【実践方法あり】幼児教育のメリット5つとデメリット2つをご紹介！早期教育との違いについても解説

文部科学省では、小学校入学前までの子どもを「幼児」と規定しています。そのため、未就学児が生活している環境で行われる教育は、すべて「幼児教育」と呼ばれます。

ここでは、幼い子どもに教育を施すことには、どのような意義があるのか見ていきましょう。

なお、幼児教育と似た言葉に「早期教育」というものがありますが、両者の内容は異なっているため注意が必要です。

早期教育における「教育」は、学習やスポーツのことを意味しています。そのため、主に特定分野の能力を上げることが目的といえるでしょう。一方の幼児教育は、幼児の成長や育成をより重視している点で異なります。

出典：第2節　幼児教育の意義および役割｜文部科学省

• ・集中・記憶力を高められる

• ・知的好奇心を高められる

• ・自己肯定感を育てられる

• ・園内でのトラブルになるリスクを減らせる

• ・基礎体力を向上することができる

幼児教育が行われる頃の子どもは、脳の発達が著しいのが特徴です。この時期に何かに集中したり、夢中になったりする経験で子どもの集中力や記憶力が高められます。

集中力や記憶力は、子どもが成長し勉強やスポーツなどをする際にも必要になってくる能力です。

幼児教育を通して、子どもが夢中になり、集中して取り組める遊びや環境を整えておけば、小学校入学後の学習やスポーツの場で、それらの経験が活かせるでしょう。

出典：子どもの脳の発達｜寺崎クリニック

幼児期の子どもは、周囲にあるものに興味を示します。幼児にさまざまな経験をさせると、幼児の持つ知的好奇心を高められるでしょう。

たとえば、絵本を用意して紙面を触りながら文字を読んだり、ブロック遊びなどを実際に体験したりするのも一つの方法です。

知的好奇心は、子どもがあらゆるものに興味、関心を持つことに影響します。知的好奇心を育てることで、子どもの学習意欲を向上させられるでしょう。

幼児教育をするなかで、子どもはやり遂げた、成し遂げたといった成功体験や学ぶことの楽しさを感じ、自己肯定感を育てていきます。

自己肯定感とは、自分への自信です。自己肯定感のある子どもは、あらゆることに自信を持って取組むようになります。

何かトラブルや壁にあたってしまったときも、すぐに諦めるのではなく、粘り強く努力し続けられるでしょう。

自己肯定感を育てるためには、子どもを褒めることや、意見をきちんと聞いて否定しないこと、無理強いをしないことが大切です。

子どもがたくさん集まる幼稚園や小学校では、トラブルが起こることもあります。

幼児教育を通して、集団生活にはルールがあることを理解させましょう。協調性を養っておけば、将来的なトラブルのリスクを減らせます。

幼児教育を行わない場合、幼児が普段接する人が家族だけになりがちです。

しかし、幼児教育を行えば、家族以外とも接する機会ができます。家族以外との交流で、他者との付き合い方や社会性を育てていきましょう。

幼児教育では学習だけでなく、体を動かす遊びや運動も行います。幼児のうちからしっかり運動することや体を動かす遊びをすることで、子どもの持つ基礎体力を向上させられるでしょう。

現代の子どもの体力は低下傾向にあり、運動ができる子どもとできない子どもに二極化しているといわれています。

これを避けるためには、幼児教育で外遊びする機会を作ることが大切です。母親や父親と体を使った遊びをすることで、健康で元気な子どもを育めるでしょう。

出典：子どもの体力向上のための総合的な方策について（答申）｜文部科学省

ここまで、幼児教育を行うメリットについて紹介してきました。しかし、幼児教育にはよい面だけではなく、デメリットも存在します。

幼児教育を取り入れる際には、デメリットもしっかりと把握した上で、より効果的な方法にチャレンジしてみましょう。

• ・子どもに余計なプレッシャーを与えてしまう

• ・幼児教室の教育費用が追加でかかってしまう

幼児教育を行う際には、「子どもにこうなってほしい」という期待を抱いてしまいがちです。

しかし、そういった親の期待が大きすぎると、子どもに余計なプレッシャーや負担を与えてしまう可能性があります。子どもには、過剰な期待をかけないように気を付けましょう。

