【非認知能力】鍛える遊び13選|ポイントや高める必要性を解説
近年注目されている「非認知能力」とはどんな能力か、ご存じでしょうか。この記事では非認知能力の紹介や必要性、子どもが遊びながら非認知能力を鍛える方法などについて紹介しています。子どもの非認知能力を鍛えたいと考えている方は、ぜひご覧ください。
「非認知能力ってどういう能力なの?」
「非認知能力は必要?」
「非認知能力はどうやって鍛えるの?」
このように、非認知能力について疑問や不安がある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、非認知能力についてやどのように鍛えられるのか紹介します。この記事を読むことで非認知能力とはどういうものか、どうやって鍛えればいいのかわかるでしょう。非認知能力を高める必要性も紹介しているため、なぜ必要なのか把握できるでしょう。
子どもの非認知能力を鍛える遊びや、その遊びをする時のポイントについても紹介しています。
非認知能力に興味のある方、非認知能力の鍛え方を知りたい方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
非認知能力とは?
「非認知能力(ひにんちのうりょく)」とは、物事への好奇心や向上心、コミュニケーション能力といった、数値で表すことのできない能力のことです。
非認知能力という言葉は、アメリカの経済学者、ジェームズ・ヘックマン教授によって提唱されました。そしてこのジェームズ・ヘックマン教授らの研究で、社会的リターンをもたらす要素はIQテストの評価対象以外にある、という研究結果がでています。
この研究結果を受けて、非認知能力が重要視されるようになりました。
認知能力と非認知能力の違い
「認知能力」はテストの点数やIQの数値といった、目で見てわかる能力のことをさします。非認知能力と認知能力の違いは、数値で表せるか、表せないかです。
たとえば言語能力は、テストの点数でどの程度の能力があるのか測れます。しかし非認知能力にあたる向上心や好奇心は、どれだけの能力があるのか数値で表せず、測ることが難しいという特徴があります。
非認知能力の種類
非認知能力には、好奇心や向上心、協調性や忍耐力、自信などの種類があります。
あるものに対して興味をもったり、こうなりたいと頑張ったりする力は非認知能力です。目標を達成するために頑張る力や、自己肯定感をもつこと、コミュニケーション能力も非認知能力にあたります。
子どもの非認知能力は遊びを通じて鍛えられる
子どもの非認知能力は勉強して鍛えるのではなく、さまざまな遊びをすることで鍛えられていくものです。
たとえば、親子での体感遊びでは、子どものやり遂げる力や自分が必要とされている自己有用感、積極性といった非認知能力を鍛えられるでしょう。子ども同士のペア活動やボディペイントなどの遊びでは、やり遂げる力に加えて、協調性や自制心を身に付けることができます。
親子や他の子どもたちとの遊びの中で、多くの非認知能力が鍛えられるでしょう。
非認知能力を高める必要性
非認知能力は近年、必要性を増している能力です。
必要性が増している背景には、社会やニーズの変化が激しい現在に対応できるよう、子どもたちに向上心や忍耐力、コミュニケーション能力といった非認知能力が求められるようになったためでしょう。
幼児期が終わる頃までには、さまざまな経験を通じて感じたり、気づいたりできるようになることが求められます。自分で考えたり、試したりする思考力や判断力、表現力の基礎なども求められるでしょう。
適応力を養うことができる
子どもは自分自身で、やりたいように遊びや生活をします。
生活や遊ぶ時に必要な習慣や態度を身に付けることで、その場で思った通りに動くのではなく、この後どうなるのか予測して動いたり、見通しを立てて行動したりできるようになります。
また目的に沿って、時間や場所を有効に使えるようになるでしょう。
友情や協力関係を築きやすくなる
非認知能力を鍛える遊びでは、他の子どもと一緒に遊ばせることも大切です。他の子どもと遊ばせて、協調性やコミュニケーション能力といった非認知能力を鍛えることで、将来、友情や協力関係を築けるようになります。
