「端午の節句」とは何の日?由来や読み方、いつなのかについて詳しく解説!
「端午の節句」とはどのようなものかご存じでしょうか。この記事では、端午の節句の由来やお祝いの方法のほか、お祝いする側とされる側の双方で知っておきたいマナーなどをまとめています。端午の節句に興味のある方は、ぜひ、本記事を読んでみてください。
「端午の節句って何をするの?」
「こどもの日と何が違うの?」
「子どもの端午の節句にそなえて、知っておいた方がよいことってある?」
このように、端午の節句についての疑問を抱いていたり、マナーが気になっていたりする方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「端午の節句」という行事について詳しく紹介します。この記事を読むことで、端午の節句と、ほかの混同しやすい祝日との違いや、実際に端午の節句でどのようなお祝いをすればよいかがわかるでしょう。
また、端午の節句に関するマナーについても紹介しているため、お祝いするとき、お返しするときのマナーが心配な方も参考にできます。
端午の節句について、あまりよく知らないという方や、子どもの端午の節句が近づいているという方は、ぜひ、こちらの記事をチェックしてみてください。
「端午の節句」とは何の日なのか?
「端午の節句」とは、5月5日に行われる、男の子の誕生や成長を祝う行事のことです。
もともと、この「端午」は「月のはじめの牛(うし)の日」を表しており、現在のように、5月に限ったものではありませんでした。
5月5日が端午の節句の日として定着したのは、奈良時代以降といわれています。
理由としては、「牛(ご)」と「五(ご)」の読みが同じことから、混同されるようになったためというのが通説です。
「端午の節句」と「こどもの日」の違い
「端午の節句」と「こどもの日」は、異なった由来を持つ行事です。
もともと、5月5日の「端午の節句」は、武家に男子が誕生したことと、その健やかな成長を祝う日として、江戸時代の公儀の祝日になっていました。
そのあと、1948年に、すべての子どもの健やかな成長を願う日として、改めて制定されたのが「こどもの日」です。
同日の行事のため、混同されることもありますが、「端午の節句」と「こどもの日」は別ものです。
「端午の節句」の由来とは
端午の節句は、春秋戦国時代の中国から伝わった、「屈原(くつげん)」という人物を供養するための祭りの日が由来と考えられています。
当時、国王の側近だった屈原は、陰謀により国を追放されます。のちに祖国の首都が他国に攻め落とされたことを聞き、国の行く末を憂いた屈原は、川に身を投げて亡くなりました。
やがて残された人々が、屈原の魂を鎮めるために祭りを行うようになり、徐々に病気や災厄を避けるための行事へと変化していきます。その祭りの日が、5月5日です。
この行事が日本にも伝わり、「端午の節句」になったといわれています。
端午の節句のお祝い方法
ここからは、端午の節句ではどのようなお祝いをするか紹介します。
5月が近づくとさまざまな場所でこいのぼりや五月人形を見かけるようになりますが、これらは、端午の節句を祝う方法の1つです。
そのほか、端午の節句では食べものでお祝いすることもあるため、以下で詳しく見ていきましょう。
五月人形を飾る
「五月人形」とは、端午の節句で飾られる、兜や甲冑をかぶった武者人形です。この人形には、「強くたくましく、健やかに成長してほしい」という願いが込められています。
また、人形にはお守りの意味もあります。古くから、「人の身代わりに災いを引き受けてくれる」と考えられているため、武者人形を飾ることで、子どもを守ってほしいという思いもあるでしょう。
こいのぼりを飾る
端午の節句では、子どもの立身出世を願い、こいのぼりを飾ってお祝いする家庭も多いでしょう。
こいのぼりは、江戸時代の将軍家に男の子が生まれた際に、家紋のついた旗やのぼりを立てて祝っていたことに由来します。
この風習は、はじめに武家に広まり、やがて江戸町人の間でも、男の子が生まれたときに、鯉をのぼりにしてあげるようになりました。
