ドコモの開発秘話。2児のママに聞いた「キッズケータイ」が子どものお守りになる理由
必要なときにいつでも連絡をとることができ、居場所の確認もできる携帯電話は、お子さまの安全を守る重要なツールです。しかし、携帯の利用が原因でトラブルや犯罪に巻き込まれるリスクがあるのも事実です。
そのため、お子さまに携帯を持たせるべきか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ドコモでは犯罪や事故からお子さまを守れるように、お子さまが使うことを前提に機能や端末の設計、デザインを行い、安全に楽しく使えるキッズケータイを開発しています。
今回はドコモの今石千晴さんに「キッズケータイ」の機能や利用するメリット、開発の経緯などについてうかがいました。
今石 千晴さん:2児のママ。産休・育休明けから「キッズケータイ」の担当に。ママの目線を活かして、ユーザーの悩みに寄り添える商品の開発に取り組んでいる。
お子さまの安全を守る「キッズケータイ」
インタビュアー(※以下、イと表記):まずは、「キッズケータイ」がどのような商品なのかを教えてください。
今石さん(※以下、今と表記):「キッズケータイ」は、スマートフォンを持たせるにはまだ早い年長さんや小学校低学年のお子さま向けの商品です。お子さまが小学校一年生になると、登下校や習いごとなどで、お子さまが一人で行動する機会が増えるなかで、保護者の不安が高まると思っています。キッズケータイは、親子があんしんして過ごすために、大切なお子さまの安全を守る商品となっています。
機能は電話や簡単なメッセージの送受信、位置情報の確認ができるようになっており、ブラウザ機能やアプリのインストール機能は搭載していません。また、登録された連絡先とのみ連絡が取れるようになっているため、知らない方と連絡を取ってしまうリスクもありません。
さらに、ドコモではお子さま向けの端末として 「キッズケータイ」と「キッズケータイ コンパクト」という2つのタイプがあります。「キッズケータイ」「キッズケータイ コンパクト」は、お子さまのあんしん安全を守るというコンセプトは同じで、カメラ機能有無の差はありますが機能差分は少ないです。「キッズケータイ コンパクト」はその名の通り、サイズがよりコンパクトになっていて直接腕に装着可能となっております。
イ:キッズケータイを開発した理由を教えてください。
今:「キッズケータイ」は、お子さまが一人で行動する際に、万が一何かがあっても困らないように、すぐに保護者の方と連絡が取れるようにするために開発しました。メインターゲットである小学校一年生は一人で行動し始める時期で、交通事故も非常に多い年代になっています。
さらに、昨今は、幼いお子さまが巻き込まれる命を落とす悲しい出来事が相次ぎました。こうした悲しい事故や事件からお子さまを守るために、安全機能にこだわり企画・開発を行っています。
発売開始から約10年。時代に合わせて日々機能を改善
イ:機能改善や開発においてこだわっているポイントはありますか?
今:実は「キッズケータイ」は10年ほど前から販売しており、時代に合わせて機能の改善を続けています。
昨年発売を開始した「キッズケータイ KY-41C」は、新たにカメラ機能と「+メッセージ」アプリを追加し、あんしん安全に加えてお子さまが楽しく使える要素をプラスしたのがこだわりポイントです。この2つの機能を搭載するにあたり、社内で何度も議論を重ねました。
イ:社内ではどのような議論が行われていたのでしょうか?
