初心者必見!そろばんのやり方を徹底解説!応用的な使い方や練習方法もご紹介
計算力を向上させるため、子どもにそろばんを習わせたいと考える方もいるのではないでしょうか。本記事では、そろばんの基礎知識、四則演算のやり方、応用方法をご紹介しています。そろばんを習わせたい、最近そろばんをはじめたという方は、ぜひチェックしてみてください。
「そろばんって難しいの?」
「子どもにそろばんを習わせたいと思っている」
「そろばんを使った計算方法を知りたい!」
このように、そろばんを使った計算方法に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。そろばんは集中力や計算力を養うのにおすすめな習いごとです。
本記事では、そろばんをはじめるにあたっての準備方法、知っておきたいそろばんの使い方、計算の基礎から応用までを詳しく解説しています。記事を読むことで、そろばんの基礎知識を知って、子どもと一緒にそろばんの勉強をすることもできるでしょう。
そろばんについて知っておきたい人、子どもにそろばんを習わせたいと考えている人は、この記事をぜひチェックしてみてください。
【準備編】そろばんのやり方
そろばんは古くから使われてきた計算道具であり、正しいやり方を知って効果的に活用することが重要です。そろばんには部位ごとの名称や、扱う際の適切な姿勢が存在します。
ここではそろばんを使って計算できるようになるための、基礎知識をご紹介します。実践に向けてきちんと準備しておきましょう。
そろばんの部位の名称
そろばんは複雑な構造を持っており、その部位ごとに固有の名称が存在します。外側の四角は「枠」、真ん中の棒は「梁」、上部分の珠は「五珠」、下部分の珠は「一珠」、梁の真ん中にある点は「定位点」です。
そろばんでは、下の珠が1を、上の珠が5を表しており、上と下の珠を使うことで、各位と0~9の数字を表すことができます。
そろばんの適切な姿勢
そろばんを正しく使用するためには、適切な姿勢を覚える必要があります。ここでは、そろばんを行うときに集中しやすいといわれている4つの条件を紹介するため、しっかり覚えておきましょう。
まずは、あごを引き、顔を首の上にのせるようなイメージにしてください。次にイスに深く座り、おしりと腰を直角にしましょう。
そして太ももをしっかりと閉じ、両膝を揃えてください。最後に足の裏を床に付けて適切な姿勢の完成です。
以上が集中力を保つために、推奨されている姿勢です。ただし、集中力の上がる姿勢には個人差があるため、子どもが集中しやすい姿勢を一緒に見つけてあげましょう。
そろばんは人差し指と親指で持つのが基本
そろばんは計算の速さだけでなく、正確さも求められます。両方を実現するためには、正しい持ち方を知っておくことが必要です。
そろばんを持つ際には、人差し指と親指を使って持つようにします。具体的な位置は、梁の左から2つ目の点あたりです。枠だけ持つと珠を正確に動かすことができないため、そろばんを包むように持ちましょう。
筆記用具を持つ手にも注意が必要
そろばんを使用しながら筆記用具で回答を記入するためにも、鉛筆の持ち方に注意しておきましょう。右利きの場合、珠を弾くときは親指と人差し指を使います。そのとき、鉛筆は親指と人差し指以外の3本の指で握るようにしてください。
左利きの場合、同じく親指と人差し指で珠をはじきます。そのとき、鉛筆の先をそろばんの向こう側を向くように握ってください。握り方や筆記用具の位置に気をつけることで、両手の動きがスムーズになり、効率的な計算が可能になるでしょう。
数の動かし方
そろばんでは、数を表すために珠を上下に動かします。梁に示されている定位点を基準として計算していくのが一般的です。
ある定位点を一の位に設定したら、左にいくにつれ位は十の位、百の位、千の位と大きくなっていきます。一方、右にいくにつれ、十分の一、百分の一、千分の一と小さくなることを覚えておきましょう。
一の位の下部分の珠を1つ上に動かすと「1」を表し、4つすべて上げると「4」を表します。また上部分の珠を下に動かすと「5」を表し、すべての珠を梁に寄せて表せる数は「9」です。「10」を表したい場合は、一の位の珠をすべてもとに戻し、左隣の十の位の珠を1つ上に上げます。
そろばんでは、各位の珠を使って数字を表していくので覚えておきましょう。
珠の動かし方
細かな数字や複雑な計算を扱う際には、珠の動かし方が計算の正確さに影響を与えるため、基本を押さえておきましょう。
ここでは、指を2本使って珠を弾くやり方をご紹介します。たとえば右利きの場合、1~4を表すときは親指で珠を上に弾き、戻すときには人差し指で珠を下に弾いてください。
