赤ちゃんの首が座る時期はいつ?注意点や練習する3つの方法を解説

赤ちゃんの首が座る時期をご存じでしょうか。
赤ちゃんの首が座らない場合、首の不安定な状況がいつまで続くか、疑問や不安を感じる方もいるでしょう。
この記事でわかること
・赤ちゃんの首が座った状態について
・赤ちゃんの首が座る目安
・赤ちゃんの首を鍛えるための方法
・赤ちゃんの首が座るまで避けるべきこと
これらを熟知することで、首が座る前の赤ちゃんに向けた適切なサポートが可能でしょう。
赤ちゃんの首がいつ座るかを知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
記事のまとめ
- 赤ちゃんの首座りの目安は、生後4〜5か月頃である。個人差があるため、発達が遅い場合もある。
- 赤ちゃんに首座りを促すための方法には、うつ伏せやたて抱きで遊ばせることが効果的である。
- 首が座る前に、後頭部を支えずに抱っこや赤ちゃん用椅子に座らせるのは避けるべきである。
首が座っているとはどのような状態?
自由に顔や頭を動かす様子が赤ちゃんに見られたら、首は座っています。しかし、赤ちゃんの首座りをチェックするために、どのようなことが判断基準となっているか、わからない方もいるでしょう。
ここからは、赤ちゃんの首が座ることを判断するための、具体的な方法を紹介していきます。
引き起こし反応がある
赤ちゃんの両手を引いて、体を起こしたときに見せる反応を「引き起こし反応」と呼びます。
仰向けの赤ちゃんを起こして、赤ちゃんの体が持ち上がるときに頭も一緒に上がってくれば、首が座っていると判断できます。しかし、赤ちゃんの体を起こしても、頭が前や後ろに倒れてしまう場合は、まだ首座りができていません。
この方法で確認する際は、赤ちゃんの体を無理に起こそうとはせず、赤ちゃんの手を保護者の両手で持ち、優しく起こしてあげましょう。
たて抱きでも首が安定している
たて抱きで赤ちゃんの首の座り具合を確認する場合は、赤ちゃんの支えとなるものが何もない状況で、頭がグラグラせずに安定しているかどうかを見ましょう。
もし首が座っていない赤ちゃんの場合、支えがなければ首が不安定になってしまうので、注意が必要です。たて抱きをするときは、必ず赤ちゃんの後頭部を保護者の手で支えてから行いましょう。
また、しっかり頭が安定しているように見えても、赤ちゃんが急に動くこともあります。たて抱きで確認する際は、赤ちゃんの様子に注意を払いましょう。
うつ伏せの状態でも頭を上げられる
赤ちゃんを腹ばいの姿勢にすることで、首が座っているかを確認できます。うつ伏せになった赤ちゃんが、自発的に頭を上げられていれば、首が座っているといえるでしょう。
しかし注意点として、赤ちゃんをうつ伏せにすると「SIDS(乳幼児突然死症候群)」や「窒息」のリスクがあります。
赤ちゃんをうつ伏せにさせて首の座りを確認する場合は、けっして目を離さず、数分で終えるようにしましょう。
出典:赤ちゃんの原因不明の突然死 「SIDS」の発症リスクを低くする3つのポイント|内閣府大臣官房政府広報室
赤ちゃんの首が座る時期を過程とともに解説

ここからは、赤ちゃんの成長過程とともに、首がどのように座っていくかを紹介します。
厚生労働省の、平成22年の「乳幼児身体発達調査」の結果によれば、生後4~5か月頃には、約90%の赤ちゃんの首が座っているとなっています。
しかし、赤ちゃんの発達には個人差があるので、大体の目安として覚えておくとよいでしょう。
生後2〜3か月
この時期の赤ちゃんに首座りの兆候はあっても、多くはまだできないといわれています。
生後2~3か月の赤ちゃんは、これまでダランとしていた体が、次第に自立できるようになるでしょう。また、手足をバタバタさせるなどの動きも活発になってきます。
この時期の赤ちゃんは、うつ伏せ寝の体勢にすると、頭を上げようとする動作も見られます。さらに、頭を上げたまま、左右に視線を動かすこともあるでしょう。最初は短時間しか持ち上げられなくても、少しずつ顔を上げていられる時間が増えていくとされています。
生後4か月
この時期になると、うつ伏せになりながら首を自分の意思で動かせる赤ちゃんが多くなっています。
赤ちゃんの首が座っていれば、何も支えがなく、たて抱きされても赤ちゃんの体は安定します。また、首が座っていない赤ちゃんでも、少しの間は頭をグラグラさせずにいられるようになっているでしょう。
ただし、まだ生後4か月の時期では、赤ちゃんの首座りが完全に終わったとはいいきれません。そのため、赤ちゃんをうつ伏せ状態にするときは、必ずそばで見守り、長時間そのままの体勢にしないよう気をつけてください。
出典:首のすわり|東大阪市
生後5か月
この時期になってくると、ほとんどの赤ちゃんが、頭や顔を自分の意思で動かせるようになります。うつ伏せになったときにあごを上げ、自由に周囲を見回す様子が見られれば、赤ちゃんの首が座っていると判断してよいでしょう。
生後5か月を過ぎても、赤ちゃんの首が座る様子が見られないときは、神経疾患や筋肉疾患などの疾患が疑われる可能性があります。
ただし、赤ちゃんの発達には個人差があるので、発達がゆっくりめな赤ちゃんであったり、頭が大きいことが理由で遅れたりしている場合もあるでしょう。
赤ちゃんの首座りを促す練習法3つ

