赤ちゃんはいつから手づかみ食べをする?時期の目安や練習のはじめ方を解説!
手づかみ食べが、どのように赤ちゃんの成長に影響をおよぼすかをご存じでしょうか。本記事では、積極的に取り組んだ方がよい理由や、気をつけるべきポイントを説明し、食材の調理方法について紹介します。手づかみ食べについて、詳しく知りたい方はぜひ、チェックしてみてください。
「いつから手づかみ食べをはじめればよいのだろう?」
「不衛生だし行儀が悪いから、やめさせた方がよいかもしれない」
「このやり方であっているのかな?」
離乳食の段階の一つである「手づかみ食べ」について、疑問や不安を感じる保護者の方は多いのではないでしょうか。
本記事では、その効果やいつからはじめたらよいか、練習を進めていく上での注意点をわかりやすく説明します。おすすめの食材や調理方法についても紹介しています。
この記事を読むことで、赤ちゃんの成長に非常に大きな影響があることを理解でき、気をつけるべきポイントを知ることができるでしょう。
あんしんして離乳を進めたい保護者の方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
手づかみ食べはいつからはじめる?
赤ちゃんが母乳や育児用ミルクから幼児食へ移行する離乳期には、進め方の目安とされる月齢があり、手づかみ食べは生後9~11か月頃からといわれます。しかし、成長には個人差があるため、しっかり赤ちゃんの様子を観察して、いつからはじめるか見極めましょう。
赤ちゃんが、食べものに手を伸ばそうとしたり、自分で食べものをつかんで口に運ぼうとしたりするようになったら、食べることに意欲的になってきている兆しです。
この兆候が見えたら手づかみ食べをはじめましょう。
まだ手づかみ食べには早いサイン
赤ちゃんが食べることに意欲的になっていても、まだ手づかみ食べをはじめない方がよい場合があります。
食べものを入れたあとに口が左右に動いておらず、丸のみしているような場合は、手づかみ食べをはじめるには時期が早いでしょう。誤嚥(ごえん)の危険性が高まり、窒息や肺炎を引き起こす可能性があるためです。
赤ちゃんの食事中の様子を、しっかり確認するようにしましょう。
また、食べている間は、赤ちゃんが椅子に座り続ける必要があります。首や背中が発達して、体のバランスが取れるようになるまで待ってみてください。
赤ちゃんに安全に楽しく食事してもらうためにも、サインを見逃さないことが重要です。
手づかみ食べに適した食品
手づかみ食べをいつからはじめるか決まると、次はどのような食べものを与えればよいかと悩む方も多いでしょう。手づかみ食べは、赤ちゃんの食への興味を促し、手指の発達や自立性、積極性を育むために重要です。
赤ちゃんの「自分で食べたい」という気持ちを優先して、成長に合わせた固さや大きさの食べものに挑戦させてあげましょう。
ここでは、手づかみ食べにおすすめの食品や調理方法を紹介します。
おにぎり
ご飯は赤ちゃんがつかみやすいように「おにぎり」にします。
この頃の赤ちゃんは、口いっぱいに食べものをほおばることが多いので、大きく固いおにぎりにしてしまうと喉につまらせる危険があります。万が一、赤ちゃんがそのまま飲み込んでも問題ないように、小さくふんわりと軟飯をにぎったものにしましょう。
海苔は必ずしも使う必要はありません。使う場合は、小さくちぎったり赤ちゃんが噛み切りやすくなる工夫をしたりしましょう。
バナナ
離乳食初期はつぶして与えることが多いバナナは、手づかみ食べする時期が来たら、皮つきのものやスティック状に切ったものに変更します。
1/2にカットし、カットした部分から約2~3センチだけ皮をむくようにすると、持ちやすくなります。食べ進んできたら、少しだけ皮をむくようにしましょう。皮をなめてしまう可能性があるので、カットする前に軽く水洗いします。
輪切りにすると喉につまらせる危険があるので、皮をすべてむく場合はスティック状に切りましょう。また、熟したバナナは柔らかくつかみづらいので、慣れるまではシュガースポット(茶色い斑点)があまり出ていないものを使うようにしてください。
さつまいも
まだ歯が生えそろっていないので、さつまいもを使う場合は、柔らかく蒸したり茹でたりします。電子レンジを使うと手軽に蒸すことができるので、おすすめです。
硬さは大人の指で軽くつぶせるくらいにして、大きさは赤ちゃんがにぎったときに、少し手から出るくらいのスティック状にすると、つかみやすくなります。
にんじん
にんじんなどの野菜を蒸したり茹でたりしても、よいでしょう。
スティック状に切った柔らかい野菜は、前歯が生えてきた赤ちゃんにとって、自分の一口大をかじる練習になります。最初は量がわからず、たくさん口に入れてしまうことも多いので、必ず大人が近くで見守るようにしましょう。