5を表すときは、人差し指で珠を下に弾き、戻すときは親指で珠を上に弾きます。6~9を表すときは、人差し指と親指で上下の珠を同時に、梁に寄せるように弾きます。珠をもとに戻すときも同様です。
【実践編】そろばんでの計算方法
そろばんを使った計算は、基本的な四則演算(足し算・引き算・かけ算・割り算)が中心です。正確な計算方法を学び実践できれば、そろばんの利点を十分に引き出せるでしょう。
ここでは、足し算・引き算・かけ算・割り算のやり方を紹介しますので、しっかりと学んでおきましょう。
足し算
そろばんで足し算を行う際は、各位の珠を上下に動かして行います。桁上げが必要な場合は、数の重なる部分で特定の手順を踏むことで正確に計算できるようになるため、覚えておきましょう。実際に例を用いて足し算のやり方を解説していきます。
たとえば「3+7」の計算を行ってみましょう。まずは、そろばんの一の位の珠を3つ上げます。次に、7を加える必要がありますが、1つ工夫が必要です。一の位から3を引いて、十の位に1を加えてください。
理由は、一の位に7を加えると、桁が繰り上がります。そのときに一の位の3を引いておかないと、計算ミスをする可能性が高まるからです。
「3+7」の計算はこれで終了です。そろばんを見たときに、十の位の珠が1つ上がっていたら正解になります。
引き算
引き算では、数の借り方や桁の値を考慮しながら、珠を上下に動かします。実際に例を用いて引き算のやり方を確認していきましょう。
たとえば「11-4」の計算を行ってみます。まずは、そろばんで「11」を作ってください。次に、4を引いていきます。十の位の1を下げて、一の位の1珠を1つ上げ、5珠を下げてください。そろばんを見て、一の位の1珠が2つ上がっていて、5珠が下がっている状態であれば正解です。
かけ算
次にかけ算のやり方についてご紹介します。足し算・引き算と比べると少し難易度が上がるため、確実に計算できるようにしておきましょう。
たとえば「72×3」を計算してみます。まずは、72の十の位と3をかけ算してみましょう。「7×3=21」になるので、そろばんで21を作ります。
次に一の位にある左の人差し指を、1つ右隣にずらしてください。これはもとの十の位と一の位の位置をそれぞれ右に1つずらすという考え方です。
つまり、先ほどの「7×3」の計算は「70×3」の計算をしており、計算の桁が「7×3」よりも1つ大きいことをここで修正しています。
ずらした一の位に注意しながら「2×3=6」を行います。そろばんを見て、ずらした一の位の五珠が1つ下がり、一珠が1つ上がっている状態、十の位の一珠が1つ上がっている状態、百の位の一珠が2つ上がっている状態であれば正解です。
少し複雑ですが、これがマスターできれば、ほとんどのかけ算を解くことができます。
割り算
割り算では、被除数と除数を正確に配置し、桁ごとに計算を進めていくことがポイントです。例を用いて割り算のやり方を確認していきましょう。
たとえば、「56÷2」の計算をします。まずは、割られる数の「56」をそろばんで作ってください。
次に「5÷2」を行い、商が2余り1となります。ここで商の「2」を十の位の2つ左の位置で表しておいてください。そして今の「5÷2」は「50÷2」を表しているため、今入れた2を割る数の2にかけた分だけ十の位から引きます。
現状そろばんは、一の位が6、十の位が1、千の位が2を表している状態です。次に「5÷2」で余りが1出たため、余りと十の位の数を足して、2で割ります。つまり「16÷2」ということです。そして答えの「8」を百の位に置きます。
最後に今入れた「8」に割る数の「2」をかけた数を、十の位と一の位から引きます。そろばんの千の位が2、百の位が8を表していれば正解です。
桁がずれるため難しくなっていますが、何度も問題を解いてマスターしましょう。
【応用編】そろばんを使った特殊な計算のやり方
そろばんは基本的な四則演算だけでなく、特殊な計算にも利用できるのが特徴です。ここでは、繰り上がりと繰り下がり、暗算や片落としのやり方について解説します。
まだ四則演算をマスターできていないという方は、練習問題を何問も解いて計算力を身に付けてください。
繰り上がり
そろばんを使った計算で、桁上げが発生する場合、繰り上がりを行う必要があります。簡単な計算でも、桁が変わる瞬間には注意が必要です。
繰り上がりを考えるときに、補数の概念を意識してください。たとえば十の位の繰り上がりを行う際に、10にあといくつ足りていないかを考えます。
