読書感想文の構成は3段階がきれいで簡単!事前の準備やスムーズに書くコツをご紹介
多くの人が読書感想文を書くことに苦手意識を持っているのではないでしょうか。本記事では読書感想文をスムーズに進めるための構成やコツなどを詳しくご紹介しています。読書感想文に苦手意識を持っている方はぜひ、ご覧ください。
「読書感想文の書き方がわからない」
「読書感想文を上手く書きたいが、構成の考え方がわからない」
「先生に褒められる読書感想文の書き方は?」
このように、読書感想文の書き方について疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、読書感想文の大枠の書き方やスムーズに執筆する方法、よりよい読書感想文にする方法を紹介しています。読書感想文の書き方で迷った際や、書き終わったあとに完成形に納得できない場合に参考になるでしょう。
また、読書感想文を書く子どもに対して親ができるアドバイスやサポートについても紹介しています。親がどのようにアドバイスすれば子どもの助けになるのかわかるため、子どもがいる方や、子どもが読書感想文の書き方で困っている場合は参考にしてみてください。
読書感想文の構成は大きく三つでOK
読書感想文を書く上でつまづくポイントとして多く挙げられるのが、「構成の仕方」です。散見される課題としては下記が挙げられます。
・正しい構成がわからず、話が前後して支離滅裂になる
・各構成の適正な文章量がわからず、バランスが悪い
しかしながら、読書感想文はたった三つの構成で書くことが可能です。本章では、三つの構成である「序論」「本論」「結論」それぞれで書くべき内容とポイントの詳細をお伝えします。
序論(はじめ):どんな本を読んだのか
読書感想文のファーストステップは本の紹介パートとなります。
どのような本かを紹介する上で記載すべき内容は下記二点です。
・自身がその本を選んだ理由、キッカケ
・その本のあらすじ
読書感想文は題材を指定されているケースもありますが、自由選択の際にはなぜその本を選んだのかという理由や背景を盛り込むことで、難しい書き出し部分をスムーズに進めやすくなります。
また、本のあらすじについては、つい長文になりやすいため注意が必要です。小学生や中学生の場合は特に強弱のない説明文なりがちなので、コンパクトにまとめることを心がけましょう。
短い文章でも本のあらすじを伝えるためには「誰が」「何をする」話なのか意識することがポイントになります。
本論(なか):本を読んで感じたこと
読書感想文のセカンドステップはメインである感想部分です。
ここでは、下記二点を意識して本を読んで感じたことを記載することがポイントです。
・具体的な部分に焦点を当てて記載する
・自分のこととして捉えて記載する
具体的には、本のなかで一番印象に残った会話やシーンをピックアップして、感じたことや考えたことを記載します。具体化することで感想文の読み手にも伝わりやすい文章になりやすい傾向があります。
自分のこととして捉えるとは、自分の過去の体験や登場人物に自分を当てはめて、感じたことや考えたことを等身大で書くことをさします。実際の原体験をもとに記載することで説得力のある文章となるでしょう。
結論(まとめ):本を読んだ上での自分の意見
読書感想文のラストステップは「本を読んだ上で得た学びや意見、それを実生活でどう活かしていくか」というまとめ部分となります。
結論では下記二点を意識しましょう。
・本論で感じた/考えたことをまとめる
・まとめた意見をもとに実生活への反映や変化を記載する
はじめに、一つ前のステップで記載した具体的なエピソードに対して感じたことや考えたことをまとめて、自分の意見をはっきりと記載します。自分が何をいいたいか、明確化してまとめることが大切です。
また、本を読んだ上で持った意見が「もともと自分の価値観や考え方にどう影響を与えたのか」や「今後の実生活にどう活かしていくか」までまとめることで、読み手にインパクトを与えられる感想文になるでしょう。
読書感想文を書く前に確認するべきポイント
前章では実際に読書感想文を書く際の構成をお伝えしました。しかしながら、読書感想文は書きはじめる前に押さえておくべきポイントが複数存在します。
