【小学生と親向け】通知表の3段階評価の割合や見方を詳しく解説!
通知表の3段階評価の見方がわからないと悩んでいる人はいませんか。この記事では、通知表の3段階評価の割合や見方、気をつけるポイントを解説しています。通知表を正しく見る知識がほしいと思っている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
「通知表の評価の割合ってどうなっているの?」
「3つの評価項目ってどんなことを表しているのか知りたい」
「評価項目を踏まえて、通知表を見る時に気をつけるポイントを教えてほしい」
このような疑問や不安を持っている保護者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、通知表の評価項目に関する基礎的な知識とともに、3段階評価の割合や見方、通知表を見る時に気をつけた方がよいポイントについて解説しています。
この記事を読むことで、評価が変更された通知表を正しく見るための知識を身に付けることが可能です。その知識をもとに、子どもがどのように評価されているのか、どのように改善していけばよいのか検討しやすくなるでしょう。
小学校の通知表の見方に不安があるという人は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
通知表の評価の割合
小学校の通知表では、主にA(よくできる)・B(できる)・C(がんばりましょう)の3段階で子どもの成績や学校生活を評価しています。
学級内でのA・B・Cの3段階評価の割合を把握しておけば、子どもが全体の何割に入っているのかという点もわかりやすくなります。ただ実際にどのような割合で評価がつけられているのか理解しなければ、評価結果を判断できないと悩んでいる人も多いでしょう。
ここからは、通知表の3段階評価の割合について紹介します。
3段階評価のよくできる(A)は達成率や正答率が90%以上
3段階評価は、各教科の理解度などの達成率やテストの正解率の割合によって評価されています。ただ評価内容に関しては、一律の基準は設けられていません。一般的な判断基準として、以下の内容を採用している小学校が多いです。
・よくできる(A)は各教科の理解度などの達成率やテストの正解率が90%以上
・できる(B)は60%~90%未満
・がんばりましょう(C)は60%未満
各教科の達成率は教科によって評価が異なる場合もありますが、多くの教科ではテストの正答率がそのまま達成率につながっています。図工や音楽、家庭科などテストの正答率を重視していない教科の場合は、意欲的に取組んでいるかがポイントになることが多いです。
学級のなかで「よくできる(A)」の割合は全体の2割
3段階評価の割合を学級のなかで比較してみると、大半の小学校で以下のような割合になっています。
・よくできる(A):全体の20%程度
・できる(B):全体の70~80%程度
・がんばりましょう(C):全体の10%程度
これはあくまでも一般的な基準として見受けられる割合で、自治体や学校、学年によって異なる場合もあります。また学級内で評価の割合に偏りが出ないように、担任の先生が調整していることもあるようです。
2020年度から通知表の評価項目が変わった
小学校の通知表の評価項目は、2020年度に大きな変更が加えられました。2019年度以前は4項目を3段階で評価していましたが、2020年度以降は3項目を3段階で評価しています。なお、この評価項目は全教科で統一されています。
出典:新学習指導要領下における学習評価および指導要録の改善について|文部科学省
通知表の3つの評価項目が表しているもの
通知表の評価は2020年度から変更され、全教科で評価項目が「知識・技能」「思考・判断・表現」と「主体的に学習に取組む態度」という3つの観点で評価されています。
これらの項目・観点は、社会的に自立した人格の完成のため、社会の形成者として必要な資質・能力などの要素を育成するためのものです。ただ具体的にそれぞれの項目が何を評価しているのか、何を表しているのかわからないという人もいるでしょう。
そこでここからは、通知表の3つの評価項目が表しているもの・評価しているものを紹介します。
【知能・技能】は基本的な問題ができているかどうか
【知能・技能】は、何を知っているか・何ができるのかを表しています。わかりやすくいえば、基本的な問題が理解できているかを評価している項目です。
たとえば、国語であれば漢字の読み書きが正確にできる、算数であれば計算問題を正しく解くなどが挙げられます。このような特徴から、主にテストの点数によって評価されています。
各教科の授業内容を正しく理解できているかどうかを表しているため、学力に直結した項目として重要な項目の一つです。
【思考・判断・表現】は応用問題ができているかどうか
【思考・判断・表現】は、知っていること・できることをどう使うかを表しています。わかりやすくいえば、応用問題ができているかを評価するための項目です。課題や問題を解決するための思考や判断能力、自分の考えや思いを表現するための能力を評価しています。
こちらも【知能・技能】同様に、主にテストの点数で評価がつけられていることがほとんどです。それ以外の評価ポイントとして、教科によっては発表やグループディスカッション・課題なども対象となる場合があります。
【主体的に学習に取組む態度】はテスト以外の取組み
