生まれたての赤ちゃんならではの条件反射とは?お世話のポイント7つも解説

生まれたての赤ちゃんならではの条件反射とは?お世話のポイント7つも解説

新生児期の赤ちゃん特有の条件反射には、どのようなものがあるかご存知でしょうか。

赤ちゃんのお世話の方法について調べるなかで、さまざまな種類の反射行動について見聞きするものの、その内容まではよくわからないという人もいるでしょう。

この記事でわかること

・新生児期の特徴と条件反射

・赤ちゃんを迎える前の準備

・赤ちゃんのお世話の重要ポイント

赤ちゃんの条件反射を理解すれば、赤ちゃんを迎えたあとの生活にもスムーズに適応することができます。そして、あんしんして赤ちゃんのお世話ができるようになるでしょう。

生まれたての赤ちゃんに対するお世話のポイントを知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

記事のまとめ

  • 新生児期の赤ちゃんは探索反射やモロー反射などの条件反射を示す。各反射の消失時期も異なる。
  • 赤ちゃんを迎える準備として、寝かせる場所や授乳環境、沐浴スペースの整備が重要である。
  • お世話の際は衛生管理や安全性に配慮し、適切なケアを通じて赤ちゃんの快適さを確保することが大切だ。
赤ちゃんが便秘になったら?チェックするポイントや4つの対処法を解説

赤ちゃんが便秘になったら?チェックするポイントや4つの対処法を解説

学齢・学年別子育てガイド 2025.01.15

生まれたての赤ちゃんを「新生児」と呼ぶのはいつまで?

赤ちゃんが「新生児」と呼ばれるのは、生まれた直後~生後27日までの間です。

この時期の赤ちゃんの平均的な体格は、体重約3,000g、身長約50cmといわれています。また、視力はぼんやりとものが見える程度で、約0.02~0.05とされています。

そのほか、赤ちゃんが手をぎゅっと握ってこぶしをつくり、足をがに股に広げた特徴的な姿勢をしているのも、新生児ならではの特徴です。

出典:3 子どもの生活の状況|厚生労働省

出典:五感の発達|亀岡市

赤ちゃんを迎える前に準備しておくこと

赤ちゃんを迎える日のために、住まいを「赤ちゃん仕様」に整えておくことは大切です。

ベビーベッドや育児用品を置く場所を決めておき、退院後すぐに、赤ちゃんとの生活をスタートできるようにしておきましょう。

また、生活スペースを清潔に保つことも、赤ちゃんに優しい環境づくりのための大切なポイントです。以下に紹介するポイントを参考に、赤ちゃんがあんしんして過ごすための準備を進めてみてください。

寝かせる場所

赤ちゃんを寝かせる場所選びでは、安全性と利便性のバランスが大切になります。

たとえば、昼間はリビングなどの目が届く場所に、夜間は寝室に赤ちゃんを寝かせるなど、素早く対応できる環境を整えてください。

また、赤ちゃんの周囲には危険なものを置かず、エアコンの風や直射日光が当たらない場所を選ぶなど、細やかな配慮も忘れないようにしましょう。

もし、上記の方法で赤ちゃんが寝つかない場合は、寝つかせる方法をより詳しく解説した以下の記事を参考に、原因や効果的な対策を探ってみてください。

授乳する場所

授乳する場所については、ママと赤ちゃんの快適さを第一に考えて準備することが大切です。

授乳をするためのソファやクッションを用意し、リラックスできる環境を整えておきましょう。特に授乳クッションは、ママの体への負担軽減と、赤ちゃんのあんしん感を高める効果が期待できるのでおすすめです。

また、哺乳瓶も忘れずに準備しておきましょう。母乳育児の場合でも、念のため1本は用意しておくと便利です。

ただし、生まれてからの状況に応じて、必要な本数や種類が変わることもあります。授乳方法や量については、赤ちゃんの個人差が大きいことを覚えておきましょう。

新生児に与えるミルクの適正な量について、もっと詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考にしてください。

おむつを替える場所

おむつ替えの場所は、赤ちゃんの安全と清潔さを確保しつつ、保護者の利便性も考慮して選びましょう。ベビーベッドの近くやカーペットを敷いた広めの場所など、複数の場所を設定しておくと便利です。

また、おむつや着替え、おしりふきなどの必需品をセットにしておくことでスムーズなケアが可能になります。バスタオルやおむつ替えシートを用意し、さまざまな場所で対応できるようにしておきましょう。

赤ちゃんのおむつ選びや1日の使用量、効率的な替え方などについて、より詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

