【文部科学省推奨】子どもの自己肯定感を高める方法やコツ、気を付けることを解説
子どもの自己肯定感を高める方法に興味があるという人はいませんか。この記事では、文部科学省が推奨する子どもの自己肯定感を高める方法やコツ、注意点を解説しています。子どもの自己肯定感が気になるという保護者の方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
「子どもの自己肯定感を高めたいけどどうすればいい?」
「家でもできる子どもの自己肯定感を高める方法を教えてほしい」
「自己肯定感を高める時に気を付けることはあるの?」
子どもの自己肯定感に関して、このような疑問や興味を持っている保護者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、子どもの自己肯定感を高める方法やコツ、高める時に親が気を付けなければいけないポイントを解説しています。
この記事を読むことで、子どもの自己肯定感を高めるために必要なことを身に付けられます。その知識をもとに、自分の子どもにも自己肯定感を高めて、前向きに考えられる思考や意識を身に付けてもらうことができるでしょう。
自分の子どもの自己肯定感に悩んでいる保護者の方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
文部科学省が推奨する子どもの自己肯定感を高める方法
文部科学省のデータによると、日本と世界の子どもたちを比較すると、やや自己肯定感が低い傾向が見られます。この結果は徐々に改善傾向にあり、自己肯定感が低いことが必ずしも悪いことではないという意見もあります。
子どもの自己肯定感を高めると、自分への自信のなさからくる不安や悩みを解消し、ネガティブな性格や考え方への偏りを防ぐことができるでしょう。
文部科学省では、子どもの自己肯定感を高めることを教育の一環として推奨しており、学校などの教育機関だけではなく、家庭での実践も必要だとしています。
実際にどのように家庭で子どもの自己肯定感を高めていけばいいのか、ここからは文部科学省のデータをもとに、ポイントを押さえて4つほど紹介していきます。
出典:資料3-2 自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子どもを育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上|文部科学省
小さなことでも褒める
文部科学省のデータを見ると、子どもは親に褒められることで「自分らしさ」を感じられるとしています。そして自分らしさを感じた結果、自己肯定感が高くなる傾向があることがわかっています。
このとき、才能や結果など目に見えるものだけではなく、些細なことを褒めるところがポイントになります。
¥ほかにも「〇〇が凄い」など具体的に褒めると、子どもは自分が頑張った部分を認めてもらえたと感じやすいです。
出典:資料3-2 自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子どもを育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上|文部科学省
失敗しても挑戦したことを認めてあげる
子どもがいろいろなものに興味を持って挑戦した結果、失敗してしまうことは珍しくありません。その際に子どものことを叱ってしまうと、自己肯定感を下げてしまいます。
たとえ失敗してしまったとしても、子どもなりに努力や工夫したことはあるでしょう。努力や工夫した部分をピックアップして、挑戦した事実を認める・褒めると挑戦心を養うことができます。
こうして挑戦心を養っていけば自己肯定感を高めることにつながります。そのため、挑戦した事実を認めることが重要です。
日常生活のなかで役割を果たさせる
文部科学省のデータによると、子どもの自己肯定感を高めるためには、子どもにも役割を与えることが重要になると示されています。
役割を与えることは自立心や責任感を育む効果のほか、自分の行動が周囲にどのような影響を与えるのか学ぶ機会にもなります。さらに役割を果たせれば成功体験になるため、自己肯定感が高まりやすいでしょう。
このことから、家庭でも日常生活のなかで年齢に合わせた役割を与えて果たさせることは、自己肯定感を育てるうえで大切な要素といえます。