「7+6」で練習してみましょう。まずは、一の位に7を作ります。次に6を足しますが、珠が足りないため繰り上がりを行ってください。
ここで足す6が10にいくつ足りていないかを考えます。10から6を引くと4で、その4を一の位から引いてください。
繰り上がりが必要な計算では、足す数の10に足りていない分を、一の位から引くと覚えておきましょう。
現状、一の位が3になっていますが、繰り上がりを行い十の位に1を足して計算は終了です。
繰り下がり
そろばんでは、引き算やかけ算において繰り下がりが発生する場合があります。繰り上がりとセットで覚えておきましょう。
例として「35-17」を計算します。まずは35を作ってください。次に17を引くために、十の位から引いていきます。十の位には3があるため、「3-1」で1を引いてください。
次に一の位ですが、5が置いてあるため7が引けません。そこで繰り下がりを使います。
十の位には、2がありますが、10を引くために1を引いて「1」にしてください。次に一の位の計算ですが、7を引きたいので、一の位を3上げます。
これで一の位は8、十の位は1となり、「35-17=18」の完成です。何桁になっても考え方は同じですので、反復練習を重ねましょう。
暗算・フラッシュ暗算
そろばんで四則演算ができるようになると、暗算やフラッシュ暗算もできるようになります。そろばんの暗算は、珠算式暗算といわれており、頭のなかでそろばんを弾いて計算するやり方です。
珠算式暗算でトレーニングを積むと、フラッシュ暗算もできるようになるでしょう。フラッシュ暗算とは、一定の間隔でパソコンの画面に数字が表示され、それを珠算式暗算を使って計算する方法です。そろばんに慣れてきた方はぜひ、挑戦してみてください。
片落としと両落とし
そろばんには片落とし、両落としという独特な計算方法があります。片落としでは、かけられる数はそろばん上に表しますが、かける数は表しません。そのため、かける数は問題用紙を見ながら、もしくは頭で考えながら解きます。
一方両落としは、そろばんの両端にかける数、かけられる数ともに置かない方法です。両落としは、問題を置く時間も、最後に問題を消す時間もかからないため、計算が格段に速くなります。計算スピードを上げたい方は、両落としをマスターしましょう。
そろばんのやり方の練習方法
そろばんの効果的な使い方を身に付けるためには、練習が欠かせません。具体的にはそれぞれの数の配置を覚えたり、毎日指慣らしを行ったりするとよいでしょう。
ここでは、そろばんを少しでも早く身に付けるための練習方法について解説します。これからそろばんをマスターしたいという方も、ぜひチェックしてみてください。
1~9の形を覚える
そろばんを使った計算で、1~9の形を正確に覚えることは、基本中の基本です。数字の形を覚えることで、スムーズかつ正確な計算が可能になります。
そろばんをはじめてすぐのうちは、毎日1~9の形を自分で作ってみたり、写真で何の数字を表しているのか考えたりしてトレーニングしましょう。
指慣らしを毎日行う
指慣らしは、そろばんを使った計算で指の柔軟性や動きを向上させるためにも必要なトレーニングです。毎日継続することで、指のコントロールが向上し正確な計算が可能になるでしょう。
また指慣らしをする際は、正しい指使いで珠を弾くようにしてください。自己流の弾き方が身体にしみついてしまうと、計算するときの時間ロスにつながる可能性があります。
時間制限を設けて練習する
計算練習に時間制限を設けることで、集中力や計算スピードの向上が期待できます。短時間で効率的な練習を繰り返すことで、計算力が飛躍的に向上します。
そろばん塾だけでなく、家庭でもそろばんの練習をする際には、時間を意識して練習に励みましょう。試験本番の緊張感に慣れるためにおすすめのトレーニングです。
そろばん検定でそろばんの熟練度を試すこともできる
そろばん検定とは、そろばんの熟練度を試す試験です。検定試験には、珠算能力検定試験、暗算能力検定試験、段位認定試験などがあり、それぞれ異なる能力の熟練度を測ります。
検定では、そろばんの技術だけでなく、計算力や集中力も要求されます。検定を受験することで、自身の成長を実感できるでしょう。
出典:検定試験|日本珠算連盟
そろばんのやり方をマスターしよう
ここまで、そろばんの基本となる計算方法から応用まで、詳しく解説してきました。そろばんのやり方をマスターすることは、計算力の向上だけでなく、論理的思考や集中力の養成にもつながります。
本記事を参考にしながら、基本から応用までのスキルを身に付けましょう。継続的な練習と実践を通じて、そろばんを使った計算のプロフェッショナルをめざしてみてください。