日本と世界に生息するセミは何種類いる?海外から日本にきたセミもご紹介!
日本に生息するセミの種類や、それぞれの特徴についてご存知でしょうか。本記事では、世界と日本のセミの種類や地域別の分布のほか、身近で見られるセミの鳴き声や大きさの特徴などを紹介します。セミの種類について知りたい方は、ぜひ、この記事をチェックしてみてください
「日本には、何種類のセミがいるのかしら?」
「あの鳴き声は、何という名前のセミなのか知りたい。」
「セミって、種類ごとに特徴があるのかな?」
このように、セミの種類の見わけ方について、疑問や興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、世界に分布するセミの種類を紹介します。また、日本に生息するセミのなかから、代表的なものをピックアップし、見た目や鳴き声の特徴のほか、生息地域についても詳しく紹介しています。
この記事を読めば、セミが見つかった場所や、体の大きさ、鳴き声などの特徴をもとに、その種類を推定できるようになるでしょう。
セミの種類や生息地に興味がある方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。
日本と世界のセミの種類
日本の夏の風物詩ともいえるセミは、カメムシやアブラムシなどと同じ、カメムシ目の昆虫です。
世界各国で存在が確認されている昆虫でもあり、世界で約1,500~3,000種類、日本で約32種類が生息しているといわれています。
その生息範囲は広く、アメリカ北部や中南米のほか、東南アジアにも分布が見られます。
個体の大きさも、体長が約12cm~約1.3cmまでと、幅が広いのもセミの特徴といえるでしょう。この数値は、それぞれ世界最大のテイオウゼミと世界最小のウラブナナゼミの体長です。
なお、セミの種類について、より詳しいことを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
出典:第36回特別展「世界一のセミ展」|大阪市立自然史博物館
日本に生息する代表的なセミの特徴と地域分布
日本では、約32種類のセミの存在が確認されており、北海道から九州(南西諸島を除く)までで、約16種類が見られるといわれています。
ここでは、日本でよく見られる代表的なセミを、6種類ピックアップして紹介します。それぞれの特徴や、生息している地域などを詳しく解説しますので、ぜひ、参考にしてください。
鳴き声が揚げものに似ている「アブラゼミ」
アブラゼミは、北海道から九州まで日本全国に分布するセミの種類です。公園や街路樹など、身近なところで見かけられるため、私たちにとって、身近な昆虫といえるでしょう。
「アブラゼミ」という名前は、揚げものを揚げるときの音に似た鳴き声が由来といわれています。
7~10月にかけて見られるセミで、体長は約5cmです。透きとおらない茶色の羽が特徴で、朝と夕方に鳴き声が聞こえます。
鳴きはじめる時期が最も早い「ニイニイゼミ」
ほかのセミと比較して、早い時期に鳴きはじめるのが、ニイニイゼミです。北海道から沖縄まで分布している種類で、6月頃から鳴き声が聞こえてきます。
体長約4cmと、小型で平たい形が特徴のセミで、翅は茶色と透明がまだらになった模様です。公園や里山のほか、寺や神社の林などに生息しています。
ミンミン鳴くのが由来の「ミンミンゼミ」
その名のとおり、「ミーン・ミンミンミー」と澄んだ声で鳴くのがミンミンゼミです。
全国に分布が見られる種類で、7~10月の、主に午前中に鳴き声が聞こえます。
体長約6cm、翅は透明で、胸側には緑色と黒色の模様が見られます。里山に生息しており、いちばん多く見られるのは8月です。
大きな体が特徴の「クマゼミ」
本州の関東地方以西に見られるのが、クマゼミです。体長約6~7cmと大型で、黒色の体に透明な翅を持っているのが特徴です。
7~9月に活動するセミで、住宅地や公園にも生息しているため、身近な場所で見かけやすい種類でしょう。
明け方から正午までに聞こえてくる、「シャーシャーシャー」という大きな鳴き声は、西日本の真夏の風物詩といわれています。
細長い体と鳴き声が特徴の「ツクツクボウシ」
7~11月頃になると、その特徴的な鳴き声が聞こえてくるのが、ツクツクボウシです。
比較的小さなセミで、体長約4cmの細長い体をしています。胸に複雑な模様があり、透明な翅に茶色の紋が2つついているのが特徴です。
北海道から南西諸島まで広く分布し、木々の多いところに生息しています。
明け方に大合唱する「ヒグラシ」
夕暮れどきに聞こえてくる「カナカナカナ」という鳴き声は、ヒグラシの声です。
透明な翅を持つ小型のセミで、日本全国の山地や森林に生息しています。7~9月の気温が下がる朝早く、または夕方には、透明感があるヒグラシの鳴き声が聞こえるでしょう。
体長は約4~6cmで、体の色は茶色、薄い茶色、黒っぽい色と個体差があります。
出典:昆虫指標について2021年度20ページ|環境省自然環境計画課
中国からやってきた「タケオオツクツク」
タケオオツクツクは、中国からやってきた外来種のセミです。日本では、埼玉県川口市で国内初の定着が確認されています。
竹林やその周辺でよく見られる種類で、機械のような鳴き声と、透明な翅が特徴です。その生態については、埼玉県や神奈川県で継続的に調査が行われています。
出典:【参考】セミの鳴き声 | さいたま市 健康科学研究センター
まずは身近なセミを見てみよう
この夏は、こちらの本記事を参考に、公園や近くの林で、子どもたちと一緒にセミの抜け殻を探したり、鳴き声を観察したりしてみましょう。
実際にセミが鳴いている姿を見ることで、その特徴や鳴き声の違いを楽しめます。夏の楽しい活動の一つとして、子どもたちと一緒に観察すれば、夏の自然が感じられる学びの機会になるでしょう。