うつ伏せ練習のやり方と効果、はじめるタイミングや取り入れるコツを解説

うつ伏せ練習のやり方と効果、はじめるタイミングや取り入れるコツを解説

うつ伏せ練習やうつ伏せ練習という言葉をご存じでしょうか。

 赤ちゃんにうつ伏せの練習をさせた方がよいと耳にしたことはあっても、具体的な方法がわからないという方もいるでしょう。

この記事でわかること

・うつ伏せ練習のメリット

・1日に行ううつ伏せ練習の回数と時間

・赤ちゃんがうつ伏せ練習を嫌がった場合の対処方法

うつ伏せ練習について理解することで、安全に楽しみながらうつ伏せ練習ができるようになるでしょう。

うつ伏せ練習について知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

記事のまとめ

  • うつ伏せ練習は赤ちゃんの視界を広げ、興味関心を刺激する効果がある。
  • うつ伏せ練習により、脊柱起立筋や腕、足の筋力が鍛えられる。
  • 赤ちゃんが嫌がる場合、おもちゃや家族の協力で楽しく練習を進めることができる。
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学齢・学年別子育てガイド 2025.01.17

赤ちゃんのうつ伏せ練習とは

うつ伏せ練習とは、起きている赤ちゃんをうつ伏せの姿勢のまま過ごさせることです。うつ伏せ練習は、うつ伏せ遊びや腹ばい練習とも呼ばれ、英語でお腹を表すタミーという単語を使いタミータイムとも呼ばれています。

うつ伏せ練習を起きているときに行う理由は、寝返りのできない赤ちゃんの呼吸を妨げないようにするためです。必ず赤ちゃんの安全を確保し、目を離さないよう注意して行ってください。

うつ伏せ練習の3つのメリット

うつ伏せ練習には一般的に3つのメリットがあるといわれています。赤ちゃんの視界が広がること、うつ伏せによる筋肉の成長を促すこと、頭部のゆがみを防ぐことです。

ここからは、うつ伏せ練習がもたらすこれらのメリットについて、詳しく紹介していきます。

新たな視界が広がる

寝返りができない赤ちゃんは、仰向けに寝ている時間が必然的に長くなります。このため、うつ伏せ練習を行うことにより、赤ちゃんの視野が大きく変化するきっかけとなるでしょう。

普段、天井や保護者などの顔だけを見ていた視界が180度変わることで、赤ちゃんの興味関心を刺激させる効果が期待できます。

筋力が強くなる

うつ伏せ練習をすることで、姿勢を保つために欠かせない、脊柱起立筋を鍛えることができます。脊柱起立筋は背中にある筋肉で、うつ伏せから上半身を起こす際によく使われます。

また、うつ伏せ練習では腕を伸ばしたり、おしりを上げたりする動作もあるので、腕や足の筋力アップも期待できるでしょう。

出典:赤ちゃんの”うつぶせ遊び”は姿勢を保持する筋肉を活性化します!|エセンティアクリニック

赤ちゃんの頭部のゆがみ防止

赤ちゃんの頭にゆがみが生じる原因は、頭の骨が柔らかい時期に、長時間同じ姿勢で寝ているためといわれています。赤ちゃんの頭のゆがみには斜頭症というという呼び名があり、年々増加している症状です。うつ伏せ練習は、斜頭症の防止に有効な手段といわれています。

軽度の斜頭症であれば、髪の毛で隠すことができ、また成長とともに治ることもあります。しかし、重度の症状を抱えてしまう可能性もあるので、斜頭症の防止策に、うつ伏せ練習を取入れるとよいでしょう。

出典:赤ちゃんの頭の形について|井上こどもクリニック

うつ伏せ練習をはじめるタイミング

うつ伏せ練習は、生後2か月頃からはじめるのがおすすめです。赤ちゃんの1か月健診検診で、うつ伏せ練習に対する不安や疑問を医師、もしくは助産師に聞いた上で試すとよいでしょう。

まずは赤ちゃんの機嫌がよいときに、10秒くらいからはじめてみてください。慣れてきたら時間を長くするなど、赤ちゃんの様子を見ながらうつ伏せ練習をすることが大切です。

