新生児の指しゃぶりへの心配は不要!理由と歯並びへの影響や注意すべきことを解説
新生児の指しゃぶりについて不安に思う方もいるでしょう。本記事では、新生児の指しゃぶりについて解説し、衛生面や爪切りなど保護者が気をつけるポイント、年齢別の指しゃぶりの見守り方を紹介しています。指しゃぶりについて心配がある方はぜひ、参考にしてください。
「なぜ新生児は指しゃぶりをするの?」
「ずっと指しゃぶりをしていると歯並びに影響するのではないかと心配」
「指しゃぶりはいつまでにやめさせたらよい?」
赤ちゃんが指しゃぶりをしていることに対して、上記のような悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、なぜ新生児が指しゃぶりをするのかを解説し、保護者が気をつけるべきポイントと、年齢別の指しゃぶりの違いについて紹介します。
この記事を読むことで、指しゃぶりが生命維持に大切であることが知れ、保護者として指しゃぶりへの向き合い方がわかるようになります。また、指しゃぶりをやめさせるタイミングも把握できるため、あんしんできるでしょう。
新生児の指しゃぶりの理由を知りたい方、不安を感じている方は本記事をぜひご覧ください。
記事のまとめ
- 新生児の指しゃぶりは「吸啜反射」による自然な行動で、生命維持に重要であるため、心配は不要だ。
- 指しゃぶりに対しては、よだれや爪のケア、衛生面に注意が必要であり、指しゃぶりの頻度は年齢と共に変化する。
- 4歳までに指しゃぶりをやめさせることが理想的で、無理にやめさせずに遊びや絵本で気をそらす工夫が推奨される。
新生児は「吸啜(きゅうてつ)反射」で指しゃぶりをする
吸啜(きゅうてつ)反射とは、口のまわりにふれたものに反射的に吸い付く、赤ちゃんが生まれながらに持つ反射運動です。
指しゃぶりは吸啜反射によって起こり、たまたま口のまわりにふれた手や指を反射的に吸っています。
吸啜反射は赤ちゃんが生命を維持するために重要な役割を担っており、吸啜反射のおかげで、新生児は誰に教えられずとも母乳に吸い付くことができています。
出典:子供のお口の健康を健やかに成長させる哺乳瓶の選び方を紹介 – 戸田市の小児歯科|北戸田COCO歯科
一般的に生後2~4か月頃からはじまる
個人差がありますが、赤ちゃんの指しゃぶりは生後2~4か月頃からはじまることが多いでしょう。指だけではなく、握りこぶしや足の指をなめることもあります。
生後すぐに指しゃぶりをする赤ちゃんもいれば、少し遅れてからはじまる赤ちゃんもいるため、「うちの子は指しゃぶりが早い」「遅い」と心配する必要はないでしょう。
新生児の指しゃぶりに対して注意すべきこと
指しゃぶりは子どもが成長するために必要な過程ですが、歯並びへの影響や、衛生面など心配な点もあるでしょう。新生児の指しゃぶりには注意した方がよいことも存在します。
ここからは、新生児が指しゃぶりをするときに保護者が気をつけたいポイントについてご紹介します。
よだれでかぶれないよう気をつける
生後2か月頃からよだれが出はじめます。この状態で指しゃぶりをすると、口のまわりがよだれまみれになります。
赤ちゃんは皮膚が薄く弱いため、肌がかぶれやすいです。よだれが皮膚についたらやさしく拭き取ってあげましょう。1~2歳くらいになると、よだれの量が少なくなってきます。
伸びた爪で口内を傷つけないように切る
赤ちゃんの爪が伸びたままだと指しゃぶりのときに口内を傷つけてしまう危険性があるため、こまめに爪を切ってあげましょう。
赤ちゃんは新陳代謝が活発なため、爪が伸びるスピードが早めです。爪切りの頻度は、3~4日に一度を目安にするとよいでしょう。赤ちゃんの爪先が白く伸びていたら、こまめに切ってあげてください。