手づかみ食べの練習のはじめ方
手づかみ食べは、赤ちゃんが「食べる楽しみ」を覚えるためにも、非常に大切なステップの一つです。赤ちゃんが食事を楽しむためには、環境を整えることや、保護者を含む周りの人は、関わり方に注意する必要があります。
ここからは、手づかみ食べをはじめる際に心がけるとよいポイントを紹介します。
椅子や机などの環境を整える
赤ちゃんのひじが、テーブルに付く高さに椅子や机を合わせて、姿勢を安定させましょう。さらに、補助板がついた椅子や赤ちゃんが足を置ける台などを用意して、足元を安定させることも重要です。
また、赤ちゃんにエプロンを着けたり、テーブル下に新聞紙などを敷いたりして、汚れてもよい環境にしましょう。後片付けが楽になるので、気持ちに余裕を持って、保護者が赤ちゃんの食事を見守ることができます。
小さく柔らかいものからはじめる
手づかみ食べをはじめる初期では、まだ歯が生えていない場合が多いでしょう。そのため、赤ちゃんが歯茎でつぶせるくらいの柔らかさや、口どけのよいものからはじめるようにします。
一口大のサイコロ状からはじめ、赤ちゃんの成長に合わせて、段階的に食材のサイズを大きくしていくことで、食べものを噛むトレーニングになるでしょう。
赤ちゃんが手づかみ食べに興味を示すのを待つ
空腹を感じると、赤ちゃんは自発的に食べるようになります。毎日の食事時間を同じにしたり、食事前にたくさん遊ばせたりして、生活リズムを整えることに意識を向けてみましょう。
赤ちゃんが手に食べものが付く感触を嫌がる場合は、べたつかないパンや野菜を与えてみてください。また、保護者が手づかみ食べをしているところを見せると、次第に食べものを触ることに興味を持つこともあるでしょう。
赤ちゃんが自分で食べる意欲を持つことが重要です。赤ちゃんのペースを大切にして、無理強いしないようにしましょう。
手づかみ食べが赤ちゃんの発育に与える効果
手づかみ食べは行儀が悪いように見えるので、やめさせた方がよいと感じる方もいるのではないでしょうか。
しかし、手づかみ食べは赤ちゃんの成長や発育に非常に重要な役割があります。いつからはじめたらよいか兆候を見逃さないようにして、赤ちゃんのペースに合わせて、積極的に取り入れるようにしましょう。
ここでは、手づかみ食べの効果について説明します。
五感の発達を促す
赤ちゃんの成長段階には「認知」の発達があるといわれます。「認知」とは、自分の周りのことを、知識や記憶と照らし合わせて理解していく過程をいい、五感の働きが重要です。
五感は複雑に関係して機能するので、いくつかの感覚を複合的な刺激として与えるのがよいとされます。視覚や触覚など、複数の感覚刺激を受けることができる手づかみ食べは、赤ちゃんのよりよい発達のために適しているといえるでしょう。
出典:子どもの発達段階における視覚と触覚の重要性と色を使った分析法|西村 一也
脳に刺激を与える
手づかみ食べは、食べものを目で見て認識し、前歯や唇を使ってものを食べる練習です。また、硬さや温度を確かめながら力を加減してものをつかみ、自分の一口量を判断して食べものを口に入れることも、次第にできるようになってきます。
このように、視覚や触覚などのさまざまな感覚が鍛えられることで、脳が発達していくでしょう。
出典:感覚を鍛えることで機能は発達します。1歳前後の『手づかみ食べ』の行動は脳の発達を促進します。暖かく見守りましょう。人間は手を器用に使えるようになって脳が発達しました。|あきら歯科
自分で考えて行動する力が身に付く
保護者に食べさせてもらうのではなく、自分の意思やペースで食べることで、赤ちゃんは自己主張や自己決定の経験を積むことができるでしょう。
慣れるまでは、食べものを上手く口に運べず落としてしまったり、たくさん詰め込んで吐き出したりする可能性もあります。
どうすれば失敗せずに済むか、自分で考えて反復練習することで、赤ちゃんは徐々に主体性を身に付けることができるでしょう。
食への好奇心を育む
遊び食べに悩まされる可能性もありますが、手先の器用さや集中力が身に付くと落ち着いてくるため、優しく見守ることも大切です。食べものを触って感触を楽しむことは、食への興味や好奇心を高めることにつながるでしょう。
上手に食べられるようになると、赤ちゃんは「自分で食事ができてうれしい」と思えるようになり、情緒の発達が期待されます。
手づかみ食べを通じて発育を促そう
手づかみ食べをはじめるタイミングの目安やおすすめの食材、練習のはじめ方について紹介しました。
赤ちゃんが慣れるまでは、保護者にとっては大変なことが非常に多いでしょう。食事の片付けが楽になる育児グッズを活用するなどして、無理をせず気持ちに余裕を持つことも大切です。
赤ちゃんの健やかな成長のためにも、保護者も一緒に楽しみながら取り組んでみましょう。