ザリガニとはどんな生きもの?飼育の際の注意点や日本に生息している種類について解説
ザリガニはカニかエビかご存知でしょうか。本記事では、ザリガニの生態や飼育における注意点、日本に生息するザリガニの種類について紹介しています。日本国内で見られるザリガニについて知りたい方やザリガニの飼育を考えている方は、ぜひ、チェックしてみてください。
「ザリガニはカニの仲間?エビの仲間?」
「ザリガニの飼育における注意点は?」
「日本にはどんなザリガニがいるの?」
ザリガニの飼育を検討する際に、このような疑問や不安を持つ方もいるのではないでしょうか。
本記事ではザリガニの生態や飼育の際に気をつけるべきこと、日本に生息するザリガニの種類について紹介しています。
この記事を読むことで、ザリガニの飼育に必要な知識や、日本に生息するザリガニの特徴について把握できます。また、ザリガニとの時間を楽しむために、生態系を守る必要性といった知識なども学ぶことができるでしょう。
正しい知識を身に付けた上で、ザリガニの飼育をしたいと考えている方は、この記事をご覧ください。
記事のまとめ
- ザリガニはエビの仲間で、主に淡水に生息する甲殻類である。日本にはニホンザリガニやアメリカザリガニなど多様な種類が存在する。
- アメリカザリガニの販売や放流は法律で禁止されているが、飼育は可能である。適切な管理を行い、放流は避けるべきだ。
- 外来種のザリガニは生態系に悪影響を与える可能性があるため、ルールを守って責任を持って飼育することが重要である。
ザリガニの生態・基本情報
ザリガニは、川や池で見かける身近な生き物として、子どもたちに人気があります。
ザリガニを見たことはあるけれども、詳しい生態は知らないという方は多いのではないでしょうか。ここでは、ザリガニの基本的な情報を紹介し、その生態や魅力に迫ります。
水中の世界で見られるザリガニの生活について、理解を深めましょう。
ザリガニはエビの仲間
ザリガニはエビと同じ、甲殻類の仲間です。
甲殻類にはエビやロブスター、カニなども含まれますが、ザリガニは甲殻類の「ザリガニ下目(かもく)」に分類される生物です。そこからさらに、海産(エビ科)と淡水産(ザリガニ科)で細かく分類されています。
出典:甲殻類|環境省
アメリカザリガニの販売や放流は法律で禁止されている
アメリカザリガニは、子どもたちの間で人気のある生き物ですが、その生態系への影響が問題視されています。
そのため近年では、環境保護の観点からアメリカザリガニの販売や放流が法律で厳しく制限されています。
ここでは法律で制限されていることと、逆に許可なくできることを紹介しますので、参考にしてください。
出典:2023年6月1日よりアカミミガメ・アメリカザリガニの規制が始まりました!|環境省
許可なくできること
2023年6月1日からアメリカザリガニは「条件付特定外来生物」に指定されましたが、これまでどおり飼育することは可能です。飼育にあたり、届け出や許可などの手続きは必要ありません。
飼育する際は、適切に管理してください。飼えなくなった場合は無償で譲り渡したり、譲り受けたりし、責任を持って飼育します。間違っても外部へ放流しないようにしましょう。
また、飼育にあたり、どのような餌を与えればよいかわからずお困りの方は、ザリガニの餌について、より詳しく説明している記事も併せて参考にしてください。
出典:2023年6月1日よりアカミミガメ・アメリカザリガニの規制が始まりました!|環境省
法律で禁止されていること
日本では、アメリカザリガニの販売、放流、および自然界への持ち込みが法律で禁止されています。これは、外来種であるアメリカザリガニがもともとの生態系に悪影響を与えるのを防ぐためです。
飼育自体は規制されていませんが、飼育中の個体が自然に放たれることがないよう、十分な管理が求められます。
出典:2023年6月1日よりアカミミガメ・アメリカザリガニの規制が始まりました!|環境省
日本に住んでいるザリガニの種類
日本には、各地の水域に適応した多様なザリガニが生息しています。これらのザリガニは、体の色や繁殖方法などに違いがあり、地域によって異なる特徴を持っているでしょう。
日本に見られる主要なザリガニの種類と、それぞれの特徴や生息環境について詳しく紹介しますので、参考にしてください。
ニホンザリガニ
ニホンザリガニは、日本固有の淡水ザリガニで、体長約7cmの小型種です。茶褐色の体色を持ち、冷涼な清流や湧水地に生息しています。
岩の隙間や落ち葉の下で隠れながら生活し、植物の葉、小型昆虫、動物の死骸などを食べる雑食性です。
単独行動を好みますが、生息地の減少と外来種との競争にあおりを受け、絶滅危惧種に指定されており、保護が求められています。また、環境変化に敏感で清浄な水質を必要とします。
ウチダザリガニ
ウチダザリガニは、アメリカ原産の食用ザリガニで、体長は10〜15cmに達し、青灰色から赤褐色の体色が特徴です。
前肢の爪が特に大きく発達しており、この点がほかのザリガニと区別する特徴の一つです。高い適応能力と繁殖力を持ち、日本では北海道や本州の湖沼、河川に広がり、外来種として生態系に大きな影響を与えています。
水質の変化や水生植物の減少に加え、ニホンザリガニとの競合が特に問題視されています。
アメリカザリガニ
アメリカザリガニは、アメリカ南東部~メキシコ北東部に生息するザリガニで、体長約10cm、赤褐色が特徴です。
過去に食用ガエルの餌として持ち込まれ、その後、全国の湖沼や河川に広がりました。強い繁殖力と環境適応力を持ち、雑食性で水生植物や小魚、昆虫を食べます。
外来種として在来種や水生生態系に悪影響を及ぼし、特にニホンザリガニとの競合が問題として挙げられています。さらに、アメリカザリガニは耐久性が高く、汚染された環境でも生存可能なので、分布域が拡大しました。
ミステリークレイフィッシュ
ミステリークレイフィッシュは、2006年に札幌市の天然水域にて発見されたザリガニで、小さく細かなはさみを持ち、薄青白や薄茶色の体色が特徴です。特定外来生物に指定されたので、ペットとしての飼育は禁止になっています。
大きな特徴の一つは、オスを必要とせず単為生殖で繁殖し、短期間で個体数が急増することです。現在確認されている個体はすべてメスで、オスは見つかっていません。
劣悪な環境でも適応して生息できるので、現在世界中で爆発的に増殖しています。
出典:ミステリークレイフィッシュ【外来種・特定外来生物】|札幌市
ルールを守ってザリガニの飼育を楽しもう
外来種のザリガニは多様な環境に適応しやすく、生態系に悪影響を与えることがあります。そのため、適切な飼育が求められ、放流や違法な取引は禁止されています。
飼育者はルールを守り、ザリガニを最後まで責任を持って世話することが大切です。自然環境を守りながらザリガニとの時間を楽しむために、ルールを守り、慎重な飼育を心がけましょう。
ザリガニの捕まえ方も知りたいという方は、こちらのザリガニ釣りに関する記事も参考にしてみてください。