赤ちゃんが便秘になったら?チェックするポイントや4つの対処法を解説

赤ちゃんの便秘を解消する方法をご存じでしょうか。
赤ちゃんの便秘をいち早く見つけるために、何をしたらよいかわからず、正しい便秘の解消法を知りたいと思っている人もいるでしょう。
この記事でわかること、
・赤ちゃんが便秘になりやすい時期
・便秘かもしれないと思ったときのチェックポイント
・赤ちゃんの便秘を解消するための対処法
・対処法を実践しても改善しない場合にすべきこと
赤ちゃんが便秘になった場合の正しい対処法を理解することで、いざというときにどのように対処すればよいかがわかります。そして、症状が長引くことを防げるでしょう。
赤ちゃんが便秘になったときの対処法について知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
記事のまとめ
- 赤ちゃんは新生児期や離乳食開始時期に便秘になりやすく、原因を理解して対処することが重要である。
- 便秘の症状は排便回数や便の硬さの変化、機嫌の悪さなどで判断し、日々の観察が大切だ。
- 生活リズムの調整やマッサージ、綿棒浣腸などを試し、改善しない場合は医師の診断を受けるべきである。
赤ちゃんが便秘になりやすい時期
赤ちゃんが便秘になりやすい時期は、新生児期と生後2~3か月頃、生後5~6か月頃です。
特に、新生児期の赤ちゃんは、1日の大部分を寝て過ごし、身体を動かすことも少ないため、便秘になりやすいでしょう。
また、母乳よりもミルクを飲む赤ちゃんの方が便秘になりやすいといわれています。その理由は、ミルクは母乳よりも乳糖が少なく、消化に時間がかかるためです。
次に注意が必要な時期は、生後2~3か月頃でしょう。この時期は、赤ちゃんの消化器官が発達し、便をお腹の中に溜められるようになるため、新生児期よりも排便の回数が減ります。
その結果、便がお腹の中に滞留し、出しにくい状態になるため、便秘になってしまう赤ちゃんが多くなるでしょう。
そして、生後5~6か月頃も、赤ちゃんの便秘に注意が必要な時期です。この時期に離乳食をはじめる赤ちゃんは多く、母乳以外のものをお腹に入れるようになります。
そのため、授乳だけのときよりも水分量が減り、便がかたくなることで、排便痛を感じる赤ちゃんが出てくる可能性があります。そして、その痛みのために便を我慢してしまい、便秘になる赤ちゃんもいるでしょう。
出典:【解説】赤ちゃんが便秘になったらどうする?|なりやすい時期がある?病院に行くかどうかの判断基準は?|医療法人社団エキクリ
便秘かもしれないと思ったときのチェックポイント
赤ちゃんは、まだ話すことができないため、便秘になっても自分で症状を伝えられません。従って、保護者が赤ちゃんの異変に迅速に気づき、対処していくことが大切です。
赤ちゃんの様子に以下のような異変が見られた場合は、便秘である可能性が高いため、注意してください。
・普段よりも排便回数が少ない
・便の量が少ない、かたい
・母乳やミルクを飲みたがらない、飲んでも吐いてしまう
・赤ちゃんの機嫌が悪い
赤ちゃんの排便回数には個人差があるため、「毎日うんちをしていればあんしん」というような目安を出すことは難しいでしょう。いつもと比べて、赤ちゃんの様子に変化が見られないか、日々チェックしていくことが大切です。
出典:【解説】赤ちゃんが便秘になったらどうする?|なりやすい時期がある?病院に行くかどうかの判断基準は?|医療法人社団エキクリ
赤ちゃんの便秘を解消するための4つの対処法

