お食い初めではどんなメニューを用意すればよいの?食材の意味も併せて解説!
お食い初めの食事について、どのような料理を用意したらよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、お食い初めの定番メニューと、料理に込められた意味について詳しく解説します。これからお食い初めの準備をはじめる方は、ぜひ、ご一読ください。
「お食い初めって、何をしたらよいの?」
「お食い初めの料理を準備したいけど、何から手をつければよい?」
「そもそも、お食い初めって必要?」
など、お食い初めを行うにあたって、何をどのように準備すればよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、お食い初めに欠かせないメニューや、定番とされている料理について、詳しく解説しています。
また、料理に使われる食材に込められた願いや祈りについてもふれているため、この記事を読めば、お食い初めを行う意味が理解できるようになるでしょう。
子どもが産まれて、もうすぐ100日目を迎える方はもちろん、お食い初めについて知っておきたいと考えている方は、ぜひ、本記事を参考にしてください。
お食い初めのメニュー
「お食い初め」とは、産まれた子どもの生後100日を記念して行う、お祝いの行事です。
お食い初めでは、「これからも健やかに長生きできますように」という祈りを込め、親が赤ちゃんに料理を食べるまねごとをさせるのが、古くからの伝統となっています。
ここでは、お食い初めの定番料理や、お祝いにふさわしい献立について詳しく見ていきましょう。料理や食材に込められている意味を把握し、どの食材や料理を使うか決めるための参考にしてください。
最低限用意したい3品
お食い初めの献立で欠かせないのは、「ご飯・汁物・焼き魚」というメニューです。
この3品は、お祝いの料理として「赤飯・吸い物・尾頭つきの鯛の塩焼き」といったメニューで用意するのが一般的です。
正式な決まりというわけではありませんが、基本の献立として押さえておきましょう。
できれば用意したい「一汁三菜」
お食い初めのメニューを、よりお祝いにふさわしいものにしたいという方は「一汁三菜」を用意しましょう。
「一汁三菜」とは、ご飯と汁物に副菜を加えた献立です。
この一汁三菜は、日本料理の原型ともいえる「本膳料理」が起源といわれています。本膳料理とは、昔ながらの冠婚葬祭などで出される、正式な日本料理です。
本格的なお食い初めでは、本膳料理にならって「ご飯・汁物・香の物・なます・煮物」の本膳と「焼き物」の二の膳にわけて「一汁三菜」が用意されるため、より厳かな雰囲気が味わえるでしょう。
また、一汁三菜は、栄養バランスのよい献立ともいわれています。
ご飯では炭水化物を、主菜では身体を作るためのたんぱく質を、そして、副菜では調子を整えるミネラルや食物繊維がとれることが期待できます。
オリジナルのお食い初め料理を作る人も
近年では、形式にとらわれずオリジナルのお食い初め料理を作る方も増えています。
日常生活では、尾頭つきの鯛を見かけることは少ないため、切り身やサンマ、イワシなどの旬の魚、鯛の形を模したパイなど、さまざまな食材や料理を工夫してお祝いする方もいます。
伝統的な料理もオリジナルの料理も、赤ちゃんを思う気持ちが込められていることに変わりはないため、家族みんなでお食い初めをお祝いしましょう。
料理が持つ意味
お食い初めで用意される料理には、さまざまな食材が取入れられています。
ここでは、お食い初めの料理が持つ意味をはじめ、使われている食材にはどのような願いが込められているのかについて、詳しく解説していきます。
また、縁起のよい色などについてもふれているため、お食い初めの料理をオリジナルで作りたいという方は、ぜひ、参考にしてください。
赤飯
お祝いごとの赤飯は、かつて神様に「赤米」を炊いたものをお供えしていたことが由来といわれています。
また、古来「赤色」には邪気払いの力があるとも信じられていました。そのため、お食い初めでは、子どもの魔除けの意味を込めて、赤飯が用意されるようになったといわれています。
ただし、お食い初めのご飯は、赤飯に限ったものではありません。白米やお粥はもちろん、「勝ち栗」という言葉で縁起を担いだ「栗ご飯」、子孫繁栄の意味がある「いくらご飯」もお祝いごとにふさわしいでしょう。
鯛