今:特にカメラ機能に関しては、撮影内容によってはトラブルやいじめにつながらないかという懸念がありました。しかし、カメラ機能を搭載することによって、お子さまがお困りのときに写真を活用するという安全面にも寄与します。また、写真を通じてお子さまの興味を知ることができたり、家族のコミュニケーションが深められたり、より親子の豊かな交流を促進できると考えて最終的に搭載を決めました。
トラブルなどを引き起こさないように、カメラの利用における注意事項は付属のお子さま向けガイドブックにしっかりと記載しています。
また、従来はSMS機能が搭載されていませんでしたが、「+メッセージ」アプリを導入することで、パケット通信を利用して撮影した写真やスタンプも送信できるようになりました。そのため、親子で楽しくコミュニケーションが取れるようになっています。
一方で、携帯の使いすぎや知らない人とつながり犯罪に巻き込まれるリスクを防ぐため、ブラウザやアプリのインストール機能は引き続き搭載していません。今まで通りあんしん安全を大事にしながら、親子のコミュニケーションを強化する形で機能の改善を行いました。
イ:「キッズケータイ」には「親子のコミュニケーションをより豊かにしていきたい」という思いが込められていたのですね。
今:はい!ほかにも、端末の製造においてはあんしん安全にこだわっています。
たとえば、「キッズケータイ」は防犯ブザーを搭載しているのですが、誤って飲み込んでしまってもお子さまが窒息しないように穴を開けるなど、細部にまで配慮しています。
小学生のお子さまが誤飲することは少ないかもしれませんが、妹さんや弟さんがいらっしゃる場合もあるので、このような設計にしています。
また、画面が割れてしまうと破片で怪我をする恐れがあるため、ディスプレイは割れにくいアクリル素材を使用しています。MIL規格にも対応しており、お子さまが使うことを前提に、落としたりぶつけたりしても壊れにくい端末を製造しています。
イ:ここまでキッズケータイの特徴を教えていただきましたが、キッズケータイはどのような方におすすめでしょうか?
今:親子のコミュニケーションをより深めたい方には、「キッズケータイ」がおすすめです。カメラが搭載されており、撮影した写真は「+メッセージ」で送ることが可能です。家族間のコミュニケーションを深めるツールとしても役立つ商品になっています。
イ:ありがとうございます!また、今回は「キッズケータイ」に加えて、「キッズケータイコンパクト」も開発されましたよね。どうしてなのでしょうか?
今:「キッズケータイ コンパクト」は、お客さまのお声を参考にして小型で腕に装着できるサイズにしました。
「キッズケータイ」の満足度調査において、半数以上の保護者から「お子さまが大事な連絡に気づかない」といった意見が寄せられていました。また、「お子さまがいざというときに持ち歩いていなかった」「持っていくのを忘れてしまう」という声も多かったんです。
腕に装着していれば、大事な連絡を逃すこともないですし、位置情報や電話もリアルタイムで確認できます。お子さまのあんしんと安全をより高めたい方に向けて、腕に装着できる「キッズケータイ コンパクト」を開発しました。
さらに、学校へ持ち込みやすいようにすることも、小型化した理由の一つです。「キッズケータイ」やスマートフォンの学校への持ち込みは、基本的には禁止されています。そのなかで、GPS機器としても電話としても使用でき、ランドセルにしまっておけるサイズのものを作ろうということで、小型の「キッズケータイ コンパクト」が誕生しました。
イ:「キッズケータイ コンパクト」はどのような方におすすめでしょうか?
今:お子さまにしっかりケータイを身につけてほしいという方には、「キッズケータイ コンパクト」がおすすめです。私も息子がいるのでよくわかるのですが、じっとするのが苦手ですぐにうろうろしてしまう子は本当に心配なんです。安全を守るため、腕につけて肌身離さず持ち歩いてほしい場合は、「キッズケータイ コンパクト」が最適です。
こだわり抜いた機能はユーザーからも好評
イ:「キッズケータイ」も「キッズケータイ コンパクト」も、お子さまの安全を守るために機能にも非常にこだわられていますが、特におすすめの機能はありますか?
今:一番大切にしているのは、お子さまの位置情報を把握できる点です。GPSでも位置情報を確認することはできますが、お子さまが知らない場所に行ってしまった際などの緊急時には双方向でコミュニケーションを取れることが大切です。
そのため、位置情報と通話機能がセットになっていることで、あんしん安全がより担保できると考えています。
ユーザー様から特に好評をいただいているのは、家族が登録した相手としか電話やメッセージのやりとりができない点です。これが、「キッズケータイ」を選んでいただける大きな理由だと思います。
また、「+メッセージ」も好評です。画像はキッズケータイでしか送れませんが、「キッズケータイ」、「キッズケータイ コンパクト」両方ともパケット通信で無料のスタンプや音声送信のやりとりができ、簡単に保護者の方とコミュニケーションが取れるようになっています。家の中にいてもお子さまがメッセージやスタンプを送ってくれることもあり、日常のコミュニケーションツールとしても活用いただいています。
イ:ユーザーの方からはどのようなお声が届いているのでしょうか?
