【金融教育】義務化された理由とは?日本の現状や学習内容を解説
日本の金融教育の現状や学習内容をご存知でしょうか。本記事では、義務化された金融教育の内容や子どもの成長段階に合った学習方法をご紹介します。金融教育をはじめる時期や成長段階に合わせてどう教育すればよいかを知りたい方は、ぜひこの記事をチェックしてください。
「金融教育が義務化された理由は?」
「金融教育をはじめるべき時期はある?」
「子どもでもわかりやすい金融教育をする方法は?」
このように、子どもへの金融教育について疑問や悩みがあるのではないでしょうか。
本記事では、義務化された金融教育の内容や、金融教育をはじめる時期について紹介しています。また、小学生でも学びやすい金融教育についても解説します。
この記事を読むことで、日本の金融教育の現状や学習内容を知ることができるでしょう。そして、成長段階に合わせてどのような金融教育がよいのかも知っておくと、これからの子育てに役立ちます。
子どもの金融教育について悩んでいる、義務化された金融教育の内容が気になる方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
金融教育とは
金融教育は、よりよい暮らしや社会活動を行うためにお金や経済について伝えていくことです。
限りあるお金の中をどのようにして資産形成をしていくか、お金はどのようにして稼いで貯めて使っていくのかなどが含まれます。子どものうちから金融教育をすることで、現実社会の中で生きていく足場作りに役立ちます。
日本の金融教育の現状
金融リテラシー調査の結果、学校や勤務先などで生活設計や家計管理についての金融教育を受けてきたと認識している人は2022年で7.1%と、低水準で推移していることがわかりました。
このように実際に金融教育を受けてきた大人が少ない中で、学校での金融教育を求める声は71.8%と高くなっています。金融に関する知識の不足を感じ、その補完として学校教育に期待を寄せているということでしょう。
これらの結果は、金融教育の必要性が高まっていることを示しており、学校や社会全体での取組みが求められています。
金融教育が義務化された理由・意義
2022年4月から成人年齢が引き下げられたことを背景に、高校での金融教育が必修化されました。金融トラブルを避けるためにも、金融教育を子どものうちから行うことは大切です。
ここからは、金融教育義務化の理由や意義を詳しく解説していきますので、参考にしてください。
成人年齢の引き下げ
2022年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられました。成人年齢の引き下げにより、金融トラブルが発生する年齢が低くなっています。
18歳で成人するとクレジットカードが作れるようになり、ローンを組めるようになります。未成年の間の金融トラブルは「未成年者取消権」で取り消すことができました。しかし、成人に達した18歳以上の場合は金融トラブルがあっても「未成年者取消権」は行使できません。
金融トラブルを避けるためにも、金融教育は必要なのです。
社会環境の変化
資産形成というと預貯金を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし社会環境の変化もあり、低金利が続いています。預貯金だけでは資産を増やすことが難しくなりました。
雇用形態も多様化し、正社員として働く人だけでなく、さまざまな雇用形態で働き続ける人も多いことや、仮に正社員で長年務めたとしても、退職金の額が減少傾向になっているなどの変化もあります。
このように資産形成に関して、金融や経済の知識や判断力が求められる場面が増えていることからも、金融教育が求められているのです。
海外と比較した金融教育の遅れ
海外では「金融知識に自信がある人」という項目へ7割以上の人は自信があると回答しているのに対して、日本では1割ほどの人しか自信があると回答していません。
日本は金融知識の正答率が低いこと、また金融教育を学校などで受けた人の割合も低いことから、海外と比較して金融教育の遅れが指摘されています。
金融教育をはじめるべき時期
金融教育をはじめる時期は、未就学児のような小さな子どもでも、お金に興味を持ったタイミングではじめるのがベストです。
例えば、「買物するにはお金が必要となんとなく理解している」などのタイミングでお金について話してみるのもよいでしょう。
また、お小遣いをはじめる、お手伝いのお礼としてお金の教育を結びつけるのもおすすめです。「comotto」ではご家庭で金融教育に取り組んでいただく際に役立つアプリを提供しています。
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買物の支払いに興味を持ったとき
子どもがレジでお金を払いたがる、自販機や券売機などの機械にお金を入れたがるなどの傾向が現れたら金融教育のチャンスが来たと言えるでしょう。
まずはお金の大切さについて、家庭で話してみるのがおすすめです。お金を「かせぐ・ためる・つかう」体験ができる「comottoウォレット」などを活用してみましょう。
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ごっこ遊びをしはじめたとき
お店で買物をするには、お金を支払う必要があります。そのため、子どもたちはごっこ遊びの中でも、お金のやりとりのシーンを再現して遊ぶようになるでしょう。
その支払うためのお金はどこから来るのか、日本と海外ではお金に違いがあるのかなど、お金に関する興味を持つきっかけになるのがごっこ遊びです。
ごっこ遊びをするようになったら、お金に関する体験ができる無料イベントなどに参加して学びを深めるのもおすすめです。
