運動がすべての発達の土台をつくる!オンライン運動教室「へやすぽアシスト」が目指す発達支援

運動がすべての発達の土台をつくる!オンライン運動教室「へやすぽアシスト」が目指す発達支援

「へやすぽアシスト」は、発達が気になるお子さまを対象としたオンライン運動教室です。「身体の使い方」や 「脳と感覚の連携」 を指導する独自のプログラムで、単なる運動の上達だけではなく姿勢の崩れや箸の使い方など日常生活の困りごとに対してもアプローチを行っています。

また、「孤独の子育てにならないように」と、レッスン中はもちろんLINEを通じてレッスン外の時間も相談できる環境を整えるなど、お子さまはもちろん保護者の方へのサポートにも力を入れています。

今回は「へやすぽアシスト」でコーチを務めている堂面さんに、「へやすぽアシスト」の概要や運営への思い、今後の展望をうかがいしました。

<インタビューをさせていただいた方>

堂面勝哉さん

理学療法士。急性期病院で高齢者を中心にリハビリを担当した後、子どもが好きだったことから子どもの運動教室を個人で開催。その後、デイサービスやデイケア、クリニックを経て「へやすぽアシスト」では創業期からコーチを務め、子どもを中心にレッスンを担当している。

運動を通じて日常生活の困りごとにもアプローチ

インタビュアー(※以下、イと表記):「へやすぽアシスト」とはどのようなサービスなのですか。

「へやすぽアシスト」堂面さん(※以下、堂と表記):「へやすぽアシスト」はオンラインの運動教室で、発達障害のあるお子さまや、運動が苦手なお子さまに対してレッスンを行っているのが特徴です。年少から高校1年生程度まで、幅広い年齢のお子さまにレッスンを行っています。

一般的な運動教室で行われる縄跳びやかけっこ、鉄棒などはもちろんのこと、日常生活にかかわる困りごとに対してもアプローチを行っています。具体的には、姿勢の崩れや箸が使えない、文字がきれいに書けない、感情の起伏が激しいといったお困りごとに対して、レッスンの中でアプローチを行っています。

<アプローチ可能なテーマ>

・縄跳びがとべない
・鉄棒ができない
・マット運動ができない
・かけっこで早く走れない
・ボールをうまく投げられない
・集中力が続かない
・姿勢がすぐに崩れる
・すぐに癇癪を起こしてしまう
・ダンスが苦手(動きの真似が苦手)
・文字がうまくかけない
・ルールを守ることができない
・力加減がうまくできない
・体がかたく柔軟性が乏しい

また、保護者の方へのサポートとして、アドバイスも行っています。運動指導だけでなく、日常生活に即したレッスンが可能なのは、理学療法士や作業療法士といったリハビリ専門職のコーチが中心となって指導を行っているためです。

「運動が、学習面や情緒面などの、全ての発達の土台となっている」というのが私たちの考え方のベースにあり、子どもたちの発達支援のために運動指導を全国および世界中の子どもたちに向けて実施しています。

365日いつでも相談できるから安心

イ:発達支援としては、どのようなことを行っているのですか。

堂:子どもの発達や運動レベルに合わせて内容を調整し、マンツーマンでレッスンを行っています。また、保護者の方への相談支援も行っています。

一般的に、悩んだときは区役所や市役所に相談に行くと思うのですが、時間や手間がかかってしまいます。そこで、「へやすぽアシスト」では、LINEで365日相談を受け付けています。

運動面や気持ちの面、子どもにかかわることなら何でもご相談いただけます。オンライン環境ではありますが、レッスンとLINEでのコミュニケーションを通じて、親御さんの日常的な悩みごともサポートしています。

イ:困ったときに、すぐに質問できると保護者の方も安心ですね。

堂:保護者の方には、「お子さまの動きが、なぜこうなるのかわからない」と悩まれる方も多いんです。
例えば、保護者の方は運動が得意で、お子さまは運動が苦手な場合、なぜできないのかわからなくて怒ってしまうこともあるそうです。

