幼稚園と保育園の違いは5つ!入園までのスケジュールや選ぶ際のポイントもご紹介!

幼稚園と保育園の違いは5つ!入園までのスケジュールや選ぶ際のポイントもご紹介!

幼稚園や保育園を選ぶ際、両者の違いや希望の園の探し方をご存知でしょうか。本記事では、幼稚園と保育園に関する基礎知識から、希望の園を選ぶ際のポイントなどをご紹介します。園選びについて疑問や不安があれば、ぜひチェックしてみてください。

「幼稚園と保育園、どちらに通わせるのがいいのだろう?」

 「いろいろあるみたいだけど、幼稚園と保育園の違いって何?」

 「どのように通園先を決めたらいいの?」

 このように、小さい子どもを預けたいと思っている方には、たくさんの疑問や不安があるのではないでしょうか。

本記事では、幼稚園と保育園についての基本的な知識に加え、両者の違いと入園までのスケジュールを紹介しています。

この記事を読むことで、幼稚園と保育園との違いや通うまでの手順、通園先の選び方について把握できます。その知識をもとに、どこへ通いたいかを考えることができるため、幼稚園・保育園選びに不安を抱えている方でも、納得して選択できるでしょう。

子どもの通園先の選び方で悩んでいる方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

幼稚園と保育園の違いは5つ

幼少期に多くの子どもが過ごしている幼稚園と保育園には、それぞれに違いがあります。どの省庁の管轄下にあるかといった行政面での違いのほか、運営目的や入園条件などが異なる点です。

ここでは、幼稚園と保育園の具体的な違いを5点、ご紹介します。

運営目的の違い

幼稚園は学校教育法によって「幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的」としているのに対し、保育園は児童福祉法によって「日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児または幼児を保育することが目的」とされています。

「保育に欠ける事情」は、仕事や病気などで子どもの保育ができない状態のことです。

出典:文部科学省|学校教育法

出典:厚生労働省|児童福祉法

入園できる条件の違い

幼稚園の入園条件は保護者の状況についての条件はなく、「満三歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児」であることで、保育園は「保護者の状況が『保育の必要性』がある状況だと認定を受けること」が条件になります。

「保護者の状況」は就労の状況、病気や妊娠などの身体状況のことです。

出典:文部科学省|学校教育法

保育時間の違い

幼稚園では、午前中~昼過ぎまでの4時間ぐらいが預かり時間として設定されており、保育園では1日8時間が原則とされています。

施設ごとに違いはありますが、幼稚園でも延長保育を利用すれば夕方まで預けることが可能です。保育園ならば早朝や夕方の遅い時間帯を含めて、最大11時間まで預けることができます。

出典:児童福祉施設の設備および運営に関する基準|e-Gov法令検索

保育料・費用の違い

令和元年10月から、幼稚園や保育所、認定こども園などを利用する3~5歳児クラスに属する子ども、0~2歳児クラスに属する子ども(ただし住民税非課税世帯の子ども)の利用料が、無料になりました。

とはいえ、すべての園が無料になるわけではありません。世帯収入や施設によって条件が違い、また地方自治体によっては独自の減免措置をとるところもあります。そのため、お住まいの地域のサービスを確認することが大切です。

たとえば、3歳~5歳の子どもの場合、「子ども・子育て支援新制度」の対象になっている幼稚園、保育所、認定こども園の費用は無料です。

しかし、それ以外の施設に預ける場合、幼稚園の預かり保育を利用する場合には、施設や条件によって無償になる金額が、1.13万~3.7万円と幅があります。

また、幼稚園の場合、公立と私立とで費用が違ってくるため、その点も気に留めて調べるのがよいでしょう。

出典:子ども家庭庁|「幼児教育・保育の無償化」について

出典:子ども家庭庁|うちの子の場合は?