友だちと遊びながら、子どもは楽しかったり嬉しかったり、時には悔しいという感情を体験しながら仲良くなっていきます。友だちとの関わりの中で、お互いの考えを共有することや、よさを認めて協力し合うことを覚えるでしょう。
学習の意欲を高めてくれる
子どもが主体的に遊ぶなかで、最後までやり遂げる経験を積んでいきます。
この経験から、子どもは自ら取組もうとする意欲や、最後までやり遂げる意欲を高めていきます。
何かをやり遂げることで、子どもは自分自身に自信をもてるようになるでしょう。自立心が養われ、将来の学習や生活に積極的に取組めるようになるでしょう。
遊びの中で、時には失敗することもあります。どうすれば失敗しないのか自分で考えたり、工夫したりするようになるでしょう。
子どもの非認知能力を鍛える遊び
子どもの非認知能力を鍛える遊びには、さまざまなものがあります。それぞれの遊びによって鍛えられる非認知能力は違ってくるため、子どもの興味を大切にしつつ、どの遊びをするのか選んでみましょう。
絵本の読み聞かせ
「絵本の読み聞かせ」は、絵本の世界を自分で考える想像力や登場キャラクターへの共感力、倫理観といった非認知能力を鍛える遊びです。
大人が子どものそばで読み聞かせることで、子どもは絵本の内容に没頭しやすくなります。ゆっくり落ち着いて読ませてあげることも大切です。
「comotto」の知育アプリ、「dキッズ」の利用もおすすめです。デジタルに親しみつつ、多くの能力を鍛えられるでしょう。
「dキッズ」は、子どものデジタル時間が"学べる・遊べる・夢中になれる"時間になるように設計された知育アプリです。豊富なジャンルで、実績のあるコンテンツを、人気キャラクターと楽しく学べます。
詳細や利用条件等は下記リンク先よりご確認ください。
出典:dキッズ|ドコモ
読書
国立青少年教育振興機構の「子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究」によると、読書の習慣のある子どもの方が、そうではない子どもより非認知能力が高い傾向にあります。
読書を通じて、自己肯定感を育成し、物事を客観的・多面的・論理的に考える力が養われるでしょう。ただし読書で非認知能力を鍛える際は、読みたい本を読みたいだけ、制限をかけずに読む習慣をもつことが大切です。
料理やお菓子作り
料理やお菓子作りでは、どういう風に作ると効率的なのか考えたり新しいことに挑戦したりすることで、リーダーシップややり遂げる力といった能力を鍛えられます。
料理で非認知能力を鍛える場合は、誰かと一緒に料理やお菓子作りすることで、想像力やアレンジ力、協調性や社会性などを養うことができます。
また、料理からは完成(ゴール)を目ざしてより効率よく作るためにはどうすればいいのか、といったことも学べるため、プログラミング的思考も養えるでしょう。
工作
身近にあるものなどを使って工作することで、創造力や想像力を養うことができるでしょう。
工作時に大切なことは、子どもが集中している時に邪魔をしないことです。子どもは一度集中できれば、同じ作業をしばらく続けることができます。
工作の特徴は、自宅でも簡単に取組めることです。子どもが工作をしたがったら、危険がない限り、好きなようにやらせてあげるといいでしょう。
お絵描き
子どもはお絵描きをすることで、自分が考えていることを表現する力や、思った通りに表現するために工夫する力などが養われるでしょう。
親が何もいわなくても、子どもはペンやクレヨン、色鉛筆などを使って絵を描きはじめることがあるでしょう。
ペンやクレヨンなどをもつことで、手や腕で支える力やコントロールする力も身に付きます。子どもが自由にお絵描きを楽しめるように、紙やノートなどを用意してあげるといいでしょう。
ボール遊び
ボール遊びといってもキャッチボールしたり、蹴ったり遊ぶ方法はさまざまです。ボール遊びでは、どのように遊ぶのかを考えるために想像力を養えるでしょう。親や他の子どもと遊ぶことで、コミュニケーション能力、協調性も養えます。
