【1歳前後が多い】母子分離不安とは?親ができる対応方法や原因について詳しく解説
母子分離不安とはどんな状態で、どのように対処したらよいかご存じでしょうか。本記事では、母子分離不安について、頻出する年齢や原因、具体的な対処法について紹介します。子どもの親離れや母子分離不安について不安や疑問をお持ちの方はぜひ、参考にしてみてください。
「母子分離不安とはどんな状態?」
「子どもが親から離れないのはどうやって解決したらよい?」
「母子分離不安の子どもへの接し方はどうしたらよい?」
このように、母子分離不安について不安や疑問をお持ちの方はいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では母子分離不安の状態やその原因、対処法について詳しく解説しています。記事を読むことで、母子分離不安の子どもへの適切な対処方法がわかるでしょう。対処方法は比較的容易にできるものを紹介しています。
また、子どもの母子分離不安で困った際の相談先についても紹介しています。子どもが親離れできずに困っている方や、子どもが幼稚園・保育園に行きたがらなくて困っている方はぜひ、ご覧ください。
母子分離不安とは
母子分離不安とは、子どもが親や育ててくれている人から離れた場合に不安を感じることをさします。子どもによっては泣いてしまう子どももいるでしょう。
子どもは親や養育者に対してあんしんやあんぜんを感じ、求め、頼っています。頼っている人がいなくなることで強い不安を感じる子どもが多いですが、心配する必要はなく、医療機関を受診する必要もありません。
「分離不安症」と診断される場合もある
分離不安症とは、自宅や親などの愛着を持っている人・場所から離れることで、持続的に強い不安を感じる病気です。
分離不安症で子どもが感じる不安は、母子分離不安と比較しても強烈であるため、適切な処置が必要です。
出典:親離れできない【分離不安症とは】心療内科|ひだまりこころクリニック金山院,精神科,メンタルクリニック
母子分離不安と愛着障害の違い
母子分離不安は、子どもが親や育ててくれている人から離れた場合に不安を感じることをさしていますが、愛着障害は、乳幼児が養育者との間に安定した愛着関係を築けなかったために起こる問題です。
特に、1歳前後の乳幼児は、愛着形成の重要な時期です。乳幼児が泣いたり、ぐずったりしたときは、乳幼児を抱っこしたり、肌を触ったりすることで愛情を伝えていきましょう。
母子分離不安が多くみられるのは1歳前後
母子分離不安は生後8か月頃からはじまり、2歳頃まで続きます。生後10か月~1歳半くらいまでがピークだとされています。
2歳になると、親や養育者が見えなくなったからといって、いなくなったわけではないことを学び、信頼感が発達することで母子分離不安は弱まっていきます。
小学校入学後に母子分離不安になることもある
母子分離不安は小学校入学後にはじまる場合もあります。あんしん感のあった環境から新しい集団のなかに入ることに強い不安や恐怖を感じてしまうことが原因です。
母子分離不安になった場合には、親子の距離を縮めてあんしん感を持たせてあげるようにしましょう。また、自立させようとすることで、かえって不安が強くなる場合があるため注意が必要です。
心理的に安定したら、同世代のなかで自己有用感が持てるように保護者がサポートしてあげるとよいでしょう。
子どもに母子分離不安が起こる原因は?
ここからは子どもに母子分離不安が起こる原因を年齢別で紹介します。
子どもの年齢によって母子分離不安が起こる原因は異なるため、それぞれに合った方法で対応する必要があります。年齢ごとの原因を理解し、適切な接し方ができるようにしましょう。
乳児期に起こる原因
乳児期に母子分離不安が起こるのは、子どもの発達段階の1つとされています。乳児期には保護者の存在を感じることであんしんできることを学ぶ時期です。
乳児期には、対象の永続性を認識できていないため、子どもが不安になり泣いてしまう場合があるでしょう。対象の永続性とは、実際に姿が見えたり声が聞こえたりしなくても、対象は存在しているという考え方です。
1歳半前後に起こる原因
1歳半前後では、対象の永続性が認識できれば不安が軽減されることがあります。
しかし、子どもによっては対象の永続性を認識できず、親や養育者が近くにいないと不安になってしまう子どももいます。発達段階や認知の成長度合いによって、不安の有無が変わるため、子どもに合った対応ができるようにしましょう。
3歳前後に起こる原因
3歳前後の母子分離不安は、環境の変化によって起こります。3歳前後は幼稚園や保育園に入るなどの環境の変化があります。
環境が変わることは大人にとってもストレスであるのと同様に、子どもにとっても大きなストレスであり、それによって母子分離不安が起こるのです。しかし、この場合の母子分離不安は一時的であることが多いとされています。
いずれの年齢も親が子どもと遊ばない場合は注意
親子で遊ぶことで親子の絆は深まり、子どもは安心感を得ることができ、親子での遊びは母子分離不安を軽減することにつながります。反対に、親子で遊ぶ時間が全くない場合は、子どもが母子分離不安になる原因になることもあります。
そのため、乳幼児には、「いないいないばあ」をしたり、わらべうたを歌ってあげたり、できるだけ親子でスキンシップをとる時間を設けましょう。
