子どものお小遣いを報酬制で渡す場合はどうする?やり方と注意点を解説
お小遣いをいつからあげたらよいか、迷っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、子どもにお小遣いをあげている家庭の割合やはじめてあげた年齢に加え、渡し方や注意点をご紹介しています。お小遣いについて知りたい方は、ぜひチェックしてください。
「どれぐらいの家庭がお小遣いを渡しているの?」
「ほかのご家庭は、お小遣いをいくら渡しているの?」
「お小遣いは、定額制・都度制・報酬制、どの方法で渡す方がよいの?」
このように、お小遣いの金額や渡し方に疑問や不安を抱えている保護者の方は多いのではないでしょうか。
本記事では、お小遣いをあげている家庭の割合やはじめてあげた年齢、年齢別のお小遣いの相場を紹介しています。
また、渡し方別のメリットとデメリットも紹介しているので、どれくらいの金額をどのように渡せばよいかを把握できます。そのため、子どもにお小遣いを渡すときの参考になるでしょう。
そろそろお小遣いを渡すかどうか検討している方はぜひ、この記事を参考にしてください。
子どもにお小遣いをあげている割合や年齢
お小遣いをあげるか検討する場合、ほかの家庭はどうしているのか、いつからあげはじめたのかということが気になる方は多いでしょう。
ここでは、子どもにお小遣いをあげている割合やはじめてあげた年齢を紹介していきます。お小遣いをあげるのか、いつから渡すのかという判断基準にしてください。
お小遣いをあげている割合
金融広報中央委員会が行った調査によると、子どもにお小遣いをあげている割合は、小学生は7割強、中学生は8割強、高校生は約8割でした。お小遣いをあげている割合は年齢によって大きな差はなく、7割~8割の家庭で実施されていることがわかります。
また、同じ調査で、お小遣いをあげる前提条件は設けていないと答えた中学生および高校生が、7割~8割いました。このことから、お小遣いを習慣的にあげている家庭が多いことがうかがえます。
出典:「子どものくらしとお金に関する調査」(第回)2015年度調査(3ページ)|金融広報中央委員会
お小遣いをあげはじめた年齢
同じ金融広報中央委員会の調査によると、小学校低学年の児童の67%がお小遣いを親からもらっていると回答しています。
これらのことから、小学校低学年からお小遣いをあげはじめるご家庭が多いことがわかるでしょう。
もし、子どもの年齢ごとのお小遣い相場を知りたいという方がいましたら、こちらの記事もチェックしてみてください。
出典:「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)2015年度調査(3ページ)|金融広報中央委員会
子どもの年齢ごとのお小遣い相場
ここからは、金融広報中央委員会の調査結果を参考に、子どもの年齢ごとのお小遣い相場を紹介していきましょう。
お小遣いの平均だけでなく、最頻値(最も頻出した額)や中央値(高い金額順に並べたときの中央の値)も紹介します。平均値・最頻値・中央値の3つを見比べて、子どもにどれぐらいの金額を与えるのか検討してみましょう。
小学生
小学生のお小遣いの相場は、もらう頻度や学年(低学年・中学年・高学年)によって変わってきます。
低学年
・月に1回・・・平均値1,004円、最頻値500円、中央値500円
・ときどき・・・平均値1,004円、最頻値100円、中央値163円
中学年
・月1回・・・平均値864円、最頻値500円、中央値500円
・ときどき・・・平均値923円、最頻値100円、中央値300円
高学年
・月1回・・・平均値1,085円、最頻値500円、中央値1,000円
・ときどき・・・平均値1,246円、最頻値1,000円、中央値500円
月1回お小遣いを渡すケースの相場は、低学年および中学年が約500円、高学年は約500〜1,000円でしょう。
ときどき渡すケースでは、どの学年も金額が100円~1,000円超と幅広くなっています。ときどき渡す場合は、金額はもちろん使い道やあげる頻度などのルールを決める必要があるでしょう。
出典:「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)2015年度調査(4ページ)|金融広報中央委員会
中学生
次に、中学生のお小遣いの相場を見ていきましょう。
中学生の平均値は2,536円、最頻値は1,000円、中央値は2,000円でした。中学生のお小遣いの相場は、約1,000円~2,000円ということがわかります。
また、この結果から小学生の頃よりもお小遣いの金額がアップしているといえるでしょう。これは、小学生のときよりも友達付き合いが増え、交際費に費やす金額がアップしたためです。
子ども自身のほしいものだけでなく、友達付き合いの頻度などを考慮してお小遣いの金額を決めるとよいでしょう。
出典:「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)2015年度調査(5・8ページ)|金融広報中央委員会
高校生
最後に、高校生のお小遣いの相場を見ていきましょう。
高校生のお小遣いの平均値は5,114円、最頻値および中央値は5,000円でした。このことから、高校生のお小遣いの相場は約5,000円ということがわかります。
また、中学生の頃よりもお小遣いが倍以上に増えているということもわかるでしょう。これは、中学生のときよりも友達付き合いがさらに増え、行動範囲が広がったためです。
さらに、高校生になると給食がなくなり、昼食を購入する必要が出てくることも要因でしょう。
出典:「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)2015年度調査(5・8ページ)|金融広報中央委員会
お小遣いをあげるメリット