たとえば他の子どもと比較したり、子どもが嫌がっている幼児教育を無理に続けさせたりしないよう気を付けてください。

子どもが楽しんで学べるように、親が見守ることが大切です。

幼児教育をするにあたって、幼児教室に通わせるための費用が掛かることはデメリットでしょう。

幼児教育に必要な費用や、子どもの小学校入学後に掛かる教育費用などを計算して、あらかじめ準備していれば問題はありません。

しかし、特にそのような準備をしていなかった場合、幼児教室での教育費用が家計に負担を与えてしまう可能性があります。

子どもの教育費用について、長期的な計画を立てておくことが大切です。

幼児教育のねらいは、「子どもが社会で生きる力を育てること」と「子どもの人間性や人格形成を担うこと」の2つです。

近年は共働き世帯が増え、幼児が両親と一緒にいる時間はごくわずかという家庭も珍しくありません。それに伴い、地域社会とのかかわりも希薄になっているのが現状です。

これらを解消するために注目されているのが、幼児教育です。幼児教育を通じて家族や地域社会とかかわることで、子どもには社会で生きていく力が付いてきます。

その過程で生活習慣を学び、道徳性を身に付けられれば、子どもの将来の人格形成にも役立つでしょう。

小学校に入学する前の子どもにとって、身の回りにあるものや、家族と一緒に体験することすべてが学びです。

子どもの脳は、外からの刺激を受けて日々成長していきます。そのような中で、どんな教育をしてあげればよいか、悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。

幼児教育には、基本となる「幼児教育の5育」があります。

幼児教育を考えるときは、「徳育」「食育」「知育」「体育」「さい育」という5つの分野に分けるのがおすすめです。これらの詳細については次項で解説しますが、いずれも子どもの知能、体力を育てるために必要な教育ばかりです。

幼児期は人間形成の土台が築かれる時期でもあるため、この時期に施す教育は、大人になってからの生活にも影響します。

小学校に上がった後に、安定した情緒を持って、さまざまな分野で活躍できる子どもになるためにも、幼児教育は必要といえるでしょう。

「徳育」とは、子どもが他者をおもんばかる心、道徳心を養うために行う教育のことです。文部科学省でも充実を図っている、特に重要度が高い教育とされています。

徳育では、主に以下のようなものが養われるため、子どもの人格形成にも影響を与えるといえるでしょう。

• ・他者に対する思いやりや共感する気持ち

• ・父母や祖父母を敬って家族を愛する気持ち

• ・ルールを順守する気持ち

• ・コミュニケーション能力

幼児教育での徳育は、家庭での役割が大きいとされています。家族の触れ合いで、お互いを大切にすることを教えてあげましょう。

また、善悪の判断や命の大切さなどについても話し合い、子どもの道徳心を養ってください。

出典：4．子どもの徳育の充実に向けて｜文部科学省

幼児教育における「食育」には、食事を通じて幼児の健康な体を育むと同時に、食べものについての知識を身に付けさせるという目的があります。

人の味覚は、3歳頃までの記憶が一生影響を与えるといわれています。そのため、離乳のタイミングから食育を開始することが効果的でしょう。

食育では、子どもが楽しく食べられることが大切です。無理に食べさせようとするのではなく、嫌いなものでも美味しく食べられるように工夫してみましょう。

「知育」とは、子どもの知的能力を高めるための教育のことです。幼児教育で知育を行う場合は、子どもにさまざまな刺激を与えて学習させることが大切でしょう。

たとえばさまざまな知育玩具を触らせたり、教材や知育アプリ、ゲームなどを使ったりする方法があります。知育を行うことで、子どもに自分から学ぶ意欲が身に付くでしょう。

知育を行う際には、子どもが楽しんで取り組めること、親も参加すること、急がず子どものやりたいスピードで進めることを大切にしてください。

「体育」は、体を動かす遊びや運動を通して、子どもの運動神経を発達させ、健康な体づくりを促進することを目的として行います。

具体的にどのような幼児教育を行うのかは、子どもの年齢で変わります。0歳のうちはハイハイ、1歳ではつかまり立ち、2歳になると追いかけっこなどをするとよいでしょう。

3歳以降は滑り台やブランコで遊んだり、マットやボール、ダンスをしたりといった全身を使う運動を行っていきます。

子どもにとって安全かつ、楽しく行うことがポイントでしょう。

「さい育」とは、子どもが持つ才能や個性を伸ばすことを目的とした教育です。子どもは全員が同じではなく、1人1人違う個性・才能を持っています。

幼児教育のさい育では、子どもにさまざまな体験をさせて、得意なことを見つけていきます。このときに大切なことは、親の期待を押し付けないことでしょう。

子どもの個性や才能が発揮できる分野を見つけ、伸ばしてあげることが大切です。さい育を通じて、自己肯定感を育てられるでしょう。

幼児教育は、ただ教育すればいいというものではありません。幼児教育の効果を発揮し、子どもを健康にしっかりと人格形成させて育むためには、いくつか守るべきポイントがあります。