先生の免許有無・管轄・法令の違い

幼稚園と保育園とでは、行政の面でも大きな違いがあります。

幼稚園は文部科学省の管轄で、学校教育法によって目的や組織が決められており、一方保育園の管轄は厚生労働省で、児童福祉法によって目的や組織が決められています。

また、それぞれに必要となる資格は、幼稚園の先生が「幼稚園教諭普通免許状」で、保育園の先生が「保育士登録証への登録」です。

出典:文部科学省|幼稚園教諭と保育士の比較

出典:学校教育法|e-Gov法令検索

出典:児童福祉法|e-Gov法令検索

出典:トップページ | 登録事務処理センター

入園までに必要なスケジュール・手続きにも違いがある

幼稚園も保育園も子どもを預ける施設という意味では同じですが、入園までのスケジュールや必要な手続きについて、大きな違いがあります。

では、幼稚園と保育園、それぞれについて入園までの流れと手続きを見てみましょう。

幼稚園に入園するまでのスケジュール

子どもを幼稚園に入園させることを決めたら、入園予定の1年前の4月から情報を集めはじめましょう。

情報をもとに、希望の園をいくつか決めて見学します。園によって、見学できる日程が決まっているか、個人での見学が可能か、という違いがあるため確認することが大切です。

7月~10月にかけて行われることが多い「入園説明会」に、参加しましょう。説明を聞き、入園したい園が決まったら「入学願書」を受け取ります。願書は、園や自治体の窓口で受け取るほか、インターネットからダウンロードできる園もあります。

願書は9月~11月前半に受付ける園が多いです。入園できるかどうかは園によって決め方が違いますが、面接や試験がある場合は10月~12月に実施され、ほとんどは約半月で合否がわかります。

合格したら、決められた期限までに入園決定の意志を伝えましょう。ほとんどの園では1月~2月に入園前の説明会や健康診断などがあるため、参加して入園に備える流れです。

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保育園に入園するまでのスケジュール

保育園にはいくつか種類がありますが、ここでは認可保育園に入園するまでのスケジュールをご紹介します。

入園準備は入園予定の約1年前からはじめる必要があります。住んでいる自治体の保育課へ相談に行くなどして、情報を集めましょう。希望の園が決まったら見学します。その際に日程が決まっているか、個別で見学できるか確認しましょう。

入園に必要な書類は自治体の窓口でもらえます。一般的には、10月~11月頃が申込期間となるため、確認して入園申込みをしましょう。内定通知は年明け以降、2月くらいまでに届きます。

希望人数が多い場合、希望の園の内定がもらえないこともあります。その場合は、ほかの保育園が出している二次募集に応募するなどの対応が必要です。常に情報を集めておきましょう。

幼稚園と保育園に通うメリット・デメリットとは?

幼稚園と保育園、どちらに行かせるかで悩む人はたくさんいます。両者の違いを理解し、じっくり考えましょう。ここでは、幼稚園と保育園、それぞれのメリットとデメリットを挙げますので、参考にしてください。

幼稚園に通うメリット・デメリット

学校教育法によって、幼稚園は「幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること」が目的であるとされています。

そのため、教育に力を入れている園もたくさんあります。英会話や読み書き、体操や鼓笛隊など、園によって重視しているものが違うため、子どもの興味にあわせて園を選ぶのもよいでしょう。

また、入園できる条件が「満三歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児」であり、ほかの認定は必要ないため、共働きではない家庭でも入園させやすいでしょう。

その一方で、共働きの家庭にとっては預かり時間が短いことがデメリットになります。お昼過ぎの早い時刻に迎えに行けない場合、延長保育のある幼稚園を探さなければなりません。

また、幼稚園では給食が義務付けられていないため、お弁当持参の園もあります。仕事や子どもの体質上の理由で毎日のお弁当作りが負担となりそうなら、どちらかが退職もしくは休職するなど勤務形態について考える必要があるでしょう。

出典:学校教育法|e-Gov法令検索

保育園に通うメリット・デメリット

保育園は「乳児、幼児そのほかの児童」が預かり対象となるため、1歳未満であっても預けることができる点が大きなメリットです。また、預かり時間が長いことから、育児休暇からの早期復帰や正社員としての勤務を希望する人にとって、仕事との両立が容易になります。

給食が義務付けられているのも保育園の特徴です。そのため、毎日のお弁当作りをしなければならないといった負担はありません。

デメリットは、希望したからといって必ずしも入園できるとは限らない点です。入園には、自治体からの認定が必要になります。認定を受けることができても、希望者が多くて行きたいと思った園に入れず、家から遠い園や兄弟姉妹が違う園になってしまう場合もあるでしょう。

未就学児が保育園以外で学ぶ方法として、「comotto」のサービスを利用するのがおすすめです。プログラミングやお金の大切さなどを学べるサービスのため、子どもの教育に大きく役立てることができるでしょう。

出典:未就学児|comotto

出典:児童福祉法|e-Gov法令検索

どちらに子どもを通わせるのかを決める際に考慮すべきポイント

前の章では、幼稚園と保育園、それぞれのメリットとデメリットをご紹介しました。

ここからは具体的に、保護者の就業形態や保育にかかる費用についてなど、どちらに通わせるべきかを考える際に押さえておくべきポイントを紹介します。迷ったときには参考にしてください。

