1か月健診の内容を解説!受診場所や費用、持ちもの、おすすめの服装などをご紹介

赤ちゃんの1か月健診では、どのような検査が行われるかご存じでしょうか。
はじめてのことでどのように準備をすればよいかわからない、という方もいらっしゃるでしょう。
この記事でわかること
・1か月健診が行われる場所や、かかる費用
・行われる検査の内容
・必要な持ちもの
・健診が受けやすい赤ちゃんとママの服装
どのような検査が行われるかを知っておくことで、赤ちゃんに関する心配ごとについて健診時に質問したり確認したりすることができます。また、持ちものや服装をしっかり準備することで、スムーズに健診を受けられるでしょう。
赤ちゃんの1か月健診について知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
記事のまとめ
- 1か月健診は赤ちゃんの発育や健康状態を確認する重要な検査である。身体測定や栄養状態のチェックが行われる。
- 受診場所は、退院した医療機関や自治体の指定医療機関が一般的で、費用や助成金の有無を確認することが重要である。
- 1か月健診では、赤ちゃんの体調や育児に関する相談ができ、必要な持ち物や服装を準備することが大切である。
1か月健診とは
1か月健診は、生後1か月の赤ちゃんを対象として行う大切な健康診断です。赤ちゃんの発育の様子や健康状態を調べ、問題や異常がないかなどをチェックします。
赤ちゃんだけではなく、ママの体調や心配ごとなども医師が確認し、必要があればアドバイスをすることもあります。
1か月健診の受診時期と場所
赤ちゃんの1か月健診は、生後1か月頃を目安に受けます。退院の際に出産した医療機関から案内され、そこで受けることが一般的です。
ただし、里帰り出産をした場合は、出産した医療機関で1か月健診を受けられません。このような場合は、あらかじめ受けられる医療機関を見つけておく必要があります。
妊婦健診を受けている病院、かかりつけとして考えている小児科などのほか、居住する自治体へ問い合わせるとよいでしょう。
1か月健診の費用
1か月健診の費用は自治体や医療機関によって異なるので、事前の確認が必要です。また、赤ちゃんの1か月健診は受診の法的義務がないので、受診した際の費用は自己負担となることに注意しましょう。
自治体によっては赤ちゃんの1か月健診の費用が、助成の対象となっている場合があります。助成の有無や、必要な書類などもしっかり調べておくとよいでしょう。
出典:1ページ目(「母子保健法」の「【実施主体】【費用負担】」)|厚生労働省
出典:[概要]|吹田市
1か月健診の内容

赤ちゃんの1か月健診では、主に以下の内容に関する診察が行われます。
・身体の発育状況の確認
・栄養状態の確認
・病気や先天性の障がいの有無を確認
・子どもの健康や育児に関する相談
健診内容は医療機関によって違いがあり、入院中の検査結果の説明や、ビタミンK2シロップの投与などが行われることもあります。
具体的にどのようなことが行われるか、見ていきましょう。
出典:2 事業の概要の◆ 内 容の①1か月児健診|こども家庭庁
身体測定
身体測定は、赤ちゃんが順調に発育しているか確認するために行われます。計測されるのは、身長や体重、頭囲、胸囲などです。
厚生労働省が行った「平成22年乳幼児身体発育調査報告書」を参考に、生後30日の赤ちゃんの身長、体重の目安を見てみましょう。
・男の子の身長は「48.7~57.4cm」体重は「3.0~5.17kg」
・女の子の身長は「48.1~56.4cm」体重は「2.9~4.84kg」
ただし、身長や体重は個人差が大きいので、平均に達していることよりも、身長、体重に順調な伸びがあるかが大切です。
出典:表1 表2|厚生労働省
睡眠量のチェック
普段の様子や生活リズムを確認するために、赤ちゃんの睡眠について聞かれることがあります。
新生児の頃は3〜4時間ごとに目覚めながら一日に合計約16時間眠っていた赤ちゃんも、徐々に昼夜の区別がつきはじめます。赤ちゃんの睡眠について聞きたいことや心配なことがあれば、スムーズに伝えるためにも、普段の睡眠のリズムなどを書き留めておくとよいでしょう。
原始反射のチェック
原始反射のチェックは、身体に異常がないかを確認するために行われます。原始反射とは「刺激に対して無意識に反応する動作」のことをさし、正常であれば生まれつき備わっているものです。
原始反射のチェックは以下の4つの方法で行います。
・手のひらにふれられたときに手を握る「把握反射」があるか
・口に入ってきたものを強く吸う「吸啜(きゅうてつ)反射」があるか
・思わぬ刺激を受けたとき、両手を広げて抱きつくような動きをする「モロー反射」があるか
・頭を左右どちらかに向けると、同じ方向の手足を伸ばし、反対側の手足を曲げる「非対称性緊張性頸反射(ひたいしょうせいきんちょうせいけいはんしゃ)」があるか
出典: 原始反射 (げんしはんしゃ)|公益財団法人母子衛生研究会
出典:把握反射 (はあくはんしゃ)|公益財団法人母子衛生研究会
出典:吸啜反射 (きゅうてつはんしゃ(きゅうせつはんしゃ))|公益財団法人母子衛生研究会
出典:モロー反射 (もろーはんしゃ)|公益財団法人母子衛生研究会
出典:71 さまざまな反射と教材教具(非対称性緊張性頸反射)|埼玉県立越谷特別支援学校
授乳量のチェック
赤ちゃんの栄養状態を確認するために、授乳方法や飲み具合などをチェックします。母乳とミルクの割合や回数、量や授乳間隔などをママに確認するので、スムーズに答えられるようにしておくとよいでしょう。
新生児期の授乳間隔は個人差があるものですが、心配ごとがある場合は相談してみましょう。
出典:64ページ(「表6.1 主な健診時期における保健指導の際の確認事項」の「授乳・離乳、食事・食習慣」|厚生労働省
ビタミンK2シロップ投与
ビタミンK2シロップの投与は、赤ちゃんに起こりやすい「ビタミンK欠乏性出血症」を防ぐために行われます。
「出生直後、生後1週間(退院時)、1か月健診時の計3回」内服させる方法と「出生直後、生後1週間(退院時)、以後生後3か月まで1週間ごとに計13回」服用させる方法があり、日本小児科学会は後者の方法を推奨しています。
出典:ビタミンK2シロップ|医療法人社団九折会 成城木下病院
スクリーニング検査の結果報告
入院中に受けた検査があれば、その検査結果についての説明があるでしょう。
出生後間もなく受ける検査は主に二つあります。一つは、先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング)で、これは生まれつき特定の酵素に異常があって起きる病気の早期発見のために行われる検査です。
もう一つは、新生児聴覚検査(新生児聴覚スクリーニング)で、これは聴覚の障がいを早期に発見するために行われます。
出典:新生児マススクリーニングとは 先天性代謝異常等とは どんな病気なのでしょうか|公益財団法人東京都医学予防協会
出典:1 新生児聴覚スクリーニングを行うのはなぜですか?|一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会
医師による診察の実施
身体に異常がなく健康であるか、医師の診察を通して全身の状態をチェックします。
心雑音や湿疹などのほか、黄疸(おうだん)や股関節脱臼、鼠径(そけい)ヘルニアなど赤ちゃんに多い病気の症状がないか、音や光への反応はどうか、手足をよく動かしているか、などの観察を行います。
赤ちゃんの健康や育児の相談
健診では、赤ちゃんを育てるにあたって生じる、さまざまな悩みや不安について相談することができます。睡眠や授乳、夜泣きへの対応など不安なことがあれば、どんなことでも相談してみましょう。
相談したいことが決まっている場合は、聞きたいことを忘れないようメモに書き留めておくとあんしんです。
1か月健診に必要な持ちもの