また、赤ちゃんの爪は小さくやわらかいので「赤ちゃん用爪切り」を使用するとあんしんです。赤ちゃんのなかには、生まれたときすでに爪が伸びている子もいます。慌てず対処できるよう出産前に準備しておくのがおすすめです。
細菌が入らないように拭く
赤ちゃんは何でも触りたがり、さまざまなものを口に入れようとします。ものを口に入れる行動は、脳の発達や体の免疫を高めるために必要です。
無理にやめさせたり心配しすぎたりする必要はありませんが、気になるときは赤ちゃんの手と指を洗浄綿やウェットティッシュで拭いてあげてください。
また、指しゃぶりした指でおもちゃに触ると、おもちゃに雑菌が繁殖することがあります。過敏になる必要はありませんが、適度におもちゃを拭き、洗えるものであれば定期的に洗いましょう。
歯並びに影響する場合もある
5歳を過ぎても指しゃぶりが続いている場合、前歯が前方に突出する可能性があります。歯並びが悪くなると口が閉じられなくなったり、むし歯の原因になったりするため、注意が必要です。
まだ歯が生えていない乳児期の指しゃぶりは、歯並びに影響しないのであんしんしてください。
出典:歯並びや噛み合わせが悪いことで起こるデメリットとは?|佐久間デンタルクリニック
成長段階によって指しゃぶりをする理由が違う
指しゃぶりは出生前からはじまり、成長段階に応じて理由が変化していく発達において重要な行動です。
母親の胎内での指しゃぶりは、誕生後すぐに母乳を吸うための練習だといわれています。
生後2~4か月頃は口の周りにふれた手や指に無意識に吸い付きますが、生後4か月頃からは自分の意志で指しゃぶりを行うようになります。指しゃぶりを通して、口のなかで指の感触を学び、目や手の運動を発達させていくのです。
1~2歳頃になると、おもちゃで遊ぶ時間が増え、歩きはじめる子もでてくるため、指しゃぶりの時間は徐々に減っていきます。しかし、退屈や眠気を感じたときに指しゃぶりをする子もいるようです。
3歳頃になると、指しゃぶりは自然と減少していきます。
出典:指しゃぶりはいつまで見守る?長引いたその影響は? | 目黒のプルチーノデンタルクリニック|小児の矯正・予防歯科など
指しゃぶりは4歳までにやめさせるべき
4歳頃から口やあごの発達が活発になるため、指しゃぶりは4歳までにやめることが理想的です。
もし4歳を過ぎても指しゃぶりが続く場合、歯並びへの影響や、口が開いたままになって口呼吸の癖がつきやすくなる可能性があります。口呼吸は病気の原因や、虫歯になりやすくなるリスクがあるため、幼少期から改善することが重要です。
出典:指しゃぶりはいつまでやっていいの!? – しらい歯科クリニック
新生児に指しゃぶりをやめさせるにはあんしん感が大切
新生児の指しゃぶりは無理にやめさせる必要はないといわれていますが、保護者が気になるのであればあんしん感を与えて指しゃぶりから気をそらせてあげてください。
まずは、遊びの時間を増やしてみましょう。特に手遊びを増やすと、遊ぶことに夢中になり指しゃぶりが減ります。手遊びにはさまざまなメリットがあり、脳の発達やコミュニケーション能力の向上が期待できるでしょう。
寝る前に絵本を読んであげるのも効果的です。赤ちゃんの眠気からくる不安感を和らげることができれば、睡眠時の指しゃぶりが減少する可能性があります。
新生児の指しゃぶりを見守ろう
指しゃぶりは新生児の自然な行動なので無理にやめさせる必要はないですが、衛生面やこまめな爪切りなど保護者が注意するポイントがあります。
もし、4歳以降も指しゃぶりが続く場合、歯並びに影響がでる可能性があるため、遊びや絵本で気をそらす工夫をしてみましょう。
本記事で指しゃぶりへの理解を深め、あたたかく見守りながら、子どもの成長をサポートしていきましょう。