便秘を放置すると、赤ちゃんの腸にとどまった便の水分が減少します。その結果、赤ちゃんの便がさらにかたくなり、排便しにくくなるという悪循環に陥ってしまう可能性があるでしょう。
赤ちゃんに便秘の疑いがあるときは、まず家庭でできる対処法を実践し、できるだけ早く便を出してあげることが重要です。
ここからは、赤ちゃんの便秘を解消するためにできることを4つ紹介します。ぜひ、参考にしてください。
生活リズムを一定にする
赤ちゃんの排便リズムを安定させるためには、規則正しい生活を送ることが大切です。赤ちゃんの就寝・起床の時間や食事の時間を一定に保ち、自律神経の働きを整えてあげましょう。
自律神経には、自然に排便できるよう、腸の動きをコントロールする働きがあります。そのため、自律神経を整えることは、赤ちゃんの便秘を解消することにつながるといえるでしょう。
一方、不規則な生活を続けている赤ちゃんの場合、自律神経が乱れやすいため注意が必要です。便を押し出す腸の蠕動(ぜんどう)運動が十分に行われず、便秘になる可能性が高まるでしょう。
出典:自律神経と排便の関わりについて|東京都世田谷区【鶴町クリニック】
お腹をマッサージする
赤ちゃんに便秘の兆候が見られたときは、赤ちゃんのおへその周りを、ひらがなの「の」の字を書くようにマッサージしましょう。
赤ちゃんのお腹を軽く押さえてマッサージしてあげると、腸が刺激され、便が出やすくなります。入浴後やおむつ替えなどのタイミングで、マッサージしてください。
出典:便秘について(p.1:これは便秘なのかな?とおもったら!お家でできるホームケア)|みやがわクリニック
出典:赤ちゃんのお腹が張っている時の解消方法|鎌倉市大船の小児科 – すくすくまことくりにっく
綿棒で肛門を刺激する
排便を促すために、綿棒浣腸をするのもおすすめです。綿棒浣腸をする場合は、以下に挙げるものを準備しましょう。
・大人用の綿棒
・ベビーオイル
・新聞紙やおむつ替えシート
・おしりふき
・汚れものを入れるビニール袋
綿棒浣腸の手順は、以下のとおりです。
1.おむつ替えのときのように、赤ちゃんの両足をしっかり持つ
2.ベビーオイルで湿らせた綿棒の先端をまっすぐ肛門に挿入する
3.10~15秒ぐらい肛門を広げるように、ゆっくり側面をなぞっていく
4.一度、綿棒を引き抜き、便の付着や排便の有無を確認する
便の付着や排便が見られない場合は、綿棒を半分ぐらい挿入し、再度、上記の手順を繰り返してください。
綿棒浣腸におすすめのタイミングは、授乳や食事の約30分後です。ただし、1日に何度も繰り返すと、腸の粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。1日1回に留めておきましょう。
水分や食物繊維をたっぷりあげる
水分や食物繊維の不足も、赤ちゃんの便秘の原因になります。
ミルクや母乳、スープなどで水分を補い、食物繊維を豊富に含む食材を活用するなどの工夫で、赤ちゃんの便秘を解消してあげましょう。
食物繊維を多く含む野菜や海藻類、油脂類などを積極的に離乳食に取り入れるのがおすすめです。
出典:便秘のとき(p.1:離乳食の量や水分量を調整)|和歌山市
出典:小児科・内科 桑原医院
対処法を試しても改善しない場合は病院へ

家庭で便秘を解消することが難しい場合や、以下のような症状が見られる場合には、速やかに病院を受診しましょう。
・1週間以上の便秘を繰り返している
・便に血が混じる
・発熱し、ぐったりしている
・お腹の張りが強い
・嘔吐を繰り返している、または吐いたものが緑色
赤ちゃんは、消化器官が未熟で筋肉量も少ないため、便秘になりやすい傾向があります。赤ちゃんの便秘に気づいたら、できるだけ早く対処してあげましょう。
便秘を放置してしまうと、症状の慢性化や、腸の機能異常につながる恐れがあるため、注意が必要です。
出典:【解説】赤ちゃんが便秘になったらどうする?|なりやすい時期がある?病院に行くかどうかの判断基準は?|医療法人社団エキクリ
便秘薬や下剤が処方されることもある
生活習慣を改善し、浣腸などの方法を試しても、赤ちゃんの便秘が改善しない場合は、医師の指導の下、薬による治療が行われることもあるでしょう。
便秘の治療薬には、便をやわらかくする浸透圧性下剤と、腸を刺激して排便を促す刺激性下剤の2種類があります。
赤ちゃんの便秘の処方では、浸透圧性下剤で治療をはじめ、効果が見られなかった場合に、刺激性下剤に切り替えたり、加えたりします。
出典:こどもの便秘(p.12~13:薬による治療)|一般社団法人日本小児栄養消化器肝臓学会
出典:慢性便秘症:刺激性下剤の使用について|独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター
適切な方法で赤ちゃんの便秘を解消しよう

赤ちゃんは、消化器官が未熟で筋肉量も少ないため、便秘になりやすい傾向があります。
特に、新生児期と生後2~3か月頃、生後5~6か月頃の赤ちゃんには、便秘の症状が現れやすいため、排便時に不快な様子はないか、しっかりと観察することが大切です。
赤ちゃんに便秘の兆候が見られたときには、お腹のマッサージや綿棒浣腸など、家庭でできる便秘解消法を試してみてください。
そして、家庭での対処が難しい場合は、速やかに病院を受診することをおすすめします。赤ちゃんの便秘を長引かせずに済むよう、本記事を参考に、適切な解消法を把握しておきましょう。
出典:【解説】赤ちゃんが便秘になったらどうする?|なりやすい時期がある?病院に行くかどうかの判断基準は?|医療法人社団エキクリ