ですが、先ほどお伝えしたように、「運動が学習面や情緒面など全ての発達の土台となっている」というのが私たちのベースの考えです。
運動を通じて日常生活での困りごとに対しても、「なぜそうなっているのか」まで説明できることが、保護者の方のあんしんにもつながっているのではないかと思っています。

身体の使い方や脳と感覚の連携指導が重要な理由

イ:ホームページを拝見すると、「脳と感覚の連携を指導する」との記載もありましたが、なぜこうした指導が必要なのでしょうか。

堂:運動を制御しているのは脳であり、その感覚機能も脳によって制御されています。いわゆる「感覚」というものが何なのかと言うと、例えば、姿勢を維持できるのは、体の傾きを感じる感覚が脳に伝わり、傾きを戻そうとする運動の指令が出ることによって姿勢が戻るわけです。

ボールを投げるときは、「こういう投げ方をすればこれくらい飛ぶ」という感覚があってこそ運動になります。また、運動を通じて脳が活発化されることで、感覚や情緒のつながりも密接になっていきます。

姿勢を真っ直ぐに保つイメージが湧いていないお子さまに、「真っ直ぐにしなさい」と言っても、実行するのは難しいものです。ですから、「へやすぽアシスト」ではとにかく真っ直ぐな姿勢を取らせる、とにかく走らせるといった指導は行っていません。

さまざまな運動を通して、「こういう体の使い方をしたらこう動く」という感覚や自分の体のイメージをしっかり持てるような練習を行っています。

イ:例えば、お子さまがお箸をうまく持てない場合、正しい持ち方を教えて何度も練習させる保護者の方も多いと思いますが、それだけでなくさまざまな体の使い方を教え、経験させることでお箸がきれいに持てるようになることを目指すということでしょうか。

堂:まさにその通りです。お箸を使う動作は一見単純に思えるかもしれませんが、実際にはさまざまな機能が必要です。お箸を持つための指先の細かい動きや、握り箸になってしまうお子さまにとっては、力の加減が難しいんです。そもそも姿勢が安定していないと、指先のコントロールが難しくなります。
ですから、箸を使うための土台となる、姿勢を確認していきましょうという話をしています。

さらに広い視点で見ると、箸を使う際に例えば机の高さが高すぎると肩が上がってしまい、非常に使いづらくなります。また、足がぶらぶらしているような不安定な状況では、姿勢も保ちづらくなります。

ですから、まずは環境を整えた上で、お子様の姿勢や力加減、指先の分離運動といった動作がしっかりできるかをチェックしていきます。そして、ある程度課題点を洗い出したうえで、その子に合わせたレッスンを一つずつ実施していきます。

楽しみながら自然と上達できるプログラムを

イ:レッスンでは、具体的にどのような運動を行っているのですか。

堂:「へやすぽアシスト」では、現在600種類以上のメニューを提供しています。例えば、姿勢を維持するイメージ感覚があるか確かめるために、床に敷いたタオルの上にお子さまに立ってもらい、そのタオルを保護者の方に引っ張ってもらいます。そして、姿勢を維持して耐えられるのかを試します。

床に置いたタオルの上から落ちないように、お母さんやお父さんにタッチしてみるといった運動もあります。この際にタッチしようとして、そのまま前にいってしまうお子さまが多いんです。この運動では手を出して体が前に倒れそうになった際に、しっかり自分の姿勢を維持するための反応が出ているか、耐えられるかといったところを見ています。

また、私たちは、子どもたちに「運動って楽しい」と感じてもらえることを大切にしています。

例えば、先ほど紹介した保護者の方の手をタッチする運動では、保護者の方にポケモンのぬいぐるみを持ってもらい、30秒以内に何回タッチできるかといったゲーム形式で行っています。

