【段階別】不登校の原因とは?子どもへの対応方法や気をつけるべきことをわかりやすく解説

不登校の子どもが増えていますが、原因や対応方法はわかっているでしょうか。この記事では不登校になる原因や親ができる対応、原因別の対応方法などを紹介しています。不登校の子どもへの接し方がわからない場合や、不登校になるサインを知りたい方はぜひ、ご覧ください。
「子どもが不登校になってしまったのはなぜ?」
「不登校な子どもに何かしてあげられることはないの?」
このように不登校の原因を知りたい方や、不登校の子どもへのサポート方法に困っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では不登校になってしまう原因や、不登校の子どもに対して親ができる対応などを紹介します。記事を読むことで、なぜ子どもが不登校になってしまったのか、不登校の子どもへの接し方などがわかるでしょう。
また、子どもが不登校になったときに保護者が気をつけた方がよいことや、不登校になる前の子どものサインも紹介しています。不登校な子どもに接するときの注意や、子どもが不登校になる可能性のあるサインに気づけるようになるでしょう。
子どもの不登校で悩んでいる方や、不登校にならないか心配している方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
【段階別】不登校の原因
不登校になる子どもは近年、増加してきています。子どもが不登校になる原因は、友だちとの関係や学校関係など、さまざまなものがあるでしょう。こちらでは、なぜ子どもが不登校になってしまうのか、年代別に主な原因を紹介していきます。
小学生の場合
文部科学省の調査によると、小学生が不登校になる原因で最も多かったのは、先生と合わない、先生が怖いといった先生関連の理由です。続いて、身体の不調・生活リズムの乱れや友だちからの嫌がらせといった理由が多くあります。
ほかには、授業がつまらなかったりテストの点数が悪かったりしたことも、不登校の原因になるでしょう。学校に行く意義がわからなかったり、なぜ不登校になったのか理由がわからなかったりする子どもも一定数存在します。
小学校では、学校で何か嫌なことがあった結果や、腹痛、朝起きられないなどの理由で不登校になる子どもが多いです。
出典:不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書|文部科学省
中学生の場合
中学生が不登校になった原因で一番多かったのは、腹痛などの身体の不調でした。次いで勉強がわからなかったりテストの点数が悪かったりすること、先生が怖いことや体罰、友だち関係と続いています。
中学生が不登校になる原因の多くは、体調面についてです。学校に行こうとすると腹痛になる、生活リズムが乱れて朝起きられないなどがそれにあたります。また、勉強でつまずいた結果、不登校になってしまうケースも多いのが特徴です。
出典:不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書|文部科学省
高校生の場合
高校生が不登校になる原因で最も多かったのは無気力で、不安や精神的な混乱がニ番目に多くなっています。次いで、遊びや非行によるもの、友だち関係のトラブル(いじめ以外)、学業が芳しくないといった理由でした。
高校生では、無気力によって、不登校になる生徒が最も多いです。無気力とは、意欲が起きず何もする気になれない状態のことをさします。友だち関係のトラブルが原因というケースはそれなりに多いものの、いじめが原因になっている割合は少ないです。
不登校の子どもに対して親ができる8つの対応

子どもはさまざまな原因により、「学校に行きたくない」と不登校になってしまうことがあります。子どもが不登校になったとき、親の対応で大切なのは、子どもの意志を尊重してあげることです。
ここからは、子どもの意志を尊重した上で、親が子どもにしてあげられることを紹介します。親の意志で先走らず、子どもの意志を確認しながら、子どものサポートを行っていきましょう。
転校を検討する
