新生児がよくしゃっくりをする原因とは?対処法4選とやってはダメなことを解説!
大人と比べて、赤ちゃんがよくしゃっくりをすることをご存知でしょうか。本記事では、しゃっくりが起こる原因や対処するポイントのほか、しゃっくりをしている赤ちゃんにとって危険な行為を解説します。赤ちゃんのしゃっくりについて知りたい方は、本記事を参考にしてください。
「なぜ赤ちゃんは、よくしゃっくりをするの?」
「赤ちゃんがしゃっくりをしたときに、どのように対処したらよいのかわからない」
「大人がしゃっくりをしたときの止め方と、同じ方法でよいのかな?」
など、赤ちゃんがしゃっくりをするときの対処法や原因について、たくさんの疑問や不安を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、新生児のしゃっくりのメカニズムやその原因のほか、対処法4選を解説しています。
本記事を読めば、しゃっくりの原因になるものや対処するときのポイントのほか、誤ったしゃっくりの止め方などについて、深く理解できるようになるでしょう。
また、その知識をもとにすれば、新生児がしゃっくりをしても、落ち着いて対処できるようになります。
新生児のしゃっくりについて詳しく知りたい方は、ぜひ、この記事をチェックしてみてください。
記事のまとめ
- 新生児のしゃっくりは、横隔膜が刺激されることで起こる生理現象であり、通常は自然に治まるものである。
- しゃっくりが多い原因には、食べすぎや空気を飲むこと、体温調節の未熟さがあるため、注意が必要だ。
- しゃっくりを止めるために驚かせたりうつ伏せにすることは危険であり、赤ちゃんがリラックスできる環境を整えることが大切である。
赤ちゃんのしゃっくりのメカニズム
しゃっくりは、肺とお腹の間にある横隔膜が何らかの影響を受けた際に、一時的に縮むことで起こる症状です。ちょっとした刺激でも起こり得る生理現象のため、基本的には自然に治まります。
また、しゃっくりをするときには「ヒック」という音が出ますが、これは、横隔膜のけいれんによって声帯の筋肉が収縮することで起こるものです。筋肉の収縮が続いているうちは一定間隔で続きますが、けいれんが治まれば自然に止まるため、心配する必要はありません。
出典:しゃっくりはなぜおこるの?|JA愛知厚生連 安城更生病院
赤ちゃんのしゃっくりが多い原因
赤ちゃんは、臓器や神経などの発達が未熟なため、大人に比べてしゃっくりの回数が多いと考えられています。そのため、年齢とともに発達が進めば、赤ちゃんがしゃっくりをする頻度は減少していくでしょう。
ただし、しゃっくりをしている赤ちゃんの様子が、普段と違う場合は注意が必要です。
ここでは、赤ちゃんがしゃっくりをする主な原因について解説します。以下に挙げる原因のなかに、思い当たるものはないかチェックしてみてください。
出典:『赤ちゃんのしゃっくり』~止め方があるの?!~|社会福祉法人康和会 久我山病院
食べすぎているから
赤ちゃんはお腹がいっぱいという感覚が未熟なため、母乳やミルク、離乳食の適切な摂取量を調整できません。
そのため、過剰に飲食してしまうことも多く、食べすぎで膨れてしまった胃が横隔膜を刺激することで、赤ちゃんのしゃっくりが引き起こされます。
このような、食べすぎによるしゃっくりを防ぐためには、赤ちゃんの様子を観察することが大切です。
出典:母乳育児の利点|松戸市
母乳やミルクと一緒に空気を飲むから
新生児は、まだ上手に母乳やミルクを飲むことができません。そのため、母乳やミルクと一緒に空気を飲み込むことが多く、ゲップでお腹から空気を吐き出させる必要があります。
このときに、しっかりと空気を吐き出していないと、胃や腸が膨らんだままの状態になるため、注意が必要です。
胃や腸の動きが横隔膜を刺激し続けるため、しゃっくりの回数が多くなります。
温度変化に順応できないから
赤ちゃんは、体温調節機能が未熟です。そのため、寒暖差が激しい場所に移動したときなど、横隔膜が刺激されてしゃっくりが出てしまうことがあります。
しゃっくりが出ないようにするためには、赤ちゃんにとって寒すぎたり暑すぎたりする状況をつくらないことが大切です。
赤ちゃんにとって心地よい室温の目安は、冬季で約20~25℃、夏季で外気温より約5℃低い温度ですが、猛暑の場合は、約28℃に冷房を設定するのがよいとされています。
出典:赤ちゃんの体温と服装・環境について|すくすくまことくりにっく
やってはいけないしゃっくりの止め方
しゃっくりを止める民間療法として、「びっくりさせてもらう」「息をとめる」「水を素早く飲む」などはよく知られている方法でしょう。
しかし、これらの方法のなかには、赤ちゃんの命を危険にさらしてしまうものも存在します。
しゃっくりの止め方をインターネットで調べる方も多いでしょうが、医学的な根拠がある方法かどうか、確認することが大切です。
以下に危険なしゃっくりの止め方の例を挙げるため、無意識のうちにこのような方法をとっていないか、チェックしてみてください。
赤ちゃんを驚かせるのは危険
