クワガタの平均寿命は?越冬はするの?寿命を延ばす飼い方もご紹介!
クワガタを飼育するにあたって、寿命がどの程度なのか気になる方も多いでしょう。この記事では、クワガタの種類別の平均寿命や、長生きさせるポイントなどを紹介しています。子どもと一緒に、クワガタを長く飼育したいと考えている方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。
「クワガタって寿命はどのくらいなの?」
「寿命を延ばすことってできるの?」
「クワガタって越冬できる?」
クワガタの飼育を考えている方のなかには、このような疑問や不安を持っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、クワガタの生態のなかでも、特に「寿命」について詳しく紹介しています。
また、クワガタの越冬や寿命を延ばす方法のほか、適切な飼育方法についてもふれているため、この記事を読むことで、クワガタの上手な育て方が理解できます。
その知識をもとにすれば、ある程度の寿命が想定できるため、実際に飼育する際にも、クワガタが長生きできるような飼育方法を選択できるでしょう。
クワガタの飼育に興味を持っている方は、ぜひ、この記事をチェックしてみてください。
クワガタの寿命を数えはじめるタイミング
昆虫の寿命は、卵が孵化してから、もしくは成虫に羽化してから数えはじめるのが一般的です。
しかしながら、クワガタの場合は前述のどちらでもなく、「成虫になって野外での活動をはじめたとき」から寿命を数えはじめます。
屋外での活動期間がクワガタの寿命となるため、幼虫として土のなかにいる時期や、成虫になっても屋外に出ていない時期はカウントされません。
カブトムシより平均寿命は長い
クワガタには、冬眠するかどうかで寿命の長さが異なるという特徴があります。冬眠できる種類の方が平均寿命が長く、約2~3年は生きるといわれています。
それに対して、カブトムシの平均寿命は約2~3か月と、クワガタよりも短い種類がほとんどです。
カブトムシの寿命が短いのは、エサやメスを巡ってオス同士で戦うため、体力を消耗しやすいことが影響していると考えられています。
ただし、ここで挙げたクワガタの平均寿命は、あくまで飼育されている場合の年数です。自然界に生息している場合は、この限りではありません。
冬眠するクワガタは寿命が長い
クワガタのなかには、冬眠することで長生きする種類がいます。この種類のクワガタは、寒い時期になると、土や朽ち木のなかにもぐって、ひと冬を過ごします。
冬眠するクワガタの方が長生きしやすいのは、冬眠の間ほとんど動かないことで、体力の消耗を抑えられるためです。
実際に、冬眠が明けてから、数年間は生き続ける個体も見られます。
越冬できるクワガタの種類
国内に生息するクワガタのうち、越冬する種類としては、以下のものが挙げられます。
・オオクワガタ:約2~5年
・コクワガタ:約1~3年
・ヒラタクワガタ:約2~3年
・アカアシクワガタ:約1~3年
・スジクワガタ:約1~3年
オオクワガタの特徴は、その大きな体です。野生のものはなかなか見つけられないため、高い人気を誇っています。
同じく人気が高いヒラタクワガタは、採取に手間がかかるほか、攻撃性が高いところが特徴とされています。
コクワガタよりもさらに小さいサイズのスジクワガタは、標高の高い地域に生息することから、室温管理に注意が必要とされています。
そして、名前のとおり赤い足が特徴となっているアカアシクワガタも、スジクワガタと同じく標高の高い地域に生息しています。そのため、こちらも飼育する際には室温に注意が必要です。
越冬できないクワガタの種類
国内に生息するクワガタのうち、越冬できない種類としては、以下のものが挙げられます。
・ノコギリクワガタ:約2~3か月
・ミヤマクワガタ:約1~2か月
ノコギリクワガタは、日本を代表する種類としても有名です。自然のなかでも比較的捕まえやすく、子どもたちから人気があります。
独特の突起が特徴のミヤマクワガタは、ノコギリクワガタよりも希少性が高い種類です。涼しい環境を好み、高い室温が苦手という特徴を持っています。
クワガタを長生きさせるポイント
室内で飼育するクワガタには、野生のものよりも長生きしやすい傾向があります。
ただし、クワガタをできるだけ長生きさせるためには、さまざまなポイントを押さえて飼育することが大切です。