以下に紹介する4つの項目を、幼児教育を行う際の参考にしてみてください。

幼児教育では、子どもが「遊びながら学べる」ように環境を整えることが重要です。

具体的には、子どもが安全に遊べるようにする、体を動かせるようにしておく、創造性や発達を促す環境づくりをしておくなどです。

いずれの場合も、子どもが楽しく遊べることと、その遊びのなかで教育していくことを心掛けてください。「遊びは子どもが自発的に行うもの」ということを念頭におきましょう。

その上で、他者とのかかわりを通じてコミュニケーション能力を身に付けられるような環境も整えておくとよいでしょう。

幼児教育の中で、子どもが危険なことをしそうになったり、してはいけないことをしたりする場面があるでしょう。子どもに注意するときは、気をつけるべきポイントがあります。

子どもの話をしっかりと聞き、否定ではなく、肯定で注意しましょう。たとえば、「おもちゃを片付けないとダメ」ではなく、「おもちゃを片付けてからにしようね」などにいい換えてみてください。

このとき、親が気持ちを落ち着かせて、冷静に注意することも大切なポイントです。

幼児教育をするなかで、親は子どもに期待してしまいますが、「すぐに結果が出て当然」のように考えるのはやめましょう。

親が幼児教育の結果にガッカリしたり怒ったりするのは、子どもへのプレッシャーになります。幼児教育で自己肯定感を育てていたはずが、逆の結果を招いてしまう可能性があるでしょう。

幼児教育はすぐに結果が出るものではないため、長期的な視野で子どもの成長を見守ることが大切です。

幼児教育で子どもにとってやりたくないこと、嫌いなことをやらせてもよい結果にはつながらないでしょう。

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現在は共働き世帯が全体の半数を超えており、親が家庭で過ごす時間も減ってしまっています。しかし、子どもの教育において、家庭がすべてのはじまりです。家庭でしっかり教育することが、子どもの健やかな育成につながるでしょう。

自宅でも、子どもに簡単に音楽と触れ合わせる方法はあります。たとえば子ども用の小さなピアノやカスタネット、鉄琴やタンバリンなどを用意するだけでも、子どもが音楽に触れる機会になります。

親が一緒に歌ったり、楽器を演奏したりしましょう。もし歌に自信がない場合は、好きな音楽やクラシックのCDを流すこともおすすめです。自宅の幼児教育の段階では、子どもが楽しく音楽で遊べるようにすることが大切でしょう。

家事のお手伝いをさせることで、子どもは家庭の中で自分が役立つことを知ります。家族の一員であるという自覚を持ち、子どもの自己肯定感を向上させられるでしょう。

たとえばお洗濯を手伝わせた場合は、子どもは洗濯物がそれぞれ異なった色をしていることや、さまざまな形をしていることを学べます。

洗濯物に触ることで五感への刺激になりますし、仕分け方を教えれば知育に効果があるでしょう。

ただし、無理に毎日する必要はありません。親が楽しそうにしていると子どもも興味を持つため、やりたい素振りを見せたら一緒にやるようにしましょう。

放っておいても、子どもはジャンプしたり走ったりなどの軽い運動をすることがあります。しかし、より手や指を使った運動の方が、運動能力に影響を与えると言われています。

そこでおすすめなのが、ボール遊びのような手や指を使う運動です。より活発に体を使う運動の方が効果が高いと考えられているため、十分に運動できるスペースを用意してあげましょう。

自宅が難しければ、自然のなかで遊ばせることを検討してみてください。木登りや泥遊びなど、室内ではできない遊びが五感に刺激を与えます。

積み木での遊びは手を使うため、上手く手を使えるようになるでしょう。手を使う作業が得意になったり、集中して遊ぶことで集中力を身に付けたりできます。

また、積み木はさまざまな形のものを組み合わせることから、空間を認識する能力や発想力、想像力の向上にも役立つでしょう。

空間認識能力や集中力は、スポーツや算数などの学問にも生かせます。大人になってからも役立つ能力のため、幼いうちから養っておくことをおすすめします。

親の子どもへの話し方も、幼児教育の対象になります。親がゆっくりと、短い言葉ではっきり話すことで、子どもの語彙力の向上に効果があるといわれています。

ゆっくり話すようにするのは、子どもが親が何を話しているのかをすべて聞き取れるようにするためです。短い言葉ではっきり話すのは、聞き取りやすくするためと、長い話をして子どもを疲れさせないためでしょう。