このようにお子さまが楽しめる工夫をしながら、スモールステップで必要な運動を提供しています。楽しく取り組んで、気づいたらできていたというのが理想です。

イ:かけっこのプログラムも用意されていますが、どのような目的で利用される方が多いのですか。

堂:例えば、体力テストで常にE〜C ランク、50m 走で平均的なタイムもしくは遅い子が、足を速くし、リレーの選手や運動会のかけっこで一位を目指したいというケースがあります。

また、多くはないのですが、くねくねせずに走れるようになってほしい!走っている時にバランスを崩して転げないように走れるようになってほしい!という想いで参加されている方もおられます。

かけっこが苦手で足が遅い子は、手足の動きがバラバラでスイミングもできなかったり、縄跳びを飛ぶときに縄をうまく回せなかったり、かけっこの時にぐらついてしまうので普段座っているときも姿勢が悪かったりすることも多いんです。

ですから、かけっこを主目的としつつも、日常生活や他の運動に掛け合わせて必要なメニューを実施しています。

かけっこを中心にメニューは組みますが、土台の部分をしっかり作っていくことにより、かけっこに限らず姿勢も良くなり、縄跳びや鉄棒、跳び箱の上達も期待できます。

1つか2つ目標を立て、その目標に対してアプローチしつつ、他のサブ目標も達成できるようにサポートしています。

イ:オンラインレッスンで実際に外を走らなくても足が速くなるのか少し疑問に思っていたのですが、お話を聞いて納得しました。

堂:特にかけっこや鉄棒は外でしかできないと言われるのですが、床を蹴る感覚や腕を振る感覚などかけっこに必要な土台をお家の中でしっかり作っていただき、よい状態で外を走ってもらうことを繰り返し行うなかで上達していくと思います。

共に子育てをするチームの一員として、誰しもが自分らしさを育める土台を形成

イ:読者の方へメッセージをお願いします。

堂:会社として大事にしているのが、誰もが自分らしさを育める土台を作ることです。発達障害の有無や運動の得意不得意に関係なく、自分らしく生きられる土台を「へやすぽアシスト」の運動を通して伝えていきたいと思っています。

また、親御さんの心のサポートも大切にしていきたいと思っています。
発達が気になる子や親御様は特にそうなのですが、周囲の大人に理解してもらえなかったり、誤解をされて嫌な思いをしたりすることが親子ともに多いと聞きます。

国や自治体の支援にも限界があり、必要な人に行き渡っていないのが現状です。また、相談しようと思っても現状の状態を話すだけで終わってしまい、具体的な解決に至っていないケースが多くあります。

その結果、周囲からサポートを十分に受けられず、孤立感を感じている親御さんがいらっしゃいます。子どもの発達において、親御さんの心が安定していることも重要だと考えているため、子育てチームの一員としてサポートをしてきたいと考えています。

実際に、孤独感を感じながら子育てをしていたなかで、偶然「へやすぽアシスト」を見つけて年中さんからレッスンを始めてくださった方もいらっしゃいます。

この方は旦那さまの地元で出産して周囲に頼れる人や友人もおらず、仕事が忙しくて旦那さまも深くは子育てにかかわることができない状況でした。

グレーゾーンのお子さまがいらっしゃって、さまざまな集団教室も試してみたものの、周囲の子どもたちに比べてできないことが多く、お子さまの自信が低下してしまうなど、様々な葛藤を抱えていたそうです。

そのような状況の中で「へやすぽアシスト」を見つけてくださり、お子さまに対してしっかりと分析を行いレッスンを進めていくことで、以前は全くできなかった縄跳びができるようになり、自転車に乗れるようになり、うんていができるようになるなど、体力もついてさまざまな面で上達が見られました。

さらに、保護者の方からは、「コーチたちと一緒に頑張ろうという気持ちが芽生え、コーチに見せたいから運動を頑張るんだ」と、お子さまがレッスンがない日でも自主的に努力する姿が見られるようになったと伺いました。