【主体的に学習に取組む態度】は、意欲的に各教科の学習に取組んで調整しようとする姿勢を評価しています。ほかの項目と違ってテスト以外の内容で成績を評価するところが、大きな特徴です。
主に授業態度、課題や問題に粘り強く取組む姿勢、振り返り(復習)を積極的に取組むことで、高い評価を得られるでしょう。わかりやすくいうと、一生懸命頑張って学習に取組むだけでなく、振り返りや目標を立てるなど自主的に学習を進めることが求められています。
ちなみにテスト以外の内容で評価される項目ではありますが、宿題や提出物を忘れたことは成績や評価に影響を与えません。
通知表を見る際に気をつけるべきポイント
通知表の見方としては、3段階評価の内容や数ばかりを意識してしまうという子どもや保護者は多いです。ただ通知表の評価内容は以前とは評価基準や観点が異なっているため、見方に注意しなければいけません。
ここからは、通知表を見る際に気をつけるべきポイントを5つ紹介します。
通知表の評価はほとんどが絶対評価
通知表の評価には、絶対評価と相対評価の2種類があります。絶対評価は子ども自身の成長を評価したもので、教科ごとの達成率を満たしているか評価するものです。対して相対評価は、クラスや学年全体での子どもの成績を評価するものになります。
2020年度以降の通知表の評価は、ほとんどが絶対評価になっています。ただ実際は、結果だけではなく過程も評価する絶対評価を基本として、相対評価も併用しているところが多いです。
そのことから通知表の評価は、あくまで子ども自身の成長を見るためのものとして考える必要があります。
担任によっては評価が変わることもある
通知表の評価は絶対評価ではあるものの、担任や教科によっては主観が入りやすく、評価が変わる場合もあります。
たとえば、国語や算数などのテストの点数が重視される教科であれば、担任の主観が入りにくいため評価が一定になりやすいです。対して図工や音楽、体育のようにテストの点数が重視されない教科は、【主体的に学習に取組む態度】が評価として重視されます。
結果、担任の主観が入りやすくなります。このことから、担任の性格や考え方次第で評価が変わる場合もあるため注意が必要です。
がんばりましょう(C)があったら改善できるようにする
通知表の評価は保護者からのクレームや苦情が来ないように、本来の評価よりある程度高めにつける場合があります。逆に本来の評価より低めに設定することはないため、3段階評価でがんばりましょう(C)があった場合は注意が必要です。
がんばりましょう(C)と評価される割合は学級の10%程度であることが多く、評価の基準も達成率や正答率が60%未満となっています。このなかに含まれてしまうということは、その教科で学習の遅れが見られる可能性が高いです。
そのため、がんばりましょう(C)があった項目は、子どもと一緒に改善できるように努力する必要があります。
担任からのコメントにも目を通そう
通知表には3段階評価の項目以外にも、担任からのコメントが記載されている所見欄があります。こちらには、子どもの学習面・学校生活の様子や態度に関するよいことや課題が記載されています。
基本的に課題となる問題以外はプラス面の記述が多く、次から取組んでいくことなど見通しが持てるような内容が多いです。成績以外の子どもの学校での様子がわかる重要なポイントであるため、目を通しておくことがおすすめされています。
通知表の成績がすべてではない
通知表を見る上で重要なポイントとして挙げられているのが、通知表の成績がすべてではないということです。
通知表の成績や評価は、絶対評価によって子どもの成長度合いを見ることができます。ただし、評価内容は学校全体の学力が考慮されている場合が多く、評価による苦情を避けるために甘めに評価されていることもあります。
このため通知表の成績や評価が子どものすべてというわけではなく、あくまでも参考程度で考えることが大切です。
中学受験をする際は通知表の成績にも注意が必要
小学校の通知表の評価は、基本的に過剰に反応する必要はありません。ただ中学受験をする場合、通知表の成績や評価は無視できない場合があります。
一般的に中学受験で必要とされる通知表の成績や評価には、基準は設けられていません。私立中学では、通知表の提出を求められない場合もあります。一方、公立一貫校を受験する場合は、通知表の比重は2割程度を占めていることが多いです。
中学受験をする上で求められる能力や評価としては、高い学力が重要になります。そのため、主要4教科はよくできた(A)判定をめざすことがポイントです。
ほかにも、過去の成績や志望理由書・面接などが総合的な判断材料として重要視されます。また学力以外にも、運動会や文化祭・校外学習などの活動を通して、子どもの人間性についても評価の対象となっています。
小学校の通知表の正しい見方を知っておこう!
小学校の通知表は2020年度から評価項目が変更され、子ども自身の成長や成績を評価する内容となっています。特に3段階評価の割合や評価項目が表しているものは、ほかの子どもと比較しなくてもよいように配慮されているところがポイントです。
また、中学受験をする場合を除き、通知表の結果はあくまで参考程度と見て問題はありません。子どもの成長につながるように、うまく活用していくことが大切です。
通知表の見方で悩んでいるという小学生や保護者の方は、本記事を参考にして、気をつけるポイントを踏まえながら通知表の見方を覚えてみましょう。