沐浴する場所

赤ちゃんは体が小さいので、お風呂場以外での沐浴も可能です。

台所のシンクや洗面器にセットできるタイプのベビーバスもあるので、赤ちゃんを沐浴させる場所を事前に決めて、その場所に合うサイズのものを用意しておきましょう。

沐浴を行うときには、赤ちゃんが入るお湯の温度にも注意が必要です。赤ちゃん用の湯温計を使って、快適な温度にしておくことを忘れないようにしてください。また、裸の赤ちゃんが寒くならないよう、沐浴をする場所は暖かくしておきましょう。

なお、沐浴の方法や準備するアイテムについて、より具体的に知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

生まれたての赤ちゃんならではの7つの条件反射

生まれたての赤ちゃんには、体に何らかの刺激を受けたときに、無意識に反応する特徴があります。

この動作は「条件反射」と呼ばれるもので、生まれたばかりの赤ちゃんに見られる現象といわれています。

たとえば、赤ちゃんの手にふれたときに、握り返すような動作も条件反射の一つです。ほかにも、新生児期の赤ちゃん特有の動作があるので、詳しく見ていきましょう。

出典:3~4か月児健診●反射を診る|わだこどもクリニック

出典:赤ちゃんから子どもになりたての時期|大阪市

探索反射

探索反射は、赤ちゃんの顔や唇に何かがふれたときに、それを探そうとする動作です。

これは生まれたばかりの赤ちゃんが、母乳を探し出すための本能的な反応といわれており、唇にものがふれると、首を回す動作が見られます。

この反射は、生後すぐにはじまり、約5~7か月で徐々に消えていくのが一般的です。

出典:原始反射とは?|医療法人社団優智会かわせ歯科医院

出典:吸啜反射 (きゅうてつはんしゃ(きゅうせつはんしゃ))|公益財団法人 母子衛生研究会

把握反射

把握反射とは、赤ちゃんの手足に刺激を与えたときに、無意識にぎゅっと握る動作のことです。

この動作は赤ちゃんが本能的に危険や恐怖から回避するための動作といわれており、生後約4~6か月で、把握反射は消えていきます。

出典:乳児の心身の発達について|柊みみはなのどクリニック

出典:生後3~4か月頃までしかない特別な力|医療法人団 福寿会 梅田診療所

モロー反射

モロー反射とは、赤ちゃんが強い刺激を受けたときに見られる行動です。

たとえば、ベッドに寝かせた赤ちゃんの頭を持ち上げてからすぐ下ろしたときなどに、両腕を広げたり抱きしめたりするような仕草が見られるでしょう。

また、大きな音を聞いたときなどにも、この反応が見られるといわれています。モロー反射は、生まれてすぐから見られ、生後約5~6か月頃までに消失するのが一般的です。

出典:乳児の心身の発達について|柊みみはなのどクリニック

出典:Q. 生後3か月を過ぎても、原始歩行反射がなくなりません。 (2023.3)|公益財団法人 母子衛生研究会

ガラント反射

ガラント反射(ギャラン反射)は、赤ちゃんの背中をなでたときに、腰が反応する反射です。うつ伏せの姿勢で背骨の片側をなぞると、同じ側の腰が持ち上がったり、脊柱が屈曲したりする動作を見せます。