具体的には下記三点です。
・感想文の対象となる本に指定があるか
・文字数に上限/下限、基準分量があるか
・書き方に規定があるか
本章では読書感想文をスムーズに書くために必須の事前準備を詳しくお伝えします。
課題図書があるかどうか
はじめに、課題図書として本が指定されているかを確認しましょう。具体的な本まで指定されているケースから、ジャンル指定や複数選択肢から選ぶケースもあります。
指定された範囲内であれば、どのような本を選択しても問題ありません。選ぶ上で重視する軸は下記の三点を意識することがおすすめです。
・本の登場人物に共感できる本
・自身が興味のあるジャンルやカテゴリの本
・共感、興味のあるジャンルがない際には無難な名作や過去読んだことのある作者の本
読書感想文を書きやすいのは、自分が登場人物の言動に共感できる本です。
また、同様に興味のあるジャンルの本は感想文を書きやすくなります。どうしても共感できそうな本や、興味のあるジャンルがなければ名作や過去に読んだことのある作者の本を選ぶことが無難です。
文字数の目安は指定されているか
文字数は三つの構成の文章量を決める上で重要な指標の一つです。事前に必ず確認しましょう。
本記事では「全国学校図書館協議会」と「毎日新聞社」が主催している青少年読書感想文全国コンクールの文字数を一つの基準としてご紹介します。
・小学校低学年:~800字
・小学校中学年/高学年:~1200字
・中学生/高校生:~2000字
出典:会社概要|毎日新聞社
原稿用紙の書き方
実際に原稿へ記載する際に押さえるポイントは二点あります。
一つ目はマスを空ける部分の対応です。冒頭の題名は、一番右端の1行目に2~3マス空けて書きはじめましょう。また、段落のはじめは1マス空けること、段落が変わる際には改行することも必要となります。
二つ目は会話文の書き方です。会話文を書く際には改行を行い、「」を付けましょう。終わりの際には句読点(。」)も記載が必要です。
読書感想文をスムーズに進めるコツ
読書感想文を書く上での事前に確認すべきポイントと構成を知り、いざ書きはじめるとなった際にペンが止まりがちでなかなか進まない方もいるのではないでしょうか。
本章ではスムーズに進められない場合の対策をお伝えします。
本を読む際は「付箋を貼りながら」
読書をしていると以前読んでいた部分で「どう感じたのか?」をつい忘れがちです。また、読書に慣れていない方に多い現象として、読み終えた際に見返したい部分が見つからないということが往々にしてあります。
そのようなときにおすすめの対策が、付箋を貼りながら読み進めることです。
具体的には、読む際に付箋を用意して自身の心が動いたシーンや会話があるページに付箋を貼ります。その上で何行目の部分にどのような感想を持ったのか記載するという簡単な方法です。
このひと手間を加えることで思い出しやすくなり、スムーズに感想文の作成を進められます。
積極的に感じたことをメモに取る
付箋を貼ることと併せておすすめの方法は、ノートなどにメモを取ることです。
本を読むなかで感じたことや考えたことを書き出すことで、自身の感情や考えを視覚的に捉えることが可能です。そのため、「自分はどう思っているのか?」や「感想文として何を書きたいか」が浮かびやすくなります。
自分の感情を見える化すると、読書感想文構成でペンが止まりやすい「本論」をスムーズに進めることが可能です。
自分の考えを深める
読書感想文を書く上で、ただ読んだだけでは感想が浮かばない方もいるでしょう。その際におすすめなのが、自分の考えを深めるアクションです。
具体的な方法は以下です。
・本のシーンや会話で、自分が過去に体験したことがないか洗い出す
・同様の体験があった際に自分は「どう思ったか?考えたか?」を整理する
・本の登場人物だったとき、自分はどのように考えるか
・作者の考えや意図は何かを洗い出し、自分の考えを整理する
感想が浮かばない際には、自身の過去を振り返り作品と近い原体験を探すことがおすすめです。自分にも似たエピソードがあれば、登場人物への共感や意見を持ちやすくなります。
また、似た体験をしたことがない際には作者がどのようなことを考えているのか、意図を考えて自分の考えを持つことも方法の一つです。