両親の働き方

幼稚園にせよ保育園にせよ、預かり時間が終わるまでに保護者がお迎えに行かなければいけません。預かり時間が短い幼稚園は、正社員で共働きの家庭の場合、お迎えに支障が出る可能性があります。

延長で預かり保育をしてくれる幼稚園ならば、共働きの家庭でも利用しやすいです。習い事ができる延長保育をしてくれる幼稚園もあります。お迎えの送迎に悩む共働きの家庭ならば、そういう園を選ぶのも1つの方法でしょう。

ただし、幼稚園は毎日お弁当が必要な園もあったり、平日の園行事や保護者の係活動への参加が求められたりします。そうした負担がどの程度あるのかを、よく調べることが必要です。

費用の差

認可保育園の利用料は全額無料です。ただし、給食費や教材費など、利用料以外は負担しなければなりません。幼稚園は、「子ども・子育て支援新制度」の対象となっている幼稚園ならば利用料無料、それ以外の園は月に25,700円を上限に無償となります。

また、対象外の幼稚園の利用料は、「令和3年度子どもの学費調査」(文部科学省)によると、公立が年額165,126円、私立が年額308,909円でした。私立幼稚園では、基本の教育費が公立幼稚園の約2倍強、学校外活動費も約1.5倍になっています。

利用料以外にも、幼稚園では入園の際の入園料、制服や通園用のバッグといった指定グッズ料が発生するため、保育園よりも費用がかかります。

出典:子ども家庭庁|うちの子の場合は?

出典:文部科学省|令和3年度子どもの学習費調査の結果について

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人間関係

幼稚園でも保育園でも、人間関係は大切です。保育園は、お迎えに行ったら帰宅、夕飯となるため、園外でのお付き合いは親子ともに、あまりないでしょう。

一方、幼稚園は預かり時間が短いため、「放課後」が存在します。同じ習い事をしたり、お互いの家に遊びに行ったりといったお付き合いが出てくるため、気の合う友達や保護者同士の関係によって、グループができることがあるでしょう。

しかし、子どもにもタイプがあり、友達をすぐに作って遊ぶのが得意ではない子どもや、一人で遊ぶのが好きな子どもがいます。そういう子どもにとっては、放課後のお付き合いは苦痛になってしまうでしょう。

保護者の方も、幼稚園の延長保育を利用してフルタイムで仕事をしているため、放課後の時間が取れない人や、子どもの保護者同士というだけで仲よく付き合うのは、苦手という人もいるでしょう。

幼稚園を選ぶ場合は、子どものタイプや保護者の都合によって、「放課後の過ごし方」に影響があることも考えておく必要があります。

認可保育園の点数制度に注意する

長時間の預かりをしてくれる保育園ですが、入園させたい場合には点数制度に注意する必要があります。入園は、家庭状況に応じて規定される「点数(指数)」によって選考される点数制です。

点数は「基準指数」「調整指数」「優先順位」の3つに区分されています。詳しい規定は自治体ごとに異なっているため、住んでいる地域の自治体で確認しましょう。

「基準指数」は保護者の基本情報(就職状況、健康状態など)をポイント化していて、「調整指数」とは各家庭の状況に応じて、ポイントを加減する調整のための点数です。

指数が同じ入園希望者が複数になった場合は、「優先順位」によって合否が決まります。「優先順位」の定義は、自治体によって公表・非公表があります。

通園先を決める際は実際に見学に行くのがおすすめ

通園先を決める際には、自分の目で園を見てから決めるのがおすすめです。実際に見学すると、どのような設備がある園なのか、先生や園児はどのような雰囲気で過ごしているのかを確認できます。子どもに合った園かどうかの判断がしやすくなるでしょう。

また、希望している園に実際に子どもを通わせている知人がいる場合、どのような雰囲気の園なのかを聞くのもよい方法です。

インターネットで口コミを見る方法もありますが、実際の声を聞くと、園からの情報では知ることができない、保護者側の視線で見た園の様子や、園についての感想を知ることができるためおすすめです。

幼稚園と保育園の違いを理解して適切な判断をしよう

幼稚園と保育園とでは、行政の管轄をはじめ、さまざまな違いがあります。しかし、従来は大きな差であるとされていた点が、少しずつ減っているのが現状です。

預かり時間については「延長保育」を行う幼稚園が増えており、保育園でも教育的なプログラムを取入れる園もあります。

幼稚園と保育園という大きな区切りだけではなく、一つひとつの園について、方針や保育・教育の内容を調べて、子どもや家庭に合った園かどうかを判断しましょう。

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