うつ伏せ練習のやり方

首のすわらない生後0か月と生後6か月では、うつ伏せ練習のやり方が異なります。

赤ちゃんの機嫌がよいときに、成長に合わせたうつ伏せ練習が必要です。以下では、赤ちゃんのうつ伏せ練習のやり方について、月例別に紹介していきます。

生後0~3か月の赤ちゃんのうつ伏せ練習

生後0~3か月の赤ちゃんは、自分で寝返りができないので、呼吸を確保した状態で、うつ伏せにしてあげましょう。

赤ちゃんは生後2か月を過ぎると、うつ伏せのまま首を上げられるようになります。生後3か月頃には上半身を起こすこともできるようになるので、赤ちゃんの成長を感じられるでしょう。

出典:2.赤ちゃんの成長 |松戸市

生後4~6か月の赤ちゃんのうつ伏せ練習

両親が赤ちゃんと同じように寝転がって、うつ伏せ練習をしてみてください。うつ伏せ練習を一緒にすることで、赤ちゃんは楽しみながらうつ伏せ練習ができるでしょう。

生後3~4か月の間に赤ちゃんは首がきちんとすわり、生後5~6か月で寝返りができるようになります。自分の足をつかんで遊びはじめたら、寝返りできる日が近い兆候です。

寝返りができるようになると、赤ちゃんが自由に寝転がるようになります。この時期の赤ちゃんは、うつ伏せの姿勢から腕を使って胸を高くしたり、頭を持ち上げるようになります。

寝返りができるようになり上半身がしっかりしてくれば、間もなくおすわりができるようになるでしょう。

出典:2.赤ちゃんの成長 |松戸市

うつ伏せ練習を行う場所は?

柔らかい布団やラグの上でのうつ伏せ練習は、窒息の危険があるので注意してください。硬めのマット、大人の胸や膝の上、清潔な床や畳に、バスタオルなどを敷いて行いましょう。

バスタオルなどを敷いてうつ伏せ練習を行う場合は、赤ちゃんが動いて滑らないよう、しっかり固定してから行ってください。

ソファーやベッドなどの高い場所では、赤ちゃんが落下する可能性があるので、練習場所としてはあまりおすすめできません。さらに、ベッドにおいてある枕や授乳クッションは、赤ちゃんの呼吸を妨げてしまう恐れがあるので、事前に片づけておきましょう。

1日にうつ伏せ練習は何回やる?

うつ伏せ練習は月齢に合わせた時間と回数で行うようにし、初回は短い時間からスタートしてください。生後0か月~6か月の回数と目安は、以下になります。

・生後0~3か月:1回10~30秒、1日2~3回程度行う

・生後4~6か月:1回3~5分、1日2~3回程度行う

お風呂上りや昼寝のあとなど、赤ちゃんの機嫌のよいときに少しずつはじめて、慣れてきたら時間を延長していきましょう。

うつ伏せ練習を上手に取入れるコツ

赤ちゃんのお昼寝のあとなど、毎日のちょっとした時間にうつ伏せ練習を取入れることで、習慣化できます。また、うつ伏せ練習は、赤ちゃんとの遊びの時間としても活用できます。

ここから、うつ伏せ練習でおもちゃを使ったり、スキンシップを取り入れたりする方法などを紹介します。

おもちゃを使う

うつ伏せ練習中に、赤ちゃんの手が届きそうな場所へおもちゃを置いてみましょう。赤ちゃんが簡単につかめる場所ではなく、手を伸ばすことで届きそうな位置に置くことがポイントです。

赤ちゃんに「おもちゃを取って」と声かけをするなど、赤ちゃんがおもちゃに興味が出るようにしましょう。赤ちゃんが気に入っているおもちゃを使うのもおすすめです。

複数のおもちゃを使う

複数のおもちゃを使うことで、赤ちゃんの興味を引き出すこともおすすめです。同じ場所に複数ではなく、視界が広がる位置に置くとよいでしょう。

また、赤ちゃんがおもちゃに向かって動く際、応援の声かけをすると、赤ちゃんの動く意欲が引き出せるので効果的です。うつ伏せで動くことで、寝返りだけでなくズリバイ(ハイハイを習得する前に見られる動作)などもできるようになるでしょう。

