日本のICT教育が抱える4つの課題とは?解決策や必要性、効果なども解説
小学校に導入されたICT教育の詳細を知りたいとお思いの方もいるでしょう。本記事では小学校のICT教育が抱える課題を解説し、改善方法や家庭でもできるICT教育について紹介しています。あんぜんに正しく、Tスキルを子どもに学ばせたい方は参考にしてください。
「子どもが受けているICT教育のあんぜん性が気になる」
「学校で実施されているICT教育にはどのような課題があるの?」
「ICT教育の課題を解決する方法を知りたい」
これからのIT社会を生き抜くためのスキルとして、ICT教育が授業に取入れられました。一方で学校でのICT教育には改善が必要ともいわれ、子どもが適切に学べているのか不安に感じている方もいるでしょう。
本記事では日本の小学校が抱えるICT教育の主な課題を解説し、それらを改善するために検討されている方法についても紹介します。この記事を読むことで、ICT教育の課題と対策がわかり、ICT教育への理解が深まるでしょう。
学校で取組まれているICT教育の課題と対策について詳しく知りたい方、ICTを子どもに正しく学んでほしいとお考えの方は、本記事をチェックしてみてください。
日本の小学校でのICT教育が抱える4つの課題
ICTは「Information and Communication Technology」の略語で、日本語では「情報通信技術」と呼ばれます。ICT教育ではコンピューターやタブレットなどを使って、授業を行います。
子どもに豊かな学習体験を提供して、情報化社会で生き抜く力を身に付けさせることが目的です。
文部科学省が発表した「GIGAスクール構想」をきっかけに、ICT教育の導入がはじまりました。しかし、教育現場では解決すべき問題が浮かび上がってきています。
ここからは小学校でICT教育が直面している課題について、主なものを4つ紹介します。
あんぜん性に問題がある
ICT教育ではインターネットに接続されたデバイスを使用する機会が多く、あんぜん性に問題があることが課題の一つです。
そのため、子どもが教師や保護者の目が行き届かないところで、思わぬトラブルや犯罪に巻き込まれるリスクがあります。パスワードやアカウントが漏洩して、個人情報を盗まれるケースや、SNSで知り合った人と直接会って犯罪に巻き込まれるといったリスクも想定されます。
インターネットは正しく使用すれば便利なツールです。子どもを危険から守るために、家庭でも正しい使い方を教えることを検討しましょう。
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出典:dキッズ|comotto
教師に負担がかかる
ICT教育が教師にとって大きな負担になっていることも、課題の一つです。
2017年に文部科学省が発表した「学校や教職員の現状について」によると、1日あたりの教師の勤務時間は10時間22分で、その多くは「生徒指導に直接かかわる時間」と「学校運営に関する業務」にあてられています。
新しい内容を指導するためには、教師も勉強が必要です。しかし、日々の業務に追われて、ICTの勉強する時間が確保できないという問題点が浮き彫りになっています。
出典:「学校における働き方改革」の推進状況について|文部科学省
学校間によって意識に差がある
学校によってICTに対する意識が異なり、それがICT教育の格差につながっていることも課題に挙げられます。
ICT教育の環境整備にかかる費用は高額になりがちです。私立校では、ICT教育に熱心に取組む傾向があり、公立校の間でも意欲的に取組む学校とそうでない学校で差が発生するといわれています。
ICT教育を知らない保護者が多く、設備の導入に理解を得られないことが格差発生の原因になる場合もあります。さらに、教育委員会と学校の認識に距離感があるために、意思疎通がスムーズに進まないのも問題点の一つです。
ICT機器の整備に地域格差がある
学校へのネットワーク環境や端末などの導入は進んでいるものの、その品質には地域格差があることがわかっています。
インターネット環境は回線速度の低下、機器の老朽化が進みがちですが、現場の教師は「現状のままでよい」という認識を持っていることも課題でしょう。
また、無線LANの導入に遅れがみられる自治体があるなど、「環境はあるが、使いにくい」という状態に陥っている学校も少なくありません。
出典:GIGAスクール構想に関する各種調査の結果|文部科学省
ICT教育の課題を改善する方法
ICT教育は導入されてから日が浅く、期待された成果が出ていない場合があります。しかし、うまく取入れることにより、子どもだけでなく教師にとってもメリットがある教育方法です。
ここからは、日本のICT教育が抱える課題を改善する方法について、項目ごとに紹介します。
あんぜん性に関する問題の対策をする
ICT教育を進めるためには、デバイス利用により犯罪に巻き込まれる危険性があることを学び、子どもがあんぜんに機器を利用するための対策が必要です。
文部科学省は学校で一人一台の端末を活用するにあたって、新たなセキュリティ対策が求められると発表しました。学校では、情報漏洩やウイルス感染を防ぐためのITリテラシー教育の実施が進められています。
家庭でも子どもにインターネット利用時の注意点を説明し、あんぜんな使い方を教えるとよいでしょう。
教師の負担を解消する
ICT教育を行う教師の負担を軽減することも、対策の一つに挙げられています。
教師もコンピューターやネットワークに関する知識を身に付ける必要がありますが、日々の業務に追われて勉強する時間が確保できないのが実情です。業務負担を減らす対策を行い、教師がICTを学ぶ時間を確保する体制づくりが求められています。
教師だけでICT教育の推進が難しい場合は、ICT教育の専門家を招いて、講習会を開くのも効果的です。学校によっては、授業の一部をサポートしてもらうなどのアウトソーシングも行われています。
学校間で意識格差をなくす対策をする
ICT教育に関して、学校間の意識格差をなくす対策も必要だといわれています。
学校によりICT教育に対する熱量には差があるのが実情です。他校の教師とICT教育の手法や設備の整備状況について意見を交換することで、自分の学校の環境改善につながります。意識が変わることにより、端末の利用や授業方針を調整することも可能でしょう。
ほかの教員や保護者に対するICTの啓発活動も有効です。周知を図ることで、ICT教育に関する理解が生まれ、協力を得られるでしょう。
ICT機器の整備の地域格差を解消する対策をする
ICT機器の整備状況について、地域格差をなくすことも大切です。
日々進化するデバイスやインターネット回線に合わせ、校内のICT環境も常に改善が求められます。ほかの地域の整備状況に目を配り、必要なものに関しては改善していく体制作りが必要です。
特に無線LANやモバイルWi-Fiルーターなどのインターネット回線にまつわる環境設定の遅れは、授業効率の低下につながります。導入にあたっては地方財政措置の利用を検討し、教育委員会にかけ合って導入を推進してもらう活動が必要です。
一部の学校では、校内のIT設備についてはICTの専門家を手配して構築や運用を依頼し、教師は子どもへの指導に専念するといった取組みもはじまっています。
出典:学校におけるICT環境の整備について(教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018(平成30)~2022年度))|文部科学省
ICT教育の課題について知っておこう
日本の小学校が抱えるICT教育の課題の詳細と改善方法を紹介しました。
小学校にICT教育が導入されてから日が浅く、ソフト面やハード面を問わずさまざまな課題があがっています。問題点を把握し、広い視野を持って自治体や教育委員会、学校や保護者が一体となって推進することが、ICT教育の普及につながるでしょう。
ICT教育は家庭でも実践することが可能です。オンラインサービスなどを上手に利用し、インターネットの危険性やあんぜんな使い方を学ぶことで、子どもが危険にさらされる可能性を防げます。
ICT教育の課題と改善方法を知り、家庭でも子どもがICTに親しみ、正しく使える環境づくりを心がけていきましょう。