カマキリの餌は何を与えればよい?飼育に必要なもの・気をつけることを併せて解説!
カマキリを飼ってみたいけれど、詳しい飼い方は知らないという方もいらっしゃるでしょう。本記事では、カマキリの飼育方法と飼うときの注意点について詳しく解説しています。カマキリに適した飼育環境を知りたい方や飼育方法についてお悩みの方は、参考にしてください。
「カマキリを飼うときって何を用意すればよいのだろうか?」
「餌をどうやってあげればよいのかわからない」
「どんなことに気を付けて飼えばよいのか?」
カマキリは庭や公園などで捕獲できる、身近な昆虫です。しかし、飼い方自体がわからず、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、カマキリの餌のやり方や飼育に必要なもの、飼うときに気をつけるべきことなどについて解説します。この記事を読めば、カマキリの飼育方法の基本的な流れを知ることができ、健康的な状態で、カマキリを長期間飼えるようになるでしょう。
カマキリの飼育方法について知りたい方、カマキリを上手く飼うコツを知りたい方はぜひ、本記事を読んでみてください。
カマキリに餌をあげるコツ
カマキリは肉食の昆虫なので、基本的に生きた獲物のみを食べます。そのため、与えた餌が死んでいて動かなければ、食べようとはしません。
動かないものを餌として与えるときは目の前で動かし、獲物として認識させることがコツです。その際は指を挟まれないようにピンセットや竹串などを使い、カマキリの目の前で動かしましょう。
またカマキリは生きた昆虫などを餌としていますが、人間の食べものを与えることも可能です。
カマキリの飼育に必要なもの
カマキリのために必要な飼育用品は比較的少なめですが、ケースや止まり木などのサイズには注意が必要です。
また、バッタなどの生餌が用意できない場合は、人工的な餌も用意しなければなりません。
ここからは、用意する飼育用品について詳しく紹介していきます。
大き目の昆虫用飼育ケース
カマキリの飼育ケースを用意するときは、高さが20cm以上ある大きめのものを用意しましょう。少なくとも、飼育するカマキリの大きさより、約2倍以上の高さがあるかどうか確認してください。高さのある飼育ケースがない場合は、ケースを縦にして使うとよいでしょう。
カマキリは産まれてから一生を終えるまでに、脱皮を数回繰り返して成長します。脱皮はぶら下がって行うので、飼育ケースに高さがないと、翅(はね)を上手く伸ばすことができず、脱皮が失敗してしまうでしょう。
また、複数のカマキリを同じケースで飼うと、高確率で共食いをします。飼うときは必ず一匹ずつケースをわけて飼育しましょう。
止まり木は必ず用意
カマキリはプラスチックケースの壁を登ることもできますが、ツルツルしている壁だと脱皮中に落下してしまうことがあります。安全に脱皮を行うためにも、足場として止まり木を用意しましょう。
止まり木は安定した足場となるよう、太さがあり、飼育ケースの天井まで届く長さの枝などを利用します。動かないよう瓶などの容器にさし、カマキリが入り込まないよう脱脂綿などで、覆っておくとよいでしょう。
枝に葉っぱがあれば霧吹きで吹いた水が付きやすく、カマキリの給水場所にもなってくれます。
天井や壁などでの脱皮を想定して、鉢底ネットを使ってドーム状に足場を作っておくと、さらにあんしんです。
水に浸したガーゼ
カマキリは喉の渇きに弱い昆虫です。ケース内の乾燥は脱皮の失敗の原因にもなります。カマキリの水分摂取、飼育ケース内の湿度保持のために、水に浸したガーゼを用意しましょう。
このガーゼは、カマキリが口を付けて水分補給する可能性があります。フンなどで汚れないよう、止まり木の下を避けて設置してください。
また、ガーゼを長く放置すると、フンが付着するなどし、雑菌が繁殖します。傷んだ水でカマキリが体調を崩さないよう、適宜取り換えて替えて清潔に保つようにしましょう。
カマキリにおすすめの餌
カマキリの餌は、体が小さい幼虫の時期には小型のハエやアブラムシ、成虫であればバッタやチョウ、トンボ、コオロギなどを与えましょう。
人間の食べものであれば、生肉やかまぼこ、魚肉ソーセージ、無糖のヨーグルトなどがおすすめです。与える場合は、なるべく無添加のものを選ぶようにしてください。