出典:【発達障害~原始反射の残存~自律神経への影響と整体について】|よこはま山手治療院

歩行反射

歩行反射(足踏み反射)は、赤ちゃんの足の裏が床などの平面にふれたときに、両足を交互に動かして歩き出すような仕草を見せる反射です。

赤ちゃんの脇の下を支え、体を少し前に傾けて足を床にふれさせると、まるで歩いているかのように下肢が交互に屈曲するでしょう。

この反射も、生後約2か月で自然に消失します。

出典:はえば立て4 歩く | 北見市小児科の秋山こどもクリニック

吸てつ反射

吸てつ反射とは、赤ちゃんの口に何かがふれたり入ったりしたときに、吸い付くような動きを見せる反射です。

この反射を起こした赤ちゃんは、前出の探索反射と同様の動作で乳首や指をとらえ、口のなかに入れて強く吸い付きます。

この反射も、哺乳反射の一つとして数えられており、生後5~7か月頃までに消失するでしょう。

出典:吸啜反射 (きゅうてつはんしゃ(きゅうせつはんしゃ))|公益財団法人 母子衛生研究会

非対称性緊張性頸反射

非対称性緊張性頸反射とは、仰向けに寝かせた赤ちゃんの頭を、横向けになるように動かしたときに見られる反射です。

赤ちゃんがこの反射を起こすと、両足を反社的に曲げ、両手を顔に持っていくという反応が見られます。一般的には、生後3~4か月でほぼ消失するでしょう。

出典:*3-4か月健診|西府すこやかこどもクリニック

生まれたての赤ちゃんをお世話する際の5つのポイント

生まれたての赤ちゃんをお世話するにあたって、日々のケアをどのようにしたらよいかわからず、不安や緊張を抱いている保護者も多いでしょう。

ここでは、赤ちゃんが快適に過ごせる環境を整えるためのポイントを紹介します。

免疫が弱い赤ちゃんとの接し方や、体温調節の方法など、新生児ならではの注意点にもふれているため、ぜひ、参考にしてください。

出典:新生児から1カ月までの赤ちゃんの話③|片村クリニック

赤ちゃんにふれる前は手を洗う

新生児期の赤ちゃんは、まだ免疫力が弱い状態です。

そのような赤ちゃんに、大人の手から病原体をうつしてしまうことがないよう、赤ちゃんのお世話をする前には手を洗う習慣を付けましょう。

風邪をひいている場合も、赤ちゃんとの直接的な接触は避けるようにしてください。

小さく繊細な赤ちゃんの健康を守るためにも、保護者は常に清潔にすることを心がけ、病気や感染症から赤ちゃんを守ってあげましょう。

出典:赤ちゃんを病気から守ろう!|たつの市健康課

出典:新生児から1カ月までの赤ちゃんの話③|片村クリニック

赤ちゃんの肌にふれるものは清潔に保つ

赤ちゃんの肌はデリケートなため、赤ちゃんが使う衣類や布団は、常に清潔に保つことが大切です。

赤ちゃんの布団や寝具が汚れていないか確認し、仰向けに寝かせてあげましょう。また、キッチンやトイレで使用するタオルは、紙タイプのものがおすすめですが、布タオルを使う場合は、頻繁に替えるようにしてください。

赤ちゃんがあんしんして過ごせるよう、身の回りのアイテムの衛生に気を配りましょう。

エアコンや衣類で環境を整える

生まれたばかりの赤ちゃんは、体温調節の機能が未熟なため、自力で暑さや寒さに適応することができません。室温や衣類を調節して、赤ちゃんが快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。

赤ちゃんにとって快適な室温の目安は、夏場が約25℃~28℃、冬場が約20℃で、湿度は約60%とされています。

ただし、上記の数字はあくまでも目安のため、体が汗ばんでいるなど、赤ちゃんが暑がっている様子が見られたときは、エアコンの温度を下げたり、寝具を薄手のものに替えたりして対応しましょう。

逆に、お腹・背中・太ももなどが冷たくなっているときは、赤ちゃんが寒さを感じている可能性があります。その場合は、温かい寝具や衣類で保温し、適切な体温を保てるよう工夫してください。

出典:赤ちゃんの体温と服装・環境について|すくすくまことくりにっく

沐浴は毎日行う

赤ちゃんは新陳代謝が活発なため、皮膚からの分泌物で肌に汚れが溜まりやすい傾向があります。

そのまま放置してしまうと、湿疹などの肌トラブルにつながりやすくなるため、沐浴で汚れを落とし、赤ちゃんの肌を清潔な状態にしてあげましょう。

また、沐浴は裸で行うため、赤ちゃんの全身を観察する機会にもなります。赤ちゃんの健康状態を把握するのにも役立つため、沐浴を毎日の習慣にしましょう。

出典:よくみられる赤ちゃんの症状へのアドバイス①乳児湿疹|名張市

出典:ドライテクニック|医療法人社団慈愛会 塩塚産婦人科

授乳は1日7〜8回以上

一般的に、赤ちゃんは成長の過程でさまざまなウイルスにさらされ、少しずつ免疫力や抵抗力をつけていきますが、このときに重要な役割を果たすのが母乳です。

その理由は、母乳には免疫物質や抗体が含まれているためです。特に、出産直後に分泌される初乳には、ウイルスや細菌から守る免疫成分が豊富に含まれているといわれているため、生まれたての赤ちゃんには、ぜひ、飲ませることをおすすめします。

毎日の授乳の目安は、1日7~8回以上ですが、赤ちゃんの成長を支えるため、必要に応じて頻繁に授乳しましょう。

出典:母乳が一番(免疫学的な面)|秋山こどもクリニック

出典:母乳が足りている 5 つのサイン(生後 6 週までの目安) |大船渡市

出典:産科・婦人科・小児科 白子クリニック » 初乳について|産科産婦人科小児科白子クリニック

準備を整えて赤ちゃんを迎えよう

生まれたての赤ちゃんが、あんしんして過ごせる環境を作ることは、保護者の重要な役割です。

赤ちゃんを迎える前に、必要なものを揃え、赤ちゃんがいる生活をスムーズにはじめられるようにしておきましょう。

本記事では、生まれたての赤ちゃん特有の動きや、お世話のポイントについて紹介しました。

ぜひ、本記事を参考に、授乳や沐浴の必要性を知り、赤ちゃんが健やかに成長できる環境を整えてあげましょう。

赤ちゃんの手足が冷たい理由とは?正しい対処法や病院を受診する目安を解説

赤ちゃんの手足が冷たい理由とは?正しい対処法や病院を受診する目安を解説

学齢・学年別子育てガイド 2025.01.15