1歳半前後の子どもであれば、親子で一緒にごっこ遊びをしたり、積み木遊びなどをするとよいでしょう。また、3歳前後の子どもの場合は、体力的にもより活発になるので、親子で一緒に鬼ごっこをしたり、パズルなどで集中力を育みながら一緒に遊ぶのもよいでしょう。
母子分離不安の対処法
ここからは、母子分離不安の対処法を5つ紹介します。
対処法を多く知っていることで、子どもが母子分離不安になった場合も適切に対応できるでしょう。子どもが母子分離不安の方はぜひ参考にしてみてください。
親子で遊ぶ時間を増やしてみる
子どもと一緒に遊ぶ時間を意識的に増やしてみるとよいでしょう。子どもは保護者から十分な愛情を感じることで、不安感が軽減し、保護者から離れやすくなります。泣いているときは積極的に抱っこしてあげましょう。
一緒に散歩をしたり、料理や掃除をすることもおすすめです。親子で同じことに取組み、距離を縮めておくことで子どもの不安も解消されるでしょう。
また、子どもから離れるときは子どもが不安にならないような声かけをすることも有効です。あんしんする言葉をかけられるようにしましょう。
子どもに対する不安を出さないようにする
子どもに対する不安や心配を保護者から感じると、子どもにその気持ちが伝わってしまいます。伝わることによって、余計に子どもは不安になり、母子分離不安も強まってしまいます。
保護者が子どものことを不安に思ってしまう場合も多いですが、子どもを信じて不安や心配の感情が出ないようにしましょう。
徐々に親と離れられるよう工夫する
母子分離不安は、子どもがあんしん感を得られないことが原因で起こってしまうものです。そのため、母子分離不安のときは子どもが不安定にならないようにすることが大切です。
あんしんできることで子どもは自分から離れていくこともあります。子どもが離れていくときには、親は追いかけずに子どもと離れるようにしましょう。
ストレスを減らすよう心がける
3歳前後では、幼稚園や保育園への入園があることから子どもがストレスを感じやすい年齢です。子どもにストレスがかかるのであれば、幼稚園や保育園にも無理に連れていくべきではないでしょう。
また、一気に入園まで進めてしまうのではなく、段階的に親子が離れる時間を作るなどして子どもがストレスを感じるタイミングを減らすのもよい方法です。
その際には、子どもとのコミュニケーションも重要になるため、保護者から積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
学校以外で学べる居場所を作る
母子分離不安の場合は、親子の時間を増やすことが有効な解決方法です。その際に親子で共同作業ができると、子どものあんしん感につながります。
親子で行う共同作業には、タブレット学習がおすすめです。親子で学ぶことで子どものあんしん感にもつながるとともに、学校以外の居場所を作ることができます。
五感を使って、手を動かして試行錯誤ができるアナログの良さと、デジタルの良さを掛け合わせた新感覚の学びをSTEAM領域のバラエティ豊かなテーマでお届けします。(※対象年齢4歳〜10歳)。
詳細や利用条件等は下記リンク先よりご確認ください。
出典:ワンダーボックス for docomo|docomo comotto
母子分離不安の悩みの相談先
母子分離不安など子どもや育児にかかわる悩みは相談しにくい場合も多いでしょう。
ここからは、母子分離不安の場合の相談先を3つ紹介します。子どもが母子分離不安の方はぜひ参考にしてみてください。
児童相談所
児童相談所には、医師や児童心理士、児童福祉士がいるため、母子分離不安の相談にも乗ってもらうことができます。
児童相談所は各地域に設置されているため、住んでいる地域の児童相談所に相談するとよいでしょう。児童相談所は、ほかの関係機関と連携を取ることもできるため、困った際は相談してみることをおすすめします。
子育て支援総合センター
子育て支援総合センターとは、子育てをしている家庭の支援を行っている機関です。自治体が運営している場合や医療機関が運営している場合があるため、保健師か看護師が相談に乗ってくれます。
子育て支援総合センターには療育指導をするところもあるため、まずは近くの子育て支援総合センターに相談してみましょう。
精神科
児童相談所では、病院を紹介される場合もあります。その場合は紹介してもらった病院を受診するようにしましょう。
児童相談所で紹介をもらわずに医療機関を受診する際は、児童精神科やかかりつけの小児科医がおすすめです。
大人の分離不安症も確認しておこう
子どもだけでなく、大人が分離不安症になることもあります。
例えば、大人になって実家から出て家族と離れて暮らそうとするけれど、強い不安を抱き、ひとり暮らしをすることや、親離れすることが困難であるなどの場合です。
状況によっては、家族との分離に対しての悪夢を繰り返してみたり、体調不良になることもあります。万が一、不安を感じたら、一人で抱え込まずに医療機関を受診することをおすすめします。
出典:分離不安症:【こころ診療所吉祥寺駅前】東京都・吉祥寺の心療内科・精神科
母子分離不安を上手に乗り越えていきましょう
ここまで、母子分離不安の内容やその対処法、相談できる機関について紹介しました。
子どもの母子分離不安の表出のし方は発達段階によって異なります。子どもの母子分離不安の程度や内容に応じて、適切に対応できるようにしましょう。対処法や相談先に困った際には、ぜひ、本記事を参考にしてみてください。