1か月健診は必要な持ちものが多いので、しっかりと準備しておきましょう。助成の受け方は自治体によって異なるので、必要な書類がないか事前に確認するとあんしんです。
健診には「乳児幼医療証」の持参が必須で、自治体によっては「マル乳医療証」や「乳幼児医療医療証」など、名称が異なります。
また、1か月健診を公費負担としている自治体では「健康診査受診票」が必要な場合があります。名称は自治体によってさまざまですが、母子手帳に添付されていることなどがあるので、確認してみてください。
このとき、ママも産後健診を受けるという場合は、ママの健康保険証や健診の補助券、内診で出血した場合に備えてナプキンを持参しましょう。
・母子健康手帳
・医療機関の診察券
・赤ちゃんの健康保険証
・乳幼児医療証
・自治体から配布されている健康診査受診票など
・問診票(事前の案内などで渡されている場合)
・相談したいことのメモや筆記用具
・受診費用
・赤ちゃんのお世話に必要なもの(おむつセット、着替え、ガーゼ、おくるみ、授乳ケープ、哺乳瓶、ミルク、調乳用のお湯など)
・ママ用の飲み物
出典:助成方法|東京都福祉局
出典:必要な書類等|大田区役所
1か月健診に推奨の服装

1か月健診では、赤ちゃんの衣類を脱がせて健診を行うので、ママが着脱させやすい服を選ぶことがおすすめです。
ここでは、具体的にどのような服装がよいかを見ていきましょう。ママが産後健診を受ける場合の服装についても紹介するので、そちらも参考にしてください。
赤ちゃんの服装
赤ちゃんの服装は、着脱が簡単な前開きタイプの肌着やベビー服がおすすめです。医療機関の多くは空調が効いているので、極端な薄着や厚着をさせる必要はありません。
おくるみや大き目のバスタオルなどを1枚持参すると、体温調節や眠った赤ちゃんにかけることができて便利です。
ママの服装
赤ちゃんを連れて移動するので、動きやすい服装がおすすめです。赤ちゃんへの授乳のほか、状況によっては授乳の様子を診る場合があるので、トップスは前開きなどの授乳しやすいタイプを選びましょう。
産後健診も同時に受ける場合は、内診があるので着脱しやすいボトムスがおすすめです。
赤ちゃんの日常で気になる点は1か月健診で相談しよう

1か月健診は、赤ちゃんが健康で順調に育っているかを確認する大切な健診です。受診の法的義務はありませんが、赤ちゃんや子育てに関する心配ごとなども相談できるので、積極的に受診しましょう。
赤ちゃんとのはじめての本格的なお出かけが、この1か月健診という方もいらっしゃるでしょう。
赤ちゃんもママも落ち着いて健診を受けられるよう、本記事を参考に、準備を進めてみてください。