学校で学ぶ金融教育の内容
金融教育は主に4つに分類して行います。勤労と金融に関する教育から、金融トラブルを防止するための教育まで、社会に出てから役立つ知識を得られるでしょう。
ここからは、実際に学校でどのような金融教育を行っているのかについて紹介します。
キャリア教育
キャリア教育の主な内容は、子どもが社会に出てから困らないよう勤労や金融などの関係を学ぶことです。社会に出てから生計を立てるための手段や、職業選択する際に経済や現在の情勢を踏まえることなどを盛り込んでいます。
個人にあったキャリア育成をしていくためにはどうすればよいのか、自立した生活を送るために必要な金融情報などを学ぶことが大切です。
消費生活や金融トラブル防止の対処法
生きていく上で欠かせない消費生活について学ぶことや、金融トラブルを防止するための対処法も学校教育に取り入れられています。
消費者としての生き方や、多重債務などの金融トラブルについて学ぶことで、将来のリスクを減らすことにつながるでしょう。
金融や経済の仕組みの理解
お金の動きや、経済政策や現在の経済の動きなど、資産形成するのに役立つ経済の仕組みについて学びを深められる内容も学校教育に取り入れられています。
現在の経済政策や経済状況を読めるようになることで、将来の職業選択や資産形成に役立つ知識を得られます。
生活設計や家計管理の方法
生活設計や家計管理の方法を学ぶことで、貯蓄の意味や意義、めざす生活をするためにはどのようなお金の使い方や貯め方があるのかなどを考えるきっかけになります。
また、事故や災害にあったときにどのような資産管理が役立つかなど、生きていく上で必要な知識が学べます。
成長段階による金融教育の内容
金融教育は子どもの成長に合わせて段階を踏んで行っています。学校の教科として「金融」があるのではなく、お金や経済についての学びを他の教科の中で取扱っているのです。
ここからは、成長段階に合わせてどのような教育が行われているのかを解説します。
小学校低学年の場合
小学校低学年の場合は、お金の大切さやお小遣いの管理などを中心に学んでいきます。限られた金額の中でほしいものを買うことや、目標金額までお金を貯めて使うことなどを経験することは将来の家計管理に直結します。
遊びながら学べる工夫を取り入れると、低学年でも楽しく金融教育を受け入れられるでしょう。「comotto」には「comottoウォレット」のサービスがあります。
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小学校中学年の場合
小学校中学年になると、消費と浪費の違いや、銀行に預貯金する意味などを学んでいきます。ほしいものばかり買って、必要なものを買うお金がないなどのトラブルを防ぐことにも役立つでしょう。
中学年になると、留守番の機会が増えることもあり、家庭内で子ども1人でも学びを深められる環境を整えておくのがおすすめです。
小学校高学年の場合
小学校高学年になると、円高や円安など海外とのお金の動きを学んでいくことが理想です。社会生活を送る中でのお金の位置づけなどをリアルに感じられるよう、アプリや動画、体験学習などを通して家庭で学んでいくとよいでしょう。
中学生の場合
中学生になると、消費活動についてより深く学んでいきます。
現金払いのみではなく、キャッシュレスのクレジットカードなどについて学び、ローンについての仕組みなども理解できるようになるでしょう。円高や円安といった為替についても学んでいきます。
高校生の場合
金融教育も終わりに近づく高校生になると、景気の変動や金融政策の意味などについて学びます。
ローンの他にも、貸与型奨学金の仕組みや労働と給与など、よりこれからの生活に直結する情報を得ることもできます。社会の一員として経済活動できるよう、学びを深める時期です。
金融教育の今後の動き
金融教育はお金の大切さを学ぶところからスタートし、ゆくゆくは投資や年金などを学んでいきます。今後は金融教育がより広く学校教育に組み込まれ、若い世代が将来の個人的なファイナンスや投資に関する知識を身に付けられるようになるでしょう。
将来的には、より多くの若い世代が財政的なリテラシーを身に付け、持続可能な金融判断ができるようになることが期待されます。
金融教育の課題
教科として「金融」があるわけではないため、地域や学校によって金融教育には差が生じることが考えられます。そのため、学校任せにするのではなく、保護者も金融教育についての知識を学ぶことが大切です。
それぞれの課題について、知っておきましょう。
大人も金融知識を身に付けておく必要がある
子どもだけではなく大人が金融知識を身に付けておくことも大切です。金融教育をすべて学校任せにするのではなく、家庭の中でも自然に金融を学べるよう環境を整えるのがよいでしょう。
ライフプランの立て方や、保険などの将来への備えも金融知識のひとつです。これから先の人生で子どもが困らないよう、家庭の中で伝えていくのがおすすめです。
教育現場により内容に差が生じる可能性も
学校で金融の教育が盛り込まれていますが、実際に「金融」という教科はありません。教科として統一された「金融」がないということは、教育現場によって内容に差が生じる可能性があるということです。
例えば、教師の金融知識のレベルや、校外学習の内容などで学べる内容に違いが出ることが考えられます。
金融教育の現状や教育内容について知っておこう
金融教育は子どもの成長段階に合わせて行っていくのがよいでしょう。特に小学生の場合は、難しい経済用語よりもお金の大切さを伝えることからスタートすることがポイントです。
インターネットやアプリなど、金融教育を身近に取り入れやすいものを活用して学習すると、子どもでも理解しやすくなるでしょう。