出典:資料3-2 自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子どもを育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上|文部科学省
自然体験を増やす
文部科学省のデータによると、自然体験や生活体験などの体験が豊富な子どもは自己肯定感が高い傾向があります。自己肯定感以外にも、道徳観や正義感も高くなりやすい傾向が見られています。
キャンプや登山、川遊びなど自然のなかでの遊びを体験することで、日常生活では味わえない経験を積みやすくなっています。生命や自然を尊重すること、環境保全の大切さなども学びやすいです。
「comotto」では、子どもの年齢に合わせた自然体験として、理科実験や農業体験ができます。映像やオンラインで学ぶだけではなく、実際に北海道の農家に出向いて収穫の体験ができるイベントもあるなど、さまざまな学びが揃っています。
自己肯定感が高い子どもと低い子どもの違いは自己有用感
自己肯定感が高い子どもと低い子どもの違いとして挙げられているのが、自己有用感です。自己有用感とは、他者からの評価から生まれる自己肯定感のことをさします。
自己有用感が高いと自分に自信が持てるだけではなく、自分のことをよいと評価してくれる人を大切にするため、人間関係が良好に保たれやすいです。一方で自己有用感が低いと、自分も周囲の人も信頼できず、否定的な考えを持ちやすくなります。
文部科学省のデータによると、自己肯定感が高い子どもは自己有用感への意識が高い傾向にあるとしています。
出典:資料3-2 自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子どもを育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上|文部科学省
子どもの自己肯定感を高めるコツ
家庭で子どもの自己肯定感を高めるには、保護者が褒めたり認めたりするだけでなく、子どもが選択するといったことなどもあります。そのため、どのようなところを意識すればいいのかコツやポイントを理解しておく必要があります。
ここからは、子どもの自己肯定感を高めるコツを7つ解説します。
・子どもが頑張ったところを褒める
・子どもが成長したところを認めてあげる
・自然や文化に触れる機会を多く作ってあげる
・子どもが失敗しても前向きな言葉をかけてあげる
・子どもに意見を求める
・子どもに選んでもらう機会を作る
・子どもの話を聞く
子どもが頑張ったところを褒める
子どもを褒める時のポイントは、結果ではなく過程を褒めることです。子どもが頑張ったところ、努力したところを褒めることで、子どもは何を褒められたのか理解しやすくなります。
逆に結果ばかりを褒めてしまうと、結果が出なかった時に顔色をうかがう子どもになりやすいでしょう。さらに失敗してしまった時に落ち込みやすく、自己肯定感が下がってしまう可能性があります。
このため頑張ったところを褒めていくと、大人の顔色を気にすることなく、自分の意志で行動できるようになります。
子どもが成長したところを認めてあげる
過去の本人と比較して成長しているところを認めるように褒めると、自分の成長を実感して自己肯定感が高くなりやすいです。
ポイントは、他人ではなく過去の子ども本人と比較しているところです。過去の自分よりもできるようになっているとわかれば、子ども自身が自分の成長を実感しやすくなります。
そのため、子どもが自分に自信を持てるようになり、もっと頑張ろうと意欲を持って行動できるでしょう。
自然や文化に触れる機会を多く作ってあげる
文部科学省が推奨する子どもの自己肯定感を高める方法には、自然体験を増やすことが含まれています。
そのため、キャンプや登山、川遊びなど自然に触れる機会をできる限り多く作り、子どもの自己肯定感を高めるきっかけを作ることが大切です。
ほかにも、図書館での読書や美術館での芸術など文化に触れる機会を作るようにしましょう。多くのものに興味を持つきっかけになりやすく、視野を広げる手伝いになります。
子どもが失敗しても前向きな言葉をかけてあげる