鯛は、長生きする魚で長寿の意味があります。見た目からも、赤い表面と白い身で紅白に見えることから、お食い初めだけでなく、多くのお祝いの席で使われてきました。
また、鯛のからだのなかには「鯛の鯛」という、鯛の形に似た骨が存在します。人の手を加えることなく、自然にできた骨のため、江戸時代から縁起物として扱われています。
お吸い物
お吸い物には、「子どもの吸う力が強くなり、お乳をたくさん飲んで健康に育ちますように」という願いが込められています。
お吸い物の具材として代表的な貝は、ハマグリです。ぴったりと重なった二枚貝が仲のよい夫婦を連想させることから、「将来よい伴侶と巡りあえますように」という意味が込められています。
香の物
「香の物」とは、お漬けもののことです。「香の物」の「香(こう)」を、同じ読みの「幸」にかけて、子どもの幸せを願っています。
お食い初めの香の物としては、大根と人参を酢で和えた「紅白なます」や、多幸(たこう)という言葉にかけた、タコの酢漬けが定番です。
地域によっては、長寿の意味を込めて梅干しが使われることもあります。
煮物
お食い初めの煮物には、特に決められた具材はないため、旬の食材や、おめでたい意味を持つ食材を使いましょう。
たとえば、レンコンや里芋、タケノコなどはよく使われる食材ですが、それぞれの意味を知っておけば、ほかのお祝いごとにも役立てられます。以下で、これらの食材が持つ意味を見ていきましょう。
レンコンを食べる理由は、穴が開いていることから「将来の見通しがきく」という意味があるためです。
子芋がたくさんできる里芋には、「将来、子宝に恵まれますように」という願いが込められています。
力強く上に向かって成長するタケノコには、「まっすぐ健やかに育ってほしい」という願いが込められています。
お食い初めで用意する道具
食事のまねごとをするお食い初めでは、お祝いごと用の食器や箸を使うのが一般的です。
また、お食い初めと一緒に、「歯固めの儀式」を行うケースもありますが、その場合は、お祝い膳以外にも準備が必要な道具が出てくるため、確認が必要です。
料理や食材同様、お食い初めの道具にもさまざまな意味があります。ここでは、お食い初めで使われる道具を1つずつ見ていきましょう。
歯固め石
お食い初めでは、食事のまねごとと一緒に「歯固めの儀式」が行われることがあります。その際に必要となるのが「歯固め石」です。
「歯固めの儀式」とは、お食い初めと同じ生後100日頃に行われるもので、「丈夫な歯が生えてきますように」と願い、赤ちゃんの歯ぐきに石を当てるのが習わしです。
使用する石の種類や個数、大きさに決まりはないため、近くの河原で拾うほか、神社で借りたり、購入したりなど、自由な方法で用意できます。
地域によっては、歯固め石の代わりに、タコや梅干し、栗を使用することもあります。
祝箸
お食い初めなどの祝いごとでは、箸の両先端が細くなっている「祝箸(いわいばし)」を使用します。祝箸は縁起物のため、箸袋に水引きがあるものや、寿の文字が書かれたものを用意してください。
お祝いごとで使う祝箸には、「片方を神様に使っていただき、食事を通して神様とつながる」という意味が込められています。箸の中央部から両先端にかけて細くなっているのはそのためで、両方を使ってもよいというわけではありません。
食器
お食い初めでは、漆器のお祝い膳を使うのが伝統的なスタイルです。
お食い初めのお膳は「飯椀・汁椀・平椀・壺椀・高坏・平皿」の6種類で構成されますが、使用する器の色が男女で異なることに注意しましょう。
男の子は「内側と外側の両方が朱塗り」、女の子は「内側が朱塗りで外側は黒塗り」というのが古くからの伝統です。
ただし、本格的な漆器のお膳を用意することが難しい場合は、レンタルを利用したり、ベビー用食器や木製・陶器の食器を使ったりしても構いません。
料理の意味を知り心を込めて準備しよう
「お食い初め」は、赤ちゃんの生後100日目を祝う大切な伝統行事です。
「子どもが一生食べものに困りませんように」という祈りを込めて行うため、この日ばかりは赤ちゃんにも大人と同じ食事を用意します。
まだ母乳やミルクを飲んでいる時期のため、食べるまねごとだけではありますが、料理や食材には親の子どもに対する願いが込められています。家族揃った食事の席で、その思いを受け取ることは、赤ちゃんにとって大きな意義があるといえるでしょう。
本記事では、お食い初めの料理と、その食材に込められた意味を紹介しました。これからお食い初めを準備するという方は、ぜひ、本記事を参考にしてください。