子どもが今の学校から離れたいと考えていた場合や、環境を変えたいと願っているのであれば、転校を検討してみてもよいでしょう。転校することで、先生や友だちといった人間関係が一新できるため、子どもが心機一転頑張る気持ちになってくれる可能性があります。
また、子どもが学校のペースについていけなかった場合、子どもに合ったペースで進められる学校に転校することで解決する可能性もあるでしょう。
たとえば、高校生であれば、通信制高校へ転校するという手段があります。通信制高校は、基本的に指定日に登校すればよいため、自分のペースで勉強できます。
サポート機関を利用する
子どもが不登校になって、不安や疑問がある場合は、サポート機関に相談してみることがおすすめです。
専門家に相談することで、具体的にどう解決していけばよいのか、改善方法を聞ける場合があります。また、相談以外にも、一人で抱え込まずに、ただ話をするだけでも心が楽になるでしょう。
利用可能なサポート機関は、「校内教育支援センター」や「教育支援センター」のほか、「スクールカウンセラー」や「スクールソーシャルワーカー」などがあります。
出典:「不登校の児童生徒等への支援の充実について(通知)」令和5年11月17日|文部科学省
別室登校ができるか確認する
「別室登校」とは、学校の教室以外に登校することです。
教室に行くのが嫌なだけで、学校自体は問題ない子どもの場合は、保健室などに別室登校できないか、学校の先生に相談し、確認してみましょう。
子どもは学校に行かなければならない、ということを理解しています。そのため、学校に行けないことに罪悪感を感じてしまいがちです。別室登校でも学校に行ければ、子どもの気持ちも少し楽になるでしょう。
学校に相談する
子どもが不登校になっていることについて、学校の先生やスクールカウンセラーなどにきちんと相談し、情報を共有しておきましょう。
もし先生に相談しづらい場合は、スクールカウンセラーへの相談がおすすめです。スクールカウンセラーは子どもへのカウンセリングだけでなく、親や先生に対して助言もしてくれるでしょう。
今は不登校でも将来子どもが学校に戻ることを考え、勉強内容や進級についての相談などをしておきましょう。
家に居場所を作る
親は家のなかで子どもがあんしんできるように努め、子どもの居場所を作りましょう。
不登校の子どもは学校での居場所を失い、家にしか居場所がなくなっています。家のなかでも不登校を責められて、あんしんできないような環境では、子どもの居場所がどこにもなくなってしまうでしょう。
そうならないためにも、これまでと変わらない態度で子どもに接し、何気ない声かけを行い、子どもが家で過ごしやすいようにします。
子どもの話を聞いてあげる
子どもは「学校に行きたくない」理由を、素直に話してくれるとは限りません。子どもがあんしんして話してくれるように、待つことが大切です。子どもが話をしてくれたら、子どもの話す内容に寄り添って肯定してあげましょう。
子どもが話をしたそうな様子を見せたら、きちんと時間をとって、聞いてあげましょう。このとき、子どもの意見を頭ごなしに否定するような態度は、とらないように気をつけましょう。
無理やり学校に行かせない
子どもの意志を尊重し、無理やり学校に行かせようとするのはやめましょう。無理やり学校に行かせるのは、不登校になった子どもにしてはいけないことの一つです。
親が無理やり学校に行かせても、子どもにとって、不登校の原因は解決しないため、また不登校になる可能性が高いでしょう。また、子どもの意志を無視すれば、子どもとの信頼関係が損なわれてしまいます。
子どもがつらいとき、無理に登校させても根本的な解決にはならないため、無理やり行かせないようにしましょう。
厳しい言葉をいわないようにする
子どもに対して厳しい言葉をかけると、追い打ちになってしまうため、やめましょう。子どもは、すでに学校に行けない自分自身を責めています。親に厳しい言葉をかけられると、さらに気力を失わせてしまうでしょう。
また、励ますときにも注意が必要です。「もっと頑張れるよ」といった声かけは、使わないようにしましょう。子どもはそれぞれ、好きなものや得意なものが違います。