しゃっくりを止めるために、赤ちゃんを驚かせたり、強く揺さぶったりすることは止めましょう。この行為は、しゃっくりを止める効果はほとんど見込めない上に、赤ちゃんにとって危険な方法です。
赤ちゃんにとってのしゃっくりは、周りが考えるほど苦しいものではないといわれています。無理に止めようとせず、赤ちゃんの様子を見守るようにしましょう。
うつ伏せにすると窒息の危険が高まる
しゃっくりを止めるために、赤ちゃんをうつ伏せにすることは、窒息や呼吸停止のリスクがある危険な方法です。医学的な根拠がない方法を試すのはやめましょう。
新生児は呼吸機能の調節が未熟なため、自力で首を動かすことができません。窒息死のリスクを回避するためにも、赤ちゃんは仰向けの姿勢で寝るのが安全です。
出典:乳幼児突然死症候群 / SIDS(にゅうようじとつぜんししょうこうぐん)|厚生労働省
新生児のしゃっくりへの対処法4選
大人にとっても赤ちゃんにとっても、しゃっくりは生理現象です。しかしながら、あまり長く続いているようなときには、止めてあげたいと考えることもあるでしょう。
ここでは、赤ちゃんがしゃっくりしはじめたときの対処法を4つ紹介します。手軽にできる方法ばかりのため、ぜひ、試してみてください。
出典:『赤ちゃんのしゃっくり』~止め方があるの?!~|社会福祉法人康和会 久我山病院
不安にならず自然に止まるのを待つ
赤ちゃんが頻繁にしゃっくりをしていたとしても、赤ちゃん自身が元気であれば問題ありません。しゃっくりが自然に治まるのを見守りましょう。
お母さんやお父さんに必要なのは、落ち着いて待つことです。そのほかには、気になる症状が見られた場合に備え、赤ちゃんの様子に普段と違うところはないかなど、こまめに確認することも大切です。
出典:『赤ちゃんのしゃっくり』~止め方があるの?!~|社会福祉法人康和会 久我山病院
抱っこしてリラックスさせる
赤ちゃんがしゃっくりをしはじめたら、抱き上げてゆったりとしたリズムであやしてあげましょう。赤ちゃんのしゃっくりは、気持ちが落ち着くと、自然に止まることが多いといわれています。
ゆらゆら左右に揺れたり、ゆっくり歩いたりすることで、心地よい振動が生まれるため、赤ちゃんがリラックスできます。
お母さんやお父さんが焦っていると、赤ちゃんも落ち着きません。赤ちゃんのことが心配でも、まずは落ち着いて対処するようにしましょう。
背中をさすりゲップを促す
母乳やミルクを飲んだあとのゲップが出ていない場合は、縦に赤ちゃんを抱き、背中を優しくさすってゲップを促しましょう。横隔膜の緊張が緩むため、しゃっくりが治まることがあります。
ただし、新生児の場合は、背中をさするとのけぞることがあるため注意が必要です。このような反射が見られたら、背中をさするのではなく、優しく叩くとゲップが出やすくなります。
出典:『赤ちゃんのしゃっくり』~止め方があるの?!~|社会福祉法人康和会 久我山病院
体温の低下を防ぐ
赤ちゃんの体温が低下すると横隔膜が縮んでしまうため、しゃっくりの原因となります。
このような場合は、室内の温度を調整するほか、温かい服を着せたり布団をかけたりなどして、赤ちゃんの体を温めましょう。
そのほか、おしっこやうんちでオムツが汚れているときにも、体温が低下する場合があります。オムツが汚れていたら、速やかに交換してあげましょう。
湯冷ましや母乳をあげるのも、赤ちゃんの体温を上げる効果が期待できるため、おすすめです。
出典:『赤ちゃんのしゃっくり』~止め方があるの?!~|社会福祉法人康和会 久我山病院
普段と違う場合受診が必要
赤ちゃんのしゃっくりは一時的な症状の場合が多いため、基本的な対応は、様子を見ることです。しかし、普段と違うと感じた場合は、思わぬ病気にかかっている可能性があります。
しゃっくりのほかに、以下のような症状が見られたら、すぐに病院を受診してください。
・ぐったりしている
・噴水のように勢いよく吐いている
・激しく泣いていて、泣き止まない
・母乳やミルクを飲まない・飲む量が減っている
・半日以上、排尿・排便がない
・呼吸困難がある
上記のような症状がなくても、普段の赤ちゃんの様子とは違う、気になる症状があれば、診療時間内に病院を受診することをおすすめします。
受診の際には、しゃっくりの回数や継続時間、そのほかの気になる症状を医師に伝えましょう。赤ちゃんの様子を普段から確認することで、医師が病気かどうかを判断する際に役立ちます。
出典:新生児がしゃっくりをして吐く 病院へ行く目安や原因、対処法 |医療法人社団 日暮里病院
過度に心配しすぎず落ち着いて対処しよう
赤ちゃんのしゃっくりは、ほとんどが生理現象です。しゃっくりをしている赤ちゃんが苦しそうに見えても、焦らず落ち着いて対処しましょう。
基本的には、赤ちゃんがリラックスできる環境にしていれば、自然にしゃっくりは治まります。赤ちゃんを驚かせたり、うつ伏せに寝かせたりして、しゃっくりを止めようとするのは、危険行為なので止めましょう。
もし、しゃっくり以外に何らかの症状がある場合は、自己判断することなく、症状に応じて病院を受診し、医師に相談してください。