またボール遊びは、外でするのがおすすめな非認知能力を鍛える遊びでもあります。太陽の下で遊ぶことで、子どもの体力作りにも役立つでしょう。
水遊び
水を使った水遊びでは、自然に触れることで、子どもの五感や好奇心を刺激できるでしょう。水でどのように遊ぶのか考えたり、工夫したりするため、想像力が養えます。水たまりで遊ぶことも、水遊びに含まれます。
水遊びというと外での遊びのようですが、自宅のお風呂で遊ぶことも可能です。お風呂に入る時に遊べば、子どもがお風呂を楽しく感じられ、親とのやりとりでコミュニケーション能力を鍛えられるでしょう。
ごっこ遊び
ごっこ遊びは、現実や空想のお店やキャラクターになりきって遊ぶ遊びです。子どもがごっこ遊びをすることで、お店でどのようなことをしているのか、キャラクターの行動やしぐさなどを想像する想像力が身に付くでしょう。
ごっこ遊びは友だちと一緒にすることが多いため、コミュニケーション能力や協調性を養うこともできます。
おもちゃ遊び
おもちゃ遊びでは、ブロックや積み木、パズルといった子どもが形を変えて遊べるおもちゃがおすすめです。形の変わるおもちゃで遊べば、子どもの想像力や観察力、工夫する力などの非認知能力を鍛える遊びになります。
おもちゃで遊ばせる際は、子どもが興味をもったおもちゃで、夢中になって遊べる環境作りが大切です。遊んでほしいおもちゃをいくつか用意して、子どもが好きなおもちゃを選べるようにするといいでしょう。
また、子どもの専用スペースで遊ばせることもおすすめです。1人で夢中になって遊ぶことで、集中力も養えるでしょう。
共通点探しゲーム
共通点探しゲームは、「お題」を出して、子どもにお題と共通点のあるものを答えてもらうゲームです。共通点探しゲームはものを大きなくくりで考えるため、抽象的思考を鍛える遊びになるでしょう。
はじめは、共通点を探しやすいものから挑戦することがおすすめです。たとえば「果物」というお題にすれば、子どもにも馴染みがあるため、共通点のあるものがすぐ見つかるでしょう。慣れてきたらだんだん難しくなっていきます。
公園遊び
公園遊びでは公園にある遊具で遊んだり、公園に来た友だちと一緒に遊んだりすることになるでしょう。友だちと遊んだり人と出会ったりすることで、社会スキルやコミュニケーション能力といった非認知能力を鍛えられます。
また、公園にはさまざまな遊具も用意されています。遊具で遊ぶことも、非認知能力を鍛える遊びになるでしょう。たとえば「鉄棒」で遊べば、ぶら下がったり逆上がりに挑戦することで、子どもの体力や努力する力を養えます。
音楽とリズム
音楽を楽しむことで、子どものリズム感や音楽的な能力を育めるでしょう。
非認知能力を鍛えるためにおすすめの曲は、リズミカルな曲やクラシックなどがあります。リズミカルな曲からはリズム感や集中力を養え、クラシックは集中力を高めてくれるでしょう。
子どもが好むジャンルの音楽を使うこともおすすめです。好きな音楽は、より子どもに興味をもたせてくれるでしょう。
自然との触れ合い
外に出て自然と触れ合うことで、子どもの興味や探求心、環境への意識を養えるでしょう。
自然は日々移り変わるものです。その変化は子どもたちに驚きや興味、感動を抱かせるでしょう。さまざまな感情を体験することで、子どもの感情のコントロールにも役立ちます。
自然の中にある葉っぱや花で遊ぶと、子どもの想像力も養えます。外に出て、自然の中にあるものと触れ合わせるようにしましょう。
子どもの非認知能力を鍛える遊びをする時のポイント
子どもの非認知能力は、さまざまな遊びで鍛えることができます。ただし、遊ばせればそれでいいというものでもありません。
非認知能力を鍛えられる遊びをする際のポイントが存在しています。たとえば、安全に遊べる場所の確保や子どもの興味を引き出すことなどが挙げられます。
よりしっかりと子どもの非認知能力を鍛える遊びにするには、どうすればいいのか紹介するため、こちらを参考に遊んでみましょう。
・他人と交流する機会を作る
・安全に遊べる環境も整える