ヨーグルトを与える際は少量の水で伸ばし、竹串などの先に付けて目の前で動かしてください。串ごとつかませると、舐めとるようにして食べてくれます。
個体によって好き嫌いがあるので、何度か試して食い付きがよいものを探してみましょう。
カマキリを飼う際に気をつけること
カマキリの飼育は、注意点さえ守ればそれほど難しくはありません。
しかし、カマキリは成虫のまま越冬できる昆虫ではなく、遅くとも11月頃にはその寿命は尽きてしまいます。
ここからは、少しでも長く元気な状態で飼うことができるよう、カマキリを飼育する際の注意点を説明します。
ケースを清潔に保つ
カマキリのフンや食べ残しなどが溜まらないよう、ケース内はこまめに清掃しましょう。特に、黒色のフンや食べ残した昆虫の腹部などは腐敗しやすいので、見付け次第取り除くようにします。床材として草や藁を敷いている場合も、適宜交換が必要です。
清掃はカマキリが逃げ出さないよう、別の飼育ケースなどに移してから行うようにしましょう。
ケース内から酸っぱいような刺激臭や、壁や足場に茶色の汚れがあった場合は、不衛生な環境が原因で、カマキリが嘔吐した可能性があります。その際は、飼育ケース内の環境をきれいに保つよう心がけましょう。
野生の餌は寄生虫の危険がある
餌には昆虫を与える方が、より自然に近い形でカマキリを飼育できますが、思わぬリスクもあります。それは、生餌となる昆虫にハリガネムシが寄生している可能性です。
水中にいるハリガネムシの幼生は、食べられることによって、カゲロウやトビケラの幼虫に寄生します。その幼虫が成虫となったのちに、ほかの昆虫に食べられることで、食した昆虫が次の宿主として、ハリガネムシに寄生されることがあるのです。
ハリガネムシは、雑食や肉食性の昆虫を最終宿主として利用します。そのため、ハリガネムシに寄生された昆虫をカマキリが食べると、ハリガネムシに寄生されてしまうでしょう。寄生されたカマキリは栄養を奪われ、行動をコントロールされます。
ハリガネムシに寄生されるリスクを下げたいのであれば、人間の食べものか、ペットショップで餌用に売られているコオロギなどを与えましょう。
餌は二日に一回で十分
カマキリは大量の餌を必要とする昆虫ではないので、与えすぎには注意しましょう。餌を与える頻度は、幼虫であれば毎日でも構いませんが、成虫であれば二日に一回で十分とされています。
狭い飼育ケースのなかで、大きなキリギリスなどを生餌として与えると、逆にカマキリが襲われる危険性もあります。生餌を与える場合は、カマキリの胸部の長さと同じ位のバッタやコオロギを与えましょう。
人間の食べものを与える場合も、量が多くなり過ぎないよう注意してください。
また、カマキリは脱皮の前後には餌を食べなくなります。餌を入れても食べる様子がなければ、衛生面などを考慮し、餌は置かないようにするとよいでしょう。
いつでも水分を補給できるようにする
カマキリは乾燥に弱い昆虫です。カマキリが常に水分補給できるよう、ガーゼに清潔な水が含まれているか気を配りましょう。ガーゼが乾燥したり、フンで汚れていたらすぐに清潔な水を含んだものに取り換えます。
ガーゼを置く以外にも、霧吹きを使ってケースの壁や止まり木の葉っぱに水をかけましょう。付着した水分を、カマキリが舐めとって摂取することが可能です。霧吹きを行うのは、数日おきで構いません。
適切な飼育方法で大切に育てよう
カマキリは必要な飼育用品が少なく、飼いはじめることは比較的簡単にできます。適切な餌の与え方と飼育方法の注意点を守れば、よい状態で飼い続けることも可能です。
生きた昆虫を狩るカマキリですが、生餌だけではなく人間の食べものを与えることもできます。与え方と量に注意しつつ、飼っているカマキリの好みの餌を探してみましょう。
また、健康を保つためにも、ケース内や水場の汚れを確認したときは、すぐにきれいにしてあげてください。
カマキリは産まれてから一年に満たない期間で一生を終える、寿命の短い生きものです。飼うときは責任をもって、適切な飼育環境のもと大切に育ててあげましょう。
カマキリの生態についてまとめた別の記事もありますので、本記事と併せて参考にしてみてください。