新生児がミルクを飲みすぎているサインは?飲みすぎてしまう原因と親ができる対策を紹介!
新生児に授乳するとき、ミルクを飲みすぎていないか心配な人も多いのではないでしょうか。本記事では、新生児がミルクを飲みすぎたときに見られる、いくつかのサインを紹介します。新生児を健康に育てるために、適切な飲ませ方を知りたいという人は、ぜひ、参考にしてください。
「新生児がよくミルクを欲しがるんだけど、飲みすぎていないか心配」
「ミルクを飲みすぎているかどうか、何で判断したらいいの?」
など、新生児にどのくらいミルクをあげてよいかわからず、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、新生児がミルクを飲みすぎてしまう理由や、飲みすぎを見わけるサインを紹介します。
授乳のときの赤ちゃんの様子のほか、体重の変化などについて解説しているため、この記事を読めば、ミルクを飲みすぎているかどうか判断しやすくなるでしょう。
また、新生児にミルクを飲ませすぎないための対策も紹介しているため、自分の赤ちゃんの適量を知るための参考にもできます。
新生児に飲ませるミルクの量に不安がある方や、ミルクを飲ませすぎない方法を知りたい方は、ぜひ、こちらの記事をチェックしてみてください。
記事のまとめ
- 新生児がミルクを飲みすぎているサインには、体重の急激な増加やお腹の張り、むせることがある。特に、体重の増加が50g以上の場合は注意が必要である。
- 飲みすぎの原因には、欲しがるだけ与えることや母乳の成分変化、強い哺乳反射が影響している。新生児は満腹中枢が未熟で、自分で調整できないため注意が必要だ。
- ミルクの飲みすぎを防ぐためには、適量を守り、泣いているときはミルク以外であやすことが重要である。新生児の様子を確認し、健康的に育てることを心掛けよう。
新生児がミルクを飲みすぎているサイン
新生児がミルクを飲みすぎていた場合、体つきやミルクの飲み方などに、変化が現れることがあります。
ここでは、新生児がミルクを飲みすぎていないか、チェックするためのサインについて紹介します。
新生児のミルクの量が多いのではないかと不安になっている人は、以下に挙げるサインが現れていないか、確認してみましょう。
体重の急激な増加
新生児の日々の計測で、1日の体重が急激に増えていた場合は、ミルクを飲みすぎているサインです。
一般的に、生後1か月の赤ちゃんにおける1日の体重の増加は、約30gが目安とされています。そのため、この数字よりも体重が増加していた場合は、ミルクの飲みすぎと考えてよいでしょう。
ただし、新生児の体重に、1日50g以上の急激な変化が見られた場合は「過飲症候群」の可能性があるため、注意が必要です。
過飲症候群とは、ミルクを飲みすぎたことで、新生児に吐き戻しなどの不調が出てくるものです。新生児に変わった様子があれば、医師に相談するようにしてください。
お腹が張っている
授乳後の赤ちゃんのお腹が張っていたら、ミルクを飲みすぎているサインです。
特に、ミルクを飲むときに空気を一緒に取り込んでしまっている場合に、お腹が膨れることが多いでしょう。
このようなときは、赤ちゃんが空気を飲み込まないよう、授乳時の姿勢に気をつけたり、授乳後にしっかりゲップさせてあげるなどの工夫ができます。また、次の授乳を遅くするといった調整も可能です。
ミルクを飲んでいる最中にむせてしまう
授乳中に赤ちゃんがむせてしまう場合は、ミルクや母乳の出がよすぎる可能性があります。
新生児は、自分で飲み込む量やタイミングを調節することができません。そのため、大量のミルクが口のなかに入ってくると、反射的にむせてしまいます。
このような場合は、授乳の仕方を工夫してみてください。それでも上手くいかない場合や、むせて顔色が悪くなってしまうような場合は、医師に相談してみましょう。
出典:Q&Aよくある質問|箕面レディースクリニック分院小児科
ミルクをあげたあとに機嫌が悪くなる
赤ちゃんの機嫌が悪くなるのは、お腹がすいたときや眠いとき、うんちが出そうなときや、腸が活発すぎてお腹が痛いときなどです。
ミルクをあげたあとに、新生児の機嫌が悪くなってしまう場合は、ミルクの飲みすぎで不快になっているサインの可能性があります。
新生児の様子をよく見て、ミルクの摂取量を調整してあげましょう。
出典:機嫌が悪い|山見小児科
腸内環境が乱れている
新生児は消化機能が未熟なため、一時的にミルクを飲みすぎた場合に下痢を起こすことがあります。逆に、たくさんのミルクを飲んでしまい、消化に時間がかかることで便秘になる場合もあるでしょう。
消化不良の状態の便が出ていたり、なかなか便が出なかったりするのは、腸内環境が乱れているサインです。このような状態が続く場合は、医師に相談してみましょう。
ただし、新生児の便は基本的にゆるいため、下痢と見わけるのが難しいこともあります。その場合は、排便の回数が多くなっていないか、オムツから漏れるほど水っぽくはないかで判断してください。
出典:下痢しているけれど元気な時の対応方法|1歳程度までの乳幼児の下痢について|ことびあクリニック
新生児はどうしてミルクを飲みすぎてしまうのか?