また、保護者の方からは「レッスン中だけでなく、LINEを通じて常に子どもに関する相談ができることがうれしい」とのご意見もいただいています。

例えば、運動に限らず歯や姿勢、姿勢に関連する腹圧や体幹などに関する悩みにもコーチがアドバイスを行い、疑問を感じたらすぐに相談できる環境を整えています。孤独の子育てにならないように、我々もチームの一員としてサポートできればと考えています。

子どもの特性やご家族の状況を踏まえ、一人ひとりにあったサービスを提供

イ:実際に「へやすぽアシスト」でレッスンを受ける場合、事前に必要な準備はありますか。

堂:広さについてよくご質問をいただくのですが、2〜3畳ほどのスペースがあれば十分です。もちろん広いに越したことはなく、広ければ広いほど運動の幅は広がります。

オンラインレッスンのため、何よりも大事なのは通信環境です。Wi-Fiや携帯が最低限あれば、問題なく受講いただけます。
ただし、お子さまの発達特性などに合わせて、例えば、携帯の画面では小さすぎて集中できない場合には、パソコンをテレビにつなげるといった対応が必要になるケースもあります。

他には、音の配慮や周りのおもちゃの環境設定などさまざまありますが、全面的にアドバイスさせていただきますので、ご安心ください。

また、レッスンを受けるとなると親も多くのサポートをしなければならないと思い、負担が大きいのでやめておこうと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、レッスンはお子さまの特性や体格、年齢などを考慮し、お子さまが一人でできると判断した場合は保護者の方にはそばで見守っていただいて一人で取り組んでもらうこともあります。

また、稀ではありますが、自分でパソコン操作もできる高学年のお子さまであれば、お子さま一人でレッスンを受けていただき、振り返りを保護者の方にLINEで送るケースもあります。家でお子さまと一緒に遊ぶ方法を学びたいと考えていらっしゃる場合は、保護者の方も積極的に参加いただければと思います。

お子さまはもちろん保護者の方の思いや状況も踏まえて柔軟に対応しますので、何でもお気軽にご相談ください。

イ:最後に、今後の目標や展望をお聞かせください。

堂:我々は、誰しもが自分らしさを育める土台を作ることを大切にしています。私個人としては、全世界の運動発達に困っている子どもたちの支援をしていきたいと考えています。

「へやすぽアシスト」では、運動が苦手な子どもや発達障害、グレーゾーンの子どもたちを対象にしていますが、運動が苦手なことはさまざまな生活の困りごとにつながっており、多くのお子さまが対象になると考えています。

教育を受けたくても受けられない、地方に住んでいて教室に通わせるにも非常に時間かかる、療育待機している、海外に住んでいるが日本人の先生に教えてもらいたいといった悩みを抱える保護者の方や子どもたちをサポートしていきたいです。

「運動の困りごとといえば、”へやすぽアシスト”に相談しよう」と思ってもらえるような存在になることができれば非常にうれしいですし、それだけのサポートができる自信もあります。

現在、「へやすぽアシスト」には70名以上のコーチが在籍しています。療育の現場で働いているコーチや、スポーツの現場で活躍していたコーチもおり、お子さまに合ったメニューを提供することが可能です。まずは全国、そして全世界に我々のサービスを届けていきたいと考えています。

インタビュー後記(まとめ)

「へやすぽアシスト」は、「運動が学習や情緒面など全ての発達の土台となっている」との考えをベースに、身体の使い方や脳と感覚の連携の指導も行い、運動の上達のみならず日常生活の困りごとへのアプローチも行っています。

お子さまの運動に関して悩まれている方はもちろん、姿勢やお箸の持ち方、情緒など、一見運動とは無関係に思えるお悩みも、「へやすぽアシスト」のレッスンを通して改善できるかもしれません。

気になる方はまずは下記のページにて詳細をチェックしてみてください。

へやすぽアシスト