親の言葉を理解できるように、ゆっくりはっきり、短く話してみてください。

英語教育は、子どもの「英語耳」や「英語脳」を育てるといわれています。幼い頃から英語に触れていれば、将来、英語に親しみやすくなるでしょう。

自宅で英語教育するのであれば、英語の歌を一緒に歌ったり、絵本を読み聞かせたりするのがおすすめです。子どもが興味を持ちやすい方法で行いましょう。

もし親が英語に不慣れな場合は、不完全な英語を覚えさせないためにも、無理に英語で話す必要はありません。

子どもに絵本を読ませて文字や数字の読み方を教えたり、書き方を教えたりすることもしていきましょう。

読み書きを教える際に大切なのは、親が一緒にすることでしょう。子どもに読み書きを教えながら、自分も本を読んだり何かを書いたりするようにしてみてください。

家族と一緒にすることで、子どもは愛情を感じてくれます。短い時間でも、子どもと一緒に勉強する時間をつくってあげましょう。

パズルのピースには、さまざまな形があります。パズル遊びでは、どんな形があるのか学ぶ観察力や、パズルをはめたとき、完成したときを想像する力が育つでしょう。どんなピースがあるのか覚えるための記憶力や、パズルに対する集中力なども育めます。

ただし、パズルは子どもの成長に合わせて選ぶ必要があります。簡単なものではすぐに飽きてしまう可能性があるでしょう。

2歳頃までは単純な形をした大きなピースのパズルを選びましょう。年齢が上がっていくと、ひらがなや数字が書かれたパズル、ボードゲーム型のパズルなどで遊べるようになります。

生活習慣は、子どもが健やかな成長をするために必要なものです。食事や睡眠、身の回りを清潔に保つことや着替え、排せつなどの基本的な生活習慣は、親が教えておきましょう。

子どもに生活習慣を身に付けさせる際には、まず親がやって見せてあげることが大切です。子どもは親の真似をするため、一緒にやって1人でできないことをサポートしてあげましょう。

親がきちんと子どものお手本になること、怒るのではなく楽しませるように子どもに提案し、どうしてする必要があるのか、ていねいに説明するようにしてみてください。

幼児教育は自宅だけでなく、教室や習い事を利用することも可能です。

教室や習い事を利用する場合、家族以外の人とかかわる機会がある、家庭でできないことに挑戦して子どもの視野を広げられる、などがメリットになります。

子どもの幼児教育を自宅だけで行うのが難しい場合や、家族としか接していないことが不安な場合には、教室や習い事の利用を検討してみましょう。

幼児教育として通う音楽教室では、歌を歌ったり、ピアノなどの楽器を弾いたりすることが多いでしょう。

子どもを音楽教室に通わせることで歌や楽器に触れる機会ができる、集中力や忍耐力が身に付く、音楽が子どもの趣味になるといったメリットがあります。

また、音楽教室について親子で話しあう機会が増えれば、楽しさも倍増するでしょう。

ただし、音楽教室に通う場合は、楽器の購入費用や月謝が掛かることには注意が必要です。

幼児期にしっかり運動することは、子どもの体力向上に大きな影響があると考えられています。

幼児教室の運動教室では、リトミックや跳び箱、トランポリンや鉄棒などを使った運動を教えてもらえるでしょう。

*リトミックとは、音楽を使用して体を動かすことをさします。

幼児教室の運動教室は、年齢に合わせて選ぶことが大切です。0歳から通える運動教室や、年少向けの教室などもあるため、成長に合わせて、子どもが興味をもてる教室選びをしましょう。

幼児教育として英会話教室を選ぶことには、早くから英語の学習がはじめられる、英語耳や英語脳を育てられるというメリットがあります。

英会話教室に通うと、子どものうちから自然に英語に親しめます。英語のリスニングや、スピーキング力が上がるでしょう。

子どもが英語に苦手意識を持たず、英語を身に付けやすくなることもメリットです。

幼児教育には、子どもの持つ集中力や記憶力、知的好奇心や社会性を高められる、自己肯定感が向上するなどのメリットがあります。

本記事で紹介した、自宅で実践できるさまざまな幼児教育や、おすすめの教室・習い事を参考に、幼児教育を通じて子どもの持つ能力を高めてあげましょう。