セミって何種類いるの?一生の過ごし方と種類についてご紹介!

セミって何種類いるの?一生の過ごし方と種類についてご紹介!

「セミ」は夏に見かける身近な昆虫ですが、詳しい生態を知らない方もいるでしょう。この記事ではセミにはどれだけの種類がいるか、日本でよく見られるセミの種類や、セミの一生などを紹介しています。セミに興味のある方は、ぜひこちらの記事を読んでみてください。

「夏に聞こえるセミの声ってたくさんあるけど、そんなにセミって種類がいるの?」

 「セミってどんな風に一生を過ごすの?」

 日本では夏になるとセミの声がよく聞こえます。しかしセミにもさまざまな種類があることや、一生をどのように過ごしているか、知らない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、セミの全体的な種類や、日本でよく見かけるセミの種類について紹介しています。それぞれのセミの特徴や鳴き声などを紹介しているので、セミを見かけたり声を聞いたりしたときに、どのセミであるか直ぐわかるようになるでしょう。

セミの一生についても紹介しているので、セミの生態をより深く理解できるようになります。セミについて興味のある方、生態について知りたい方はぜひ、こちらの記事をチェックしてみてください。

セミの幼虫は土のなかで5年も生きる!普段は見られない生態を解説!

セミの幼虫は土のなかで5年も生きる!普段は見られない生態を解説!

遊びのヒント 2024.09.06

セミって何種類いるの?

「セミ」は、カメムシ目に含まれる、セミ科の昆虫です。ほかのカメムシ目の昆虫である、タガメやアブラムシ、カメムシなども、実はセミの仲間です。

セミは世界で、約1,600種も存在します。

そのなかには、体の大きさが12cmと世界最大サイズの「テイオウゼミ」がおり、マレー半島に生息しています。世界最小のセミは、体の大きさが1.3cmで、オーストラリアに生息している「ウラブナナゼミ」です。

日本でよく見られるセミの種類

日本には、約36種類のセミが生息しているといわれています。多くの種類が生息しているのは、日本列島が縦に長く、さまざまな気候があることが理由でしょう。

ここからは、日本でよく見ることのできる、代表的なセミを6種類ご紹介します。夏になると、これらのセミは身近にいることが多いので、特徴を押さえて探してみましょう。

ニイニイゼミ

「ニイニイゼミ」は北海道から沖縄本島まで、日本で幅広く生息しているセミです。

ニイニイゼミは6月末から9月上旬まで活動しますが、8月下旬になるとぐっと見かける数が減るでしょう。「チー」という鳴き声で、体の大きさは約3.2~4cmと、小さめなセミです。羽を見ると、薄茶色のまだらになった模様が見られます。

サクラやケヤキ、マツなどの木をよく好んでいますが、木の肌と似た見た目をしているので、見つけにくいセミです。

ヒグラシ

「ヒグラシ」は北海道から九州あたりまで、生息しているセミです。

ヒグラシの活動時期は、6月末~9月上旬になります。朝方や夕方に鳴くことが多く、鳴き声は「カナカナ」というものですが、「ケケケケ」と聞こえることもあります。ヒグラシの体の大きさは約4~5cmで、体は茶色です。頭やむね部分は緑で、羽は透明になっています。

木はスギやヒノキ、カナメモチなどを好むでしょう。市街地ではあまり、見かけることのないセミです。

ミンミンゼミ

「ミンミンゼミ」は、北海道から本州、四国や九州まで生息しているセミです。

ミンミンゼミは7月中旬~9月中旬に活動します。鳴き声は「ミーンミンミン」と、はっきり聞こえるのが特徴的です。体の大きさは約5.7~6.3cmで、頭やむねの部分には黒と緑の模様があります。

ミンミンゼミはサクラやモミ、ケヤキなどの木をよく好んでいます。東日本では鳴き声をよく聞けますが、西日本の市街地で見かけることは少なく、低山地や海岸近くなどに生息しているでしょう。

ツクツクボウシ

「ツクツクボウシ」は、北海道から琉球諸島のトカラ列島あたりまで、生息しているセミです。

ツクツクボウシの活動時期は、7月中旬~9月下旬頃です。鳴き声は「ツクツクボーシ」と、リズミカルに発声します。近くにほかのオスがいると、「ジュジュ」という鳴き声を発していることもあります。