複数回読み返して修正する
読書感想文は「1度書いて終わり」ではなく、何度か読み返すことが大切です。
理由としては書いているときは、きれいな内容と思っていた部分にも内容の乖離や流れの飛躍があるケースが散見されることが多くあります。
また、接続詞が誤っているケースや、漢字やいい回しが適切でない場合もあります。
そのため、1度下書きとして感想文を書いた上で読み返しを行い、別の清書用紙に改めて記入する方法がおすすめです。
読書感想文に関して親が子どもにできるアドバイス
特に小学生の子どもが読書感想文を書き進める上でどのようにサポートすればよいか、わからない親の方も多いのではないでしょうか。
子どもの課題に介入しすぎず、よい形でアドバイスする方法を二つ紹介します。
一つ目は問いかけ形式で子どもの考えを引き出してあげましょう。
答えを教えてしまうと自分で考えずに読書感想文を書き進めてしまうため、「本を読んでどう思った?」「印象に残った部分はある?」「どうしてそう思ったの?」など考えを引き出して深堀りしてあげることが最適です。
この際に、具体的な例を挙げて深掘りをしたり、時事ネタを取入れて考えるように促すと考えを引き出しやすくなるためおすすめです。
二つ目に、考えをふまえてどうするかを一緒に考えることです。
結論のまとめ部分で、考えを意見としてどのようにまとめるかは難しい部分でもあります。その際、子どもに「〇〇ならどうする?」と語りかけて、考えをまとめて言動に落とし込んでいくことがおすすめです。
その際には、子どもの学外での学びや活動での経験を取入れるように促すと、オリジナリティのあるよりよい感想文となるため推奨しています。
【学年別】読書感想文がレベルアップする方法
ここまで、読書感想文を書く上で共通のポイントやコツをお伝えしてきました。しかしながら、抑えるべきポイントは小学生、中学生、高校生と年代別に異なります。
本章では各年代で抑えるべき内容やコツをお伝えします。
小学生の場合
小学生の場合、低学年と高学年で重要な視点は異なります。低学年はまず感想文を書くことと、その際に自分の考えや感想を文章にできることが重要です。
その際、前章でお伝えした「どう思うか?」をいかに親が引き出すかがポイントとなります。
高学年では、考えたことに自身の体験談や身の回りの出来事を紐づけて、具体性を出すことがポイントです。具体的なエピソードを添えることで、低学年の頃のような、単に感想だけを述べたものよりも説得力のある感想文になります。
中学生の場合
中学生は小学生で意識するポイントに加えて、意見をわかりやすく表現することや、意見をもとに自分がどう行動していくかなど、実生活へどう活かすかまで言及することが大切です。
小学生では「自分の意見や感想を文章で書けるか」という点が読書感想文の基準でした。しかしながら、中学生では主観的な意見や文章に留まらず、作者視点で考えることや、読み手にわかりやすい文章を書くなど、視点を変えて意見を深めていくことが求められます。
この際に作者の意図までくみ取ると、よりよい感想文になります。
高校生の場合
高校生になると、読書感想文に奥行きや深さが求められます。そのなかで重要となるのが論理性です。
小中学生とは異なり、主観的な意見だけではなく根拠となる情報源があることや話の主旨が一貫しているか、論理の飛躍がないかという点がポイントになります。
この際に、話の論点をまずは整理すること、その上で社会問題やニュースなどを事例として取入れたり、何かしらのデータなどを活用して説得力を持たせた文章にすることが大切です。
読書感想文の構成を上手く活用しよう
宿題として出されることの多い読書感想文は苦手意識を持つ人も多く、親の方も正解がないと思いアドバイスすることが難しいと考えている方は多数います。
しかし、本記事で説明したように読書感想文の基本構成はたった三つと予想より簡単と思った方も多いのではないでしょうか。
今回お伝えしたコツや方法をもとに構成のフォーマットに沿って書くことで感想文は十分に書ききることが可能です。
スムーズに書けるようになると、苦手意識があっても自ずと楽しめるようになるものです。文章の良し悪しや評価は恐れず、まずは自分の考えを文章にすることを楽しんで進めてみてください。