・子どもの興味を引き出してあげる
・成功をしたら褒めてあげる
・衝動的な行動を抑える訓練をする
・子どもに選択させる
・保護者は子どもにお手本を示す
他人と交流する機会を作る
子どもが、他人と接する機会をもつことが大切です。非認知能力を鍛える遊びをする際、子どもの友だちや知らない子どもと遊ぶ機会があれば、できるだけ一緒に遊んで交流できるようにしましょう。
子どもが新しい友だちと知り合ったり、仲のよい友だちと一緒に遊んだりすることは、子どものコミュニケーション能力を養うことにつながります。他人と交流することで、子どもは自分の感情をどう表現したらいいのか、どのように他人と接すればいいのか学ぶでしょう。
安全に遊べる環境も整える
子どもが夢中になって遊んでも問題ないように、非認知能力を鍛える遊びをする際は、安全に遊ぶための環境作りをしておきましょう。
子どもはどんな予測不可能な行動をとるかわかりません。危ないものはできるだけ取り除き、見守ってあげましょう。
ここでならあんしんして遊ばせられるという、キッズテントなどを使った子ども専用のスペースを作ってもいいでしょう。子どものスペースを作ることで、子どもは自分のペースで、熱中して遊べるようになります。
子どもの興味を引き出してあげる
子どもが楽しく遊べるように、子どもが興味をもつ遊びを提供しましょう。
おもちゃなどは大人が押しつけるのではなく、子どもが興味をもって自分から遊べるものを提供してあげることが大切です。子どもは好きなおもちゃや興味のある遊びをすることで、楽しみながら非認知能力を鍛えることができます。
子どもが興味をもちやすいもの、子どもの好奇心を刺激するおもちゃや遊びを用意してあげましょう。
成功をしたら褒めてあげる
子どもが遊んでいてしっかりできたら、褒めてあげることを心がけましょう。褒めることで、子どもの自己肯定感を高められます。
自己肯定感は、あるがままの自分をすべて受け入れる感覚のことです。自己肯定感も非認知能力の1つであり、子どもの行動の基礎となるため、重要とされています。
子どもの自己肯定感を低くしないために、子どもに否定的な言動はなるべくかけないように気をつける必要があります。注意する際も「してはダメ」というのではなく、「こちらの方がいいんじゃないかな」と伝えるようにしましょう。
衝動的な行動を抑える訓練をする
子どもは衝動的に動くことがあります。子どもが自分の感情を認識し、感情のまま行動しないように、自己規制の訓練を行いましょう。
具体的には、子どもが怒ったり不安になって泣きそうになったりした時に、いったん深呼吸して落ち着くことを教えます。自分自身を律することも非認知能力であるため、きちんと訓練しておきましょう。
子どもに選択させる
どんな遊びをするのか、どう遊ぶのか、子どもが選択する機会を作りましょう。
親が「これで遊びなさい」と決めるのではなく、子どもに選ばせることが大切です。子どもはどちらがいいのか自ら考えるため、自分で考える力を養えます。
日常生活の中でも、簡単なことでいいので、子どもが選択する機会を作ってあげると効果的です。
保護者は子どもにお手本を示す
子どもは親(保護者)の真似をするものです。子どもの非認知能力を鍛えるには、親が子どもに自己規制や他人とのコミュニケーション、協力する姿といったお手本を見せることが大切でしょう。
親の姿を見て、子どもは怒りをどのように表現すればいいのか、どう抑えればいいのか学びます。人とのつきあい方も親の姿から学べるでしょう。
子どもの非認知能力を鍛えるためにも、まずは親自身の非認知能力を高めることを意識して行動してみてください。
子どもの非認知能力を鍛える遊びについて知っておこう
非認知能力は、子どもが遊びながら鍛えることができる能力です。子どもは楽しく遊びながら、想像力や好奇心、探求心やコミュニケーション能力などの非認知能力を身に付けるでしょう。
ただ、遊ばせる際に気をつけたいポイントもあります。この記事では実際に非認知能力を鍛える遊びや、遊ばせる際のポイントについて紹介しています。ぜひ参考にして、子どもの非認知能力を育てていきましょう。