お小遣いをあげる必要性に、疑問を感じている保護者もいるでしょう。お小遣いをあげることには、子どもがお金を管理する能力や交渉能力を身に付けられるというメリットがあります。
子どもはお小遣いをもらうと、その金額で何が買えるか考えるでしょう。また、ほしいものが高額である場合、お小遣いを貯めて買おうと計画します。これを習慣化していくことで、お金を管理する能力が自然に育つでしょう。
さらに、どうしてもお金が足りないとき、何のためにいくら必要かプレゼンテーションさせることで、交渉能力が身に付きます。
お小遣いを渡す際の注意点
子どもの多くが、お小遣いを通してはじめてお金にふれることになります。そのため、お小遣いを渡すことをきっかけに、子どもに正しい金銭感覚や知識を身に付けてもらいたいと考える方も多いでしょう。
ここでは、お小遣いを渡す際の注意点を紹介していきます。以下で紹介する内容を参考にして、子どもが正しい金銭感覚や知識、管理方法を身に付けられるように導いてあげましょう。
失敗も経験させる
大人になってからお金で大きな過ちを犯さないために、子どものうちに小さな失敗を経験させておくことが大切です。
失敗した場合、頭ごなしに怒るのではなく「何がいけなかったのか」「同じ失敗を繰り返さないために、どのように対応すればよいか」と、問いかけたり教えてあげたりしましょう。次第に子ども自身で何が原因だったか、どうすればよいかということを考えるようになります。
小銭で渡してお金の種類を覚えさせる
お金は、毎回同じ種類の小銭やお札で渡すのではなく、さまざまな種類を混ぜて渡すようにしましょう。このようにすることで、子どもが小銭の種類を覚えますし、支払うときにどれを出せばよいか計算して考えるようにもなります。
1,000円を渡すのであれば、500円1枚と100円4枚、50円1枚、10円5枚などと、さまざまな種類を混ぜて、子どもが自然に考えられる環境を整えましょう。
なお、子どものお金の教育について興味がある方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
子どもの声に耳を傾ける
お金に関するネガティブな質問をされたとしても、感情的にならず子どもの声に耳を傾けることが大切です。
「どうしてうちはお小遣いが少ないの?」といったネガティブな質問をされると、感情的に返してしまう場合もあるでしょう。感情的な返しは子どもの心に、お金の存在はネガティブなものという印象を植え付けてしまいます。
子どもの心のうちにある本音を探るために「どうして、そう思ったの?意見を聞かせて」と返し、お小遣いの使い方を話し合ってみてください。
子どもの考えを否定しない
大人から見て無駄なものを買っている光景を目にすると「もったいないからやめなさい」などといってしまうときもあるでしょう。しかし、そのようにいわれると、子どもは親の顔色をうかがいながら買物するようになり、自分で考えることをやめてしまう可能性があります。
無駄なものや変なものを買おうとしても、子どもがしっかり考えた結果、取っている行動なので、なるべく否定しないよう心がけてください。購入したあとで失敗したとしても、学べることはあるでしょう。
お小遣い制度を種類別に解説
お小遣いの渡し方には定額制・都度制・報酬制といった種類があります。
3つの方法にはそれぞれメリットとデメリットがありますので、それを理解してご家庭でどれを取り入れるのか考えなくてはいけません。
以下では、お小遣い制度を種類別に解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
定額制のやり方やメリット、デメリット
「1か月に1回1,000円」など、あらかじめ決めておいた時期に、一定金額を渡す方式が定額制です。
この方法は、一定金額が決まったときに入ってくるので、お金をやり繰りする能力が身に付くというメリットがあります。一方で、自動的にお金が入ってくることにより、お金を得ることは労働の対価であることや、ありがたみを感じづらいというデメリットがあるでしょう。
定額制で渡す場合は「お金は労働の対価であること」や「お金は大切なものだ」ということを教える必要があります。
都度制のやり方やメリット、デメリット
ほしいものがあるとき、遊びに行くときなどに渡す方法が都度制です。
必要になったタイミングで親に「なぜ必要か」「いくら必要か」といったことを説明しなくてはいけないので、交渉能力が身に付くというメリットがあります。
一方で、ほしいものがあるときにもらえるので、限られた範囲でお金のやり繰りをする習慣が付きにくいでしょう。お小遣いをあげるかどうかの基準が緩ければ、何でも買い与えているのと同じような状態になるリスクもあります。
報酬制のやり方やメリット、デメリット
お手伝いや学校、部活の成績に応じてお小遣いを渡す方法が報酬制です。
報酬制度のメリットは、お金は労働の対価として与えられることがわかり、お金のありがたみも実感できる点でしょう。また、子どもが自らお手伝いや勉強を頑張るようになる点もメリットです。
一方、お小遣いという見返りがなければ、お手伝いや勉強を自発的にしなくなる恐れがあります。「○○をしたから、お小遣いちょうだい」と要求するという事態になりかねません。
このようなことがないように、何に対していくらもらえるか明確に決めること、自分のことは自分ですることを徹底させましょう。
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お小遣いを通して子どもの金銭感覚を養おう
ここまで、お小遣いの渡し方や注意点を見てきました。
お小遣いを渡すことで、金銭管理や交渉能力などの力を育むことができます。お小遣いの渡し方によって、身に付けられる能力には違いがありますので、ご家庭でしっかり話し合って決めるようにしましょう。
また、お小遣いを渡すのであれば、子どもの声に耳を傾け、考えを否定しないなど注意点を守り、子どもが正しい金銭感覚を身に付けられるようにしてください。