体の大きさは約4~4.7cmで、頭の部分が緑と黒の模様があり、羽の部分は透明です。モミやアカメガシワなどの木を好みます。

クマゼミ

「クマゼミ」は、関東地域から沖縄あたりまで生息しているセミです。関東地方の南部から西日本では、一般的に見られるセミでしょう。

クマゼミは、7月上旬から8月下旬あたりまで活動しています。沖縄では、6月上旬から見かけられ「シャーシャー」や「ワシワシ」という鳴き声が特徴です。

体の大きさは約6~6.5cmあり、日本に生息しているセミのなかでは大きめとなっています。羽は透明ですが、黄緑の模様があるでしょう。サクラやケヤキ、センダンやキンモクセイなどの木を好みます。

アブラゼミ

「アブラゼミ」は北海道から九州、屋久島あたりまで分布しているセミです。

アブラゼミの活動時期は7月中旬から9月下旬になっていますが、10月になっても鳴き声が聞こえることがあります。アブラゼミの鳴き声は「ジッジッ」や「ジリジリ」というものです。体の大きさは約5.3~6cmになっており、体はほぼ黒色で、羽は茶色に白の斑点が混じっています。

アブラゼミはサクラやケヤキ、モミやナシなどの木を好みます。

セミの幼虫についてはほかに詳しく説明している記事があるので、ぜひそちらをご覧ください。

セミの一生の流れ

セミはどのように生まれて育ち、一生を過ごすか詳しく紹介します。

セミの一生は「七年七日」といわれています。七年は地中のなかにいて、地上に出て七日ほどで一生を終えるという意味です。「セミの一生は短い」ともいわれていますが、事実かどうかを以下で見ていきましょう。

【8月中旬】木の皮に産みつけられる

8月中旬頃、メスのセミが木の幹の低いところにとまり、木の皮に産卵管を突き刺して卵を産みつけます。セミの卵は数ミリほどで細長い形をしており、白く、米粒のように見えるでしょう。

木の皮に産みつけられた卵はすぐに孵化することはなく、そのまま約一年近く過ごします。

【翌年の6月】幼虫になって木の下に落ちる

卵が産みつけられた翌年の6月、梅雨の時期になるとセミの卵は孵化し、木の下に落ちて地中にもぐっていきます。

セミが長く卵のまま過ごすのは、翌年の雨が多い梅雨の時期を待つためと考えられています。セミの幼虫は体が小さく、固い状態の土を掘ってもぐることができません。そのため、土が柔らかくなっている雨の多い時期に孵化すれば、土を掘りやすく、生存率が上がるでしょう。

セミの幼虫は地中にもぐったあと、数年間、地中の木の根から樹液を吸って成長します。

【5年後の夏】木に登り羽化をする

よく目にするアブラゼミやミンミンゼミは、約2~5年地中にいたあと、夏の時期に地上に出て、木に登って羽化をはじめるでしょう。

セミの幼虫は夕方頃から木に登ります。低い木に登る幼虫もいれば、高い木に登る幼虫もいます。目的の場所についたら、幼虫の背中が割れ、なかからセミの成虫が少しずつ姿を現します。頭から出て下にぶらさがりながら、やがて全身が出てくるでしょう。

羽化をはじめて、翅が伸びきるまでの時間は、約1時間です。

【数日後】体の成熟を待って交尾する

羽化が終わり、成虫となったセミは、体がしっかり形成できたら飛び立ちます。羽化から数日して体が成熟すると、オスは鳴き声を出すようになり、メスを呼んで交尾します。

セミは鳴き声を出していますが、鳴いているのはオスのセミがほとんどです。交尾したあと、メスは産卵するようになります。

地上に出るとすぐに死んでしまう

セミは卵のまま約一年を過ごし、地中で数年過ごしたあとに地上へ出ますが、地上で生きている時間は10日~1か月と短い期間になっています。

セミの一生は、7年7日というほど長く地中にいる訳ではなく、地上では7日で死んでしまうということはありません。しかし、地中にいる期間に比べ、地上にいる期間の方が短いので、地上では長く生きられないイメージがついたといえるでしょう。

近所のセミを観察してみよう

セミは夏になると、日本のどこででもよく見かける昆虫です。特徴的な鳴き声を出すので、鳴き声を聞いただけで、どのようなセミが近くにいるかわかりやすいでしょう。

セミが地上で生きていられる時間は短いので、近くでセミの鳴き声が聞こえたら、ぜひ探して観察してみてください。

また、木の近くでセミの幼虫が出て来たような穴を見つけたら、羽化しそうなセミが近くにいる可能性があります。セミは、幼虫から成虫に一気に変わる「不完全変態」の昆虫なので、夏は神秘的なセミの生態を観察して楽しみましょう。

日本と世界に生息するセミは何種類いる?海外から日本にきたセミもご紹介!

日本と世界に生息するセミは何種類いる?海外から日本にきたセミもご紹介!

遊びのヒント 2024.09.06