ここからは、赤ちゃんに首座りを促すための方法を紹介します。
ここで紹介している方法は、いずれも、赤ちゃんにとって楽しいものや、体にあまり負担をかけない練習法になっています。簡単に行える方法もあるので、赤ちゃんの様子をいつも確認しながら、無理なく進めてみてください。
うつ伏せで遊ばせる
赤ちゃんの機嫌がよいときを見計らって、うつ伏せの体勢にし、頭の位置を保つための練習をさせましょう。
練習をはじめてすぐは、赤ちゃんを長くうつ伏せにすることはせず、短時間で切り上げてください。練習時間は、少しずつ伸ばしていきましょう。
赤ちゃんをうつ伏せにするこの練習は、顔を床にぶつけたり窒息したりするリスクがあるので、いつでも保護者がそばにいる状態で行ってください。
たて抱きする
赤ちゃんをたて抱きにすることで、自由に赤ちゃんが頭や首を動かせるようにしてあげましょう。
保護者の胸元で、赤ちゃんの後頭部を支えるようにたて抱きをしてあげることがポイントです。このようにすることで、赤ちゃんの視界が広がり、赤ちゃんの気分転換にもなるでしょう。
練習をするときは、赤ちゃんの頭をしっかり支えて不安定にならないようにし、短時間で切り上げましょう。
興味をひくおもちゃで遊ばせる
赤ちゃんの前でおもちゃを動かして遊んであげることも、首座りを促すために効果的です。
赤ちゃんは、興味のあるおもちゃにつられて視線や顔を向けるので、首座りのよい練習になるでしょう。
この練習方法は、赤ちゃんをうつ伏せやたて抱きにしたままでも行えるので、おすすめです。ただし、赤ちゃんが窒息や不安定な状態にならないよう十分に注意して行ってください。
赤ちゃんの首が座る前にやってはいけないこと3つ

首が座っていない赤ちゃんに対しては、接し方に注意が必要です。もし間違った対応をしてしまえば、赤ちゃんに怪我をさせるリスクがあるでしょう。
たとえば、首が座っていない赤ちゃんのおんぶは危険です。この時期の赤ちゃんは首の関節が弱く、首を脱臼する可能性があります。
首が座る前の赤ちゃんに対する接し方が心配な方は、以下の内容を参考にしてみてください。
後頭部を支えないまま抱っこする
赤ちゃんを抱っこするときに、後頭部を支えることが重要です。頭を支えないまま抱っこすると、赤ちゃんの頭がグラついてしまい、赤ちゃんはリラックスできません。
また、たて抱きされたときに適切に支えてもらえなければ、赤ちゃんは姿勢を保つために身体を緊張させ、体に負担がかかります。このような状態が長時間続くと、赤ちゃんの背筋や、首の筋肉が緊張状態となり、赤ちゃんがつらくなってしまうでしょう。
出典:パパに教えたい子どもの心と体の知識(初めての赤ちゃんとの接し方)|札幌市子ども未来局
大きく揺さぶる
赤ちゃんにとって、大きく強い揺さぶりは「揺さぶられっこ症候群」になるリスクがあるのでやめましょう。
大きく揺さぶられることで、赤ちゃんの脳と頭蓋骨の間の血管が切れ、脳出血を引き起こす可能性があります。
赤ちゃんをあやすつもりでも、乱雑なたかいたかい、長い時間の揺さぶりもリスクがあり、そのほかに赤ちゃんの背中を強く叩くことも危険です。
赤ちゃん用の椅子に座らせる
赤ちゃん用の椅子は、首の座っていない赤ちゃんにとっては望ましくないので、使用しないようにしましょう。
首座りが終わっていないうちから、赤ちゃん用の椅子に座らせてしまうと、自力で座る力が育たず、自身の力で首や頭を自由に動かすことも難しくなります。
また、赤ちゃん用の椅子の脚を置く部分に仕切りがある場合、赤ちゃんのお腹が窮屈になり、苦しさを感じさせてしまう可能性もあります。
出典:バンボチェアは使い方に注意が必要|医療法人社団ワッフル
プロセスを楽しみながら赤ちゃんの首座りを待とう

赤ちゃんが顔や頭を自在に動かせるようになるのは、多くが生後4~5か月頃といわれています。首が座っていない時期の赤ちゃんの頭を、不安定に動かすことは避けましょう。
また、赤ちゃんの首座りを促すための練習を適切に行うことで、よい効果が期待できますが、赤ちゃんの体に負担をかけないよう、無理なく進めることが大切です。
赤ちゃんが自然なペースで首座りができるよう、保護者は焦らず見守ってあげてください。