今:たとえば、お子さまからはじめてもらったメッセージのスクリーンショットを、SNSに投稿してくれている保護者の方もたくさんいらっしゃいます。「ママ大好きだよ」「仕事頑張ってね」といったメッセージを受け取ってうれしかったという投稿を見ると、「+メッセージ」を入れて本当によかったと感じます。
イ:保護者の方はもちろん、お子さまも「キッズケータイ」があることであんしんできそうですね。
今:そうですね。「キッズケータイをぶらさげていたり、装着しているだけでも防犯対策になっている」というお声もたくさんいただいています。また、「キッズケータイ」は防犯ブザーを引くと登録した相手にすぐに電話がつながり、位置情報も伝えることができる仕様になっており、お子さまにとってもあんしんにつながっていると思います。
お子さまが楽しく使えるようにデザインも工夫
イ:お子さまに「キッズケータイ」や「キッズケータイ コンパクト」を活用していただくためにはデザインも大事になると思います。デザインにおいてはどのような工夫をされているのでしょうか?
今:お子さまに楽しく使っていただけるように、アクセサリーケースやストラップのラインナップを充実させています。たとえば、人気の子ども服ブランドの「petit main」とコラボしたストラップケースや「星のカービィ」「すみっコぐらし」といったお子さま向けの商品をドコモセレクト商品として取り揃えており、多くの方に端末とセットで購入していただいています。
また、「キッズケータイ KY-41C」と「キッズケータイ コンパクト SK-41D」から、ラベンダー色を取り入れています。
現代はジェンダーレスな時代になっており、男女問わず好まれる色にこだわりました。また、ランドセルや小学生向けの文具でもラベンダー色は非常に人気が高く、小学生向けの商品も参考にしてラベンダー色を採用することにしました。
また、「キッズケータイ コンパクト」は、お子さまが自分で腕につけて調節できるようにベルクロタイプを採用しているのもこだわったポイントです。
月額500円(税込550円)!お守り感覚で気軽に持たせることができる
イ:スマートフォンを持つ年齢が低年齢化している印象がありますが、スマートフォンではなく「キッズケータイ」を使うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
今:スマートフォンの場合は、依存してしまうことが保護者の大きな悩みとなっています。その点、「キッズケータイ」はインターネットも使えませんしアプリのインストール機能も入っていないため、SNSや動画配信サービスなどに依存する心配がありません。あんしん安全な親子間の連絡手段として、高い需要をいただいていると感じています。
イ:ほかのキャリアからも同様の商品が発売されていますが、ドコモならではの強みはありますか?
今:身に着けやすい腕時計型タイプを最初に開発したのは弊社ですし、あんしん安全面には特に力を入れて開発に取り組んでいます。
また、小学生になるとお子さまが一人で行動する機会が格段に増え、保護者の方は不安を感じていると思います。そんな保護者の不安に寄り添い、お守り感覚で持てるように、月額500円(税込み550円)とお手頃な価格設定にしています。
ドコモは、「キッズケータイ」を通して、大切なお子さまがあんしんして過ごせる世界を目指したいという熱い思いで企画している商品です。ドコモのブランドの一つとして、みなさまに愛される商品を今後もめざしていきたいです。
インタビュー後記(まとめ)
今回はドコモの今石さんにお話をうかがいました。
ドコモの「キッズケータイ」はお子さまが使うことを前提に、あらかじめ犯罪や危険につながるリスクを抑えた機能や端末設計がされているので、お子さまにあんしんして持たせることができます。
また、「キッズケータイ」「キッズケータイ コンパクト」の2モデルが展開されており、お子さまの特性や用途に合わせて最適なものを選べるのもうれしいポイントです。気になる方は詳細ページをぜひチェックしてみてください。