出典:生後4か月から10か月に向けて|彦根市

両親の胸でうつ伏せにする

両親のどちらかが寝転がり、赤ちゃんを両親の胸の上でうつ伏せにさせることも、効果的な方法です。

このときに両親側が完全な仰向けで水平になってしまうと、腕力などの筋力が未熟な赤ちゃんにとっては、うつ伏せの難易度が高くなるので、角度をつけた姿勢で行いましょう。

兄弟姉妹にも参加してもらう

兄弟姉妹に協力を得て、赤ちゃんと一緒に遊んでもらうのもおすすめです。一緒に遊ぶことで、兄弟姉妹の絆や愛情が深まっていくでしょう。

また、兄弟姉妹と両親が一緒にうつ伏せ練習をすれば、家族間でコミュニケーションの時間を取ることができ、家族全員で楽しい時間が過ごせるでしょう。

うつ伏せ練習を嫌がるときの対処法

うつ伏せ練習を嫌がったときは、普段とは異なる方法でうつ伏せ練習をしてみてください。たとえば、目立つ色のおもちゃを使ったり祖父母など、両親以外にもお手伝いをしてもらうとよいでしょう。

また、両親が積極的にうつ伏せ練習に参加することで、赤ちゃんの機嫌はよくなり、練習がスムーズに進むでしょう。

目立つ色のおもちゃを使う

普段うつ伏せ練習で使っているおもちゃよりも、目立つ色のおもちゃを使ってみましょう。コントラストがはっきりしたおもちゃも、おすすめです。

赤ちゃんが手の届きそうな位置に、目立つ色のおもちゃを置きましょう。目立つ色のおもちゃを使うことで、視覚的な興味を赤ちゃんから引き出すことができるでしょう。

両親も積極的に参加する

赤ちゃんのお世話を主に行っているのがママであれば、パパが参加することで赤ちゃんの興味を引くことができるでしょう。パパが主にお世話をしている場合は、ママが頑張って参加してみてください。

うつ伏せ練習を行っているときに、赤ちゃんの目線の先に両親が見えるだけで赤ちゃんはうれしくなり、近づきたくなるでしょう。赤ちゃんが喜んで動いてくれるよう、声かけをするのも効果的です。

ほかの人にも参加してもらう

赤ちゃんがお気に入りのおもちゃを使っても、両親がいくら頑張っても、うつ伏せ練習が毎日スムーズにいくとは限らないでしょう。そんなときは、祖父母やパパやママの友人など、ほかの人に参加してもらうのも手です。

うつ伏せ練習のやり方は、いつものやり方と同じです。硬いマットや床の上など赤ちゃんの安全が確保できる場所で、赤ちゃんの呼吸をさえぎらない姿勢でうつ伏せにします。

両親ではなく、ほかの人が参加している新鮮さで、赤ちゃんの意欲が高まる可能性があります。

うつ伏せ練習を日常的に取り入れて成長を促そう

ここまで、赤ちゃんのうつ伏せ練習がもたらす効果や練習を開始するタイミングなどを紹介しました。

日々練習することで、赤ちゃんが首を上げるようになったり、上半身を上げるようになったりなど、赤ちゃんの成長を感じることができるでしょう。筋肉や視野の発達だけでなく、赤ちゃんの興味関心といった情緒を育める可能性もあります。

また、兄弟姉妹と一緒にうつ伏せ練習を行うことで、赤ちゃんを含めた家族の時間を有意義に過ごすことができます。特に、両親や兄弟姉妹とのふれあいは、不安定になりやすい赤ちゃんの情緒の安定にも、よい影響を与えるでしょう。

赤ちゃんのうつ伏せ練習を家族で楽しみながら、毎日の習慣にしてみてください。

出典:赤ちゃんの”うつぶせ遊び”は姿勢を保持する筋肉を活性化します!|エセンティアクリニック

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