クワガタを飼育することを決めたら、その生態などをしっかりと理解した上で、飼育の準備をはじめましょう。
ここでは、クワガタを長生きさせるポイントを3つ紹介します。クワガタが過ごしやすい環境を作るための参考にしてください。
広いケースで飼育する
飼育ケースは、クワガタの種類やサイズに合わせて選びましょう。基本的には、大きくて広いケースが望ましいとされています。
また、ケースに入れるクワガタの数にも、注意が必要です。
たとえば、オス同士など、2匹以上が同じケース内にいると喧嘩をしやすいため、余計な体力を消耗してしまう可能性があります。できれば、1匹ずつ飼育しましょう。
どうしても1匹ずつケースに入れることが難しい場合は、より広いケースで飼育することをおすすめします。
むやみに交尾させない
クワガタを飼育するにあたって、複数飼育で数を増やしたいと考える人もいるでしょう。
しかし、むやみに交尾させてしまうと、オスもメスもかなりの体力を消耗するため、寿命を縮めてしまう恐れがあります。
そのようなことを防ぐためには、交尾させたいときだけ、オスとメスを同じケースに入れるのがよいでしょう。交尾させる必要がないときは、別々に飼育するのが長生きさせるポイントです。
また、飼育の目的が観賞のみという場合も、オスとメスがむやみに交尾しないように、一緒のケースに入れないという方法をとりましょう。
冬眠させるには寒い環境を用意
冬眠する種類のクワガタを飼育する際は、しっかりと冬眠させることをおすすめします。その理由は、冬眠で体力が温存できれば、寿命が延びる可能性が高くなるからです。
ただし、家庭内の飼育でクワガタを冬眠させるためには、寒い環境を作る必要があります。
少しでも暖かい環境だと冬眠モードに入れないため、0~10℃の室温が保てる場所で飼育してください。
暖房の影響を受けず、上記の温度が実現できる場所に飼育ケースを移動させて、クワガタの冬眠を促しましょう。
寿命が近づいたサイン集
寿命が近づいてきたクワガタには、以下のような行動や現象が見られるようになります。
・転びやすくなる
・ひっくり返りやすくなる
・足先のふ節が取れやすくなる
・餌の食べ残しが多くなる
寿命が近づいてきたクワガタは、体のバランスを崩しやすくなるため、転んだりひっくり返ったりすることが増えてきます。場合によっては、起き上がれずにそのまま死んでしまうこともあるため、注意が必要です。
「ふ節」とは、足先にある部位で、かぎ爪にあたります。このふ節は、成虫になってから寿命が近づいてくるまでに、自然に取れてしまっていることも多く、長生きした個体ほど欠けてしまっている部位です。
この部位が欠けていると、木などにもつかまりにくくなり、起き上がることも難しくなるため、そこから弱って死んでしまう個体も多くいます。
上記のほか、食べる餌の量が減ってくる、残すことが増えてくるなども、寿命が近づいた兆候です。特に、夏の時期に餌をあまり食べなくなった場合は、寿命が近づいてきたと判断できるでしょう。
寿命を伸ばすコツ
クワガタの寿命を延ばすためには、ケガや体力の消耗を防ぐことが重要です。クワガタにとっては、小さな傷でも致命傷となりかねません。
ケガを防ぐために大切なことは、オス同士、またはメス同士を同じケース内で飼育しないことです。1匹ずつ、別の飼育ケースを用意しましょう。
また、産卵や交尾などの行為も、体力を大きく削りやすく、寿命が短くなる要因の一つです。オスとメスが同じケース内にいると頻繁に交尾してしまうため、繁殖させる目的がなければ、別々のケースで飼育しましょう。
上記以外には、飼育環境が与えるストレスにも注意が必要です。飼育ケースのなかを清潔に保ち、冬眠時以外は寒暖差の少ない環境を維持するなど、こまめに環境整備を心掛けましょう。
愛情込めて飼育して長く一緒に過ごそう
クワガタは、人間の手で飼育することで、自然界で生きるよりも長生きさせられる昆虫です。
特に、冬眠するタイプであれば1年以上生きる種類が多く、寿命を延ばすポイントをしっかり押さえることでさらに長生きしてくれます。
クワガタを飼育したいと考えている方は、楽しく長く一緒に過ごすために、ぜひ、本記事で紹介した内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。
なお、クワガタの飼育方法について、より詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。