子どもが何かに失敗してしまった時は、前向きな言葉をかけてあげることも大切です。例としては「また頑張ってみよう」「うまくできなかったけど頑張ったね」などの声掛けになります。
前向きな言葉をかけると、子どもはあんしんしてやり直そうと頑張ります。さらに失敗も受け入れてもらえた事実から、自分が大切にされているという自己肯定感につながりやすいです。
子どもに意見を求める
子どもの行動には、子どもなりの理由や考えがあります。このため、子どもの行動に疑問を感じた時には、まず子どもに意見を求めることが大切です。意見を尊重してもらえた事実は、子どもの自己肯定感を高めることにつながります。
子どもの意見を聞く時には、意見を尊重されていると相手が感じられるアクティブ・リスニングを実践することも大切です。アクティブ・リスニングは、質問を投げかける・相槌を打つ・感情を言葉で伝える・話を深めてフィードバックする行動をさします。
子どもに選んでもらう機会を作る
保護者ではなく子どもに直接選択権を与えることは、自己肯定感を高めるために大切な要素です。
自分で着る服や遊ぶおもちゃの選択など、日常生活での子どもでもできる選択の機会は多くあります。子どもが選んだものを認める・褒めることで、子どもは自分の判断を信じる力が身に付くため、自己肯定感が育ちやすいです。
子どもの話を聞く
子どもの自己肯定感を高めるための基本的なポイントとして挙げられているのが、子どもの話を聞くことです。
子どもが話をしたいと思っている時に、きちんと子どもと真剣に向き合えば、あんしん感を与えることができるでしょう。自分のありのままを認められたという経験から、子どもの自己肯定感を高めることが可能になります。
子どもの自己肯定感を高める時に気を付けること
子どもの自己肯定感を高めるための行動を実践している時、怒ったり責めたりするなど保護者がやってはいけないこと・注意しなければいけないポイントがいくつかあります。
ここからは、子どもの自己肯定感を高める時に気をつけることを5つ解説します。
怒ったり怒鳴ったりしないようにする
子どもが間違ったことをしてしまった際、一方的に怒鳴ると子どもの頭のなかに悪い経験として残ってしまいます。悪い経験が残ったままだと子どもが何かしようとしても、怒られるからやらない、否定されるからやらないという気持ちになりやすいでしょう。
子どもの意欲だけではなく、自己肯定感も下がってしまうため、怒鳴るのではなく冷静に子どもの意見を聞く必要があります。
逃げ道のない正論で責めないようにする
子どもに対して完璧を求めてしまう保護者の場合、逃げ道のない正論で責めてしまうことがあるでしょう。正論で責め立ててしまうと子どもは反論できなくなり、自己肯定感が下がってしまう可能性が高くなります。
何らかの理由で子どもに対して注意する際には、正論で責めるのではなく、保護者の考えを話してみるなど伝え方を工夫しましょう。
子どもの言動や人格を否定しないようにする
叱る時に子どもの言動や人格を否定するような言い方は、子どもの心を大きく傷つける可能性があります。
自分を否定されたという事実から、自己肯定感も下がってしまうため、子どもの言動や人格を否定しないことが大切です。
ほかの子どもと比較しないようにする
子どもを褒める時や叱る時に、ほかの子どもと比較するような伝え方をするのは、自己肯定感を下げてしまうため注意が必要です。
ほかの子どもと比較されると子ども自身が自分の成長を実感しにくく、自分の価値を周囲と比較するようになります。周囲と比較する考え方は劣等感を生みやすく、自尊心や自己肯定感が低くなりがちです。
保護者自身の自己肯定感を高めるようにする
子どもの自己肯定感の有無は、保護者自身の自己肯定感が影響を与えている場合があります。保護者が自己肯定感を高くしておけば、子どもも保護者をモデルとして見るため、自己肯定感が高くなりやすいです。
そのため、子どもだけではなく保護者自身も自己肯定感を高めるように、肯定的な態度を意識する努力も必要です。
子どもの自己肯定感を高める方法を知っておこう
子どもにとって重要な要素である自己肯定感は、保護者や周囲との関係によって少しずつ育てることができます。特に保護者は子どもからすると信頼できる自己肯定感のモデルです。そのため、自己肯定感を高めるには保護者との関わりが重要になります。
今回解説した記事の内容を参考に、子どもの自己肯定感を高める方法を実践してみてはいかがでしょうか。