のぼりのデザインとして鯉が選ばれた理由は、「黄河上流にある竜門を登りきった鯉は龍になる」という中国の故事によるものです。
この伝説から、日本でも鯉が「立身出世の象徴」とされています。
食べもので祝う
端午の節句には、「粽(ちまき)」や「柏餅(かしわもち)」を食べてお祝いします。
粽とは、笹や茅の葉などに、水に浸したもち米や葛粉でつくったもちを包み、蒸したり湯がいたりしてつくる食べものです。
端午の節句に粽を食べる風習もまた、屈原という人物に由来します。
川に身を投げた屈原の魂を鎮めるために、人々は米などの供物を川に投げて供養しようとしました。しかし、その供物は途中で魚などに食べられてしまうため、川の底までは届きません。そこで、笹や茅の葉などにお米や餅を包んで投げ入れたものが、粽の由来です。
この伝説から、粽には「屈原」のイメージが結びつくようになったといわれています。そのため、端午の節句に粽を食べることには、「忠誠心の高い立派な人物に育ってほしい」という願いが込められているといえるでしょう。
端午の節句では、柏餅を食べる地域もあります。その理由には、柏の木の「新芽が出るまで古い葉が落ちない」という特徴が関係しています。
世代交代がうまくいく縁起がよい木のため、その葉で包まれた柏餅を食べることには、「子孫繁栄」や子どもの健やかな成長への願いが込められているといえるでしょう。
なお、端午の節句の食べものについて、より詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
しょうぶ湯に入る
端午の節句では、おふろをしょうぶ湯にして入ります。
端午の節句の時期は、ちょうどしょうぶが咲く季節でもあります。しょうぶ湯に入るのは、しょうぶの葉が剣のようで魔除けの効果があると考えられたことが理由です。また、しょうぶは強い香りをもつため、邪気を払うともいわれています。
そのため、端午の節句の行事として、しょうぶの葉を剣に見立てて軒先につるしたり、しょうぶをお酒に浸して飲んだりする家庭もあるでしょう。
端午の節句に関するマナー
ここからは、端午の節句に関するマナーのなかでも、お祝いやお返しの方法について、詳しく紹介します。
贈りものを届ける時期の目安や、お返しする際のマナーなどをしっかり理解することで、よりよい節句のお祝いにできます。
端午の節句にお祝いをいただいた方に対して失礼がないよう、以下に挙げるマナーを知っておきましょう。
お祝いをする際のマナー
端午の節句のお祝いは、5月5日よりも1~2週間前に届けるのがマナーです。
お祝いで贈るものは、品物と現金のどちらでも構いません。お祝いの表書きには、「お祝い」または、「初節句御祝」や「祝初節句」と記しましょう。
また、節句のお祝いとして、五月人形やこいのぼりを贈りたいと考えている場合は、ほかの人のお祝いとかぶらないように、事前に確認しておくことをおすすめします。
お返しをする際のマナー
一般的に、子どもの成長に関するお祝いは主に身内で行うため、お返しは必要ないといわれています。
しかしながら、節句のお祝いとして高額なものをいただいた場合など、お礼の気持ちを伝えたいという方は多いでしょう。
端午の節句でお返しをする際は、「内祝い」として贈ることをおすすめします。
「内祝い」は、おめでたいことがあったときに、周囲の人へ共有するための贈りもののため、お返しにはあたりません。
受け取る相手が喜んでくれるようなものを選んで、感謝の気持ちを伝えましょう。
しっかりと準備をして楽しいお祝いにしよう
端午の節句は、男の子の誕生や成長を祝うための行事です。
もともと将軍家に男の子が生まれた際に行っていた風習が武家に広まり、さらに江戸の町人にも広がりました。現代でも、「端午の節句」として、さまざまな形でお祝いが行われています。
端午の節句は伝統行事であるため、お祝いする側、お祝いしてもらう側の双方に知っておくべきマナーがあります。マナーを知らないまま行ってしまうと、気づかないうちにマナー違反をしてしまう可能性があるでしょう。
「端午の節句」の本来の意味を知り、滞りなくお祝いできるよう、ぜひ、こちらの記事を参考にしてください。