤ちゃんにとって、一生に一度しかないお宮参り、何よりもお宮参りの主役である赤ちゃんの体調を第一に考えることが大切です。
また、失敗のないようにするためには、当日までにすべきことを知り、しきたりについても理解しておく必要があるでしょう。
お宮参りまでに疑問や不安を解消しておくことで、余裕を持って本番を迎えられます。素晴らしいお宮参りにするためにも入念に準備を進めておきましょう。