ほかの子どもや自分ができたからといって、励ましてしまうと子どもの気持ちを追い詰めてしまいます。
学校以外の学びの場を提供する
不登校の子ども自身が勉強の遅れを気にしている場合は、学校以外で学べる場を用意してあげましょう。
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出典:ワンダーボックス for docomo|comotto
【原因別】不登校の子どもに対する保護者の対応方法

不登校になる原因は、子どもごとに違うでしょう。たとえば、子どもの病気や、環境によるもの、子ども自身や周囲が原因になっている場合もあります。
不登校の原因によって保護者の対応方法も変わるため、原因ごとにわけて、子どもへの対応方法を紹介します。子どもの不登校の原因が何かわかったら、こちらの方法を参考に対応してみましょう。
神経症の場合
神経症の症状には、頭痛・腹痛・めまい・吐き気があります。集団のなかに入ると、非常に緊張することもあるでしょう。
不登校の原因に神経症が考えられる場合は、まず医療機関に相談します。子どもへの対応方法は、目を離さないようにして、子どもが話したいそぶりを見せたら、落ちついて対応しましょう。
出典:田中康雄先生に「不登校、引きこもり」を訊く|公益社団法人 日本精神神経学会
発達障がいの場合
発達障がいの子どもへの対応は、気がついたら、早めに専門的な知識を持ったカウンセラーに相談しましょう。また、担任の先生と一緒に継続的なサポートをしてもらうことが大切です。子どもにとって、心地よい環境を整えてあげましょう。
発達障がいはおおまかに、広汎性発達障がいと注意欠陥多動性障がい(AD/HD)、学習障がい(LD)の3つにわけられます。広汎性発達障がいの場合は、コミュニケーションの障がいや言葉の遅れ、パターン化した行動やこだわりなどが特徴です。
注意欠陥多動性障がい(AD/HD)では集中できない、考えるより動いてしまう、じっとしていられないなどの特徴があります。学習障がい(LD)の子どもは、聞く・話す・読む・書く・計算・推論などの特定の能力に対し、困難が生じてしまいます。
家庭環境の場合
急激に生活環境が変化した、親子関係が上手くいっていないなどに心あたりがある場合、家庭環境が原因になっている可能性があります。
家庭環境が不登校の原因になっている場合は、子どもの話を聞く姿勢をとるよう心がけて、お互いに話しあうことが大切です。その際、過干渉や心配しすぎであれば、親子それぞれに一人の時間を持ち、適度な距離感を保つことも必要になります。
また、保護者にとってのストレスを取り除くようにしましょう。保護者のストレスが、そのまま子どものストレスの原因になっている可能性があります。保護者のストレスがなくなると、子どもへの対応にも余裕がもてるようになるでしょう。
内面が未熟な場合
内面が未熟な子どもは、家族への甘えや依存から嫌なことに向き合わず、逃げたがる傾向があるでしょう。
学校で何か失敗したあとから不登校になる、生活リズムが乱れやすい、プライドは高いけれど自己主張や協調することは苦手、ストレスが体調不良としてでやすい特徴があります。
内面が未熟な子どもへの対応は、まずは子どものすべてを受け入れて話を聞いてあげること、一人でできる成功体験の積み重ねをさせるようにしましょう。
子どもの様子を見ながら、学校の話をしたり、行事に参加させてもらったりといった形で段階を踏みながら、不登校を改善していくことになります。家族だけでなく先生や、専門機関の継続的なサポートが必要になるでしょう。
学業不振の場合
学校での勉強についていけない、テストの点数が悪かった、といった学業不振が不登校の原因になることもあります。学業不振で不登校になっているのであれば、子どもの学力を上げるようにするとよいでしょう。
子どもが小学生の場合は、保護者が子どもと一緒に復習したり、生活習慣を規則正しいものにしたり、子どもが頑張ったら褒めてあげるような対応をしましょう。
中学生・高校生の場合は、わからないことを放置したため、学業不振になっている可能性があります。