大人はお腹がいっぱいになると、食べるのをやめます。しかし、新生児は大人と同じようにはいかず、ミルクを飲みすぎてしまうことがあります。
新生児のミルクの飲みすぎを防ぐには、親が新生児の体についてよく理解し、対策する必要があります。
ここでは、新生児がミルクを飲みすぎてしまう理由を紹介するため、参考にしてみてください。
欲しがるだけ与えるから
満腹中枢が未熟な新生児には、「お腹がいっぱいになった」という感覚がありません。
そのため、新生児が泣いているときにすぐにミルクを与えることは、飲みすぎの原因になります。
泣いていたとしても、必ずしもミルクを欲しがっているわけではないことを知っておきましょう。苦しくて泣いていたり、ほかの理由で泣いたりしている可能性を考えることも大切です。
出典:れいんぼー通信vol.61|久松マタニティークリニック
母乳の成分が変化しているから
母乳の特徴は、1回の授乳のあいだに成分が変化することです。
そのため、母乳育児の赤ちゃんの場合、おっぱいを吸うたびに成分の違う母乳を飲むことが、飲みすぎの原因になります。
母乳には脂肪が含まれていますが、授乳しはじめは、まだ乳腺の中にとどまっている状態です。そのため、この時点で赤ちゃんが口にする母乳は、カロリーが低い状態のものになるでしょう。
繰り返しおっぱいを吸うことで、母乳のなかに脂肪が排出されやすくなるため、赤ちゃんは徐々にカロリーの高い母乳を飲めるようになります。
上記のことから、母乳の出がよすぎる場合は、赤ちゃんの母乳の飲みすぎに注意が必要です。
脂肪含有量が低い母乳だけではカロリーが低いため、赤ちゃんが満足感を得にくく、さらに母乳を飲もうとして、飲みすぎてしまう可能性が高いでしょう。
新生児は哺乳反射が強いから
「哺乳反射」とは、新生児期の赤ちゃんが母乳やミルクを飲むときに見られる、反射的な動きの総称です。
新生児の哺乳反射には、以下の4種類があります。
・「探索反射」:口の周りにふれるものの方を向き、口のなかに取り込もうとする動き
・「口唇反射」:唇の周辺に何かがふれると口唇をすぼめて突き出し、それを挟んで閉じようとする動き
・「吸てつ反射」:口のなかに入ってきた乳首をくわえて、吸い出そうとする動き
・「嚥下反射」:口のなかに入ってきた乳汁を飲みもうとする動き
これらの哺乳反射が強い新生児は、お腹がすいていなくてもミルクを欲しがることがあり、結果としてミルクの飲みすぎになるケースがあります。
このようなことを防ぐには、新生児がおっぱいや哺乳瓶に吸い付くようなそぶりを見せたとしても、本当にミルクを欲しがっているか見極めることが大切です。
出典:哺乳反射|たくま歯科医院
新生児がミルクを飲みすぎないためにできる対策
ここからは、新生児がミルクの飲みすぎにならないようにするために、どうすればよいか紹介します。
飲みすぎを防ぐには、新生児に適量を守ってミルクをあげることや、ミルクを欲しがっているように見えても、それ以外の理由はないか見極めることが大切です。
自分の赤ちゃんにミルクを飲みすぎているサインが見られたときは、以下に挙げる項目を参考に対策してみましょう。
適度に母乳やミルクを与える
新生児に与える母乳やミルクの量は、1日約500~800mLを目安にしましょう。
ただし、新生児の胃は小さく、1度にたくさんは飲めません。そのため、生後2週間頃までは、1日に約8~12回の授乳が必要になるでしょう。
約2~3時間の間隔を空けて、赤ちゃんが欲しがるタイミングで飲ませてあげるのがおすすめです。
出典:どれくらいが適正?赤ちゃんの授乳間隔や量などについて解説|札幌みらいクリニック
泣くときはミルク以外であやす
新生児が泣くのは、ミルクがほしいときだけではありません。
ミルクをしっかりあげたあとでも新生児が泣いている場合は、抱っこしたり、おもちゃや絵本などであやしたりしてみましょう。
それでも泣き止まないときは、部屋のなかが新生児にとって不快な温度だったり、オムツが濡れて機嫌が悪かったりということも考えられます。
室温の目安は、冬場は約20℃(生まれたばかりなら約23~25℃)です。夏場は冷房を使いますが、室温の上限は約28℃を目安にし、25℃以下にならないように調節しましょう。
適度に授乳して健康に育てよう
新生児は、満腹中枢が未熟です。また、哺乳反射の影響で、お腹がいっぱいであってもミルクを飲みすぎてしまうことがあります。
ミルクを飲みすぎていた場合、新生児の体に変化が現れます。新生児の様子をしっかり確認して、飲みすぎのサインを見逃さないようにしてください。
新生児がミルクを飲みすぎている場合は、1日のミルクの適量を守ることが大切です。もし新生児が泣くようなら、ミルク以外の方法でなだめてあげましょう。