その際は、わからなくなった部分を探し、理解できるように勉強していきます。授業でわからなかったところは、放置せず、印をつけるかすぐに質問するように促しましょう。
遊びや非行の場合
ゲームなどの遊びに熱中して、生活リズムが乱れたことが不登校の原因の場合も、こちらに含まれるため、遊びや非行が原因の不登校は少なくありません。
遊びや非行が不登校の原因の場合、保護者は子どもと話し合って子ども自身を認めてあげ、しっかりと愛情を示して信頼関係を築くことが大切です。
子どもに声をかけ、よく話すようにし、不満や考えを把握することで信頼関係を築いていきます。保護者が見本になるため、保護者自身の行動を振り返ることも重要です。
無気力の場合
無気力が不登校の原因であれば、ただ家で過ごさせるのではなく、おつかいに行かせる、生活リズムを規則正しくするなど、生活にメリハリをつけてあげましょう。家のなかだけでなく、外の世界に触れる機会を継続して持つことが大切です。
無気力の場合、子どもはなぜ学校に行きたくないのか理由がわからないことがよくあります。自覚はなくても、何か理由があって、無気力になってしまった可能性があるため、無理に学校に行かせるような対応はよくないでしょう。
学校生活によるトラブルの場合
友だちとのトラブルといった、学校生活のトラブルにより不登校になってしまうこともあります。保護者は子どもがあんしんして、話せる環境作りを心がけましょう。
また、不登校の原因がいじめの可能性もあるため、焦って理由を聞き出すようなことはせず、話してくれるまで待ちます。子どもの意志を確認して、別室登校や転校など、環境を変える方法を検討してみましょう。
不登校の原因がわからない
不登校になった理由がわからないということもあります。この場合は、原因が一つではなく、複数重なり合っていて、何が原因かわからなくなっている可能性があるでしょう。
原因がわからないときも子どもの気持ちを尊重します。話を聞く際は、肯定するようにし、否定しないように心がけましょう。
不登校になった子どもと一緒に、料理をしたり出かけたりして行動をともにし、日常生活を楽しむことで、親子の信頼関係を築けるでしょう。もし不安や悩みがある場合は、専門機関に相談すると、専門家の支援を受けられるようになります。
子どもが不登校の際に保護者が気をつけること

子どもが不登校になって保護者が焦ってしまった際に、子どもに対して接し方を間違えてしまうと、引きこもりや不登校を長引かせてしまう可能性があります。不登校の子どもに対して、保護者が注意しておきたいポイントを紹介していきます。
子どもの生活リズムを整える
学校へ行くときは、朝起きて夜は寝るという規則正しい生活をしていても、不登校になると生活リズムが乱れがちです。子どもの生活リズムが乱れないように、できるだけ学校に通っていた頃と変わらない、規則正しい生活を送るように気をつけましょう。
生活リズムが整った生活を続けていれば、子どもが学校へ通う気になったときでもスムーズに元の生活に戻れるでしょう。
ゆっくり休ませる
学校に行けない子どもは、家庭などのあんしんできる環境で、ゆっくり休ませてあげましょう。子どもが行きたがっていないのに、無理やり登校させるのは逆効果になります。
子どもをしっかり休ませることで、自分の気持ちを尊重してくれている、と子どもをあんしんさせてあげましょう。
子どもの不登校のサイン

不登校の子どもは、実際に不登校になる前に以下のようなサインを出していることがあります。
・最近元気がなくなった
・イライラしがち
・親に八つ当たりするようになった
・食欲がない
・頭痛・腹痛・吐き気や倦怠感などを頻繁に訴える
・遅刻や早退、欠席が増えた
・自室にこもりがち
子どもにこれらの症状があった場合、不登校になる可能性があるため、保護者は気にかけてあげましょう。
不登校の原因とその対応方法を知っておこう

不登校になる子どもは、近年増加傾向にあります。ご自身の子どもが不登校になってしまった場合は原因を知り、この記事で紹介した対応方法を参考にして、実践していきましょう。
子どもが不登校になる前に出しているサインはさまざまです。子どもが不登校になるのかどうか心配な場合は、その兆候が現れていないか確認してみましょう。